2007/08/31

す(>ε<)

暑いときには酸味のあるものが食べたくなるよね。
適度な酸味は食欲を増進させるし、なによりさっぱり食べられるのだ。
酸味の調味料と言えばお酢ということで、少し調べてみたのだ。

お酢の歴史はとっても古く、紀元前5千年前の古代バビロニアではすでに確認されているとか。
日本でも応神天皇のころに伝わったというから、3~4世紀にはあったということなのだ。
アルコール作りに失敗すると自然にできてしまうものなので、そうやて失敗で生まれたものが、今度は意図的に作られるようになったんだろうね。
酸味を加える調味料としてだけでなく、食べ物を長期保存させる酢漬けに使われたりもするから、けっこう重要なものなのだ。

お酢はむかしからアルコールをさらに酢酸発酵させて作ってきたのだ。
はじめは自然に酢酸発酵してしまったみたい。
ワインなんかは保存が悪いと酢酸発酵して自然にワインビネガーになってしまうけど、そういうことから発見されたはずなのだ。
アルコールができるときは酵母(イースト)=真菌(カビ)が糖を分解してアルコールにしているんだけど、酢酸発酵の場合は、アセトバクターという真正細菌(バクテリア)がそのアルコールをさらに発酵させて酢酸にするのだ。
この反応には酸素が必要なので、空気に触れているところしか酢酸発酵しないみたい。
なので、お酢を作るときはよく撹拌することが大事なんだって。

酵母による発酵は実は条件がけっこうきびしくて、きちんと温度管理しないで高温になりすぎたりすると、繁殖しやすいバクテリアが勝って腐ってしまうんだよね。
そこまでいかなくても、お酢になってしまうのだ
実際、アルコールやお酢の発酵過程ではその他の細菌等による発酵も微妙に行われていて、乳酸発酵で乳酸ができたり、タンパク質が分解されて各種アミノ酸ができたりしているのだ。
これがお酒やお酢のコクやうま味成分なんだそうだよ。
化学的に作ってもあまりおいしいお酢ができないのはこういう成分のためなのだ。
なので、原材料の違いや発酵過程の違いで大きく味に違いが出るんだよね。

食用のお酢は一部で工業的に化学合成したものもあるらしいけど、ほとんどは醸造酢。
日本の場合は日本酒をお米で造っていたこともあって米酢が主流だよね。
逆に欧州はワインがたくさん作っているのでワインビネガーなのだ。
でも、糖分があればそれがアルコールになって、さらにお酢になるので、麦やじゃがいもなんかでもよいわけ。
ボクは甘みもあって酸味もさっぱりしているのでりんご酢が好きかな。
これはリンゴ酒を酢酸発酵させるのだ。

ちなみに、ポン酢なんかの場合は実際には柑橘類の絞り汁が使われるよね。
その中には酢酸も入っているけど、主要な酸味成分はクエン酸。
なので、酸味の種類は少し違うんだよ。
クエン酸はすぐに吸収され、栄養源になる物質としても有名だけど、そういう性質のためか、疲れているときにはとてもおいしく感じるんだよね。
レモンのはちみつ漬けを疲れているときに食べるととても甘く感じるのはそのためなのだ。

2007/08/30

炒めた米

今日は前に炊いて残っていた冷凍ごはんを使ってカレー炒飯を作ってみたのだ。
これがなかなかおいしくできて満足。
でも、カレー炒飯って、カレーピラフって呼ばれることもあるけど、あんまり違いはないよね?
でも、炒飯とピラフは確かに違う料理なのだ。
そこで、ちょっとピラフと炒飯の違いについて調べてみたよ。

ピラフは、トルコ発祥の料理で、お米を炒めてからスープなどで炊いた料理なのだ。
トルコやギリシアではお米だけで作るものもあって、「付け合わせ」として食べられることが多いみたい。
トルコが世界帝国を築いたおかげで、中近東から欧州まで広くこの料理は伝わって、日本でもおなじみの形のピラフはフランス料理として確立されたもののようなのだ。
イタリアではこれがリゾットになっているし、スペインでは、バレンシア地方の郷土料理のパエリアになるんだよね。
いずれも生のお米を炒めて、その後に炊くというのが特徴。

一方、炒飯は中国が発祥の料理で、一度炊いたお米を具と一緒に炒めた料理。
ピラフは炒めたお米を炊くんだけど、こっちは炊いたお米を炒めるのだ(笑)
中国はインドと並んでアジアの文化の中心だったわけだけど、料理の世界もそうで、この炒飯は東南アジアから日本まで広がっているのだ。
最近はインドネシア料理のナシゴレンやタイ風炒飯なんかもよく見かけるよね。
日本でも独自の発達をしていて、冷めたごはんを比較的おいしく食べる方法なので家庭料理としても根付いているのだ。
個人的には、にんにくとベーコン、キムチを入れたキムチ炒飯が好きなんだ。簡単に作れておいしいんだよ(^o^)/
中国の基本中の基本の炒飯は、卵でごはん粒を包み込むように炒めて、具はネギだけ、塩味であっさり味付けるんだよね。
でも、中国でもかなりバリエーションはたくさんあって、あんかけ炒飯だとかまであるよね。

問題のカレー炒飯だけど、炊いたごはんを炒めてカレー粉で味をつけたのが真正のカレー炒飯なのだ。
カレーピラフにするには、生米を炒めてから、カレースープで炊きあげることが必要なんだよね。
たぶん、そういう風には作っていないので、これはただ単に炒飯とピラフの区別があいまいになってsまっているだけなのだ(笑)
さらに、似たようなものとしてドライカレーがあるよね。
多くのドライカレーはおそらくカレー炒飯なのだ。

でも、ドライカレーにはもうひとつの形態があって、それは、汁気の少ないミートソース状のルーをかけて食べるカレーのこと。
これはインドやパキスタンでも食べられる汁気の少ないカレーの一種なんだけど、特に関西では、ターメリックで黄色く色をつけ、場合によってレーズンを混ぜ込んだごはんに汁気の少ないカレーをかけるドライカレーがあるんだよね(生卵がつく場合も多いよ。)。
関東ではあまり見ないのだ。
なので、ドライカレーと一言で言っても、「見解の相違」があるかもしれないというわけ。
ピラフと炒飯は定義はきちんとしてるけど実際には明確に区別されていなくて、ドライカレーは全く違う料理が同じ名前で呼ばれているのだ。
なんだかややこしいね(笑)

2007/08/29

月を食らう

28日には久々の大型天体ショーの皆既月食があったんだよね。
日本や米国の西部では観測可能だったんだけど、ボクの住んでいる米国東部では皆既月食になるのは月が沈んでからなので、日の出直前に部分月食が観測できるはずだったのだ。
でも、空全体は晴れていたのに、西の空の低いところにだけ分厚い雲があって、せっかく日の出前に早起きしたのに観測できなかったよ(>_<)

月食というのは、月と地球、太陽が一直線に並んで、月が地球の影に入るために起こる現象なのだ。
でも、満月ってたしか月と太陽がそれぞれ地球の逆側にあるときに見られるんだよね。
すると、満月のたびに月食が起こってもよさそうなものなんだけど、そんなには甘くない(?)のだ。
実は、太陽が地球のまわりを回る見かけ上の空の軌道を「黄道」と言うんだけど(本当は地球が太陽のまわりを回っているので「見かけ上」なんだよ。)、これと、月が地球のまわりを回る空の軌道の「白道」には傾きにずれがあるのだ。
で、太陽は地球に比べてはるかに大きいので、このずれの分で月は地球の影から外れて太陽の光を反射できるわけ。
でも、傾きにずれはあっても交差する場所があるので、たまたまその近くに来たときに満月になると月食が起きるのだ。
タイミングがばっちりだと今回のように皆既月食になって、まだちょっとずれていると部分月食になるというわけなのだ。

前回日本で皆既月食が全国で見られたのは6年前の2001年1月。
次は3年後の2010年12月だって。
うまく月が出ている時間に月食がかさならないといけないので複雑なようで、定期的に見られるというものでもないようなのだ。
1年のうちに数回見られることもあれば、数年で1回しか見られないこともあるそうだよ。
そういう意味では、今回は貴重な機会だったのだ。

月食の場合、日食と違って月が全く見えなくなる、というわけではないんだよね。
一般に「赤銅色」と呼ばれる赤黒い色に見えると言われているのだ。
というのも、地球の影には入るんだけど、地球の表面にある大気は光を屈折させるため、地球の影の中にはまったく光がないわけじゃなくて、屈折された光がわずかに存在しているのだ。
で、波長の短い(青い)光ほど大気で乱反射されやすいのでこの影の中には少なくて、あんまり反射されず、屈折の影響しか受けない波長の長い(赤い)光が残るというわけ。
その光を反射するので赤っぽく、しかも暗いので黒く見えるんだけど、大気の状況や月の高度でこの色はかなり変化することが知られているらしいよ。

赤くて暗い月なんてなんだか神秘的だよね。
ぜひ観測したかったのだ。
次の機会にはなんとしても観測したいな。

2007/08/28

新内閣発足

参議院選挙での惨敗を受け、第二次安倍内閣が発足したねぇ。
野党からはさっそく、「首相の続投が一番のサプライズで、旧態然とした人事でがっかりだ。」なんて批判が出ているけど、これからどうなるのかな?
厚生労働大臣になった桝添さんは、まだ東大をやめたばかりで国際政治学者と名乗っていたとき、深夜番組で「Tバックじゃんけん」なんてのに喜々として参加していたんだけど、そのころのことはもうタブーなんだろうね(笑)
批評するのと自分がやるのとでは大違いだから、手腕が注目されるのだ。

そんな内閣なんだけど、内閣法という法律で、内閣に所属する国務大臣は内閣総理大臣が任命することになっていて、定員は14名以内と決まっているのだ。
特別に必要がある場合は、さらに3名以内を追加することができて、最大で17名となるわけ。
国務大臣は日本国憲法の規定で過半数は国会議員から選出しないといけないんだけど、逆に言うと、半分未満までは民間人でもいいんだよね。
と言っても、これまでそんな多くの民間人が登用されたことはないんだけど・・・。

各省の長は、国家行政組織法によって各省大臣とする、という規定があって、それは首相が国務大臣から指名することになっているのだ(首相自らが兼ねてもいいんだよ。)。
なので、この時点で、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済作業省、国土交通省、環境省、防衛省と11名も埋まってしまうのだ。
さらに、内閣法によって内閣官房長官は国務大臣をもって当てる、とあるので、これで12名。
その上、警察法の規定により、国家公安委員会の委員長は国務大臣をもって当てる、とあるので13名が埋まってしまうのだ。
加えて、内閣府設置法で、重要政策会議である経済財政諮問会議と総合科学技術会議に関する事務を担当するためにそれぞれ担当の内閣府特命担当大臣を置くことができるとされているのだ。
これにとどまらず、同じ内閣府設置法で、金融と防災については内閣府特命担当大臣を置くことができる、という規定になっているんだよね。
それだけでなく、食育基本法や先日できたばかりの海洋基本法などでは、担当の国務大臣を置く旨が規定されているので、その担当大臣も決める必要があるのだ。
で、実は、○○担当というのは別に法律の規定に基づく必要もなくて、「無任所」大臣として首相が発令することができるので、自由に「○○担当大臣」っていうのが任命できるんだ。
イノベーション担当とか再チャレンジ担当なんてのがそうだよ。

こうやって見ていくと、それぞれ一人ずつ任命したのでは定数を超えてしまうので、通常は特命担当大臣は兼任という形にするのだ。
最近では各省大臣が他の担当大臣を兼任している例も多いよね。
例えば、国土交通大臣は観光立国担当と海洋政策担当なんかを兼任しているのだ。
今回の内閣で一番兼任が多いのは、岸田文雄さんで、内閣府特命担当大臣として、沖縄及び北方対策、国民生活、科学技術政策、再チャレンジ、規制改革と5つ兼任しているんだ。
これらはそれぞれ内閣府の局や本部なんかの業務に担当した大臣なので、きっと忙しいと思うよ。
均等割だと、1週間にそれぞれ1日ずつ顔を出すことになるよね(笑)

こうやって見ていくと、内閣っていうのはいろいろな法律の制約の中で任命されるんだねぇ。
なかなか大変なものなのだ。
今回は身元調査も厳しくやったというし、そういうのを考えると、組閣の作業というのもものすごい大変なのかも。

2007/08/27

缶詰

米国のスーパーに行くと、日本との違いに気づくんだよね。
それは、冷凍食品がやたらと多くて種類があって、逆にレトルト食品が少なめなこと。
缶詰も日本と比べて多くの種類があって、野菜、果物、肉、スープ、お惣菜などなどいっぱいあるのだ。

これにはどうも歴史があるようで、早くから缶詰の技術が発達していた米国では戦前にはかなり缶詰が普及していたのだ。
キャンベルのスープ缶やポーク・ビーンズ、ポパイで有名なほうれん草の缶詰なんかだよね。
さらに、冷蔵庫の普及も早かったので、その後には冷凍食品の時代がすぐ来たみたい。
こっちではほとんど家で料理することはなくて、外食するか冷凍食品をあたためるか、というくらい普及しているのだ!
で、この二つが普及していたおかげで、レトルト食品はそんなに普及していないみたい。

日本の場合、缶詰もそれなりにはあったけど、戦前は高級品でそんなに一般には普及していなかったんだよね。
それに、米国で発達しているスープ缶やお惣菜缶(ポーク・ビーンズとかチリ・ビーンズとか)、野菜の水煮缶といったものは日本の食生活にはそんなに合わないので、サバの水煮缶、焼き鳥の缶詰、カニ缶など独自の発達をとげていくんだよね。
そんな中、米国のアポロ計画の中で宇宙食用に開発されたレトルトパックが注目され、冷蔵庫が普及していなかった日本ではすぐに普及するのだ!
米国では軍が使うくらいだったんだけど、日本ではボンカレーがレトルト食品として発売され(ボンカレーはアポロ11号が月に到着する前に売り出されているのだ!)、一気にレトルト食品が発展していったのだ。
今でもカレーが多いけど、丼の具やパスタのソース、ハンバーグなどなどいろいろあるよね。
レトルトパックは缶詰の金属の缶がプラスチックの袋に置き換わったものだけど、軽くて調理も簡単なので普及したのだ。

缶詰はもともと食べ物を長期保存するために生み出されたものなんだけど、そのおおもとは、ナポレオンさんが戦場に持っていく食料の長期保存方法を公募したことによるのだ。
そのとき出てきたのが瓶詰めで、調理した食材を瓶に詰め、殺菌して長期保存できるようにしたんだよね。
でも、ガラス瓶は重くて壊れやすいので、これが後に金属缶に置き換わるのだ。
最初のころは殺菌が不十分で破裂するようなこともあったらしいけど、技術が発達してからは保存食の代名詞になるのだ。
(わざと中身を発酵させるために殺菌しない缶詰もあるけどね。)
で、今ではイージー・オープンといって、缶切りを使わなくてもプルトップで開けられるようになっているんだよね。
どんどん便利になっているのだ。

缶詰を殺菌するときは、調理済みの食材又は生の食材と調味液を缶の中に入れ、ふたをして高圧高温下で蒸すのだ(いわゆるオートクレーブというやつ。)。
このとき缶の中身に熱が加えられるので、その熱も考慮して中身を工夫するんだよ。
調理済みといっても半分しか火を通してなかったり、火が通りやすい野菜なんかは水と一緒に入れるだけだったりするのだ。
レトルトパックも同じような感じで、レトルトのカレーの場合、野菜は生の状態で入れて、加熱殺菌のときに火が通るようにするみたいだよ。
缶詰の場合は、加熱殺菌が終わると、最後に打検棒というパチンコ玉のような丸い玉が先についた棒でたたいて、音の反響で中身がおかしくないかどうか確かめるんだよね。
長年の経験がものを言うみたいだけど、音を聞いただけで缶のゆがみとか中身の状態を推測するんだからすごいよ!

2007/08/26

白いお米

これまでは前に住んでいた人が残していってくれた玄米を食べていたんだけど、いよいよ食べきったので、今日は米国で買った白米を炊いてみたのだ。
基本的に米国に来てからほとんどお米は食べていないんだけど、たまにカレーライスなんかが食べたくなるので、一応買っておいたんだよね。
すしがはやっているせいか、コシヒカリやあきたこまちといったブランド米もあったんだけど、ボクが買ったのは、アリゾナ州産のMedium Grain Riceというやつなのだ。

実は、これは一昔前の、いわゆる「カリフォルニア米」というやつで、日本のお米に比べるとほんの少し細長いのが特徴なのだ。
でも、食べてみた感じ、ぱさぱさするわけでもなく、べちゃべちゃにもならなかったので、なかなかおいしくいただけたよ。
かつては陸稲(おかぼ)なんて言われて敬遠されたものだけど、品種改良が進んだのか、日本人の口にも合うようなのだ。
中国人や韓国人の移民も多いから、需要があるっていうのもあるんだろうけど。

お米は大きく分けるとまずは「うるち」と「もち」に分かれるんだよね。
「うるち」が普段食べているお米で、「もち」はおもちにするもち米のことなのだ。
一般にうるちは粘り気が少なく、もちは粘り気が強いんだけど、これは主成分のデンプンの違いに由来するものなのだ。
デンプンはブドウ糖がらせん状につながった高分子なんだけど、うるち米の場合、分岐があって枝分かれしてつながっているデンプンのアミロペクチンのほかに、まっすぐ枝分かれなしでつながっているアミロースが含まれているのだ。
一方、もちの方はアミロースがほとんど含まれていないんだ。
このアミロペクチンの分岐が粘り気の正体で、枝分かれしている部分が互いにからみ合うことで粘性が出てくるんだよね。
なので、よりアミロペクチンの含有量の少ないうるちは粘り気が少ないのだ。

で、このうるち米もさらにお米の粒の大きさで種類が分かれるのだ。
主に産地の違いなんだけど、日本で食べられているのは粒が小さいジャポニカ種というもの。
日本のお米は短粒種というもっとも粒の小さい種類で、うるち米でも粘り気が強いのが特徴なのだ。
さらにジャポニカ種の中にはもう少しだけ粒の大きなものがあって、それが中粒種。
ボクが食べたカリフォルニア米があさにこれで、日本のお米に比べると少し細長くて、ちょっと粘り気が少ないからぱさぱさするのだ。
程度の問題だけどね。

タイ米に代表される細長いお米がインディカ米で、長粒種と呼ばれるもの。
非常にぱさぱさしていて、粘り気が少ないのが特徴なのだ。
こういうお米は水で煮て調理して、余分な水気を捨ててから少し蒸らして食べる、という食べ方をするんだよね。
日本や中国のようにお米を炊くわけではないのだ。
下手に炊こうとするとべちゃべちゃになっておいしくなくなるんだけど、ちゃんと現地の食べ方で調理するとそれなりにおいしいんだよ。
※日本のお米と同じと思うとびっくりするけど。

さらに東南アジアの島しょ部などで作られていてジャバニカ種という大粒のお米もあるみたい。
これは文字どおり大粒種というもので、お米の一粒一粒がとても大きくて、粘り気が少ないところはインディカ米に似ているみたい。
ブラジルやイタリアでも作っているらしいんだけど、パエリアやリゾットなどのお米を煮る料理に向いているそうだよ。

というわけで、世界にはいろいろなお米があるんだよね。
無理に日本式の食べ方をすると失敗するけど、それぞれのお米で伝統的に培われてきた食べ方をすればおいしく食べられるのだ。
まずはそれぞれのお米にあった調理法を勉強するのが重要だね。

2007/08/25

揚げた鳥

うちの近所のスーパーのお総菜コーナーでは、毎週金曜日にフライドチキンの安売りがあるのだ。
まるまる1羽分の8ピース入りで5ドル未満(600円くらい)という破格!
さすがフライドチキンの本場なのだ。
いつもは売り切れで買えないんだけど、今日は運良く買うことができたんだ(^o^)/
でも、さすがに全部食べきることはできなかったので、一部は冷凍して保存食(?)にすることにしたのだ。

フライドチキンは衣をつけて鶏肉を揚げた料理だけど、考えてみると唐揚げも同じような料理だよね。
で、実はこの2つには明確な違いはなくて(そもそも両方とも明確な定義が存在しないのだ。)、洋風で骨付きのままスパイスをきかせた小麦粉の衣をつけて揚げてあったら、一般にフライドチキンとして認識されるみたい。
唐揚げは一度揚げが多いけど、フライドチキンの婆iaよりやわらかく揚げるために二度揚げしたり、一回蒸したりゆでたりしてから揚げることがあるっていう違いもあるようなのだ。
でも、ようは洋風の唐揚げってことだよね(笑)

もともと欧州の文化では鶏肉はゆでたり焼いたりして食べるのが普通だったみたいなんだけど、スコットランドでは例外的に揚げて食べる文化があったようなのだ。
それが米国に移民を通して伝わって、広まったのが米国のフライドチキンだそうだよ。
スパイスをきかせて独自の発展を遂げたフライドチキンは南部発祥で、もともとは黒人の間でよく食べられていたんだとか。
鶏肉は比較的安価で入手できるし、食べづらい部位も油で揚げるとやわらかくなって食べられるようになるし、何より高カロリーで満腹感も得られるので、主に労働者階級の食事だったようなのだ。
なので、白人の富裕層にははじめは受け入れられてなくて、野蛮な食べ物くらいの扱いだったみたい。

でも、はじめはドライブインとして始まったケンタッキー・フライドチキンがファースト・フードとしてチェーン展開を始めると、このフライドチキンのネガティブなイメージは薄まっていって、米国を代表する食べ物にまで登りつめるんだよね。
今ではホットドッグやピザ、ハンバーガーと並んで代表的な米国のジャンクフードのひとつなのだ(笑)
たいていどこに行っても軽食(スナック)としてフライドチキンは売られているんだよね。

日本にはやっぱりこのケンタッキー・フライドチキンがフライドチキンの文化を伝えたなけど、他にフライドチキンを大々的に提供するお店が登場しなかったので、長らくケンタッキー・フライドチキン=フライドチキンという認識だったのだ。
確かに、ボクが子どものころはフライドチキンといえばケンタッキー・フライドチキンで、他ではあまり見かけなかったよね。
でも、コンビニでホット・スナックとしてフライドチキンが売り出されるようになると事態は大きく変わって、日本中でどこでも手軽に食べられるものに変わったのだ。
コンビニフライドチキンはなかなかの売上げで、かなりのヒット商品なのだとか。
こういう軽食系は利益率も高いので、コンビニも力を入れていて、スパイスをきかせたり、ガーリックをきかせたり、和風味を作ってみたりと開発にも余念がないんだよね。
そういう流れを受けて、ケンタッキー・フライドチキンも辛いフライドチキンや和風のフライドチキンなどの、オリジナルのフライドチキンに加えてバリエーションを増やすようになったのだ。
まさにフライドチキン戦国時代なわけだね(笑)

ちなみに、ケンタッキー・フライドチキンの圧力鍋によるやわらかいフライドチキンの製法や、スパイスの調合比率なんかはいっさい特許がとられていないんだよね。
というのも、特許を取るとその情報を公開しなくちゃいけないからなのだ。
特許制度では決められた期間内しか技術・情報の占有が認められないので、ずっと門外不出にするためには特許をとってはまずいというわけ。
これはコカ・コーラのレシピも同じだよ。
今は分析技術も進んでいるから、まったくまねできないというわけではないだろうけど、オリジナルのレシピの保護は徹底しているんだよね。

2007/08/24

えびかに

ときどき、カルシウム補給とかいいながらエビのしっぽを食べる人がいるよね。
確かに骨っぽいんだけど、エビやカニの殻は骨とは違ってカルシウムは入っていないのだ(>_<)
あの殻はキチン質と呼ばれる多糖類で、紙の主成分であるセルロースと似たようなものなのだ。
ちなみに、昆虫やムカデの外骨格も同じ成分だよ。

セルロースはブドウ糖が平面上にたくさんつながった高分子なんだけど(らせん状につながるとデンプンになるのだ。)、ブドウ糖の代わりに、ブドウ糖の水酸基のうtのひとつがアミノ基に置き換わったグルコサミンという糖がつながるとキトサンという物質になるのだ。
で、グルコサミンのアミノ基にアセチル基がアミド結合したN-アセチルグルコサミンというものがつながるとキチンになるんだよ。
でも、実はグルコサミンだけがつながったものやN-アセチルグルコサミンだけがつながったものは自然界にはなくて、実際は混じってつながっているんだけど、アセチル基が多いとキチンと呼んで、少ないとキトサンと呼ぶみたい。
アセチル基の量の大小は物理的に検出できるみたいだよ(NMRや赤外吸光分析などでわかるらしいのだ。)。

そのむかし、課に柄健康食品としてキチン・キトサンは話題になったけど、本当にどこまで効果があるのかはヒトではよくわかっていないのだ。
でも、生物由来なので資源量がほぼ無限にあると想定できて(カニやエビが絶滅しない限り)、生分解性物質なので環境にもやさしくて、加工が容易で繊維やフィルム状にしていろいろな用途に使えるので、材料としては注目されているみたい。
特に、キトサンは医療分野でよく利用されていて、繊維状やスポンジ状にして人工皮膚や創傷保護材として使うみたい。
そのほか、他の高分子と同じように、繊維や樹脂として様々な目的に使うようなのだ。
カニやエビの殻も、適度にかたさがあるけど柔軟性もあって、と殻の材質としてはなかなか優れものなんだよね。

ちなみに、エビやカニの甲殻類は、大きく分けるとエビ(長尾類)、カニ(短尾類)、ヤドカリ(異尾類)にわかれるんだよね。
これは、しっぽの長さで区別しているんだけど、長いのがエビ、短いのがカニ(カニの尾はおなかにめくれ上がっている部分だよ)、曲がっているのがヤドカリなのだ。
でも、必ずしもこの見た目だけではなくて、タラバガニなんかはカニと言われているけどヤドカリなんだよね(笑)

2007/08/23

五里霧中

日本は暑いみたいだけど、米国北東部は涼しい日が続いているんだよね。
湿気があるのに気温が上がらないためか、いきなり涼しくなった最近は朝や夕方がガスっているのだ。
なかなか幻想的な雰囲気(^o^)/
で、気になったのが、これは「靄(もや)」なのか「霧(きり)」なのかということ。
どっちも同じもののような気がするけど、天気予報とかでは区別しているんだよね。
ということは、きっと違いがあるに違いない!、と思って、調べてみたのだ。

調べてみると答えは簡単で、どちらも空気中に微少な水の粒子が浮かんでいて視界が遮られる状況を差すんだけど、そのとき、視程(どこまで先が見えるか)が1km未満の濃いものを「霧」、1km以上の薄いものを「靄」と呼ぶようなのだ。
水の粒子ではなくて、エアロゾルが原因で視界が遮られるものは「煙霧」と呼ばれるようで、中国から来る黄砂なんかで起きるらしいよ。
「霧」の中でも特に濃いものは「濃霧」で、前がほとんど見えないような状況だと「濃霧注意報」が出たりするよね。

「靄」や「霧」が発生するメカニズムも単純で、大量の水蒸気を含んだ大気が何らかの原因で冷やされ、水蒸気の一部が結露して水の粒子になってできるのだ。
空気中の水蒸気の量が飽和水蒸気圧に達する露点温度より低くなるとこういう減少が起きるんだよ。
原理としては雲ができるのとまったく同じ。
雲との違いは、空中で水の粒子ができるか、地上近くでできるかだけの違いなのだ。
定義上は、空中にあって地面に接していなければ「雲」、地面に接していると「霧」となるみたい。
雲をいただく高い山に登ったとき、雲の中にはいると霧の中にいるような感じがするのは、そもそも両者には物理的な違いがないからなのだ(笑)

で、靄や霧ができるには気温が下がることが必要なんだけど、それにはいくつか原因があるみたい。
晴れた冬の日などに放射冷却で冷え切った地面に湿った空気が触れると、そこに靄や霧が発生するのだ。
そこまで行かなくても、地面近くで白いもやもやが見えることはあるよね。
それから、あたたかく湿った空気が冷たい海上や陸上を通るときに冷やされて発生する場合もあるみたい。
海上の霧の多くはこれが原因みたいで、この場合は範囲もわりと広くて持続時間も長いみたい。
あたたかい川や湖の上に冷たい空気が来ると、あたたかく湿った水の上の空気と冷たい空気が混ざって靄や霧が発生することもあるんだって。
冬に行きが白くなったり、お風呂に湯気がのぼったりするのと同じ原理だけど、寒い朝に川に出る霧なんかはこれみたい。
山に沿って湿った空気が上昇し、断熱膨張で冷えて霧や靄が発生する場合もあるみたい。
これは山に雲がへばりついているように見えるのだけど、山の地面に接しているので雲ではないのだ。
雲が流されてきて山にかかるのとは違うんだよ。

というわけで、けっこう単純な原理なんだけど、発生原因はいろいろとあるみたい。
ボクが今朝見たものは、放射冷却で冷えた地面に湿った空気が触れてできたものかな?
夜のうちにくもっていると、地面は熱を放射して冷えていくんだけど、雲が赤外線を吸収するので、空気は冷えないんだよね。
すると、あたたたく湿った空気と冷えた地面ができるのだ。
こうやって理屈がわかるとなんだかすっきりするねぇ(^o^)/

2007/08/22

ういろう

ようかんに似ているようで、もっともっさり、ねっとりしているのが名古屋名物のういろう。
難読漢字としても知られていて、「外郎」と書いて「ういろう」と読むんだよね。
そのままだと「げろう」と読んでしまいそうなのだ・・・。

このういろうは江戸時代に寒天でかためたようかんが出てくる前までに食べられていた蒸しようかんをもとにしたもの。
米又はワラビ、たまに小麦の粉と砂糖(黒砂糖が多いみたい)を加えて水で練って、蒸し上げて作るのだ。
最近では果物のフレーバーをつけたり、色素をいれてカラフルに作っているよね。
有名な青柳ブランドだと小倉あん、白あん、抹茶、サクラ、上がりと5色のういろうなのだ。
ようかんだと思って食べるとがっかりするけど、ういろうはういろうでけっこうおいしいお菓子だと思うのだ。

このういろうは、痰きり・口臭消しなどに使われていた、小田原の薬の「外郎薬(ういろうやく)」が名前の由来になっていると言われているんだよね。
この外郎薬がとても苦いので口直しにういろうが食べられていて、お菓子の方もういろうと呼ばれるようになったとか、お菓子の外郎の形が薬の外郎薬に似ていたのでそう呼ばれるようになったとか説はいろいろあるみたい。
でも、おもしろいのは、薬の外郎薬は小田原のもので、お菓子のういろうは愛知、岐阜、三重(むかしで言うと尾張、三河、伊勢、飛騨のあたり)のものなんだよね。
地元の小田原にもあるし、山口や宮崎の方でも有名らしいけど、名古屋を中心とする地域で発達したというのは、やっぱりそこが商業の中心だった殻なんだろうね。
織田信長さんが楽市楽座で尾張を一大商業地区にして以来、現在まで名古屋は商業都市になっているというのはすごいよ。

(もともと「ようかん」のエントリーがだぶって登録されていたので、「ういろう」の記事に差し替えたのだ。)

2007/08/21

熱帯低気圧

現在メキシコの少し南のあたりにハリケーン・ディーンが発生していて、場合によってはテキサスに上陸するかもしれないと非常事態宣言が出ているのだ。
米国では、ハリケーン・カトリーナで甚大な被害が出て以降、ハリケーンには神経質なほどに敏感になっているんだよね。
今回も被害が出そうだ、というだけで、救援隊の出動を要請していたりするのだ。

でも、そこで気になったのが、ハリケーンと台風の違い。
どちらも熱帯低気圧で風速が強いものというくらいの認識しかないのだけど、はりけーんだとなんだかすごい暴風雨の竜巻を想像するよね。
逆に台風だと強風の中で横殴りに雨がうちつけるイメージがあるのだ。
でも、これはボクの印象論なので(笑)、きちんと調べてみたのだ。

調べてみると、ちょっとがっかりなんだけど、ハリケーンや台風、サイクロンの違いは発生する地域によるのだ!
ハリケーンは北米大陸のまわりの太平洋東部・大西洋西部、台風は東アジアの南シナ海や太平洋西部、サイクロンはインド洋や太平洋南部で発生するということなのだ。
でも、微妙に強さは違っていて、台風の場合は東アジアで発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が34ノット(17.2m/s)のものなのだ。
一方、ハリケーンはもっと規模が大きくて、北中米で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が64ノット(32.4m/s)以上のもので、34ノット以上64ノット未満のものはトロピカル・ストームと呼ばれるんだって。
サイクロンの場合は特に風速による定義はないみたい。
で、この地域での区分は越境した時点で名称も変わるんだって。
インドで発生した熱帯低気圧は、インド沖にあるうちはサイクロンと呼ばれるけど、南シナ海まで入ってくると台風になるのだ!
だったら統一的な名前にすればいいのにね(笑)

米国ではハリケーンはフロリダで大西洋及び太平洋北東部、ハワイで太平洋北中部で発生するものを監視しているとか。
それぞれについてその年ごとに発生順にA~Zまでの名前をつけることになっていて、ハワイとフロリダでは独立して名付けるみたい。
でも、日本のように1号、2号と記号だけにするのではなく、アルファベットに対応した「名前」のリストがあって、それぞれのアルファベットから始まる名前をつけるのだ。
今猛威をふるっているハリケーン・ディーンはDeanなので、Dということだよ。
日本風に行けば4号ということだけど、今年になって大西洋側で発生した4番目のハリケーンなのだ。
ちなみに、ハリケーンが越境した場合は、名前をつけ直すんだって、っやこしいねぇ(>_<)

台風やハリケーンは反時計回りに渦を巻くのだけど、これは地球の自転の影響によるものなのだ。
台風やハリケーンでは中心部の気圧が最も低いわけだけど、風は気圧の高いところから低いところに向かって吹くんだよね。
すると、中心に向かって風が吹くことになるんだけど、このとき、地球の自転によるコリオリの力が働いて、風の進行方向が曲げられるのだ。
北半球の場合は右向きに力が加わるので、反時計回りの渦になるというわけ。

南半球だと逆向きの左向きに力が加わるので時計回りの渦になるのだ。
でも、赤道上の場合はコリオリの力はゼロになるので、渦にはならないんだよね。
実際にそういう状況は想定されないけど、ちょっと見てみたい気もするよね。
今回のハリケーンについては、たまたま国際宇宙ステーションに行っていたスペースシャトルから画像が撮られているのだけど、それを見ると確かに渦巻きが反時計回りなのがわかるよ。

コリオリの力で渦を巻くのは、鳴門の渦潮も同じだよ。
ちなみに、お風呂の栓を抜いたときの回転はコリオリの力ではなくて、栓を抜いたときの状況によってどちら向きに渦を巻くか決まるみたい。
そういう小さい規模のものではコリオリの力はほぼ無視できるほど小さいようなのだ。
コリオリの力によってフーコーの振り子は1日かけて1周して円を描くけど、確かにそれくらいの弱い力なんだよね。

2007/08/20

夕立

米国の東側は梅雨はないけど夏の気候は非常に日本とよく似ていて、とにかく蒸し暑いのだ。
しかも、天気もわりと不安定で、昼間かんかんに晴れていたと思ったら、夕立でざーっと雨が降ったりするところも似ているんだ。
そのおかげで、そんなに環境の変化にとまどうこともなく暮らせるんだけど、気になるのは、夕立ってなんで夏によく降るのかな?、ということ。
日本でも米国でも夏の蒸し暑い時期によくあるってことはきっと何かあると思って調べてみたのだ。

夕立は、午後から日暮れにかけて一過性に、時に強く降る雨のことで、夏の風物詩なんだとか。
でも、旧暦だとすでに土用を過ぎてから降るので季語としては秋みたい。
多くの場合は地域も限定的で、数km四方だけ雨が降っているという状況なんだって。
一過性で範囲も狭いのでまず水害の原因とはならないけど、雷を伴うことも多いので、その被害はけっこうあるみたい。
夕立が降ると地面が一気に冷えるから、夜が涼しくなって気持ちいいんだよね(^o^)/
ほんのちょっとしか降らないとかえって蒸し暑くなったりもするけど。

で、肝心の夕立のメカニズムなんだけど、夏の強い日差しで地面があたためられて、上昇気流が発生するのが原因みたい。
で、蒸し暑い場合はその上昇気流はとても湿気があるのだ。
湿気のある暖かい空気が上昇していくと、100mにつき約1度ずつ温度が下がっていくんだよね。
でも、その上昇気流のまわりにある普通の空気の層は、100mごとに約0.6度ずつしか低くならないので、ある程度上昇するとまわりの空気と同じ温度になって、そこからは上昇しなくなるのだ。
乾燥した上昇気流ならそこで止まって終わりなんだけど、湿気がある場合、温度が下がると上昇気流の中の水蒸気が凝結して水になるのだ。
これが雲のもとで、その水分量が多いと、雲ができるというわけ。
こうして積乱雲ができて、夕立が降ってくるのだ。

水蒸気が凝結して水になると、そこで少し発熱するから、また空気があたたまるんだよね。
すると、けっこうな高度まで上昇していくこととなるのだ。
(水蒸気が凝結しながら上昇していく場合は、100mごとに0.5度ずつしか下がらないのだ。)
上昇すればするほどまわりの空気の温度は低くなるから、零下になることもあるのだ。
すると、水はさらに氷になって、その氷の粒同士がぶつかったりすると、静電気がたまって雷も起こるんだ。
ちなみに、水が氷になるときも発熱するから、氷ができはじめるともう少し上まで上昇するんだよね。

ようは湿気のある空気があたためられて上昇気流になって、それが雲になって雨を降らせるんだけど、雨を降らせるほどの上昇気流はいくつかの条件が満たされないとできないので、夕立は局所的になるのだ。
で、蒸し暑い夏の時期は、空気に湿気もあって、強い日差しもあって、夕立につながる条件がそろっているので、夕立が起こりやすい季節ということになるのだ。
米国でも西部や南部の方は乾燥しているというから、きっと夕立はないんだろうね。

2007/08/19

かみなり

ボクが来ている米国東側は日本と同じで夏は蒸し暑い気候なんだよね。
しかも、夕立がよく降るところも似ているのだ!
いきなり雷が鳴って、ざーっと雨が降った入りするので、この時期はカサが手放せないんだ。
たいていはすぐやむので雨宿りできればやり過ごせることも多いけど。
そんなわけで、今日は雷のことが気になったので調べてみたのだ。

今では雷は静電気の放電現象だって広く知られているけど、むかしはそんなことよくわからなかったんだよね。
神様が天罰を下しているんだと考えたり、神様が地上に降りてくるときの光だと考えたりと、どうも超自然的なものと世界中で考えられていたみたい。
日本ではあんまり雷神の地位は高くないんだけど、ギリシアではオリンポスの主神ゼウスが雷の神様だし、インドでもインドラ(仏教では帝釈天)は非常に格の高い神様なのだ。
この雷が電気であることを証明したのは、米国の「すべてのヤンキーの父」ことベンジャミン・フランクリンさん。
雷の鳴り響く中、たこを揚げて、たこ糸の先に静電気を蓄積するライデン瓶をつないで、雷の正体が静電気であると確認したんだよ。
でも、これは自分に雷を落とす実験なので非常に危険で、まさに命がけのものだからまねしてはいけないのだ。
ちなみに、雷の被害を避けるための避雷針を発明したのもベンジャミン・フランクリンさんみたい。

雷のもととなる静電気は、雲の中の氷の粒が衝突したり、摩擦しあったりして発生するもので、そうしてできた静電気の電位差(電圧)が空気の絶縁の限界を超えると、雲の中で放電が始まるのだ。
放出された電子は空気の分子に衝突し、そこから陽イオンが生まれ、その陽イオンがまた他の分子にぶつかって電子が出て・・・、と雪崩現象で次々と電子や陽イオンが発生していくんだ。
こうしてさらに静電気が蓄積されていって、地上との間で電位差が一定の限界を超えると一気に放電して雷となるのだ。

雷は放電現象なので、基本的にどこに落ちるかは確率的にしか決まらないんだけど、「落ちやすいところ」に落ちるんだよね。
で、その「落ちやすいところ」というのは放電の経路が短いところのことなのだ。
むかしは金属のものに落ちやすいと言われたけど、どうもそれは俗信で、実際には高いもの、でっぱっているもの、とがっているものに落ちやすいのだ。
高い木のすぐしたなんかに非難すると、かえって落雷の被害にあるので危険なんだよ。
高い木などの落ちやすい場所から少し距離を置いて姿勢を低くするのがいいみたい。
開けたところだと何もないところにも落ちる可能性があるので、「落ちやすいもの」を避雷針代わりにして、そこから少し距離をとるのがいいそうだよ。
ちなみに、車に乗っている場合は車の表面を電気が流れてくれるので中は安全だとか。
かえって外に出ない方がいいみたい。

雷のゴーとかバリバリとかドーンという轟音は、セーターなんかで発生している静電気のばちっというのと基本的には同じみたいだけど、もっと規模が大きいので音もすごいし、震動・衝撃波もあるのだ。
雷の放電経路では空気の分子は数万度にも達するらしいんだけど、そうするとそのまわりの空気が爆発的に膨張して、真空状態が発生するのだ。
さらに、そこにまわりの冷たい空気が流入してきて、轟音と震動が生まれるというわけ。

日本では音を雷、光を稲妻と呼ぶけど、英語ではそれぞれthunderとlightningなんだよね。
ま、日本の区分けはあいまいで、かなりいい加減に使うけど(笑)
でも、雷の音と光で、どのくらい離れたところで発生しているか見当がつけられるんだよね。
光の速さは毎秒30万kmなのでほんの一瞬で届くわけだけど、音速はおよそ毎秒340mなので、光に比べるとかなり遅いのだ。
なので、遠くで雷が発生すると、先にぱっと光って、後から音が聞こえてくるわけだけど、光と音のタイムラグに音速をかけるとだいたいの雷の発生区域での距離がわかるんだよね。
3秒くらいのラグだったら1kmくらい離れているということなのだ。

なかなか落雷に遭うことはないと思うけど、雷の被害は山火事の原因になったり、送電線に影響して停電の原因になったりといろいろあるので、けっこう身近に影響が出るんだよね。
ボクは日本の自宅では光回線だったんだけど、雷の翌日に回線が不通になったことがあったのだ!
米国に来てからも雷の後にちょっとの間だけ停電になったよ。
こういうのは避けられないけど、近所に雷が落ちると電線を通じて家庭のプラグにまで過電流が流れてくることがあるので、電子機器が故障することもあるのだ。
なので、雷が近くで鳴っているときはパソコンなどの精密電子機器はコンセントを外しておいた方がいいんだよ。

2007/08/18

古い細菌?

ぼーっとしているときに、思いもよらないことを思い出したりすることってあるよね?
ボクは今日、大学時代に習った「古細菌」という言葉を思い出したのだ。
とは言え、思い出したのは「音」だけで、中身はともなっていなかったので(笑)、調べてみることにしたんだ。

古細菌というは細菌と言うくらいで微生物の一種で、ボクが習ったころは「Archaebacteria(単数形はArchaebacterium)」と呼ばれていたのだ。
バクテリアの前の「archae」は「古代」を表す接頭辞で、考古学=archaeologyなんて言葉もあるよね。
今はバクテリア(真正細菌:Bacteria)とは性質が違うので、まぎらわしくないように「Archaea(アーカイア)」と言われるようになったみたい。

この生物は、海底火山の近くで噴出している熱水の中やとても濃い塩濃度の海水の中で発見されて、1977年にバクテリアとは別のものとして分けるべきと提唱されたのだ。
で、住んでいる環境が太古の地球環境に近い極限的な環境だったころから、きっと古くからいたものに違いない、とバクテリアより古くからいる、という意味を込めて古細菌とか始原菌とか名付けたんだよね。
でも、その後、けっこう広範に生息していることがわかり、しかも、バクテリアよりも真核生物(Eukaryote)に近いことがわかって、いわゆるバクテリアより世代の古い生物ではないことまでわかったんだよね(笑)
なので、今では後生細菌なんて呼ぶこともあるみたい。

生物は大ぐくりで分けると3つに分かれるというのが今の考え方で、それが細菌(バクテリア)、古細菌、真核生物の3つなのだ。
これらはドメインと呼ばれるもので、生物の基本単位の細胞の構造の違いに着目しているんだよ。
真核生物ドメインの下には、原生生物界(藍藻など)、菌界(いわゆるカビ)、動物界、植物界などの界(Kingdom)があって、さらにその下に脊椎動物門などの門(Division)、ほ乳綱などの綱(Class)、霊長目などの目(Order)、ヒト科などの科(Family)と下位分類に分かれていくんだ。
上野の国立科学博物館なんかに行くとこの生物の分類法がわりとわかりやすく説明してあるんだよね。

で、古細菌とか言うとなじみがないようだけど、実はかなり役に立っているのだ。
主な例はDNA検査の試薬。
DNA検査では人工的に特定のDNA状の塩基配列を増幅させるPCR(Polymerase Chain Reaction)という方法を使うんだけど、この時に使うDNAの複製酵素は好熱菌という古細菌由来のものなのだ。
普通のバクテリア由来のものだと50度くらいですぐに失活(酵素としての活性がなくなること)してしまうんだけど、好熱菌の酵素は90度以上になっても活性が維持されるんだ。
で、このPCR法ではDNAの二重鎖をくっつけたりはなしたりしながら反応させていくんだけど、そのときに60度から95度くらいの間の温度変化を繰り返すんだよね。
最初の最初は温度変化させるたびに酵素を足したと言うけど、この好熱菌の酵素の発見のおかげで、そんなことせずに楽に反応させられるようになったわけ。
そのおかげでかなりDNA検査もやりやすくなったんだよ。

まだまだわかっていないことが多いし、深海底などの人間にとって未知のフロンティアでも新たな種が見つかったりしているので、まだ全体像はつかめていないみたい。
でも、研究はどんどん進んでいて、これからいろんな分野でその研究の成果が応用されていくかもしれないんだよね。
そういう意味で専門家の間では注目を集めている生物なのだ。

2007/08/17

財布の中のアレ

新聞を読んでいたら、なかなか興味深い記事があったんだ。
それは、1セント硬貨(ペニー)に関するもので、なんでも、原料の亜鉛の値段が上昇して、1セント硬貨を作るのに2セント近いコストがかかっているので、原料の見直しをしたい、というようなことなのだ。
米国では、硬貨に使用する原料の金属は連邦議会が決めることになっているので、今はそれに向けて働きかけ中なんだって。

もともとは1セント硬貨は銅貨として作られていたんだけど、銅の価格の高騰により、亜鉛に銅メッキに変わったんだよね。
でも、さらに亜鉛が高くなってきたので、鉄や他の金属にすることも検討しているそうだよ。
戦争時は銅が不足して一時的に鉄に亜鉛コーティングしたものが流通したり、けっきょく流通しなかったけどアルミニウムの硬貨も製造されたことがあるとか。
極論では、どのみちほとんど流通していない硬貨なので、いっそのことなくしてしまえばいい、なんてのもあるんだとか。
確かに消費税の端数で少しもらうくらいなんだよね。
でも、ペニー硬貨には思い入れの強い人もいて、そうもいかないみたい。

同じように5セント硬貨(ニッケル)も製造に5セント以上コストがかかっているとか。
これも原料のニッケルと銅の価格が高いためで、こっちも問題になっているみたい。
ちなみに、1セントや5セントは、使われている金属の価値の方が硬貨の価額より高いので、溶かして金属で売るともうけられるんだって。
なので、米国ではこれを法律で禁止していて、けっこうな罰金刑や禁固刑に処されるみたい。
でも、観光地では1セント硬貨をつぶして記念品にする機械があるけど、それは大丈夫なのかな?

で、この事情は日本でも同じなんだよね。
日本の1円玉は製造コストが2円弱と言われているのだ。
これは原料のアルミニウムが高いことと、加工コストもけっこうかかっているからなのだ。
アルミニウムの場合は、ボーキサイトを推算かなとリムで処理してアルミナ(酸化アルミニウム)を作って、それを電気分解するのだ。
これは他の金属に比べて精錬コストが高いんだよね。
でも、日本の場合は消費税の導入でむかしよりはるかに1円硬貨が流通するようになったから、廃止はされないと思うのだ。
下手に低コストを追求するとプラスチックの硬貨ができるかもね(笑)

よく知られていることだけど、日本の硬貨はこっていて、1円玉は半径が1cm、重さが1gなのだ。
デザインは公募されたものなんだって。
5円玉の場合は、重さが3.75gでちょうど1匁(もんめ)。
むかしの1文銭と同じ重さで、同じように真ん中に穴が開いているんだよね。
デザインもこっていて、穴のまわりのぎざぎざは歯車で工業を、「五円」のまわりのしましまは波で水産業を、稲穂は農業を、裏面の若葉は林業をそれぞれ表していて、各種産業が盛り込まれているんだよ。
さらに、日本の硬貨で唯一アラビア数字がないものなんだって。
(これが外人には混乱のもとになるらしいけど。)

2007/08/16

天ぷら

冷蔵庫に玉ねぎとニンジンがあまっていたので、どうやって食べようかな?、と考えたんだけど、ふと思いついて、野菜だけのかき揚げにすることにしたのだ。
油の量をけちったのでばらばらになってしまったけど、なかなかおいしく食べられたよ。
小麦粉の衣をつけて油で揚げるだけだけど、食感もよくなるし、野菜の甘みも出てきておいしくなるよね。
この食べ方を考えた人は偉いのだ!

ということで、少し調べてみると、天ぷらの原型が伝わったのは16世紀ころで、宣教師たちが欧州のフリッターのような魚に衣をつけてあげる料理を持ち込んだのが始まりだとか。
当時は南蛮焼きと呼ばれていて、ちょうどムニエルを作るときに魚に小麦粉をつけて焼くのと同じようなもので、もうちょっと衣が厚いものだったと思うのだ。
たぶん、南蛮漬けに使うアジの揚げたのや、チキン南蛮のトリに近いのかも。

それが日本で独自の発展をとげて、さくさくの薄い衣をまとう料理に変身したみたい。
江戸時代に魚介類をタネにした天ぷらと、野菜をタネにした精進揚げが普及して、立ち食いの屋台から高級料亭まで広く提供されるようになったんだって。
江戸時代は魚介類と野菜を分けていたんだけど、さらに時代が下ると一緒になって、薄い衣をつけて揚げたものの総称が天ぷらになるのだ。
最近ではまんじゅうやアイスクリーム、肉類、ちくわ、となんでもあるよね(笑)

今でも九州で天ぷらというと薩摩揚げを指すことがあるけど、これはもともと天ぷらという言葉が油で揚げる料理一般を指す言葉として使われていたからみたい。
きっと九州ではいわゆる天ぷら(狭義の天ぷら)よりも薩摩揚げの方がポピュラーだったので、油で揚げた料理=薩摩揚げで、天ぷら(揚げ物の一般名称の広義の天ぷら)と言えば薩摩揚げになったんだろうね。
ボクなんかはどっちも好きだけど。

天ぷらはコンセプトは非常に単純な料理なんだけど、それでいてけっこう技術を要する料理でもあるんだよね。
油の温度や衣の量なんかがけっこう重要で、さくっとした食感が出なかったり、油でもったりしてしまったりするのだ。
一般的には、揚げる寸前までネタはよく冷やしておくこと、衣に使う小麦粉は混ぜすぎないことなどがコツとして指摘されるんだよね。
小麦粉は混ぜすぎるとグルテンができてしまって、衣がべたついて、さくっとした食感が出ず、もったりとするのだ。
ダマが残るくらいでもいいので、さっと混ぜて、さっとネタをつけて揚げるのがよいみたい。
ちなみに、衣に重曹なんかを入れると、よりさくっとした食感になるのだ。
市販の天ぷら粉にも入っているよ。

衣をつけてあげることで、中の水分が適度に保存されながら蒸発していって、熱もゆでるときよりも高温で調理可能なのだ。
なので、比較的短時間で仲間で火が通るわけ。
しかも、素揚げの場合には、野菜などでは表面がしわしわになってしまうけど、衣をつけてあげるとそういうこともなく、食感も衣のおかげでさくっとするし、中の野菜もうまく揚げるとしゃっきりしたまま揚げられるのだ。
油をたくさん使うけど、野菜を食べる方法としては、かなりおいしく食べる料理法ではあるんだよねぇ。
ちなみに、高温で一気に火を通すので、ビタミンなどの栄養素もゆでる場合に比べてはるかにぬけにくいんだよ。

2007/08/15

クランベリー

米国では本当によくクランベリーを見かけるんだよね。
ジュースもよく売っているし、ヨーグルトなんかのフレーバーにも必ずあって、クランベリーソースをかける肉料理もけっこうよく食べるみたい(七面鳥は必ずクランベリーソースだよ。)。
で、ドライフルーツでもよく食べるみたいで、ボクも前に米国土産でもらったことがあったよ。

ブルーベリーと並んで北米原産の果物で、もともとはネイティブ・アメリカン(インディアン)が食料や薬、染料として使っていたんだって。
それを入植者が見て、自分たちも食べるようになったのだとか。
なので、新大陸から出てきた食習慣なのだ。
ビタミンCが豊富なので、航海中の壊血病(ビタミンC欠乏症)予防のためによく食べられたそうだよ。

クランベリーは、果物にはめずらしくバラ科ではなくてツツジ科の植物で、確かに生のクランベリーを見るとツバキ油をとるツバキの実に似ているような気がするよ。
でも、クランベリーの場合はあまりにもすっぱいので、生食されることはなくて、たいていは加工食品になるんだよね。
だから生のクランベリーの実を見かけることは少ないのだ。
でも、自分でジャムを作ったりする人のために、ときどきスーパーで売っているよ。

クランベリーの木は高さ10cmくらいのとても低い木で、ジャムやジュースにする用の傷がついてもいいクランベリーは、木から落とした後に畑に水を張って、浮いているものを一気にすくうんだとか。
これはクランベリーの実の中にいくつか空洞があって水に浮きやすいからできる芸当なんだって。
それにしても、すごい収穫方法だよね!

クランベリーは健康食品としても注目されているようで、クランベリージュースやドライ・クランベリーはダイエット食品としてもよく見かけるのだ。
これはポリフェノールの一種のアントシアニンという赤い色素を大量に含んでいて、しかも食物繊維が多く、低カロリー・低脂肪だからなんだって。
ボクも街をぶらぶらしているときにサンプルをもらったけど、適度な酸味もあって、そこそこ甘くて、けっこうおいしいのだ。
でも、米国の人はこってりと甘いのに慣れているから、こういうのは合わないんじゃないかな?
ちなみに、なぜかクランベリージュースはとても濃いので、たぶん、水で半分に薄めたくらいの方がおいしいのだ(笑)

2007/08/14

サマータイム

米国ではサマータイムが実施されているので、時計の針が1時間進んでいるんだよね。
実際に自分で体験するまでは1年の途中で時計の針を動かさなきゃいけないなんてめんどくさいだけなじゃいのかな?、と思っていたんだけど、これはけっこう意味があると思うのだ。
なにしろ、夜遅くまでわりと明るいので、1日がより長く使えるんだよね!
日本人と違ってあまり残業しないできちんと帰宅する米国の人にとってはかなりお得な制度だと思うよ。

このサマータイムはイギリス英語ではそのままsummer timeなんだけど、アメリカ英語ではdaylight saving timeと言うんだって。
確かに昼間の時間を有効活用しよう!、ってことだからね。
メリットとしては省エネにつながるとか、余暇が充実する、夜が明るいので犯罪や交通事故が減る、などが挙げられているのだ。
逆に、デメリットとしては生活リズムが崩れる、早く帰って家で空調を使うからたいして省エネ効果はない、時間で管理しているシステムに支障が出る、などなのだ。
デメリットも慣れてしまえばどうってことないような気もするから、導入してみてメリットが感じられるかどうかだと思うんだけどね。

このサマータイムを考案したのは、米国で「ヤンキーの父」として尊敬を集めるベンジャミン・フランクリンさん。
この逸話は映画「ナショナル・トレジャー」にも出てくるよ。
この人はいろんな制度を考えたんだよね。
でも、サマータイムは彼の時代には実現せず、実際に最初に導入されたのは、第一次世界大戦中の1916年で、英国とドイツで採用されたとか。
米国でも一度1918年から導入されたんだけど、そのときは不評ですぐに廃止されてしまって、復活したのは第二次世界大戦中で、資源節約の目的で始められたんだって。
それが今も続いているのだ。
と言っても、必ずしも全部の州や地域で導入されているわけじゃなくて、採用していないところもあるんだって(例えば、ハワイ州とか、アリゾナ州の一部とか)。

日本では連合国軍の占領下の1948年から1951年まで採用されていたんだって。
「夏時間法」というそのままの名前の法律が作られ、当時はそのままローマ字読みされて「サンマー・タイム」とか呼ばれていたらしいよ。
でも、あまりにも不評で廃止されてしまうのだ。
当時はまだまだ多かった農民の生活リズムが狂うかとか、それまで1時間ずれて時差通勤になっていたサラリーマンと公務員の通勤時間帯が重なりラッシュアワーが発生するようになったとかが主な原因だそうだよ。
でも、その後も省エネ効果などに着目されて導入の動きがあって、今でも国会議員の間ではサマータイム導入を目指す人たちがいるんだよね。
米国でできているからやってやれないことはないけど、今からいきなり導入すると時計を使ったコンピュータ・システムには改修が必要だから、けっこう大変かも。
その特需で経済効果があるかもしれないけどね(笑)

でも、日本でかつて使われていた「刻」は不定時法と呼ばれるもので、サマータイムの考えに近いものだったんだよ。
室町時代くらいから始まり、明治のはじめまで続いたんだけど、日の出と日の入りの間を昼と夜とし、それぞれを6等分したのだ。
すると、日の出・日の入りの時刻の季節変動で、「刻」の長さも季節によって変わるよね。
夏の昼の「一刻」は長くて、冬は短いんだよ。
で、むかしはこの不定時法で暮らしていたんだから、農家の生活リズムが狂うっていうのはまさしく変化に伴う混乱というだけどよね。
お寺の「刻の鐘」をもとに農作業していたころから、今のようなきっちりと決まった定時法に移行したときも同じような混乱があったと思うんだよね。

2007/08/13

錠前開け

今日はなんと家のドアで「閉じ込み」をしてしまったのだ!
ちょっと寝ぼけていたんだろうと思うけど、カギを部屋に置いたままドアを閉めてしまって、オートロックのドアは非常にも施錠されてしまったのだ・・・。
で、日曜日だったので管理人さんもいなくて、カギ屋さんを呼んで開けてもらうことに。
けっきょくそれで午前中いっぱいつぶれてしまったよ(>_<)

で、今日はそのカギ屋さんが使っていたカギを壊さずに開ける方法についてちょっと調べてみたのだ。
泥棒する場合は気にする必要がないので、カギを壊したりして開けることもあるんだけど、カギ屋さんは基本的にはカギを壊さずに開けるのが仕事なんだよね。
それだけ技術があるっていうことだけど、この技術はすぐに犯罪につながるので、できる限り詳細な技術情報は公開しないように職業組合で申し合わせているんだよね。
これは日本でも米国でも事情は同じなのだ。

今日のカギ屋さんが使っていた技術はピッキングとバンピングというもの。
どちらも最近は犯罪で使われて有名になったけど、カギ屋さんの間では伝統的な技術みたい。
両方ともピンシリンダー錠というカギを開ける技術なのだ。
ピンシリンダーというのは一般的な錠前で、カギのぎざぎざと錠前の中のピンがうまくかみ合うようになっていて、そのピンが押されて持ち上げられると開錠されるという仕組みなのだ。
最近のピッキング対策の錠前はもう少し複雑なものになっているみたいだけど。
で、このピンシリンダーを正規のカギを使わずに開ける技術というわけ。

ピッキングは、テンションとピックという道具を使うんだけど、テンションというのはカギ穴に差し込みながら、先が少し曲がったピックをカギ穴の中でこするようにしてピンを動かすのだ。
いわゆるヘアピンを伸ばしてカギ穴に入れてカギを開けようとするのと同じようなものだけど、カギ穴の中をライトで照らしてのぞきながら、カリカリとねらって動かすみたいだよ。
それが技術なんだろうけど、単純なカギの場合はランダムに動かしても開いてしまうようなのだ。
数分で開けられる技術だけど、さすがにぴっkんぐしている様子は不審者にしか見えないので、たいていは暗がりとか人気が少ないところで犯罪に使われるんだって。

もうひとつのバンピングというのは、カギ穴の種類ごとに作られたバンプキーという特殊なカギを差し込んで行うのだ。
このカギはカギ穴には入るんだけど、そのままではピンとうまくかみ合わないんだよね。
でも、このカギをカギ穴に差し込んで、このバンプキーを強くたたいて衝撃を与えるのだ。
そうすると、カギを伝わってカギ穴の中に均等に震動が伝わって、うまくいくとピンが持ち上がってカギが開くんだとか。
原理的にはカギ穴の中がどんなに複雑であれ、均等に衝撃を与えられるので、ピンを動かせるそうだよ。
うちの場合はこのバンピングで開いたのだ。
こっちはどうしても大きな音がするので、やっぱり人気のないところでしか犯罪には使えないんだよね。

こうやってカギの原理を調べてみるとなかなか勉強になるなぁ、とは思うけど、二度とお世話にはなりたくないよね(笑)
こういう技術がなくてもすむように、これからは十分に注意しないと!

2007/08/12

Oak

日本で街路樹というとサクラやイチョウが圧倒的に多いと思うけど、米国ではオーク(oak)が一般的なのだ。
ボクはオークというとカシの木のことだとばかり思っていたんだけど、調べてみるとそうではなかったのでちょっとおどろいたよ!
欧米で言うオークはブナ科コナラ属の広葉樹全般を指す言葉で、特定の樹木の種類を指すものではないのだ。
オーク材なんて言うけど、これはヒノキ材やスギ材とは意味するところが違うということだよね。

オークには落葉樹も常緑樹も含まれていて、およそ数百種もあるとか。
日本では落葉樹をナラ、常緑樹をカシと区別して呼んでいるので、オークに該当する名詞はないみたい。
英語ではタコとイカを区別しなかったりするけど、そういうのと同じなんだろうね。
逆に日本ではヒツジ肉を区別してこなかったから、マトンとかラムに当たる日本語はないんだよね。
それぞれの文化で区別する必要がどこまであったかで変わってくるのかな?
でも、落葉するかどうかってけっこう大きな違いと思うんだけど・・・。
ドングリにしか興味がないと言うことなのかも(笑)

英国でオークと呼ばれるもので一般的なのは欧州原産のイングリッシュ・オークで、日本でいうとナラにあたるもの。
比較的かたい木質で、木目もあざやか、加工もしやすいので高級家具材なんかに使われるそうだよ。
日本のミズナラはこれに匹敵する材質なんだけど、オークを長らく「カシ」と訳してきたので、高級なオーク材としての素質が十分なのにそれが知られてなかったんだって。
それで「ぱちもん」扱いで二束三文で欧米に輸出され、それが高級家具に加工されていた時代もあったとか。
ちなみに、ミズナラは伐採すると大量の水が出てくるのでその名前があるのだ。
それだけ協力に水を吸い上げているんだね。

北米にあるホワイトオークはウィスキーの樽によく使われるもので、本来は蒸留酒でほとんど香りのない生(き)のできたてウィスキーをオークの樽で熟成させると独特の香りが移ることになるのだ。
独特の黄色から茶色い色も、この樽での熟成の時につくのだ。
最初はほぼ無色透明なんだよ。
よくホワイトオークは「カシ」とされているけど、落葉樹なので本来は「ナラ」のはずなのだ。
それから、北米には樹皮をコルクに加工するコルクガシもあって、こっちは常緑樹なので「カシ」なのだ。
細かいことにこだわらなくてもよいんだけどね(笑)

2007/08/11

花芽を食らう

スーパーに買い物に行ったとき、たまにはキャベツ以外の緑の野菜も食べようかな?、と思って物色資したのだ。
はじめはアスパラガスを買おうかな、と思っていたんだけど、以外に高いんだよね。
で、そのすぐ近くでブロッコリーが安売りしていたので、迷うことなくブロッコリーをお買い上げありがとうございますm(_ _)mだったのだ。

で、気になったのが、ブロッコリーとカリフラワーの違い。
どっちも似たようなものだよね?
色以外に何か違いがあるのかを調べてみたのだ。

ブロッコリーもカリフラワーもキャベツの変種で、アブラナ科の植物なのだ。
変種ということは、キャベツもブロッコリーもカリフラワーも「種(species)」は同じということ。
ピーマンやシシトウ、パプリカ、唐辛子も互いに変種同士で種は同じだけど、それと同じくらいインパクトがあるよ。
でも、種が同じということは遺伝情報なんかもほとんど同じと言っていいから、ますます違いがわかりづらいのだ。

どちらも地中海沿岸原産で、どうも、今のキャベツのもとになった野生のキャベツからまずブロッコリーが生まれて、そこからさらにカリフラワーが生まれたみたい。
でも、カリフラワーの方がより原種に近いというから不思議なのだ。
野菜として食べている部分はどちらも若いつぼみで、花芽のうちに食べているんだよね。
ほうっておくと茎が伸びていって、アブラナ(菜の花)のような黄色い花が咲くみたい。
キャベツも種を取るためにほうっておくとそうなるんだよね。
いったん葉っぱが丸まって、それがまたほどけて中から茎と花が出てくるのだ!

色の違いはあるけど、カリフラワーは白だけじゃなくて、紫やオレンジなんかもあるそうだよ。
日本では見かけないし、米国でもまだ見たことはないのだ。
でも、この色の違いは栄養の違いにもなっていて、ブロッコリーは緑色なだけあって葉緑素(クロロフィル)をたくさん含んでいて、さらにカロチン、ビタミンC、鉄分なんかもカリフラワーより多く含まれているとか。
そのかわりやわらかいので、ゆでるとすぐにビタミンCなどの栄養素はぬけてしまうんだって。
一方、カリフラワーは栄養素的にはブロッコリーに劣るけど、ブロッコリーよりかたくてつまっているので、栄養素が抜けにくいのだ。
カリフラワーはより長くゆでるけど、それでも栄養素はそんなに逃げないみたいだよ。

ボク的にもどっちでもしゃきっとした歯ごたえでゆでてあるのが好きだけど、最後はやっぱり彩りで選ぶよね(笑)
なんとなく緑色の方が野菜を食べている感じが強いので、ブロッコリーを選びがちなのだ。
でも、ブロッコリーゆですぎ注意だから、うまく調理しないとね。

2007/08/10

シャンプーの後に・・・

ボクはかなり髪の毛が太くて、しかもかたいんだよね。
シャンプーだけしか使わないと、すっごいごわごわになってしまって、朝起きると髪の毛が爆発してしまうのだ。
なので、リンスやコンディショナーをきちんと使う方なんだけど、いまいちその違いがよくわからず、いつもその場のフィーリングで選ぶんだよね。
でも、やっぱり気になるので、少し調べてみたのだ。

リンスはもともと「すすぐ」という意味の英語で、むかしのシャンプーは石けん水のようにアルカリ性の水溶液で、洗った後そのままにしておくとキューティクルが開きっぱなしでごわごわになってしまうので、お酢を水に溶かしたものなどの酸性の溶液ですすいでいたんだって。
それでその名前がついたんだけど、今ではシャンプーはほぼ中性なので、その必要はなくなって、別の役割になっているんだけど、名前だけ残っちゃっているみたい。

で、今のリンスは、シャンプーで洗うことですっかり洗い流されてしまった髪の毛の表面の油分を補給するためのもので、髪の毛をコーティングするのだ。
すると、髪の毛の表面がなめらかになるので、静電気でまとわりつくこともないし、ごわごわ感もなくなってくしのとおりもよくなるというわけ。
リンスの主成分は界面活性剤で、そこにコーティングされる油が溶けているんだけど、少しは髪の毛の洗浄効果もあるんだよね。
その洗浄効果を高めたのがリンス・イン・シャンプーで、別にリンスとシャンプーを混ぜたわけじゃなく、リンスの洗浄力を高めたものなのだ。

リンスは界面活性剤と油なので髪の毛の仲間では浸透していかないんだけど、髪の毛の仲間で有効成分を浸透させて、内側からしっとりやわらかい髪質にするのがトリートメント。
熱や染色で傷めた髪の毛の状態をよくするためにはリンスでコーティングするのじゃ足りなくて、トリートメントでしっかりケアしてあげないとダメだそうだよ。
ボクにはあまり縁がない話なんだけど・・・。

で、その中間的な存在がコンディショナー。
リンスよりも髪の毛をケアする能力は高くて、トリートメントほどではないとか。
でも、これらの境界はすっごくあいまいで、きちんとした区別があるわけじゃないので、メーカーごとに扱いはだいぶ違うみたい。
同じような成分でも、あるメーカーはリンスとして製造し、あるメーカーはコンディショナーとして製造するようなのだ。

2007/08/09

暑さを感じる

それにしても暑いねぇ。
新聞を読んでいたら、ボクの住んでいるワシントンDC近郊区域では、連日「今年最高の暑さ」を更新しているんだとか。
熱中症などに気をつけるように注意まで出ているのだ!

米国では、気象庁に相当するNational Weather Serviceは海洋大気局(NOAA:National Oceanic and Atmospheric Administration)の担当なんだけど、そこでっは独自に熱指数(heat index)というのを使って、実際に感じる暑さの指標にしているのだ。
どうも米国独自のものらしいけど、気温と湿度をもとに、実際にどのくらいの暑さに感じるかを気温で表したものなのだ。
こっちでは華氏を使うのだけど、今日なんかは気温自体は98度(摂氏で言うと37度ちょい)くらいだけど、熱指数で行くと100度をゆうに超えるみたい!
体温以上なのだ。

この熱指数は日本で使われる体感温度と似たようなもので、湿度が高くなると汗が蒸発しにくくなるから、気化熱の冷却効果が弱まるんだよね。
そこで、湿度の高さの効果を気温に反映させて、実際に感じる暑さを数値にするというわけ。
体感温度の場合は、風も考慮に入れていて、強い風が吹くとそれだけ気温を低く感じるように計算するんだよね。
なので、冬の寒さを表すときにも使われるのだ。
といいうことは、体感気温の方が便利かな?

夏の天気予報の常連といえば、不回数もあるよね。
最近は紫外線指数とかもあるけど、不快指数は老舗なのだ(笑)
これは、乾球温度と湿球温度、湿度から計算するもので(湿度を入れないで計算する式もあるみたい)、70後半から80になると蒸し暑くて不快に感じる人が出てきて、80より大きくなると多くの人が不快に感じるようになるとか。
逆に、数値が低いと肌寒いと感じるということなのだ。
春先なんかだと気温はそれなりに高くても肌寒く感じるときがあるよね。
そういうときはどうも湿度が低いらしいのだ。

で、この乾球温度と湿球温度なんだけど、これは湿度を調べるときに用いられるものなんだよね。
乾球温度というのは普通の温度計で計測する温度のこと。
湿球温度計は、温度計の一番下のタマ(温度計の指標になるアルコールや水銀がたまっているところ)にぬれたガーゼなどがついていて、ぬれた状態で温度を計測するものなのだ。
こうすると、気化熱の影響を考慮した温度が計測できるというわけ。
通常は気化熱で熱を奪われていくので乾球温度より低いんだけど、湿度100%、すなわち飽和水蒸気圧に達していると乾球温度と同じ値になるのだ。
この乾球温度と湿球温度の差と湿度の関係は表になっているので、そこから簡便に湿度を知ることができるのだ。
よく学校に置いてある百葉箱なんかにも入っているんだよ。

2007/08/08

ようかん

夏の一服の清涼剤と言えば、なんと言っても水ようかん!
ボクは目がないんだよね。
冷たくて、つるっとしたのどごしで、甘さも控えめで、と夏の和菓子の王様なのだ。
今年の夏は米国で過ごしているのでおそらく食べる機会はないのだけど、そう思うと余計に食べたくなるよ(>_<)

水ようかんと普通のようかん(煉ようかん)の違いは、名前のとおり水分量なんだって。
ようかんは小豆を主原料とした餡と砂糖に寒天を加えて固めて作るのが基本なんだけど、ようかんが餡の中に溶かした寒天を混ぜ込んでいくイメージなのに対し、水ようかんは寒天をお湯で溶かしたものに餡を入れていくイメージなのだ。
水ようかんは水分量が多いので日持ちはしづらいんだけど、その分、ぷるぷるとした独特の食感や、清涼感が楽しめるんだよね。
最初に考えた人は偉いのだ。

ようかんというのは「羊羹」という漢字を書くけど、なんでも最初は字のごとく「ヒツジ」の「あつもの(羮)」だったんだって。
「あつもの」というのは「羮に懲りて膾を吹く」の「あつもの」で熱いスープのことなんだけど、初期の羊羹はヒツジを使ったスープが冷めて、ゼラチン質が固まった煮こごりのことを指していたようなのだ。
鎌倉から室町の間にこれが日本に伝わるんだけど、禅宗のお坊さんを通して伝わったので、精進料理として肉の変わりに小豆を使うものになったそうだよ。
小豆はそのままでは固まらないので、それに小麦粉を加えた上で蒸して、デンプンで固めたとか。

戦国時代末期の天正年間に蒸して固める代わりに餡に寒天を入れて固める煉ようかんが発明され、日本独自のお菓子になったとか。
さらに江戸末期になって、寒天の量を減らして水分量を増やした水ようかんが登場することになったのだ。
ちなみに、蒸し羊羹は今でもあるけど、この手法は「ういろう」にもつながっていて、「ういろう」の場合は基本的には米の粉と砂糖を混ぜて蒸して固めるんだよね。
舟和の名物いもようかんは、裏ごししたさつまいもに砂糖を加えて、それに寒天を混ぜて作るんだけど、餡の代わりにイモを使ったものなのだ。
砂糖を少なめにすると自然な甘さになるし、寒天も最小限にすると、おいものほくほく感が出るのだ。
このいもようかんに小麦粉の衣を着けて焼いたのが、やっぱり浅草にある満願堂が有名ないもきんだよ。

今ではようかんにもいろいろな種類があって、栗ようかんは王道としても、抹茶ようかんや果物ようかんなんてのもあるよね。
餡さえ作れれば、寒天でかためてようかんになるのだ。
甘みをつけた牛乳を寒天でかためただけのものを牛乳ようかんと呼ぶこともあるけど、ま、今ではペースト状のものを寒天でかためたものの一般名詞なんだよね。

欧米の文化で言えばハードなムース或いはプディングのようなものだけど(プディングは蒸して作るしね)、ようかんはほとんどなじみがないのだ。
ボクの職場の元上司は、米国では絶対に手に入らないからと、米国出張の時にようかんを手みやげに持っていったらしいんだけど、空港でプラスチック爆弾と間違われてスーツケースを開けられて検査されたそうだよ。
確かに成分的にも似たようなものだし、X線画像でも区別はつかなさそう。
どちらものっぺりした、中身の詰まった四角いものが見えるだけなので、外国の人からしたら、それがお菓子であるとはわからないわけ。
※ちなみに、現在開発が進められているサブミリ波の検査装置だと、プラスチック爆弾の爆薬とようかんお成分の区別はつくはずなのだ、精度がよければの話だけど。
というわけで、ボクもようかんは食べたいけど、そうやってプラスチック爆弾と間違われるのもいやなので(笑)、帰国してから食べることにするのだ。

2007/08/07

日本の最高気温は山形県で記録された

米国には熱波が来ていて、ただでさえ暑い夏なのに、余計暑いのだ(>_<;)
中央部の方では40度超の気温も観測されているみたい。
体温以上だよ!
ほとんど温室にいるのと同じだよね。

で、そんな報道で思い出したのが、日本の最高気温は昭和8年に山形県で記録された40.8度ということ。
これってけっこう有名な話なんだよね。
豪雪地帯と思われる山形県だけど、最高気温のタイトルホルダー(?)でもあるのだ。
これは、かの有名な「フェーン現象」によるものと考えられているんだよね。
※今年の夏、日本の最高気温は埼玉の熊谷とギグの多治見で40.9度が観測されて更新されてしまったのだ!

フェーン現象というのは、アルプス山中に吹くフェーン(ドイツ語)という局地風から来た言葉で、他の地域でも同じようなメカニズムの現象が観測されることがわかってきたので、一般名称としても使われるようになったとか。
基本的には、湿った風が山を越える際に雨を降らし、山を越えて吹き下ろしになるころには乾いた、熱い風になる現象を「フェーン現象」と言うんだよね。
風が山にぶつかると、山に沿って上昇することになるんだけど、これはまわりと熱交換をすることなく上昇していくのだ。
で、高度が上がれば上がるほど気圧は低くなるので、空気は膨張していくんだけど、断熱状態なので、断熱膨張でその上昇している空気の温度は下がっていくわけ。
このとき、空気が湿っていると、ある程度気温が下がったところで飽和水蒸気圧に達して、水蒸気が凝結し始めるのだ。

これが雨になって降るんだけど、水蒸気は凝結する際に発熱するので、まわりの空気よりも気温の低下具合が少なくて、あたたかい空気になるんだ。
高度が100m高くなると気温は約0.6度下がるけど、湿った空気の場合は凝結熱による発熱のおかげで0.5度ほどしか下がらないので、1,000mの山の場合、まわりの空気より1度気温が高いわけ。
で、それが山を越えて、今度は山に沿って下降していくことになるんだけど、このときもやっぱりまわりの空気と熱交換しないので、断熱状態なのだ。
今度は下降していって、気圧は高くなっていくので、断熱収縮で気温は上がっていくんだけど、すでに余分な水分は雨として降らせてしまっているので、乾いているんだよね。
そうすると、まわりの空気よりも気温の上昇具合が大きくて、もっともっとあたたかい空気になるのだ。
乾燥した空気の断熱収縮の場合は、100m高度が下がると約1度温度が上がるので、1,000mの山だと、4度も暑くなるのだ。
こうして、1,000mの山越えの場合、のぼりで1度、下りで4度の計5度も気温があがってしまうわけ。
2,000mならその2倍の10度だよ! これは暑くなるはずだよね(>_<)


でも、空気が湿っていないと、のぼりの時の断熱膨張では、100m上がるごとに1度ずつ温度が下がるので、山を越えるともとの気温にもどるのだ。
ということで、湿った空気というのがポイントなんだよ。
山形の場合は日本海側から湿った風が吹いて、それが奥羽山脈を越えるときにフェーン現象が起きるというわけなのだ。
山形の人は、夏の暑さと冬の厳しさに耐えないといけないんだから、大変だよ。
その分、忍耐強い土地柄なのかな?

2007/08/06

あせ(>_<;)

ボクはとにかく汗かきで、本当にだらだらと流れ落ちるように汗をかくんだよね。
しかも、冷房がそんなに好きじゃないので、暑いときでも汗をかきながら過ごす方が好きなのだ。
でもでも、化学繊維とかであまり汗を吸わない素材の服を着ていると、体中がべとべとして気持ち悪くなるんだよね(>_<)
それと、頭と顔にもたくさん汗をかくので、タオルハンカチは欠かせないのだ!

そんなこともあって、今回は汗について調べてみたんだ。
汗は汗腺から分泌されるものだけど、汗腺というのはほ乳類の特徴のひとつみたい。
でも、ヒトと同じように汗をかいて体を冷却するのはウマくらいで、他の動物はそれぞれいろんな目的に汗腺を使っているみたい。
犬なんかは長い舌を出して、はーはーしながら体温調節するんだけど、足の肉球のところにある汗腺はほんのわずか、「におい」のもとになるくらいなんだって。
「血の汗」を流すと言われるカバは、皮膚を蒸発から守るために特殊な物質の入った汗を分泌するんだけど、それが空気に触れると赤くなって、まるで赤い汗を流しているようなのでそう言われるんだって。

ヒトが持っている汗腺には2種類あって、エクリン腺とアポクリン腺というものなのだ。
エクリン腺から出る汗はいわゆる普通の汗で、体温を下げるためのもの。
成分としては尿が非常に薄まったようなもので、99.9%は水分らしいけど、ナトリウムなどのイオンや微量のタンパク質などが含まれるのだ。
これがべとつきの原因になるんだよね。
しかも、汗の中のタンパク質は皮膚の表面の微生物に分解されることで、汗の独特のにおいのものとになるそうだよ。
こまめに汗をふくとにおいが防げるのは分解を防ぐからみたい。
制汗剤のスプレーの中には、デオドラント成分でにおいをごまかすという戦法のほか、殺菌成分でにおいのもとを作る微生物を少なくしたり、タンパク質を収れんさせてにおいのもとが作られなくするような成分が入っているみたい。

もうひとつのアポクリン腺は体臭腺とも呼ばれるもので、腋の下や股間にあるんだ。
ここから出る分泌液にはエクリン腺から出る汗より多くのタンパク質や脂肪分が含まれていて、それが微生物に分解されて体臭の原因になるわけ。
「わきが」の人はこのアポクリン腺から出る汗が原因なのだ。
でも、これは動物によってはフェロモンとしても機能しているみたいだよ。
必ずしも悪臭のもとというわけではないのだ。
ちなみに、モンゴロイドはもともと腋のにおいが弱い人種なので、たまに他の人種なみににおいが強い人がいると差別されるんだって(それが「わきが」なのだ。)。
ということは、欧米人や黒人はみんなにおいがきついってこと?
だから香水が発達しているのかな?

2007/08/05

ねぎ

米国に来てから玉ねぎをよく食べるようになったのだ。
理由は単純で、長持ちして、たいていのものに使えるから。
あると便利なんだよね。
でも、こっちではほとんど長ネギは見かけることはないんだよね。
長ネギもあると便利なのに。
そんなことを考えていたら、ネギのことが気になったので、少し調べてみたよ。

玉ねぎも長ネギも同じネギ科(古い分類ではユリ科)で、ニラやにんにくとも仲間なんだよね。
独特の香味が特徴で、どれも香味野菜として扱われるよね。
長ネギは葉っぱで、茎のように見えるのは葉っぱが丸まったものなのだ。
むいてみると葉っぱだってことがなんとなくわかるよ。
玉ねぎは球根(鱗茎)の部分を食べているんだけど、欧米ではベビー・オニオンといって、小さい玉ねぎを葉っぱごと食べることもあるみたい。
その葉っぱの部分は長ネギにそっくりだよ。

長ネギはだいぶむかしから日本にあって、「萌葱色(もえぎいろ)」なんていうのはネギの新芽(いわゆる芽ネギ)のような色を指す言葉もあるくらい。
平安時代にはすでに萌葱色はあるから、その前から長ネギは認知されていたのだ。
関東では成長させながら土をかぶせていって、甘みの強い白ネギを作るけど、関西ではそのまま日に当てて青ネギで食べるんだよね。
ボクはどっちも好きなのだ。
欧米では似たようなものでリーキ(ポロネギ)というのがあるけど、これは白いところを食べるのだ。
緑の葉っぱの部分は相当かたいので、どうしても口の中で残ってしまうよ(>_<)

一方、玉ねぎは江戸末期には長崎に伝わっていたらしいけど、そのころはまだ観賞用で、実際に食用として広まったのは明治以降なんだって。
札幌農学校(今の北海道大学)で本格的に栽培が始まり、広まっていったとか。
じゃがいももそうだけど、北海道は発祥の地でもあって、今でも名産地なのだ。

玉ねぎはもともと糖度としてはイチゴと同じくらいの甘みを持っているんだけど、それ以上に強い辛みを持っているので、生で食べると辛いのだ(自然農法で作ったものは甘みを感じると言うけど。)。
で、この辛み成分は加熱すると弱まるので、玉ねぎを飴色になるまで炒めると本来の甘さが出てくるというわけ。
あれは甘みが出てきたわけじゃなくて、辛みが亡くなって甘みが認識できるようになっただけなのだ。

長ネギでも少し目につんと来るけど、玉ねぎは強烈だよね。
これは硫化アリルという揮発性の物質が含まれているからで、目を刺激するのだ。
水につけながら切ったり、よく冷やしてから切ったり、電子レンジでちょっと加熱してから切るとましになるらしいよ。
で、人間には目が痛くなるくらいなんだけど、この物質は犬やネコでは中毒を起こして赤血球を破壊することがあるのだ!
よく玉ねぎはペットに与えてはいけない、というのはこれが理由なんだって。
長ネギにも多少含まれるから、ネギはあげない方がいいんだよね。

2007/08/04

軍手

米国に来てからもよく道に軍手が落ちているのを見かけるんだよね。
たぶんこっちでは「軍手」という認識はなくて作業用の手袋ということなんだけど、ま、平たく言えば「軍手」だよね(笑)
で、そんなことを考えていたら、そもそも「軍手」って何だ?、と疑問に思ったので、調べてみたのだ。

軍手はそのまま軍用手袋の略で、旧日本軍の兵士が使っていたのでこの名前があるんだって。
今では左右の区別のない作業用手袋を一般的に軍手と呼ぶそうなのだ。
ただし、ゴムの滑り止めがついているやつはゴムのある面とない面で左右の区別ができてしまっているんだけどね。
何より丈夫で安価なことが特徴なのだ。
同じ素材と製法で作る、足先の指が分かれた靴下の「軍足」というのもあるよ。
これは軍手からのアナロジーで名付けられただけで、軍で使われていたわけではないのだ。

軍手の起こりは江戸時代末期までさかのぼって、もともとは鉄砲隊の使う手袋だったとか。
当時は高価な鉄砲に手のあかがつくとさびやすくなったので、手袋をはめたそうなのだ。
幕府が大がかりな軍隊を整備してからは需要は伸びて、それは明治政府になっても引き継がれたみたい。
今はメリヤス編みだけど、当時は白い布手袋一般を軍手と呼んだみたいだよ。
第二次世界大戦のことになると、鉄砲の表面の処理技術は発達したので防さびという目的は薄れるんだけど、逆に作業用手袋として今のように使われ始めたとか。

でも、このころの軍手は布をはり合わせて縫い上げる手間のかかる製法で作っていたので、大量生産には向かないし、なにより安価ではなかったのだ。
戦後もしばらくはそんなむかしながらの製法で作っていたんだけど、1950年代になって指の部分が縫える半自動機織機が開発され、一気に大量生産体制が確立されたみたい。
1970年代までには全自動で縫い目なく手袋を編み上げる機械ができたので、安価な作業用手袋として普及していったんだって。

最初はメリヤス編みだったんだけど、後に化学繊維やリサイクルの綿布なんかも材料に使われはじめてバリエーションも増えたみたい。
化学繊維の軍手はメリヤスに比べてさらに安くできるので、価格は暴落したのだ。
でも、熱いものを扱う場合は化学繊維だと溶けてしまうから、メリヤスの方が優れていて、ガラスや金属の加工ではまだまだメリヤスの軍手が使われるのだ。
最近はゴムの滑り止めがついたものもあるよね。
ボクは滑り止めがない方が使いやすいような気がするけど。

2007/08/03

冷やせ!

うちの冷蔵庫はちょっとさぼりグセがあって、ときどき気を許すと(?)止まることがあるのだ。
たいていは古典的に冷蔵庫のうsろをちょっとたたいたりすると復活するので、冷凍庫内の氷が少し融けるくらいで大きな被害はないんだけど。
それでも、夏に冷蔵庫が止まるっていうのはちょっとこわいよね。
で、冷蔵庫の冷却の仕組みが気になって、調べてみたのだ。

冷蔵庫の冷却の原理はずばり「気化熱」で、人間が汗をかいて涼しく感じたり、打ち水をすると涼しくなるのと同じ原理だよ。
液体が蒸発して気体になるとき、まわりの熱を奪っていくのだ。
これが気化熱で、逆に気体を圧縮して液体にすると発熱するんだよね。
氷が融けて水になるときもまわりの熱を奪っていくんだけど、この場合は「融解熱」と言うのだ。
この気化熱と融解熱をあわせて「潜熱」と言うんだよ。

普通の家庭にある冷蔵庫は気化圧縮型というこの気化熱の原理を利用した冷蔵庫で、気化熱で吸熱して中身を冷やして、その熱を外部に放熱するというサイクルを繰り返しているんだ。
なので、冷蔵庫の後は暖かくて、その熱がうまく逃げるように設置してあげないと故障の原因になるんだよね。
冷蔵庫の後には冷媒の通るパイプがあって、外側では液体、中では気体になっているのだ。
外から中にはいるとき、細い管からいきなり太い管に変化させて減圧し、冷蔵庫の中の気化器(エバポレータ)を通過する間に液体の冷媒が気化するんだよね。
この時熱を吸収するので、冷蔵庫の中が冷えるのだ。
中から外に出るときはコンプレッサで電気の力を使って圧縮して高圧の気体にするのだ(冷蔵庫のゴーっていう重低音はこのコンプレッサの音だよ。)。
で、外に出た高圧のガスは冷蔵庫のうしろの放熱器(コンデンサ)で放熱しながら液体にもどるというわけ。

むかしはこの冷媒にフロンを使っていたんだけど、オゾン層を破壊することがわかってからは使われなくなったんだよね。
フロンは圧縮しやすくて、可燃性もないのでスプレー缶なんかにも使われていたんだけど、今では代替のガスが使われるようになってきているのだ。
冷蔵庫の場合はイソブタンなどが冷媒として使われているんだって。
フロンが禁止になる前から一部では使われていて新しいものではないんだけど、フロンが禁止になたので広く使われるようになったとか。

気化熱を使った冷蔵庫としては、もっと単純な作りのものもできるんだ。
それは人間が汗をかいて体を涼しくするのと同じように、表面をぬらして、その水分が蒸発していくときの気化熱を利用するのだ。
実際にあるのは、活性炭にちょとちょとと水をかける方式で、活性炭の表面はでこぼこで表面積が大きいから、水を蒸発させて気化熱を奪わせるのにはちょうどいいのだ。
氷ができるまでは冷やせないけど、けっこう冷却効果があるみたいだよ。
夏休みの自由研究かなんかで、活性炭にちょろちょろ水を垂らす方式でジュースがどこまで冷やせるか、なんて実験したらおもしろいかも。

ちなみにひょうたんはむかし水筒のように使われていたんだけど、ひょうたんはもともと植物なので、細かい穴が無数にあって、そこを通じて中身が少しずつ蒸発していっているのだ。
なので、ひょうたんに水を入れておくと、少し冷たくなるんだよ。
これもまさしく気化熱の原理。
普通の水筒とひょうたんに水を入れて、それを外に置いておくと中の水の温度変化がどうなるかなんて比べるのも夏休みの宿題にはおもしろいかも。

2007/08/02

なすび

今日はスーパーでたまたま見かけた日本のナスを使ってミートグラタンを作ったのだ。
ナスはおいしいよねぇ。
ボクは野菜の中ではかなり好きな方。
でも、米国のナスは大きすぎて使いづらいから、今まであんまり食べなかったんだよね(>_<)
で、ひさびさにおいしくナスを食べられて感動したので、ナスについて少し調べてみたのだ。

ナスはナス科ナス属の植物で、インド東部の原産みたい。
高温多湿なモンスーン気候を好むので、日本のような蒸し暑い気候にあっているみたい。
平安時代に「なすび」として伝わって、女房言葉により「なす」と呼ばれるようになり、そっちが定着したとか。
今でも「なすび」と呼ぶことはあるけど、「ナス」が一般的な呼称だよね。

日本の食用ナスはたいてい濃い紫色だけど、品種的には白いものや黄色いものもあって、米国ではいろんな色、大きさのナスが並んでいるよ。
(ちなみに、ナスの紫色はナスニンという色素で、アントシアニンの一種だって。)
日本でも丸い賀茂ナスから、長細い長ナス、漬け物にする小ナスなどなどいろんなものがあるよね。
栽培品種がけっこうあるのも特徴なのだ。
英語ではその形状から「eggplant」と呼ばれるよ。
(一説には白ナスが卵を連想させるから、というのもあるのだ。)

ナスはスポンジ状の果肉とやわらかいタネ、薄い皮というのが特徴で、たいていはヘタだけとって丸ごと食べるのだ。
でも、あくがあるので、生食することはまれで、水にさらしたり塩もみしたりしてあくをぬいて、加熱調理するか漬け物にすることが多いんだよね。
最近は品種改良も進んであくの少ないものも出てきているので、軽く塩もみしてマリネにしたりとかもするみたい。

で、このナスは実はほとんどこれといった栄養がない野菜として知られていて、基本的には食感を楽しむものなのだ(笑)
東洋医学では体温を下げる効果があるといわれているので、夏野菜として煮浸しにしたり、揚げナスにしたりして食べるんだよね。
でも、ナスの特徴はなんと言ってもそのスポンジ状の果肉による水や油の吸収のよさ。
水をよく吸う性質によって、煮物にするととにかくよく味がしみておいしいんだよね。
しかも、味がしみこむのが早いのだ!
油の吸収性の良さは、しっとりとした食感をもたらすだけでなく、さっぱりと油分を摂取するのにも役立つんだ。
夏場はこってりしたものはあまり食べたくないけど、ナスの揚げ浸しなんかだったらさっぱりと食べられるよね。
油の摂取は敬遠されるけど、必須脂肪酸はとらなくちゃいけない栄養なので、質のよい油でナスを揚げてさっぱりと食べる、というのがおすすめの方法なのだ。

西行法師の和歌に「心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」という「三夕」に数えられるものがあるんだけど、このパロディで「菜もなき 膳にあはれは 知られけり 鴫焼きナスの 秋の夕暮れ」という狂歌があるのだ。
ナスはむかしから庶民でも食べられる食材だったんだけど、秋の夕暮れに「もののあはれ」を感じられるほどおいしいということなのだ。
栄養があろうがなかろうが、そうやってむかしから好まれてきたというのは偉大だよね(笑)

2007/08/01

干しぶどう

ボクはドライフルーツのたぐいが好きで、特に干しぶどうは好物なんだよね。
米国に来てから毎朝食べているシリアルも、レーズン入りのものを選んでいるくらい。
甘みが強いんだけど、それが自然な甘さでしつこくないところが好きなのだ。
で、干しぶどうのことを考えていたら、干しぶどうって皮付きのまま干すのか、皮はむいてから干すのかが気になったので、少し調べてみたんだ。

干しぶどうはブドウを長期保存するためにすでに古代ギリシアの時代にはあったみたい。
もともとは木になったまま乾燥しているブドウを見つけたことに始まり、そこから干しぶどう作成に向いているブドウの種類を探したのだとか!
で、試行錯誤の末、干しぶどうの製法が確立されることになるのだ。
古代ローマでも干しぶどうは珍重され、高級食材として流通していたんだって。
そんな歴史があって、欧州では料理やお菓子によく使われるようになったのだ。

ブドウの長期保存という観点では、液体としての保存技術であるワインもあるよね。
で、このワインと干しぶどうの伝統は新大陸にも伝わり、米国でもブドウ作りが開始されるようになるんだ。
で、ブドウ作りに向いていたのがカリフォルニアで、カリフォルニア・ワインとカリフォルニア・レーズンが生まれることになるのだ。
日本ではカリフォルニア・レーズンがおなじみだよね。
ブドウの場合、強い日差しと水はけのよい土が重要で、それがカリフォルニアには備わっていたということなのだ。
今ではカリフォルニアは世界を代表するブドウの産地だよね。

で、肝心の干しぶどうの作り方なんだけど、これは皮付きのまま乾燥させるそうだよ。
塩水でよく洗ってから、一粒ずつ離し、よく水気を拭いてから日当たりがよく風通しのよいところで10日~2週間ほど乾燥させるらしいのだ。
最近は機械で人工的に乾燥させる製造法もあるけど、やっぱり天日干しの方がしっとりとしていて甘みも上品みたい。
干しぶどうになるともとの重量の20~25%くらいになっていて、それだけ甘みも凝縮されることになるのだ。
時々レーズンに白い結晶がついているのは糖分がかたまったものなんだって。

干しぶどうは栄養的にもなかなかの優等生で、ブドウに多く含まれることからその名前がついているブドウ糖(glucose)を多く含んでいるのだ。
ブドウ糖はすぐに吸収されて栄養になるので、疲れているときなんかに食べるといいんだよ。
逆に脂質はほとんど含んでいないので、コレステロールが気になる人も大丈夫なのだ。
それにカリウムが豊富なのも魅力。
カリウムは野菜から摂取することが多いけど、干しぶどうだとおいしくたくさん摂取できるよ。
さらに、乾燥させてあるだけあって、鉄分やマグネシウム、カルシウムといったミネラルも豊富なんだって。
皮付きのまま乾燥させたものなので、皮と身の間に多く含まれるポリフェノールもたっぷりあるそうだよ。
(日本では皮をむいて食べるけど、欧米では種なしブドウは皮付きのまま食べることが多いので、別に干しぶどうじゃなくてもポリフェノールはとれるのだ。)

さすがにそんなにたくさんの量を食べられrものじゃないけど、栄養のバランスを取るためにもけっこう役に立つんだよ。
おいしいだけじゃないのだ。
これが数千年にわたって愛されてきた秘訣かな?
苦手な人もいるみたいだけど、ボクなんかは一袋くらいぺろっといっちゃうよ(笑)