2008/12/28

新春の魚と言えば

年末にお正月の買い出しに行ったんだけど、そこでよく見かけるのは数の子や昆布巻き。
で、このふたつの共通点はニシン!
昆布巻きは身欠きニシンを芯にして昆布をまいてあるんだよね。
ボクなんかは昆布だけの方があっさりしていいのに、なんて思うけど(笑)、ニシンそばとか意外とニシンって食べられているんだよね。
最近は高級魚になったけど、むかしはもっと身近な魚だったのだ。
イワシもそのうちそんな感じになるのかな?

ニシンは北海道の名物だけど、産卵期の春から夏にかけて獲れるので春告魚とも言うのだ。
春の季語でもあるんだよ。
江戸時代から蝦夷地の名産として国内に流通していて、その後、近代的な漁が行われるようになると大量に水揚げされ、それでもうけた網元さんは「鰊御殿」を建てたそうだよ。
ニシンの豊漁を願う歌がソーラン節で、ニシン漁は北海道を代表する産業となっていたのだ。
でも、昭和30年代以降水揚げだかが激減し、今や高級魚となりつつあるんだよね。
加工品ではカナダなんかで獲れる近縁種の輸入品も多いようなのだ。

ニシンは生ではあまり日持ちしないのでほとんど生食されないけど、干物にして全国に流通していたのだ。
それが「身欠きニシン」で、これは干したものをもどすと筋ごとに身がすぐにほぐれてとれることから来ているんだって。
そう言えば身欠きニシンって身ばなれがよくて食べやすいよね。
この身欠きニシンはとても日持ちがよく安価だったので、日本の海から遠い山間部では重要な解散加工品だったんだ。
それで昆布巻きとかニシンそば、甘露煮とか、そういう料理が広まっていったみたい。

身欠きニシンはまずニシンを半干しし、それを三枚におろして頭を落としてからさらに乾燥させて熟成させていくらしいんだけど、これを天日干しでやるとなかなか乾燥具合が難しくて熟練の技が必要なんだとか。
干しが足らないとすぐに腐ってしまうけど、あんまりかぴかぴにも干せないというわけ。
今はそれを機械干しと送風でやっているようだよ。
寒風吹きすさぶ北国では比較的加工はしやすいようだったのだ。

ニシンと言って忘れてはならないのはその子どもの数の子。
かつてニシンは「かどいわし」と呼ばれていたので、「かどの子」がなまって「数の子」になったんだとか。
今ではその名称と黄金のような色、卵がたくさんつらなっていて子だくさんにつながることからお正月のお節料理には欠かせなくなっているよね。
通常は干したものや塩漬けにしたものを見かけるよね。
干したものを味つきの汁でもどした味つき数の子なんてのもあるのだ。
その特徴は味よりもむしろ食感で、独特のプチプチ感が食べていて気持ちいいんだよね♪
イクラとかタラコのようなねっとりとしたうま味を楽しむものではないのだ。

ニシンはこの数の子の卵を昆布に生み付けるんだよね。
で、その昆布をとってきたのが子持ち昆布。
ちょっとねばねばしていて、ぷつぷつした食感もあって、これがまたおいしいんだよね。
ボクはけっこう好きなのだ。
数の子だけだとしつこいしね。
コレステロールも多いので、メタボの人にも子持ち昆布の方がおすすめだよ(笑)

こうして日本の料理の中に深く入り込んだニシンと数の子だけど、最近少し回復してきているとは言え、かなり漁獲高は減っているんだよね。
日本の食文化の欠くべからざる部分となっているから、持続可能な方法で漁をしていくことが大事だよね。
イワシもクジラもそうだけど、今後はそういうことを考えながら漁をしていかないといけないんだよね。
これからは獲れるだけとるんじゃなくて、頭を使いながらやっていかないといけないのだ!

2008/12/22

積み重ねろ!

今日はひさしぶりにホットケーキを焼いて食べたのだ。
これが、ホットケーキミックスの箱の裏に書いてあるとおりにやったら、非常にうまく焼けたんだ。
あらかじめ熱くしておいたフライパンを少し冷ましてから生地を流し込んで焼くのがコツみたい。
最近では人気キャラのリラックマの好物としても知られているよね。
というわけで、今回はホットケーキについてちょっと調べてみたよ。

米国などの英語圏ではホットケーキではなくてパンケーキと呼ばれることが多くて、これはフライパンで簡単に作ることができるケーキだからなんだって。
確かに、普通のケーキだとオーブンがいるわけだけど、もっと手軽にできるよね。
小麦粉と卵を使った薄めの生地を焼いたもの、という意味では古代エジプトからあるそうなんだけど、今のようにフライパンで焼く形になったのは米国に移民した人たちが始めたものだそうだよ。
まだオーブンなどが使えない時期にフライパンで焼く手法を考案したんだろうね。
必要は発明の母なのだ。

ホットケーキの材料と言えば、小麦粉、卵、砂糖、牛乳、ベーキングパウダーなど。
でも、日本では自分でまぜることは少なくて、たいていはあらかじめすべて混ざったホットケーキミックスを買ってくるよね(牛乳は後から足すけど。)。
ベーキングパウダーのおかげでふっくらと焼き上がるわけだけど、欧州では入れないでもっと薄型に、具のないお好み焼き、厚めのクレープのように焼くんだって。
欧米では日本とは違って、ホットケーキは甘くしておやつに食べるだけじゃなくて、砂糖を入れずに焼いて軽食として食べるからなのだ。
卵やベーコンなんかとあわせたりするし、オランダの方では具を入れてお好み焼きのように焼くこともあるみたい。
ま、パンの代わりだよね。
むかしアクドナルドにそんなメニューがあったけど、あまりはやらなかったのか、いまでは甘いおやつ系のホットケーキしかメニューにないのだ(>_<)

ホットケーキを焼くときのコツは、一番最初に書いたように少しフライパンを冷ましてから生地を流し込むこと。
これは、熱いフライパンに生地を流し込んでsまうと表面だけ焦げてしまって中まで火が通らずぐちゃぐちゃになるからだとか。
少し冷ましたフライパンに生地を流し込み、弱火でじっくり焼くと、表面がむらなく茶色になって、おいしそうに焼けるんだよ。
表面にぷつぷつと泡が出てきたら中まで火が通ってきた証拠で、フライパンに接していない方の表面が少し乾いてきたくらいでひっくり返すとちょうどよいんだよ。
で、その後反対側もじっくりと弱火で焼いていくのだ。
あまり焼きすぎるとかぴかぴになってしまうけどね。
焼くときのこつはあまり動かさないこと。
焦げ付かないように気になってしまうけど、生地を入れたところやひっくり返したところで動かしてしまうと表面にデコボコができて一様に焼けず、色にむらが出てしまうんだよ。
じっと我慢の子で焼き上がる忍耐力も必要というわけ。

焼き上げたホットケーキは通常バターをのせてとかし、さらにメープルシロップやハチミツをかけて食べるよね。
ホイップクリームとフルーツソースなんていうのもかなり広まってきたのだ。
でもでも、1枚だけで食べることってそんなになくて、なぜか重ねるんだよね(笑)
これは米国でも同じで、1枚1枚が薄いから、それでボリューム感を出しているみたい。
この形状から、積み重なっていくことをよく「パンケーキ」と例えるんだ。
例えば、電気の場合、遠く離れた発電所から電気を運んでくるといろんなネットワークを通って運ばれてくるわけだけど、そのたびにネットワークの使用量をとられてそれが積み重なっていくのだ。
これを通称「パンケーキング」と呼んでいるんだよね。
まさに積み重なっていくからだよ。
※実際には電気の場合は色がついているわけでもなし、ネットワークの入口と出口でバランスがとれていればよいのでネットワーク料金を課金していく必要は必ずしもないので、最近ではパンケーキ問題の解消をするように工夫しているみたいだよ(これは日本の電気料金体系でも同じだよ。)。

それと、ホットケーキに似たものと言えばどら焼きの皮。
どら焼きは上野のうさぎ屋で大正時代に考案されたというんだけど、どうもホットケーキが明治の後半に紹介され、世に知られるようになったころなので、それがひとつの源流なのだ。
最初はホテルの朝食とか限られたところでしかたべられなかったようで、認知度も低く、どら焼きとの区別もあいまいだったみたい・・・。
戦後に洋食が一般化するとホットケーキも家で作られるようになり、ホットケーキミックスが登場するとかなり頻繁に家庭で食べられるようになるのだ。
今ではこの混同は考えられないよね。
ちなみに、どら焼きの皮はホットケーキというよりはカステラ生地に近くて、卵がよりたっぷりなんだよね。

2008/12/16

日曜日のデザート?

むかしからマクドナルドのメニューで気になっているのがサンデー。
最初はデザートであることすらわからなかったのだけど、あれってアイスクリームにフルーツソースとかがかけてあるんだよね。
「日曜日」と何か関係あるのかな?、とか、すっごく気になっていた時期があったのだ。
で、実際に食べてみると、アイスの下にコーンフレークなどのシリアルがあったりするデザートなんだよね。
そこでふと疑問に思うのが似たようなデザートのパフェとの違い。
確かにパフェの方が果物があったり、ウェハースが刺さっていたりとちょっと豪華なイメージで、サンデーはその簡素版という感じだけど、実際はどうなんだろう?、と思って少し調べてみたよ。

時代的に先行しているのはパフェのようで、仏語ではパルフェ(parfait)で、「完全な、完璧な」という意味なのだ。
これは「完全なデザート」というところから来ているらしくて、アイスとかチョコとか果物とかが盛りだくさんでのっているところから来ているみたい。
本場のパルフェは、クリームのうえに型にはめて固まらせたアイスクリームをのせ、そこにソースをかけたり、果物をトッピングしたもので、ちょっと豪華なアイスという感じみたい。
これが日本に来て、独自の進化を遂げて今のパフェになったようなのだ。
日本だと、さらにプリンがのっていたり、スポンジケーキの角切りが入っていたりともっとボリュームがあるよね。
それに、アイス主体というよりは、クリームと果物が主体で、そこにアイスもあるという印象なのだ。
ボクなんかはバナナチョコレートパフェが好み。

一方、サンデーもアイスクリームを主体としたデザートで、19世紀の終わりに米国で発明されたみたい。
諸説あるようだけど、日曜日の安息日にも手軽に提供できるデザートして、アイスクリームにチョコやフルーツソースなどを簡単にトッピングするものとして考案されたんだとか。
最初は日曜日のデザートでそのまま「Sunday」としていたんだけど、キリスト教徒から不敬だというクレームが付いたとかでつづりを変えて「sundae」になったと言われているそうな。
最初は日曜日の昼間に路上で提供されていたんだけど、当時の冷凍技術では夜にはアイスがとけてしまうので、そこからサンデーは昼間のデザートと言われるようになったみたいだよ。
今でも、パフェは夜に食べるもの、サンデーは昼間に食べるもの、という区分をする節があるのはそこから来ているみたい。
また、一説には、日曜日の安息日にも休日出勤している職員にご褒美としてトッピングしたアイスを提供したことに始まるというのもあるみたい。
いずれにしても、「日曜日」というのが関係しているようなのだ。
なので、ボクの第一印象もあながち的はずれではないというわけなのだ(えっへん)。

一般には、パフェはかなりごてごて盛りつけるけど、サンデーはあくまでもアイスにトッピングする、という仕切りなので、パフェは細長いグラスに入れ、サンデーは丸いグラスに入れるなんて区分けもあるんだよね。
でも、これは本末転倒で、結果としてそうなっているだけだと思うんだけど。
実際には明確な区分はなくて、なんとなく傾向としてそう分かれている、というのが真実みたい。
別にごてごてのサンデーがあってもいいし、アイスを主体としたあまり飾り気のないパフェがあってもよいのだ。

それと、やっぱりパフェの方がいろいろとのせるのでバリエーションが豊富で、アイスクリームのトッピングの範囲内でしかないサンデーよりも種類が多いし、変わり種も多いのだ。
サンデーだとせいぜいフローズン・ヨーグルトがあるくらいで、後は何味のアイスにどういうソースをかけるか、くらいしかないわけだよね。
そこいくと、パフェの場合は抹茶小豆にしたり、ティラミスをのっけてみたり、といろいろできて、アイスの付いた崩れたケーキ的なことができるわけだよね。
そういう意味でも、無限の可能性があるからパフェの方が「完全」なデザートなのかも(笑)

2008/12/07

かたや高級食材、かたや居酒屋のおつまみ

エプソン品川アクアスタジアムに行ってきたんだけど、そこには「ノコギリエイ」という魚がいたのだ。
エイなんだけど扁平じゃなくて、むしろサメのような形なので一瞬「ノコギリザメ」かと思うんだけど、エラ穴と呼ばれる、軟骨魚類独特のスリットが体の下面についているのでエイなんだって。
たしかにノコギリザメはそれが体の側面についているのだ。
で、気になったのがエイトサメの違い。
そこでちょっと調べてみたのだ。

軟骨魚類には3種類いて、大きく分けてサメ、エイ、ギンザメに別れるのだ。
先に触れたように、サメは体の側面にエラ穴があり、エイは下側にあるのだ。
ギンザメはわりと深い海底にいる魚で、原始的なものと言われているんだ。
サメとエイではエラ穴が5対なんだけど、ギンザメは1対しかないんだそうだよ。
で、これら軟骨魚類の大きな特徴は、名前のとおり、体の骨全部が軟骨でできていること!
サメはよく牙しか後に残らないと言うけど、これは前身の骨がタンパク質からできている軟骨なので、分解されてしまうからなのだ。

もうひとつの特徴は死後のアンモニア臭。
このせいであまり食用にならないんだけど、これは浸透圧の調節のために体の中に尿素をためていて、それが死後にアンモニアとなって出てくるからなんだ。
ちょっと時間がたつととたんにくついにおいがするんだよね。
でも、東アジアでは食用になっていて、日本ではサメはかまぼこの具に使うし、エイは煮こごりなんかにするよね。

で、もっと大事な利用方法がフカヒレとエイヒレ。
フカヒレは名前のとおりサメのヒレだけど、そのままヒレをとっただけではアンモニア臭がするので、それをゆでて皮を取り除き、さらに油脂分も落としてヒレの形を支えるフレームワークになっている軟骨部分だけを取り出して天日干しにしたものなんだ。
作るのに手間がかかるので高級食材になるというわけ。
これは干しナマコなんかと同じ理屈だね。
ヒレの形のまま干せると高級なんだけど、ちょっとでも形が崩れるとほぐされるんだよね。
ありとフカヒレスープがリーズナブルな値段であるのはこのためで、さすがに姿煮になるとまんまの形のヒレが必要なので高級になるのだ。

一方、エイヒレの場合は、体の側面のヒレ(ヒラメで言うところのエンガワに当たる部分)を切り取って干物にしたもの。
最初アンモニア臭が出てくるけど、かまわず干し続けるみたいだよ。
これがこりこりした食感で人気があるんだけど、これってフカヒレとまったく違うよね。
で、何が違うかというと、作り方もさることながら、もともとのヒレの機能が違うのだ。

エイヒレの場合は泳ぐためによく動かす部分で、骨のように縦に細い軟骨が入っていて、それを軸にしてひらひらと動かすんだよね。
これがカリカリの食感の原因。
一方、フカヒレの場合はあくまでも形状を支えるための軟骨組織で骨の代わりになるようなものでないので、むしろぷるんぷるんとした食感のやわらかいものとなるのだ。
エイヒレの場合も、骨のように固い軟骨のまわりにそういう軟骨組織もあるんだけど、それだけ取り出すのは困難なのだ。
うまく取り出すことができたらほぐしたフカヒレと似たような感じになるかもしれないけどね。

2008/11/30

よく「使う」漢字

世間では常用漢字の見直しがけっこう話題になっているよね。
あんまり生活には直結しないような気もするんだけど、新聞なんかのメディアではかなり騒いでいる、というのが印象なのだ。
ま、おそらく実生活にはほとんど影響がないんだろうけど、新聞などの文字メディアでは漢字表記の仕方が変わったりするだろうし、何より、「文字を書く、文字を読ませる」という国語については一家言あるようだから取り上げるんだろうね。
で、ボクも気になったので調べてみたよ。

いあゆる常用漢字というのは「普段使う」漢字のことで、戦前から何度か定められているようだけど、現在のものは昭和56年に国語審議会の審議を経て1945文字からなる常用漢字表が告示されたのだ。
その前にあったのが、戦後すぐに定められた当用漢字1850字で、これに出し入れする形で常用漢字は定められたんだよ。
で、今回また常用漢字の見直しをして、あまり使わないであろう漢字は除き、逆にけっこう使う漢字は載せようということなのだ。
その見直しの議論で、あまり使うことがない、というか、ある一語でしか使わないのに残っているとか、よく見かけるのに常用漢字の候補にすらなっていないとか、そういうことが報道されているわけなのだ。

この常用漢字は、いわゆる「よく使う漢字」なんだけど、法令や公文書などの場合はこの常用漢字に従って表記にする必要があるのだ。
常用漢字表にない漢字は、別の常用漢字で表記可能な言い換えをする、常用漢字表にない漢字を平仮名書きにして「まぜ書き」にする、または、最初に出てくるときだけふりがなをふる、ということになっているのだ。
刑法や民法のような明治の古い法律の場合は難しい言葉が多かったんだけど、最近全文を海棲してカタカナ書きから平仮名書きに改めたので、その際難しい言葉も改めたみたい。
で、一般にはまぜ書きが多かったんだけど、これはかっこわるいとか、表記方法として不自然であるとか、そういう理由で徐々に使われなくなってきているのだ。
代わりに多く使われるようになったのがふりがなで、これだとかなり自然な表記になるのだ。

一般の人はこれに必ずしも従う必要はないんだけど、新聞や出版社は常用漢字表を基にして独自のカニ湯金ルールを持っていて、それに従って漢字を使っているのだ。
新聞や文庫本でふってある「ルビ」はこれに従っているのだ。
で、そういう独自ルールを定めるくらいで、常用漢字の見直しにもうるさいというわけ。

この常用漢字の特徴は、漢字自体だけでなく、読み方や異体字についても定めている点なんだ。
簡単な漢字でも常用漢字表にない読み方をする場合はふりがなをふらないといけないことがあるのだ。
それとうかしからけっこう漢字には異体字があって、よくあるのは偏と旁で横に並べるか、それを縦に並べるかがあるけど(例えば、「群」と「羣」)、その中で正字体を定めたのだ。
中には、もともと略字体として使われてたものが普及して、常用漢字表で正字体になったものもあるそうだよ。
旧字体と新字体の関係はそういうことなのだ。

一方、これとは別に人名用漢字が定められていて、人名に使える漢字の幅はもっと広いのだ。
最近では「苺(いちご)」が使えるようになったなんて話題になったよね。
これは法務省所管の戸籍法施行規則の別表第二に定められていて、基本的に読みは自由で、異体字も使えることになっているのだ。
でも、当たり前といえば当たり前で、名前はすでに使っているものだから、いきなり使えなくなっても困るわけで、それなりに幅を拡げないといけないのだ。
でも、当然使えない漢字は出てくるわけで、その場合は、すでに使われている場合は別として、新規に使うことができないのだ。
もともとは当用漢字表の中に、人名によく使う漢字が落ちていたので、別に定めることにしたんだそうだよ。

こういうようにいろいろと漢字の使い方のガイドラインができているわけだけど、現在はもっと問題が複雑化してきているんだよね。
その大きな原因はワープロの普及で、自分では書けないけど読める漢字が多くなってきているのだ。
すると、読むだけならできる漢字の幅が広がり、書くことができない漢字が増えているのだ。
もともと常用漢字は社会の変化に合わせて適切に見直しをしていくべきものだろうけど、こうなってくると話は単純じゃないよね。
読めるけどかけない漢字をどうするか、それが「常用」と言えるかは大きな問題なのだ!
本来は読める漢字は書けるようにするというのが基本だろうけど、こればかりは生活様式から来ている話だからそうそう簡単にはいかないよね。
将来的には大きな問題になりそうなのだ。
韓国のように漢字を使わないようにする、というのもひとつの考え方だけど、日本独自の漢字である国字なんかも創作して、漢字が文化の中に入り込んでいる日本ではむずかしいよね。
ただでさえ変体仮名が使われなくなって江戸期以前の文字がyめなくなってきているのに、漢字までなくしたら目も当てられないよ(>o<)

2008/11/23

勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう日

今日は勤労感謝の日だねぇ。
勤労感謝の日は今でもハッピーマンデー法が適用されていないので日付指定なんだけど、今回はたまたま日曜日当たったので月曜日が振替休日になって三連休になったのだ(^o^)/
やったね!
で、今日はせっかくなので、勤労感謝の日について調べてみたよ。

日本の祝日はすべて「国民の祝日に関する法律」、通称「祝日法」に定められていて、さっき出てきた「ハッピーマンデー法」は「祝日法」を改正する法案の名前だったんだよね。
日付が指定されている祝日を「○月の第○月曜日」にするものなのだ。
これで三連休が増えたというわけ。
勤労感謝の日は別だけどね。

祝日法では、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」日として定められているんだけど、実際には、戦前の新嘗祭を戦後に看板の掛け替えをしたものなのだ。
文化の日や建国記念の日ほどは問題視されないけど、宮中行事と密接に関係した祝日なんだよね。
もともとは旧暦の11月の2回目の卯の日に行われていた宮中行事なんだけど、明治4年に太陽暦が採用されるときに新暦の11月に移ったのだ。
というのも、旧暦の11月の日付を優先すると、翌年の1月になってしまったからだそうなのだ・・・。
で、太陽暦に移行した2年目の明治7年(1874年)からは11月23日に固定されたのだ。
これは前年の2回目の卯の日がたまたま11月23日で、日付が変わるとややこしいのでそれを踏襲することにしたみたい。
というわけで、実は日付に深い意味はないので、ハッピーマンデー法が適用されてもおかしくない祝日なのだ!

そのもととなった新嘗祭というのは、天皇が五穀の新穀を天神地祇(天津神と国津神)にすすめ、自らも食して収穫の感謝をする祭儀なのだ。
今は新暦になってしまったので五穀の収穫の時期に比べるとちょっと早い感じがするけど、旧暦でいけばちょうど刈り取りをして乾燥させて、収穫が終わるころになるのだ。
新嘗祭は天皇が行う祭儀の中でもかなり重要な位置付けだったんだけど、それが稲作関係のものだということは、それだけ日本では稲作が重要なものだったっていうことだよね。
今では「勤労」全般にまで拡げられているわけだけど、「生産を祝い」ときちんとそのあたりの意味も入っているんだよね(笑)

新嘗祭の中でも特殊なのが大嘗祭で、これは即位してからはじめて行う新嘗祭のことなのだ。
戦前までは祭政一致だったので、この大嘗祭を行うことが践祚・即位の実質的な儀式だったそうなのだ。
践祚というのは天子の位を継承することで、即位はその継承したことを公にすることを指すそうなのだ。
祭政一致の時代は区別しなくても済んだんだけど、問題は戦後初の即位の礼となった今上天皇のときなのだ。
新嘗祭は祭礼儀式なので国事行為ではなくて、皇室の行事とされていて皇室の私費でまかなわれるんだけど、そうすると、大嘗祭と即位を切り離さないといけなくなるのだ!
で、史上初の即位の礼のみを国事行為で執り行うという必要性が出てきたんだよね。

そもそも昭和天皇は在位が長かったので誰もそのときの即位の礼を担当したことはないし、資料もまばらだったらしいけど、さらに、やり方も戦後式の祭政分離の方式で執り行う必要があったから、政府もかなり苦労したようなのだ。
時の内閣官房内閣主席参事官(現在の内閣総務官)で、後に内閣官房副長官となる古川貞二郎さんの本を読むと、そのときの苦労話が出てくるよ。
で、古川さんは後進にきちんと伝えるために、資料をよく整理して残したそうなのだ。

そんな今上天皇即位の礼が行われたのは平成2年(1990年)の11月12日。
やっぱり大嘗祭と関連しているので、11月にこだわったみたいだね。
大正天皇も昭和天皇も11月に即位しているのだ。
これに関連して話題になっているのが、来年の11月12日を臨時で祝日にしようとする動き。
議員立法で祝日法を改正することを考えているみたいだけど、今上天皇の即位20周年を祝う祝日にするそうなのだ。
でも、来年の11月12日は残念ながら木曜日なんだよね。

2008/11/15

キャベツにクリームをつめこめ

ボクの好きな洋菓子のひとつにシュークリームがあるのだ。
最近ではコンビニでも売っているから手に入りやすいよねぇ。
しかも、カスタードクリームだけじゃなく、生クリームやチョコクリームなど種類も増えてきているし、アイス入りのものもあるのだ。
ちなみに、ボクの好みはビターチョコクリームだよ。

そこで、ちょっとシュークリームについて調べてみたのだ。
シュークリームという言葉は和製英語の代表選手で、「シュー」は仏語でキャベツや白菜などのまるまる野菜の総称、「クリーム」は英語だよね。
仏語では「シュー・ア・ラ・クレーム(chou à la crème)」で、英語だと「クリームパフ(cream puff)」というんだそうだよ。
仏語がその名前の由来だけど、キャベツ状のシュー生地の中にクリームを入れたもの、ということなのだ。
ちなみに、よく英語で「シュークリーム」というと靴磨き用のクリームと間違えられると言うけど、それもあんまり正しくなくて、靴磨き用のクリームは「シュー・ポリッシュ(shoe polish)」と言うことが多いので、単に意味が通じないだけみたい(笑)

むかしはカスタードクリームの保存がむずかしかったので、冬場のお菓子だったんだそうだよ。
粉糖なんかを雪みたいにふっているのもそのせいかな?
でも、冷蔵庫が普及してクリームが保存できるようになると、1年中食べられるようになったとか。
とは言え、あんまり長時間保存するとシュー生地のさくさく感が失われてべっちゃりするから、やっぱりできたてを食べるのがふんわりサクサクでおいしいかも。
コンビニとかで売っているやつは時間がたってもべっちゃりしないように工夫がしてあるんだろうね。
ま、さくさく感はないけど。

シュー生地を細長くして、チョコでコーティングするとエクレアだけど、これは仏語で「エクレール・オ・ショコラ(éclair au chocolat)」と言うそうなのだ。
エクレールというのは「稲妻」という意味らしいんだけど、名前の由来にはいくつか説があるだって。
ひとつは細長いシュー生地を焼いたときに表面にできる割れ目が稲妻状だというもの。
確かにその割れ目にクリームを入れたのが始まりと考えると納得いくよね。
そのほかには、コーティングしたチョコクリームがぎらぎら光るからとか、チョコが溶けたり、中身のクリームが飛び出さないようにさっと瞬間的に食べる必要があるから、というのもあるんだけど、なんだかあんまり説得力ないよね。

シュークリームやエクレアの醍醐味はシュー生地なわけだけど、これが自分で焼くとなるとけっこうむずかしいんだよね。
スポンジケーキなんかはベーキングパウダー(主に重曹)でふくらませるのでよいんだけど、シュー生地の場合は、水分が多い生地をプレートの上にしぼって、あらかじめ温めておいたオーブンでさっと焼いて、ふくらんだところで取り出すのだ。
このシュー生地の材料は、薄力粉、無塩バター、卵、塩、水といった単純なもので、シュー生地をふくらませるのは焼いたときに出てくる水蒸気なのだ。
なので、とろっとした生地を焼くわけだけど、あんまり焼きすぎると今度はしぼんでくるから、ふくらんだところで取り出す必要があるんだよ。

さらに、ふわふわ感とともにさっくり感を出すためには混ぜすぎてもいけないのだ。
だから薄力粉を使うわけだけど、これは天ぷらの衣も同じで、タンパク質のグルテンが多いともっちりした食感になるので、グルテンの含有量が少ない薄力粉を使うのだ。
そして、混ぜ方も重要で、冷たい状態でさっくりと混ぜるのが重要で、そうでないとデンプンがのり状にかたまって粘ってしまうので、うまくふっくら・さくさくにならないそうなのだ。
材料が単純なわりには難しいと言われるのはこういうのが原因なのだ。
やっぱり、買って食べる方がよいのかもね。
うちにはオーブンがないから買うしかないけど(笑)

2008/11/09

こだまは音の速さで

今日はコンサートに行ってきたんだけど、こういう会場って防音・遮音がしっかりしているから、ドアを閉めてしまうとほとんど外に音が漏れないんだよね。
すごい技術なのだ。
壁が薄くてとなりの音がまる聞こえなんてこともあるけど、そういうのはトラブルのもとだからね。
そこで気になったのが音の性質なのだ。
ということで、音にまつわることをちょっと調べてみたよ。

音は空気の振動で、耳で聞くことができるものを通常「音波」と読んでいるのだ。
耳で聞こえないほど高周波なものは「超音波」なんて言うよね。
波というと「~~」というイメージだけど、音波は縦波で、こういう波が来るわけではないのだ。
進行方向に対して出たり引いたりするので、空気の粗密が波として伝わって来るんだよね。
それが音の衝撃波のもとにもなっているし、耳の中の鼓膜はその縦波の震動でふるえて音を感知しているのだ。

で、防音・遮音するにはこの空気の縦波を反射したり、波の振幅自体を弱めればよいというわけ。
単純に跳ね返すのは「ヤッホー」のこだまの原理で、高速道路の遮音壁なんかがそうなのだ。
内側にまいたような形にすることで、外でなく中に音が跳ね返えるようになっているので、外側が静かになるのだ。
むかしはコンクリなどの思い素材で作っていたけど、最近は強化プラスチックの透明なものも見るよね。

で、コンサートホールやスタジオなんかで使われているのは合板系の防音壁。
いろんなやり方があるみたいだけど、単に薄い板をかさねただけの合板でもけっこう防音効果はあるみたい。
その間にスポンジや発泡スチロールをはさんでやると、空気の縦波の震動が伝わりにくくなるので、外に音が聞こえにくくなるのだ。
ようは空気の振動を伝えにくくすればよいわけなのだ。

最近では、位相が逆、つまり波の山と谷が真逆になった音波をぶつけることで音波自体を消滅させるような方法もあるのだ。
でも、音波は通常いろんな周波数の音が重なり合っているから、これをやるにはかなり大変なのだ。
一定の音が出るってわかっていたり、耳には聞こえないような低周波の音波を打ち消すのにはいいんだけどね。
低周波の音波は耳で感じなくても触覚では空気の振動として完治できていて、その影響が体に出るとも言われているのだ。

音が重なり合うと言えばハーモニー。
基本は和音だけど、うまいこと音階を組み合わせるときれいに聞こえるけど、それが少しずれただけできれいに聞こえないんだよね。
これはおそらく「うなり」という現象と関係しているのだ。
周波数が近い波が重なり合うと、ひとつの大きな波が微妙に震動しているような特殊な状態になるのだ。
これが「うなり」の状態で、音の場合は、きれいに「うなり」ができると人間の耳にはひとつの音のように聞こえるんだって。
それが心地よい感じにゆらぐとハーモニーになって、そうでないとずれているように感じるというわけなのだ。
和音に音階が決まっているというのはつまり、周波数の組み合わせということなんだよね。
そういってしまうと身もフタもないような気がしないでもないけど(笑)

それと、音と言えば有名なのは救急車のサイレンのドップラー効果。
ドップラー効果は音以外でもよいんだけど、音がわかりやすいんだよね(光の場合は高速が一定なのでちょっとドップラー効果の見え方が違ってくるのだ。)。
音の場合、近づいてくる音は見かけ上音速が早くなるのだ。
そうすると、音速=周波数×波長の関係から、音速が大きくなって波長は一定なので周波数が大きくなる=音が高くなる、ということになるのだ。
逆に、離れていくときは音速が見かけ上遅くなるので、その逆で周波数が小さくなる=音が低くなる、となるよ。
そうすると、近づいてくるときは音が音が高くて、真横に来るとちょっと低くなって、遠ざかっていくと音が低くなっていく、というあの独特の聞こえ方になるのだ。

逆に、動いているものであれば、音の聞こえ方の違いでその動いている早さも求められるんだよね。
絶対音感のある人であれば、周波数がどれくらいずれたかわかるので、そこからその速度がわかるはずだよ。
この原理を使うのがドップラー・レーダーというやつで、通常のレーダーは電波で位置情報だけを観測するんだけど、ドップラー・レーダーはこの原理を使って市と移動速度の両方を観測するのだ。
ちなみに、ドップラー・レーダーは電波(光)のドップラー効果なので、音のドップラー効果ほど単純じゃないんだけどね。
(光の場合は、ドップラー効果いより、近づいてくるものは波長が短く、遠ざかるものは波長が長くなるので、その差から速度を計算するのだ。)

2008/11/01

ふたつの辛さ

今日はお昼に前から気になっていた「陳麻飯」を食べてみたのだ。
最近は気温も下がってきて、熱いもの・辛いものがついつい食べたくなるのだ。
で、食べた結果は、なかなか辛くて、お値段も手頃でよかったよ。

日本では麻婆豆腐やエビチリ、回鍋肉、担々麺なんかの四川料理はかなりポピュラーになっているけど、これは四川飯店初代の「四川の神様」陳建民さん(中華の鉄人、「四川の神の子」陳建一さんのお父さんだよ。)がテレビの料理番組に出て紹介したからなのだ。
でも、四川料理のそのままの味では当時の日本人の口には合わなかったので、独特のアレンジを加えたんだよね。
それが今の日本の四川料理のベースになっているんだけど、最近では本場四川の味をほぼそのまま出す本格派の店が増えてきて、その中でも特に特徴的なのが麻婆豆腐なのだ。

日本の麻婆豆腐は辛さも控えめで、しかも、その辛さは主に豆板醤、唐辛子で出したものだけど、本場の四川の麻婆豆腐は「麻」と「辣」の2つの辛さが特徴なのだ。
「麻」は中華胡椒(華椒)のしびれるような辛さで、これが日本の麻婆豆腐では弱いもの。
「辣」は「ラー油」の「らー」で、唐辛子の辛さなのだ。
この2つがあわさってこそ本格派の麻婆豆腐なんだって。
食べた後もひりひりするだけでなく、しびれたような感じになるのだ。

「辣」の唐辛子の辛さの正体は最近有名になってきているカプサイシンで、これは発汗作用なんかもあるんだよね。
味覚としては「辛い」と言われているけど、実際には痛覚に作用していて「痛い」というものなのだ。
痛覚が弱く刺激されると「かゆく」感じるんだけど、それがもう少し強くなった刺激が舌に来ると辛く感じるわけ。
あまりに激辛のもの(唐辛子系)を食べると本当に舌が痛くなるのは当たり前といえば当たり前の話なのだ。

山椒の辛さの正体はサンショウオールやサンショウアミドという物質で、日本の山椒と中国の華椒は同属異種で辛さは少し違うんだけど、辛さ成分自体は同じようなものなんだって。
なので、「麻」のしびれるような辛みもそれなのだ。
で、こっちもやっぱり痛覚に作用しているんだけど、カプサイシンとは異なって同時にしびれるような感覚を与えるんだよね。
カプサイシンには特異的に作用する受容体(レセプター)が見つかっているということなので、その違いなのかもしれないけど、おそらく、山椒系のしびれるような辛さは、一度痛覚の受容体に作用すると、なかなか離れないでその痛覚自体がしばらく麻痺したような状態になるのではないかと思うのだ。
生姜の辛み成分のショウガオールも同じようなものなんだそうだよ。

暑い地域ではよく辛いものが食べられるけど、これはカプサイシンに代表されるように辛いものには発汗作用があることと、塩分が少なくてもしっかりとした味を感じることが大きいのだ。
夏場に汗をたくさんかくと塩辛いものがほしくなるけど、これは体の中の塩分が抜けて、体がほしがっているからなんだよね。
そうすると、いつもはちょうどよい塩加減のものでも味が薄く感じてしまうのだ。
暑い地域ではそんな状況が日常茶飯事なわけで、薄い塩味だと味がぼやけて感じてしまうわけ。
そこで辛みをつけると塩味が適度に感じられて味がぼやけず、おいしく食べられるというわけ。
暑いときでも辛いものなら食べられるというのはこういうことなのだ。

四川料理は辛いけど、四川はそんなに暑いわけではないんだよね。
蒸し暑くはあるんだろうけど、温暖といった方が適切で、むかしから米作にとても適した肥沃な土地であると言われているのだ。
インドやタイ、ヴェトナムみたいに熱帯っていう感じではないんだよね。
でも、辛いものを食べているのは内陸にあって塩が手に入りにくいからだと考えられるのだ。
これは朝鮮半島やブータンでも同じなんだけど、塩が貴重品なのでたくさん使えないけど、それでもおいしいものを食べたいと思うと辛い味がちょうどよいのだ。
高地にあるブータンなんかは世界一辛い料理を食べると言われているしね。

で、そんな辛さを求めた四川地方で出てきたのが「麻」の辛み。
ただの「辣」の辛さに飽きたらず、新しい辛さを求めrところが、食にこだわる中国らしいよね。
日本の辛い料理はまだあだ「辣」のものがほとんどだけど、本場の四川風麻婆豆腐がはやってきたということは、日本の辛い料理もやっとそこまでの高みに来たということなのかもね(笑)

2008/10/25

塩と油とせんべいと野菜と

お菓子大好きなボクが好きなお菓子のひとつがおせんべい。
特におかきとサラダせんべいが好きなのだ!
しょうゆせんべいも好きなんだけど、あれってしょっぱいからそんなにいっぱい食べられないんだよね。
塩味のおかきとかサラダせんべいならいくらでもいけるのだ。
あんまり食べ過ぎると太っちゃうけど(笑)

で、気になったのは「サラダ味」とは何か。
いろんなものにサラダ味ってあるけど、サッポロポテトを除いては野菜の風味はないよね。
でも、サラダ味というとこれっていう塩味が思い浮かぶのでふしぎなので。
さっそくその謎を探ってみると、なんと、あっという間に答えが見つかったよ。

サラダせんべいの大手、亀田製菓のサイトの「よくある質問」に書いてあったのだ!
サラダ味のサラダはサラダ油のことで、従来のおせんべいは炭火で焼きながらしょうゆをぬったりしていたわけだけど、サラダせんべいはそれをサラダ油で揚げて塩をまぶしたものなんだ。
すると、独特のサクサクした感じとこれまでの固い食べ物というイメージを払拭した軽い食感ができたのだ。
おかきは油で揚げた餅菓子だったけど、せんべいの形でそれを作ったのがみそだよ。
また、せんべいの形だとうすいから、おかきのようにかちかちにもならないのだ!
これは戦後のことで、まだサラダ油は高級なイメージだったこともあって、おしゃれな洋風せんべいとして広まったそうだよ。
もちろん、日本にしかない純日本菓子なんだけど(笑)

サラダの語源はラテン語の塩を意味する「sal」という言葉で、これは給料を意味する「salary」の語源でもあるんだよね。
当時は塩は貴重で、ローマの兵士には給料として支給されていたらしいのだ。
こしょうがもたらされるまでは欧州では調味料と言えば塩で、肉でも魚でも野菜でもなんでも塩味だったのだ!
サラダも、今ではシーザーサラダとかいろんなドレッシングがあるけど、むかしは塩味が基本。
そこに油が加わるくらいで、肉料理や魚料理と違ってより塩の味が重要だからそれが語源なんだろうね。

一方、日本の場合は「肥」を使っていたこともあって、スイカやウリなどの果物っぽいものを除いては野菜を生で食べる習慣はなかったんだよね。
これは寄生虫の卵とかがたくさん表面についてしまっていて、それは水で洗った程度では落ちないからなのだ。
そこで発達したのが漬け物。
西洋の人がサラダで野菜を食べるように、日本では漬け物や煮物で野菜を取っていたんだよ。
でも、そうするとどうしてもビタミンが不足するんだけど、糠漬けにすることでぬかに含まれるビタミンB類を摂取することが重要だったのだ。
江戸時代には玄米じゃなくて白米を食べるようになったこともあって、ビタミンB不足で「かっけ」が流行したんだけど、糠漬けを食べるようになったことでかなり解消したらしいよ。

それと、サラダ油というのは日本独自の概念なんだ。
サラダ油はオリーブ油、コーン油、大豆油などの原料名から来る名前ではなくて、サラダに適した油という意味の使用目的から来る名前なんだよね。
日本の場合は日本農林規格(JAS)で、原料や製造方法が決められているんだって。
一般には、植物性油脂で、低温でもかたまりにくく液状を保てないとサラダに使えないので、そういう油のブレンドなのだ。
最近では、○○油という形で原料指定の油を使うことが多くなってきたけど(これは健康によりキャノーラ油とか紅花油、中華風にごま油、イタリア風にオリーブ油と油を選ぶようになったからだろうね。)、むかしは料理に遣う油と言えば、サラダ油か業務用に使われるラードだったんだよね。
で、洋食が家庭でも食べられるようになったとき、必然的にサラダ油を使っていたので、サラダ油というと余色のイメージがつきまとっていて、それがサラダせんべいのイメージ形成にも大きく影響しているのだ。

2008/10/18

黒くて甘いやつ

今日、お散歩で靖国神社に行ったら、ひさびさに「純ちゃんの黒糖改革まんじゅう」をみかけたのだ。
それで思い出したんだけど、最近は沖縄健康食ブームで黒砂糖をよく見かけるし、黒糖・黒砂糖も身近になったのだ。
独特の風味があって苦手にする人もいるけど、そのまま塊をなめてもなかなかおいしいよね。
でも、砂糖とどう違うのかよくわからなかったので、少し調べてみたのだ。

砂糖の原料は大きく分けてふたつで、暑い地方でとれるサトウキビと、寒い地方でとれるサトウダイコン(テンサイ)なのだ。
テンサイはしぼることができないので、千切りにしたものを温水に浸して糖分を溶出させ、それを煮詰めた後に濾過して不純物を取り除いてから真空状態で濃縮するそうだよ。
温水に溶け出させているだけに糖分の量は少ないから、真空濃縮しないといけないようなのだ。
最後に出てきた結晶を集めて、さらに精製して白い砂糖にするのだ。

一方、サトウキビの場合はとりあえず絞り汁を取って、それを煮詰めていくのだ。
すると、ドロドロの茶色い液になるんだけど、そこに石灰を加えて不純物だけを沈殿させて取り除いてから固めたのが黒砂糖。
精製をまったくしていないので糖以外の成分が多く含まれているのが特徴。
鉄分やカルシウムなどのミネラルや、アミノ酸などのうま味成分もあって、これが健康食品たる由縁で、かつ、独特の風味・うま味のもとなのだ。
砂糖を精製するときに取り除く糖蜜(廃糖蜜)を除いていないので、細かく砕いてもすぐにくっついてしまうのも特徴なのだ。
ブロックで売られているのはこのためだよ。

で、そのまま固めるんじゃなくて、いったん糖を結晶化させてから遠心分離で廃糖蜜を取り除いたのが粗糖。
結晶の粒子の小さいものは赤ザラメと呼ばれるのだ。
ちなみに、ザラメは結晶化させた後にカラメルを加えることで茶色くしているものだよ。
精製度が全然違うのだ。
で、古典的な方法で粗糖を作るのが四国名物の和三盆。
糖液を煮詰めて不純物を取り除いた後、結晶化させるんだけど、この段階ではまだまだ多くの糖蜜を含んでいるのだ。
そこで、粗結晶を砕いて「研ぐ」という工程を入れ、それを麻の袋に詰めると黒い糖蜜がしみ出てくるんだって。
こうしてさらに糖蜜を抜いてうっすら黄色みがかった結晶にまで精製したものが和三盆で、これは江戸時代にはかなりの精製度の上等なお砂糖だったんだよ。
ちなみに、お盆の上で三度ほど粗結晶を「研ぐ」ので和三盆というそうだよ。

遠心分離で糖蜜を除いた粗糖をそのまま使うのがブラウンシュガーで、さらに粗糖を溶かして不純物を除き、濃縮・結晶化させて得られるのが最終形の上白糖。
上白糖を作る過程で取り除いた糖蜜を再利用し、さらにそこから糖分を結晶化させてとるのが三温糖。
結晶を得るまでに数度熱を加えるので三温糖というんだけど、その過程で一部の糖がカラメル化するので茶色いのだ。
カラメルがある分だけ甘みを強く感じ、風味もよいとされて煮物などに使われるのだ。

で、砂糖を取る際に出てきた廃糖蜜は捨てるものではなくて、そのまま甘味料として使ったり、発酵させてアミノ酸(特にうま味調味料として使うグルタミン酸)をとったり、工業用アルコールの原料にしたりするのに使われるのだ。
ちなみに、くず餅なんかにかける黒蜜はこの糖蜜じゃなくて、黒砂糖を水煮とかしてから煮付けてとろみをつけたものだよ。
で、さらに最近では、廃糖蜜を発酵させてバ作るアルコールをイオエタノールとして使う需要も増えていて、それで砂糖の価格も上昇しているといわれているのだ。これは、バイオエタノールにした方がもうかるので、そもそも廃糖蜜だけじゃなくて、サトウキビ自体をバイオエタノールの原料にするからなのだ!
トウモロコシも食糧として売るよりバイオエタノールにする方が商品価値が高まるということで同じような現象が起きているよね。

ということで、砂糖の精製に沿っていろんな砂糖を見てきたけど、これはなかなか興味深いねぇ。
塩も最近は電気分解で化学的に作るけど、むかしながらの塩田で作る天然塩の方がカリウムなどのミネラル分が豊富で人気があるよね。
確かに工業的に作った方が大量に作れるし、精製度も上がるわけだけど、黒砂糖や、せいぜい和三盆くらいのローテクの方がよい感じがするのだ。
でも、今ではその方がかえって高いんだけど(笑)

2008/10/11

学術の殿堂

まだ最後の経済学賞が残っているけど、今年は日本人受賞者が4人も出てすごかったねぇ(物理学賞の南部先生は米国籍だけどね。)。
それにしても、物理学賞・化学賞のダブル受賞は平成14年の小柴先生・田中耕一さん以来!
受賞自体もそれ以降出ていなかったからめでたいことなのだ。
新聞なんかでもわりと特集されているけど、ボクもちょっとノーベル賞について調べてみたよ。

ノーベル賞はダイナマイトを発明し、巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベルさんの遺言に基づいて創設された賞で、20世紀が始まった1901年から続いているのだ。
ノーベルさんは、自分が発明したダイナマイトが後に平気などの軍事利用につながったことを憂え、科学などの分野で平和に貢献した人を顕彰したかったわけ。
で、創設されたのがノーベル賞で、最初は、物理学、化学、医学・生理学、文学、平和の5部門なのだ。
米国人が主に取ることで知られている経済学賞は後から設けられたもので、正確には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーで銀行賞」という別物。
1968年に創設され、1969年に第1回受賞者が出ているのだ。
自然科学の物理学、化学、医学・生理学賞は学術分野の世界最高の栄誉と言われているよね。
でも、なぜかここには数学が含まれていないのだ。
遺言になかったからみたいだけど、理由はよくわからないんだよね。
一説には、ノーベルさんが数学者を嫌っていたから、なんて言われているみたいだよ(笑)

ノーベルさんの遺産はノーベル財団によって管理されていて、その資産運用益から職員の給与などの財団の運営経費、受賞者への賞金、授賞式の経費などのノーベル賞の制度運用経費が出されているのだ。
受賞者への賞金は、現在は1,000万スウェーデンクローナらしいけど、今回の金融ショックで財団もかなりのダメージを受けているので来年から減らされるかも、と言われているのだ(>_<)
でもでも、経済学賞は別の賞なので、このノーベル財団の基金ではなく、スウェーデン中央銀行の基金でまかなわれているんだって。

受賞者の選考は、自然科学3部門と経済学賞はスウェーデン王立科学アカデミーが、医学・生理学賞はスウェーデンのカロリンスカ研究所が、文学賞はスウェーデンの学士院のスウェーデン・アカデミーが、平和賞は隣国のノルウェーの国会が選考しているんだ。
特に、ノルウェー国会が平和賞の受賞に当たるのにはノーベルさんの平和にかけた思いの表れなんだよ。
選考過程には謎の部分も多いんだけど、事前に著名な科学者・文学者に推薦を募り、ある程度絞り込みをしてからアカデミーなどで5人といわれる選考委員が決めていくのだ。
でも、その選考過程は50年後じゃないと明らかにされていないことになっていて、今の時点ではやっと湯川秀樹博士が選ばれた理由がわかったり、北里柴三郎博士がなんどか候補者にあがっていたことがわかっているくらいなのだ。

例年発表は10月、授賞式は12月なんだけど、ノーベル賞は発表の時点で生存者であることがひとつの条件というのも特徴なんだよ。
すごい業績があってもその時点で生存していないとダメなのだ(授賞式までになくなっても取消にはならないんだって。)。
複数人の受賞も文学賞以外では可能で、3名以内。
受賞内容と貢献度で償金は均等に分けたり、一人だけ多くなったりするのだ。
今回の物理学賞だと、南部先生が1/2、小林先生と益川先生は1/4で、化学賞の場合は下村先生と他の二人もそれぞれ1/3ずつなのだ。
平和賞だけは団体による受賞も可能で、過去には国境なき医師団が取っているし、昨年は国連の気候変動に関する政府間パネルとアル・ゴア元米国副大統領が受賞したよね。
ノーベル賞の選考にはむかしから欧米の人が多いという批判があるんだけど、それもあって最近では特に地域バランスも強く考慮されていて、それで受賞年度が前後するようなこともあるみたい。
でも、経済学賞だけはどうしても研究者が米国に偏っているから難しいんだよね。
これからはきっと文学賞も含めてアジアの受賞が増えると考えられているよ。

このノーベル賞をパロディしているのが一部では有名なイグノーベル(Ig Nobel)賞。
「ignoble」には「あさましい」なんて意味もあって、それも引っかけているのだ。
1991年の創設で、風変わりな研究、おもしろい研究などに与えられる賞で、時には社会風刺や皮肉も込めて与えられるんだ)仲でも「平和賞」は皮肉なのが多いよ。)。
ノーベル賞と違って固定の部門はなくて、その時々に応じて「○○賞」が名付けられるのだ。
基本的には、本人はいたってまじめにやっているのに笑わせてくれるような内容の研究、ほほえましい研究などに与えられるのだ。

日本人の受賞者としては、たまごっち、バウリンガル、ドクター中松の頭脳パン、カラオケなどで、本家のノーベル賞よりもはるかに多く受賞しているよ(笑)
日本人のセンスが理解されているの、欧米の人からばかげた研究に見えるのか、判断に困るよね(笑)
多くの人は怒って授賞式に出ないんだけど、授賞式は毎年10月にハーバード大学で行われているのだ。
受賞者の滞在費・旅費などは自己負担で本家とは全然待遇が違うし、受賞スピーチでも笑いをとらないと行けないという高いハードルがあるんだって。
ノーベル賞の授賞式の後の記念講演とはえらい違いだね。
今年はノーベル賞でも躍進したので、こっちでもぜひぜひ日本人のセンスを光らせたいものなのだ。

2008/10/04

ふっとんだ

今日は体調がすぐれなくて1日ふせってたんだけど、布団の中ってふかふかであたたかくて気持ちいいよねぇ。
これからもっと寒くなるとますます出られなくなるのだ。
ボクは個人的にはある程度重さがある方がしっくりくるので、綿の布団が好きなのだ。
羽毛布団もよいけど、軽すぎると葉がした後にすぐにどっかいってしまって、それで朝寒くなるから、重い方がよいのだ(笑)

そんな布団だけど、むかしは「蒲団」と書いていたんだよね。
田山花袋さんの小説でもこの字になっているのだ。
これは、もともと蒲(ガマ)を丸く編んだ敷物のことを指していたからなんだって。
今でいう座布団みたいなものが布団のはじまりだったんだねぇ。
で、素材の蒲を丸く編んだものだから蒲団で、この「団」は丸いものを表すのだ。
団扇(うちわ)、団子、団らん、大団円の「団」と同じだよね。

ちなみに、座布団は鎌倉時代あたりに登場したそうで、それまではい草なんかを丸く編んだ円座」を敷いて座っていたみたいなんだけど、権力者がその象徴として人より一段高く座れるようにしたものだそうだよ。
それまでは小さな四角い畳(百人一首の絵に描いてあるやつだよ。)を使っていて、それを持ち運びできるようにしたんだって。
それが江戸時代になると布に綿を詰めたものになり、偉い人だけじゃなくて一般にも広まっていったんだとか。
そのころには座るときに正座をするようになっていたのも普及の一因かもね。

布団といえば、天気のよい日に干すとふかふかになって気持ちよくなるよね。
これは布団にしみ込んだ汗などの水分を飛ばすことが一番の目的なのだ。
さらに、布団干しには殺菌の効果もあるんだけど、この時によく布団をたたくのだ。
むかしは布団をたたくことでダニを追い出し又は殺し、綿をふかふかにする、と考えられていたんだけど、どうもそうじゃないみたい。
ダニはそんなことにはあまり影響は受けないし、綿もたたくと固くなるだけなので、ふんわりと干して表面のほこりだけはらい、あとは布団の表面を掃除機で吸ってあげたりするのがよいみたいだよ。

ずっと敷きっぱなしのふとんは万年床と呼ばれるけど、そうなると布団の中の綿はつぶれてしまってせんべい布団になるんだよね。
もともとは綿の繊維の中にたくさんの空気が含まれていて、それでふわふわ感と断熱効果があってあたたかくなるんだけど、その効果がなくなってしまうのだ。
つまり、せんべい布団はふかふかの布団に比べると保温効果が低いのだ。
こうなると干したくらいではダメで、布団の打ち直しというのが必要なのだ。
最近ではほとんど見かけないけど、布団の中の綿を一度出して、かたまった綿を温めながら小さく刻んでくのだ。
これをざっくりと混ぜていくとまた綿の中に空気が含まれるようになってふかふか感がよみがえるというわけ。
途中で温めることで雑菌やダニを殺したり、水分を飛ばす効果もあるよ。
でもでも、布団の打ち直しでかなり状態は改善するけど、綿の繊維は打ち直すと短くなってしまうし、新品の布団ほどにはふわふわ感はなくて、また、より短い期間でつぶれてしまうのだ。
でも、むかしはものを大事にしたから、何度も打ち直して大事に使ったみたい。

今は布団が平たく、固くなると買い換えてしまうことが多いので打ち直しをしないけど、それ以上に、羽毛や羊毛、化学繊維などを使った布団を使うようになったのも原因なのだ。
不毛の場合は羽のふわふわがつぶれてしまうともほぼ再生はできないからまず買い換えるしかないんだよね。
羊毛や化学繊維の場合は原理的には打ち直しはできそうだけど、そこが植物性繊維の綿と動物性繊維の羊毛、化学繊維の違いのような気がするのだ。
まず、タンパク質である羊毛や化学繊維は熱に弱いから綿のように温めながら、というわけにはいかないんだよね。
細かく刻むにしても、羊毛や化学繊維は長い繊維が縮れることでふわふわ感を出しているので、繊維が網目状に重なり合ってふわふわ感を出している綿とは違ってほとんどふわふわ感がさいせいしないのだ。
というわけで、やっぱり布団の打ち直しには向いていないんだよね。
そこを考えると、綿の布団っていうのは偉大だねぇ。

2008/09/27

目黒の名物?

今日はお散歩で目黒界隈を歩いたのだ。
目黒といえば、やっぱり思い出すのは「目黒のさんま」だよねぇ。
本当に名物だったのはタケノコらしいけど・・・。
ちょうどめっきり気候も秋っぽくなってきて、サンマがおいしい季節だし、ちょっとサンマについて調べてみたのだ。

サンマはやっぱり細長いダツやサヨリの仲間で、似ているような気がするイワシとはそんなに近縁でないみたい(イワシはニシンの仲間だよ。)。
細い柳葉型で銀色に輝くので刀に例え、秋に特においしいので漢字では「秋刀魚」と書くんだよね。
秋刀魚は日本海から北太平洋の北米沿岸・メキシコ沿岸までの広い海域を回遊しているらしいんだけど、日本で水揚げされるものは夏の間オホーツクのあたりにいて、それが秋に産卵のためになんかしてくるものだそうなのだ。
産卵前なので特に脂がのっていておいしいというわけ。
落語の「目黒のさんま」では、殿様に気を遣って油を徹底的に落としてしまったからぱさぱさでおいしくなくなっちゃったんだよね。

サンマのうろこはとても小さくて、かつ、はがれやすいので、水揚げのときにほとんど外れてしまうそうなのだ。
なので、買ってきてそのまま塩をして網焼きしてもおいしいというわけ(好き嫌いはあるけど、サンマの肝が好きな人は多いよねぇ。)。
最近は流通が迅速化して新鮮なものが都心でも手にはいるようになったのでお刺身なんかもあるけど、サンマといえば塩焼き、開き、蒲焼きなんかがおなじみなのだ。
青魚で傷みやすいから、なかなか生食はできなかったんだよね。
なので、酢で締めてサバ寿司のように押し寿司にも使われていたようなのだ。
ボクが食べるときはほとんど塩焼きに大根おろしだけど、蒲焼きも甘辛くするとごはんに合うんだよね。
けっこう給食では好きなメニューだったのだ。
その他、あまり脂ののっていない時期に捕ったサンマを丸干しにすることもあるんだって。
この丸干しサンマから取れる出汁はかなりおいしいらしいよ。

鮮度のよいサンマを見分けるコツとして知られているのは次の3つ。
尾を持って頭を上にして縦にしたとき、曲がらずまっすぐに立つのは鮮度がよい証拠。
これはまだ身の筋肉の自己融解が始まっていない、ということなのだ。
ま、多少自己融解が進んだ方がアミノ酸が出てきてうまみが出るんだけど(牛の場合は2週間ほど熟成させたりするよね。)、魚の場合はそのときにくさみのおとになる不飽和脂肪酸も出てきてしまうので、うまみを出したいときは干物にするのだ。
それから目がにごっていないことも大事だって。
これは他の魚でも共通だね。
最後は口先がほんのり黄色いことだそうだよ。
これは見慣れてないとわかりづらいから、やっぱり先の2つで確かめるのがよいかな?

「目黒のさんま」の落ちは、鮮度のよい日本橋魚河岸から取り寄せたサンマでも、気を遣いすぎて油をぬいたり小骨を取ったりしてしまうとぐずぐずになってまずくなってしまい、海から遠い目黒のサンマの方がおいしく感じたってことなんだよね。
江戸時代は脂ののった魚は下魚として扱われ、庶民は食べたけど上流家庭では食べなかったことも影響しているのだ。
高級魚はタイなどの白身のあっさりしたもので、マグロやカツオ、サンマ、イワシなんかは庶民しか食べない魚で、マグロのトロなんかは脂がのりすぎていてしつこいと捨てられていたらしいのだ(>_<)

そこで気になるのが、目黒のサンマは本当はおいしかったのか?、だよね。
きちんと考えている人がいて、実はおいしかったんじゃないかと言われているみたい。
それは、サンマは塩を振ってから2~3時間後くらいがちょうど食べ頃になるそうなんだけど、芝浦などで水揚げされたサンマに塩をふると、目黒まで徒歩で来るのにちょうど2~3時間かかるらしいのだ。
なので、売りに来たのを買って焼けばちょうど食べ頃というわけ。
なかなかよくできた話だけど、実際はどうだったんだろうねぇ。
流通が今みたいに発達してなくても、そういう風にうまく回っていたとすると、案外都市部でもおいしい魚を食べられたのかもしれないね。

2008/09/20

春と秋で名前を変えろ!

ボクは和菓子が好きなんだけど、中でもけっこう好きなのはおはぎ。
ちょうどお彼岸の入りで街中でよく見かけるようになったよね。
完全なおもちでもよいのだけど、まだつぶれていない粒が残るおはぎの独特な感触がまたよいのだ。
甘過ぎないのもいいよね。
で、気になったのが、ぼた餅とおはぎの違い。
はっきり言って同じようなものだけど、ひょっとすると何か違うかもしれないと思って調べてみたのだ。

するとわかったのは、結論的には、基本として同じものということ。
どうも、春のお彼岸では、その季節がら咲く「牡丹」にちなんで「ぼた餅」(漢字では「牡丹餅」)と読んで、秋のお彼岸には秋の花の代名詞のハギにちなんで「はぎの餅」とか「おはぎ」と呼ぶようになったそうなのだ。
同じものだけど、季節に合わせて名前を変えているなんてなかなかおしゃれだよね!
地域によっては、完全におもちにしてからあんこにくるむのをぼた餅、半つぶしの状態でつつむのがおはぎ、としていたり、あんこをつけるのがぼた餅で、きなこをつけるのがおはぎ、と区別している例もあるようなのだ。
でも、たぶんは後付けの区別で、おそらく最初は季節による呼び方の違いだけだったんだろうね。
むかしはお米も砂糖も貴重なものだから、井悲願とかのイベントじゃなきゃ食べられなかったろうし、そういう季節との結びつきがより強かったはずなのだ。

ぼた餅は、もち米とうるち米を混ぜて炊き、それを完全に飯粒がつぶれないように半分だけつぶして、食べやすい大きさに丸めてからあんこをつけて作るのだ。
つぶし方は秋田名物のきりたんぽと同じだけど、きりたんぽはうるち米のみなのでわりとぼそっとしていて、ぼた餅の場合はもち米が掃いているのでよりもちもちした食感になるのだ。
ただのおにぎりにあんこをつけてもぼた餅に似た感じにならないのはこのためだよ。

ことわざでは、思わぬ成果を、期待していなかったうれしいことを「棚からぼた餅」なんて言うけど、むかしはそれだけぼた餅がごちそうだったのだ。
もともと甘いものは貴重だったわけだけど、白飯じたいが貴重だったむかしには輪をかけて大ごちそうなのだ!
なので、春と秋のお彼岸にお供えし、そのお下がりをごちそうとして食べていたようなんだけど、それ以上に農村部で重要だったのは、田植えや稲刈りといった、村をあげた共同作業のときのごちそうという位置付けなのだ。
今ではコンビニでも帰るけど、むかしは年に数回しか食べられないような貴重なものだからこそ、思わず「棚からぼた餅」はうれしかったはずなのだ。
今は物流が発展してるし、温室なんかも発達していつでも野菜や果物が食べられるようになったからそういうのが薄れてきているよね・・・。
そういうところは残念なのだ(>_<)

2008/09/13

何の最中?

ボクはけっこうお菓子の最中が好きなんだよね。
栗は食感が変わるのでない方がよいのだけど、おもち(求肥)は大歓迎なのだ(笑)
アイス最中もけっこう好きで、その場合はさくさくぱりぱりよりは、少し湿っている方が好きだったりするんだよね。
もちろん、ふにゃふにゃはダメだけどね。
で、そんな最中について調べてみたのだ。

最中はもち米の粉を水で練って蒸してから薄くのばして焼いた皮の中にあんこを詰めたものだけど、もともとは薄くのばした後に円形に切りそろえ、砂糖をまぶした干菓子の一種だったんだって。
江戸時代になると間にあんこをはさむバージョンが考案され、そこから今の最中ができてきたそうなのだ。
現在よく見かける形になったのは明治以降ということなので、けっこう新しいお菓子みたい。

名前の由来は、拾遺和歌集にある源順(みなもとのしたごう)さんの「池の面に 照る月なみを 数ふれば 今宵ぞ秋の もなかなりける」という歌だそうで、この歌を知っていたお公家さんたちが、月見で出された円形の干菓子を見て「もなかの月」と名付けたんだそうだよ。
江戸時代に考案されたあんこをはさんだものもこれを引き継いで「もなかの月」と呼ばれていたそうだけど、今の形に近づくにつれて円形ではなくなっていったので、「月」がはずれて単に「もなか」になったようなのだ。

今の最中はもち米の粉を練って蒸したものをローラーを使って数mmの薄さにまで伸ばし、それを型に入れて両面から焼くんだって。
この方の形で四角かったり丸かったりいろいろな形になるし、表面に字や絵なども入れられるのだ。
最近では伸ばさずに練ったものをそのまま焼き型に流し込む製法もあるんだって。
で、この皮を焼いていくと、型からはみ出るまでふくらんで、それで独特のさくさく感が出るのだ。
これはおもちが焼くとふくらむのと同じで、中の水分が水蒸気になって体積が急激に膨張し、それでウェハース上の泡が入った構造になるのだ。
これがさくさく感の正体。
で、最中の場合はこのさくさく感が失われないように、他のお菓子に比べてあんこの水分量を少なくしているんだって。
確かに、どら焼きなんかだととろけるようなあんこを使うけど、最中はもっとねっとりしたものが多いよね。
お菓子屋さんの中には目の前で皮にあんこを入れてくれるところもあるのだ。

西洋でもバニラアイスをコーンやウェハースに載せたりするけど、これを和風にアレンジしたのがアイス最中。
あんこの代わりにアイスをはさんだだけだけど、アイスの場合は冷やしておく限りは水分が氷としてかたまっているので、最中の皮のさくさく感が保てるのだ。
これはなかなかのアイデアだよね♪
でも、ずっとそれを維持できるわけでもなくて、流通経路で外に出したときなんかは少しアイスの表面が溶けて、その水分が皮にしみてやわらかくなってしまうのだ。
買ってから時間がたつとそれがさらにひどくなるよね(>_<)
ま、ボクの場合は少しふにゃふにゃなくらいで、ギリギリでさくっと割れるくらいの感じが好きだけど(笑)

2008/09/06

どれもミルクを入れたコーヒーなんじゃないの?

ボクはコーヒーはブラックで飲むことが多くて、かつ、缶コーヒーもわりと好きなので、まずスターバックスやエクセルシオールのようなカフェは利用しないのだ。
ちょっと高いしね(笑)
時々行くにしてもドトールとかヴェローチェが多いんだけど、この辺も庶民根性丸出しなのだ(笑)
で、そういうことなので、メニューの違いもよくわからないんだよね。
ラテは牛乳たっぷりの牛乳で、カプチーノはあわあわ、というくらいしかわからないのだ。
なので、ちょっと調べてみたよ。

まずは基本形のカフェラテだけど、もともとはイタリアのカフェ・ラッテで、「牛乳・コーヒー」というストレートな意味なので。
なので、イタリアではコーヒーと多めのミルクを混ぜればラッテなわけだけど、イタリアのコーヒーはイタリアン・コーヒーと別に呼ばれるくらい濃いものだし、もともとエスプレッソを多く飲むので、濃いコーヒーをたっぷりのミルクで割って飲みやすくしたものというわけなのだ。
これが米国でエスプレッソに多めのミルクを入れるカフェラテとして広まっていって、それが世界に発信されたのだ。

似たようなものにカフェオレがあるけど、これはもともとカフェ・オ・レで、フランス語。
英語だとcoffee into milkでミルクの中にコーヒーを入れたもの。
というわけで、作り方としてはほとんど差がないわけだけど、米国や日本ではエスプレッソをミルクに入れるとラテ、そうでなくて普通のコーヒーだとカフェオレ、と区別しているみたい。
ちなみに、もともとフランスは深煎りの渋いコーヒーを入れるので、やっぱりミルクで割って飲みやすくしていたようなのだ。
米国はラテもがぶがぶ飲むけど、カフェオレは専用の丼のようなカフェオレ・ボールに入れて出されて、全部の飲むとおなかがたぷたぷになってしまうのだ。

飲んだ感じも明らかに違うのがカプチーノ。
これはエスプレッソにクリーム状に泡立てたミルクを加えたものだよ。
泡立てているのでミルクも量は少なくて、ラテよりもカロリーも控えめなのだ。
後味があっさりしているのもそのせいだよ。

逆にがっつりしているのがカフェ・モカだよね。
エスプレッソの上にホイップクリームを載せたのがカフェ・コン・パンナという飲み物で、これにチョコレートシロップを加えて甘くしたのがカフェ・モカなんだって。
なので、一番カロリーが高いのだ!

同じく甘いのがキャラメル・マキアート。
ねっとりした甘さが特徴だよね。
カフェ・マキアートは、エスプレッソに蒸気で泡立てたフォームドミルクを加えたもので、ミルクの了は少なめなのだ。
で、これにキャラメルソースを入れるとキャラメル・マキアート。

日本でおなじみなのはむしろコーヒー牛乳だよね。
これは牛乳にコーヒーや砂糖で味付けしたもの。
デフォルトで砂糖でかなり甘めに味付けされているのが特徴だよね。
むかしのカフェオレは甘かったので、あたたかいか冷たいかくらいの差だったけど(笑)、最近はカフェオレも砂糖を加えずに飲まれるようになったので、差が鮮明になってきたのだ。
でも、時々飲みたくなるよね。

最後の番外編はスターバックスのカフェ・アメリカーノとアメリカンの違い。
アメリカーノはエスプレッソをお湯で割ったもので、アメリカンは浅煎りした豆を薄く淹れたものなのだ。
コーヒー豆が高くなったとき、少量でおいしく飲める方法として米国で考案されたものだよ。
最終的な濃さは違わないけど、アメリカンはじっくりと抽出するのでカフェインが大量に含まれているのに対し、エスプレッソは圧力をかけて短時間で抽出するのでカフェインは少なめ(レギュラーコーヒーと同じ量を飲むとエスプレッソの方がカフェイン量は多くなるけど、1杯あたりのカフェイン量はエスプレッソの方が少ないのだ!)。
なので、カフェイン含有量が決定的に違うのだ!

こうして見てくると、臆することなく安心して注文できるよね。
ボクはストレートのコーヒーしか頼まないけど(笑)

2008/08/30

夏にぐったりんこ

今日のお散歩中、江戸川区自然動物園で見た大きなオタリアは夏バテしていたらしいのだ。
ボクは夏の生まれで暑さに強いこともあって、夏バテすることはほとんどないんだけど、けっこう夏になるとさっぱりしたものしか食べたくないとか、言う人が出てくるよね。
それで冷たいものばかり飲んだり、あっさり系のものを少ししか食べなくてさらに体力がなくなっていくんだよね。
そんな夏バテについてちょこっと調べてみたのだ。

夏バテは「夏にバテる」の略で、夏の暑さによる体力低下・食欲不振というのが古典的な夏バテなのだ。
こえは古い時代からあって、江戸時代にも夏バテを防ぐために「土用の丑の日にウナギを食べよう」なんてキャッチコピーを平賀源内さんが発明したりしたんだよね。
今では温めて飲む甘酒も、むかしは冷やして夏バテ防止用に夏に飲んだらしいよ。
九州のよいブドウ糖もたっぷり入っていて栄養豊富で、飲みやすいので重宝したみたい。
江戸時代の栄養ドリンクのようなものだったのだ!

この原因は、汗をかいたりして体温調節するのに多大なエネルギーを使ってしまってしまうことによるエネルギー不足なのだ。
何かハードなことをしたわけじゃないけど、まさに疲労困憊な状態と同じで、着かれすぎたときと同じように食欲不振になってしまい、それでさらに体力が低下するというデフレ・スパイラルに陥るのだ。
なので、無理してでも栄養のあるものを食べて、たっぷり休養をとるのが大事なんだよね。
あっさり系のそうめんとか冷やしそばとかでは不足しがちなビタミンやタンパク質を摂取するのが重要みたい。
そういう意味では冷やしとろろそばとか、蒸し緑黄色野菜のマリネなんかはよいのかもね。
お酢を使ってあれば即栄養源になるクエン酸もとれてよいのだ。
それと、大量に汗をかくので、脱水にならないようにイオン濃度にも配慮しながら水分を適切にとることも大事なのだ。

でも、今の夏バテはこの古典的な夏バテとは少し違ってきているみたい。
それは冷房の存在のせいで、単に暑さで体力を消耗しすぎているのではなく、屋内と屋外で気温が大きく地会うことにより、体の体温調節機構のバランスがおかしくなる、という風になってきているらしいのだ。
対応調節を司る自律神経の不調によるものなんだって。
なので、体力低下というよりは倦怠感や思考力低下などの症状が出てくるのだ。
これは急激な気温差に体が着いていかないということで、季節の変わり目に体調を崩すのと同じだよ。
季節の変わり目なら日単位だけど、冷房のあるなしは時間・分単位の話だから、急激度も桁違いなわけだよね。

こっちの改善方法は、まず一番目に冷房をきかせすぎないこと。
外気温との差がそんなにないように冷房の設定温度を高めにしておくのがいいみたい。
自分で温度を調節できないときは、室内にいるときはちょっと上に羽織るとかするとよいみたい。
それと、普段から規則正しい生活をして、そもそも体調を整えておくことも大事なのだ。
体が冷えるときには熱いものをとることもいいみたいだよ。
冷房で冷えすぎた体を熱いもので温めるというわけなのだ。

熱帯夜などで暑くて寝苦しいと古典的な夏バテはさらに悪化してしまうわけだけど、現代風の自律神経の不調による夏バテは熱帯夜とかにかかわらず体の調節がおかしくなっているのでそもそも睡眠不調になるのだ。
寝苦しいだけならちょっと涼しくすれば解決なんだけど、自律神経が不調だとちょっと対処法は難しいんだよね。
昼間よく太陽を浴びて、あまり冷房に当たりすぎないようにして、と体調を整えるのがいいみたいだけど、それでもダメなら睡眠導入剤とかの薬も使うことになるのだ。
なので、単に夏バテで睡眠不足といっても、まずは原因を特定しておかないとダメなのだ。
自律神経が不調なときに冷房をつけて寝ても、かえって悪化するだけだからね。

2008/08/23

まっとりんこのぷ~

職場で話題になったんだけど、おならって臭い人とそうでない人がいるよね。
日によっても違うけど、傾向としてはあるような気がするんだよね。
で、よく言われるのは食べ物の違いで、野菜やこんにゃくなどの繊維質(食もと背に)をよく食べている人はそんなに臭くないけど、肉や魚などのタンパク質の多いものばかり食べている人は臭いというのだ。
で、せっかくなので、おならについてちょっと調べてみたのだ。

実は、おならのほとんどは口や鼻から入ったガスで、食べているときに食べ物と一緒におなかの中に入ってしまうようなものなんだって!
なんとそれは9割にも及ぶとか。
それが胃に入った段階で口から出るとげっぷだけど、腸まで行ってしまうとおならとして排出されるのだ。
早食いの人はゆっくり食べる人より多く空気を巻き込んで食べ物を胃腸に送ってしまうので、それだけおならが多く出るようなのだ。

1日に出るおならの量は成人だと0.5~1.5リットルで、それが5~20回くらいにわけて放出されているんだって。
「ぶ~」と音がして意識的にするものもあるけど、「す~」と無音で気づかないうちに出ているようなものまであるのだ。
ちなみに、意識して出すときは、ガスが出る分だけちょっとだけ肛門を開くんだけど、便が出るほどじゃないからガスだけが出るんだって。
かなり微妙な調節で、便がゆるいとそれが漏れてしまうという事態になるみたい・・・。

口や鼻から取り込んだもの以外は、腸管、主に大腸で未消化のものや消化できなかったものを腸内細菌が分解・発酵させるときに出てくるものなんだよ。
特に食物繊維の主成分であるセルロースなんかは消化酵素がなくて分解できないのでここで細菌によって分解されるのだ。
細菌による分解・発酵で出てきた栄養成分の一部は大腸から吸収され、大腸の栄養源にもなっているんだよ。
草食動物の場合はそうやって栄養をとっているのだ!
だからたくさん栄養をとるためにじっくり時間をかけて体の中で発酵させるのだ。

この時出てくるガスの主成分はメタン。
おならに火をつけるとぼぉっと燃えるのはメタンが燃えるからだよ(危ないから試さない方がよいけど・・・。)。
草食動物のげっぷが地球温暖化に関係しているというのも、反芻しているときにこのメタンが口からげっぷとして出るからなのだ。
で、メタン自体は無臭なので、これは臭くはないのだ。

臭いのは未消化のタンパク質なんかが分解されたときに出てくる硫化水素や二酸化硫黄、酪酸、尿素、スカトールなどなど。
ゴボウやイモのような食物背にの多い食べ物はガスがたくさん発生するもとにはなるんだけど、出てくるのは無臭のメタンなのでさほど臭くならないのだ。
一方、肉や魚はタンパク質が多いので、上にあげたもののような臭い成分が出てくるので、おならの量はともかく臭くなるのだ!
卵のように硫黄を含むアミノ酸のメチオニンを多く含むタンパク質に富んでいるは特におならが臭くなるよ!
臭い成分はたいてい窒素や硫黄を分子式に含んでいるんだよね。

でもでも、腸内で発生したガスも全部がおならとして排出されるわけじゃなくて、かなりの部分は腸管から吸収されるんだって。
吸収されないものがおならとして出てくるのだ。
おならとしてでないからといっても安心できなくて、腸管から吸収されたガスは血中に入るんだけど、これが肺でのガス交換の時に呼気中に排出されることがあって、そうすると口臭がくさくなるらしいのだ!
便秘だとそうなることがあるらしいので注意が必要だよ。
これはにんにくによる臭みと一緒で、にんにくの臭みは歯を磨いただけじゃ不十分で、消化の最中に血中に取り込まれたにおい成分が同じように肺から出てくることがあるのだ。

というわけで、普段の食生活がおならのにおいには大きく影響してくるみたい。
もともと人によって腸内細菌の種類は違うので、それによっても変わってくるけど、大事なのは食べ物なのだ!
肉や魚を控え、野菜を多く食べる健康的な生活をすれば、おならも臭くならず、家庭も円満なのだ(^o^)/

2008/08/16

お菓子のホームラン王

今日はお散歩で自由が丘の亀屋万年堂総本店に行ったのだ。
で、職場でナボナを知らなかった人がいたことを思い出して、職場へのおみやげでナボナを買ったのだ♪
関東では、「ナボナはお菓子のホームラン王です。」のCMは有名だけど、これはかつて一世を風靡した柳生博さんの100万円クイズハンターと一緒で関東ローカルなので関東以外出身の人は知らないのだ(>_<)
そこで、今回はナボナについて改めて調べてみたよ。

ナボナは亀屋万年堂のブランドのお菓子で、比較的安く、けっこうおいしく、日持ちもするので東京土産によく買われるのだ。
ソフトカステラでクリームをはさんであるんだけど、ちょっと塩がきかせてあって、それで甘さが引き立つのだ。
かといって、そんなに甘過ぎるわけではないんだよ。
基本味は、チーズ、パイン、チョコで、これに季節限定の味が加わるのだ。
現在はこの夏限定でマンゴーとグレープフルーツがあるよ。
かつてはルバーブ、マロン、紅茶、イチゴなどなどがあったのだ。

「ナボナはお菓子のホームラン王です。」のCMは王貞治選手のCMの代名詞だけど、なんでも、当時はミスターこと長嶋茂雄さんが様々なCMに出ていたのに対し、王選手は出ていなかったので、かわいそうに思った先輩の国松彰さん(元巨人軍外野手)が、奥さんの実家の亀屋万年堂のCMに起用してもらったんだとか。
でも、そのインパクトの強さから、一気に関東圏では有名なCMになったのだ。
最近は見かけないけど、むかしははやったものなのだ。

ナボナはローマのナヴォーナ広場から名前をとっているとかで、イメージはイタリアなんだね。
洋菓子風だけど、和菓子のよさも持ち合わせているのだ。
もともと亀屋万年堂は和菓子屋さんだから、そういう味が生まれたのかもね。
で、ナボナに続いて出てきたのは森の詩(もりのうた)。
これは餡をカステラでまいた和風ロールケーキで、やっぱり同じようなコンセプトで考案されていて、ナボナに次ぐ主力商品なんだって。
一般的な和菓子のようかんとか大福の他にも洋菓子風のゼリーとかも売っているよ。

で、ボクが前から気になっているのは、東急線沿いに亀屋万年堂の売店が多いということ。
だから都内では目黒区、品川区、大田区、世田谷区に集中しているのだ!
本店が自由が丘というのもあるんだろうけど、たいてい東急線の駅の近くにあるのだ。
なので、ナボナを食べたい人は、とりあえず東急線の駅に行けばよいのだ(笑)

2008/08/09

「ちつてと」そば

暑い日が続くと、食欲がなくなるよねぇ。
冷たい飲み物やアイスならいくらでも食べられるんだけど(笑)
そんな時にうれしいのが冷たい麺類。
つるっとあっさり食べられるのだ。

ボクが今気に入っているのが冷やしたぬきそば。
あっさり食べられるけど、天かすも入っていて適度に油分もあり、がっつり感もあってよいのだ♪
特にお気に入りなのは小諸そばの冷やしたぬきそば。
普通は冷やしにすると値段が高くなるけど、小諸そばは温かいそばと同じ値段で冷やしにできるのが魅力なのだ!

東京では一般に揚げ玉又は天かすをのせたものを「たぬき」と呼んでいて、うどんとそばの両方があるのだ。
タネを抜いて揚げた天ぷらが揚げ玉なので、「タネ抜き」がなまって「たぬき」になたと言われているんだって。
「きつね」は油揚げをのせたもので、これはお稲荷さんの好物が油揚げとされていることから来ているわけだけど、それと対をなすから「たぬき」はちょうどいいんだよね。
油揚げと揚げ玉の両方が入った「むじな」という隠れメニューがある店もあるけど、これは「きつね」でも「たぬき」でもないからと言われているのだ。
ちなみに、インスタントの「緑のたぬき」はいわゆるかき揚げ風の天ぷらがのっていて、インスタントではこっちが主流だけど、これじゃタネが入っているから天ぷらそばだよね(笑)

一方、大阪で「たぬき」というと油揚げの入ったそばを言うのだ。
油揚げの入ったうどんは「きつね(けつね)」で、「たぬき」と「きつね」はそばとうどんの違いなので、後にそばとかうどんとかはつけないのだ!
じゃあ、天かすの入ったそばやうどんは何というのかというと、それは「ハイカラ」と言うそうなのだ。
確かに大阪発祥のうどん・牛丼チェーンのなか卯では「ハイカラ」になっているよね。
でも、東京の立ち食いそば文化が関西にも浸透してきていて、最近は大阪でも「たぬきそば」や「たぬきうどん」も存在しているようなのだ。
ま、「通じる」という程度なのかもしれないけど。

ちなみに、東洋水産のインスタント麺で「緑のたぬき」がそば、「赤いきつね」がうどんになっているのはこういうのとも関係しているのかもね。
どん兵衛の方はむかしは天ぷらそばときつねうどんだけだったのに、最近では天ぷらうどんやきつねそばもレパートリーに増えているのだ。
関東と関西ではだしをそれぞれカツオと昆布をベースとするように味を変えているというけど、日清の方が芸が細かいのだ。

もともと江戸時代には多くの人は朝と夕しか食事をしてなくて、それではおなかが空くので軽食としてそば・うどんや団子を食べていたんだよね。
でも、明治以降三食食べるようになって、そばやうどんもきちんと食事として食べるように変わってきたので、ガサ増やしというか、「食べたなぁ」という満足感を増す工夫が考えられたんだよね。
天ぷらをのせられればいいけど、それでは高すぎるので、という庶民の知恵から出てきたのが油揚げや揚げ玉なんだよね。
油分が加わることであっさりしすぎなくなるのだ。
ま、今ではけっきょくおにぎりやミニカレー、ミニ丼とセットになることが多くなってしまったけどね(笑)

2008/08/01

よく考えると「改造」ってすごい響きだよね

今日は、安倍内閣の「居抜き」内閣と呼ばれていた福田内閣が改造に踏み切ったのだ。
今回はすべての閣僚を自分で選んでいるんだよね。
自ら名付けて「安心実現内閣」だそうなのだ。
この前は表下「5つの安心プラン」にかけているみたい。

そこで気になったのが、内閣改造の時の組閣の手続について。
ちょうどテレビでもいろいろ情報を流していたので、ちょっとお勉強してみたのだ。
こういう機会でもないと、よくわからないんだよね(笑)

まず、内閣総理大臣が内閣改造を決断した場合、臨時閣議を開いて、自分をのぞく全閣僚から辞表を集めるのだ。
普通は辞表を出すことを拒む大臣はないんだろうけど、最後の手段としては、内閣総理大臣は他の国務大臣を罷免することができるから、「クビ」にはできるのだ。
このとき、閣僚ではないんだけど、閣議に同席する内閣官房副長官と内閣法制局長官からも辞表を受け取るみたい。
首相官邸の閣僚名簿なんか見ても、3人の内閣官房副長官と内閣法制局長官は載っているから、閣僚に準じた扱いなのだ。

で、各国務大臣から辞表を集めて内閣が自分一人になった段階で、内閣総理大臣は新しい内閣作り(=組閣)の手続に入るんだよ。
政党政治の日本のシステムで重要なのは党内手続なんだよね。。
衆議院で与党が過半数を占めている現状では、自民党総裁が内閣総理大臣と同一人物なこともあって、まずは自民党の役員人事を決めるのだ。
有名な三役(幹事長、政務調査会長、総務会長)と、それに準ずる選挙対策委員長、国会対策委員長なんかだよ。
これでまずは党内の体制を固めるのだ。

さらに、今は自民党と公明党の連立政権なので、パートナーである公明党との調整も必要なんだよね。
国務大臣は内閣総理大臣が任命するあけだけど、与党のパートナーである公明党からの閣僚ポストは事実上調整することが必要なのだ。
連立を組んでいるのに公明党から閣僚に入らなかったらさすがにまずいからね。

で、党内手続と公明党との手続が終わると、いよいよ組閣作業。
官邸の中に組閣本部が作られ、内閣総理大臣自らが連絡し絵、閣僚候補を官邸に呼び寄せるのだ。
最近有名になっているのはその事前の、いわゆる「身体検査」。
一時期閣僚のスキャンダルが頻発したので、そういうのがないかどうか、閣僚候補を絞り込む段階で調べているんだよね。
どうやっているのかはいまいちわからないし、その後にスキャンダルが発覚することもあるので完全なわけじゃないけど。

で、内閣法に定める定数の14~17名の閣僚候補が官邸にそろったところで、閣僚名簿が公表されるのだ。
でも、実はこの段階ではまだ閣僚ではなくて、○○大臣就任予定者で、その後に天皇陛下から認証を受けてはじめて国務大臣として任命され、さらに、その後に○○大臣としての「補職」の任命が出て、そこではじめて閣僚としての任命が終わるのだ。
今回の場合、組閣作業が夕方から夜にかけてだったので、認証は翌日にずれ込んでいるから、正式に改造内閣が発足するのはその認証の終わる翌日なんだよ。
各大臣は今日のうちにすでに役所に顔を出しているけど、「初登庁」は明日になるのだ!

閣僚名簿は通常内閣官房長官(の就任予定者)が官邸の会見室で発表するのだ。
その後、準備ができた淳から、各閣僚(就任予定者)が同じ会見室で抱負を述べ、簡単に質疑応答をするんだよね。
細かい質疑応答は認証式が終わった後の初閣議の後の各大臣の閣議後会見で行うのが通例で、ここでは時間もないので特に重要なことや全般的な事項を聞くみたい。
それがひととおり終わると、最後に内閣総理大臣の会見になって、今回の内閣の組閣の方針や目指す方向性などが語られるんだ。
最初に出てきた「安心実現内閣」という名称は、今日の福田総理の会見で出てきたものなのだ。

今日はここまでだったけど、明日の午前中に皇居内で天皇陛下からの認証があり、その後、お昼ちょっと過ぎに初閣議。
その後、有名な官邸の階段のところで内閣発足の記念撮影があるはずなのだ。
新聞党の報道では、もともとは月曜に組閣を計画していたものの、その日が「仏滅」で縁起が悪いから週内に決着をつけたんだって。
それで土曜日発足の内閣になってしまったのだ。
まわりの人はちょっと大変だよね(笑)
通例、副大臣は内閣発足の翌日に任命されるんだけど、今回はやっぱり仏滅である月曜を避けて、火曜日になる見込みなんだって。
なんだかそういうところで縁起を担いでいるのが日本の政治家っぽくておもしろいのだ。

2008/07/26

涼やかな音♪

この前、川崎大師の風鈴市にいって名物のだるま風鈴を買ってきたんだけど、これがまた涼しげな音でよいんだよね。
夜は近所迷惑になるかもしれないから、と一応家の中に入れるんだけど、昼間の間は外に出してちりんちりん鳴らしているのだ。
ボクはどちらかとおう空調が苦手で、自然の風が好きな方だから、風鈴の音なんかは大好きなのだ。

もともと中国では魔除け・邪気よけのために家の四隅に小型の鐘をつけて音を鳴らしていたらしいのだ。
今でもクマよけに鈴を鳴らすなんてのがあるけど、むかしから音を鳴らして邪気を祓うというのはよく行われていたのだ。
中国ではこれは風鐸(ふうたく)と呼ばれていて、今でも仏塔なんかにつり下げられているそうだよ。
これが仏教とともに日本に入ってきて、鎌倉時代には日本でも仏教関係の施設で使われるようになったそうなのだ。
そのときの呼び名は同じ風鈴の字を書いて「ふれい」と呼んでいたんだって。

これがいつしか涼をとるために使われるようになるのだ。
最初のころに出ていたのは南部鉄をつかった風鈴のような金属製の甲高い音のするもの。
あの透明感のある、高い金属音はいいよねぇ。
うるさすぎないのもいいのだ。
これが江戸時代になると登場してくるのが、ガラス製の江戸風鈴。
筒の先に溶けたガラス玉をつけ、そこに息を吹き込んでふくらませるのだ。
そうすると、下に穴の開いた、薄いガラスの玉ができるわけだけど、そこに内側から絵を描くと、つやと透明感ある絵柄できれいなんだよね。
ちりんちりんという独特の音もよいのだ。

江戸風鈴の穴の開いている下側はわざとぎざぎざにしたままで、ヤスリなどでみたいらにしていないのだ。
これは、ここにガラスの棒(「舌」というらしいのだ。)がこすれることで、ちりちりちりというかすかな音がするのだ。
大きくゆれたときのちりんという音ともに江戸風鈴の醍醐味で、これとガラス玉の形状によって江戸風鈴の音は千差万別になるのだ。

西洋にもウィンド・チャームという似たようなものがあって、多くの場合は金属の中空の棒が何本がぶら下がっていて、それが風にゆれて互いにぶつかることで音がするのだ。
これも金属質のなかなかきれいな音がするよ。
でも、やっぱり見た目では江戸風鈴がきれいだよねぇ。

2008/07/19

サタデーでない「どよう」

今日から土用に突入。
次の木曜日にはさっそく土用の丑の日が来るよ。
今年の夏の土用の丑の日は2回で、なんと2回目はボクの誕生日でもある8月5日なのだ。
いやぁ、みんなに気にしてもらってまいったなぁ(謎)

土用というとどうしても夏のイメージで、しかも、夏の一番暑い時期が思い浮かぶけど、実は夏だけじゃなくて、各季節の変わり目ごとにあるのだ。
むかしはそれぞれの季節の終わりに当たる立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間ずつだったんだけど、今では太陽の黄道上の位置(地球を止めてみた場合に太陽が1年かけて動く見かけ上の軌道)の角度を国立天文台が計測してて、それで決めているのだ。
ちなみに、日本の季節の考え方では、立春はこれからあたたかくなるところ、立夏はこれから暑くなるところ、・・・という決め方なので、立秋の前の夏の土用はまさに暑さの真っ盛りということになるのだ。
それで一番暑い季節というイメージがつくわけ。

もともとは陰陽五行説から来ていて、春夏秋冬はそれぞれ青赤白黒にあてはめ、青春、朱夏、白秋、玄冬というんだけど、そうすると5にひとつ足らないんだよね。
そこで、それぞれの季節から少しずつとって、黄色の色を当てはめたのが土用という考え方なのだ。
春は青だから東、夏は赤だから南、秋は白だから西、冬は黒だから北と方角も当てはめているんだけど、土用は黄色で中心なのだ。
ちなみに、大相撲の土俵も四隅の4つの柱はこの色に対応していて、中心には黄色が配置されているのだ。

話はもどって、夏の土用の丑の日にはウナギを食べること、この由来はよく知られている平賀源内さんが考案したキャッチコピーというものなど諸説があるんだよね。
もともと土用は季節の変わり目に当たるので体長を崩しやすかったりするわけだけど、夏の土用の場合は暑さの真っ盛りでもあって夏バテしやすいというのもあって、スタミナ色のウナギを食べるのが広まったようなんだよね。
ウナギは脂ものっているし、ビタミンも豊富なので夏バテに効果てきめんなのだ。
油っぽいと夏の暑い時期はちょっと敬遠しちゃうけど、「土用の丑の日」みたいなキャッチコピーがあると食べやすくなるよね(笑)
で、成分的には別に豚肉でもよいし、今なら冷しゃぶサラダなんかでもいいわけだけど、江戸時代は基本的に四つ足の動物は食べなかったので、ウナギが一番合っていたということなのだ。

もともとは「う」のつくものを食べるとよい、というものだったので、梅干しやウリなんかも食べられたようだけど、今ではウナギ一辺倒なんだよね。
梅干しもクエン酸がたっぷりだし、酸味でさっぱりと食べられるから夏の暑い時期にはよいし、ウリ(当時はマクワウリが主流だったと思うよ。)も水分が多くて暑い時期でも食べられて、かつ、ビタミンもそこそこあるからそれなりに弘化はあるはずなのだ。
でも、あんまり商業的なキャンペーンには結びつかないから廃れていってしまったのかもね。

2008/07/12

宇宙旅行に行く前に

むかしは「ペプシを飲んで宇宙へ行こう」なんてキャンペーンもあったし、ホリエモンも捕まる前は宇宙旅行を企画する会社を立ち上げようとしていたけど、今では本当にお金を積めば宇宙へ行けるようになったんだよね。
数十億円かかるみたいだけど、ロシアのソユーズ宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へ行った旅行者がいるのだ。
他にも、ヴァージン・ギャラクティック社のように、コストを抑えられる再使用型宇宙船を使った宇宙飛行を計画している会社もあるのだ。
日本でもJTBが宇宙旅行の窓口をはじめているよ。

でもでも、そんなのに申し込む前に知っておかないと行けないことがあるのだ!
それは、どこからが宇宙空間になるかは国際的なコンセンサスがないということ。
国連に置かれた宇宙空間平和利用委員会(COPUOS:Committee on the Peaceful Uses of Outer Space)で長いこと議論してきているんだけど、なかなか決まらないのだ。
というのも、下手に宇宙と空の境界を定めてしまうと、領空の範囲が決まってしまうので、ロケットの打上げのときとかに領空侵犯になるとかならないとかのめんどくさい問題が出てくるからなんだって。
どの国の上だろうと、宇宙空間は自由に飛行してよい、という慣習法ができているけど、それとの関係も整理しないといけないのだ。

そんなこと言っても、一応の定義はあるんだよね。
一般的に考えられているのは、高度100kmを越えたところから宇宙空間とするもの。
これは科学的な性質から来るもので、高度100kmより上空になると安定的に地球の周回軌道を回れるようになる、ということらしいのだ。
もちろん、まだまだ空気があって抵抗があるので、放っておくとすぐに速度が落ちて、そのせいで地上に落ちてきてしまうのだ。
でも、100kmっていうのは切りのいい数字というだけど、大気の密度は場所によって違うから、上空100kmならOKというわけでもないんだよね。
110km説を押す人もいるのだ。

でも、国際条約の1967年宇宙条約(月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約)では、国は、国補活動か民間の活動であるかを問わず、宇宙活動を行うに当たって許可と継続的な監督の義務を持つことになっているのだ。
なので、ロケットの打上げなんかを規制するために必要な法整備をする必要があるわけで、米国なんかは商業宇宙法の中で便宜的に宇宙空間の定義を決めていたりするのだ。
やっぱり世界一の宇宙先進国だね。
一方、日本は法律すらない状態。
というのも、日本でロケットの打上げを行ってきたのは、旧宇宙開発事業団(NASDA)と旧宇宙科学研究所(ISAS)の2つだけで、今ではさらに統合されて宇宙航空研究開発機構(JAXA)1つだけで、どれも公的な機関なのでそういう規制が特に必要とされなかったのだ。

一応日本放送協会(NHK)や電電公社(今のNTT)なんかは通信・放送衛星を打ち上げているんだけど、それは放送法や電波法の中の行政指導として対応してきているんだって。
というわけで、法整備をしなくてもすんできたわけだけど、遠い将来にはそうもいっていられないわけで、実際に北海道の大樹町では、民間団体が将来の民間打上げを目指してロケットの開発を進めたりしているから(HASTICという組織だよ、)、いずれそういう法規制が必要となるんだよ。
そうすると、宇宙空間の定義もきっと必要になるのだ。
ま、定義せずになんとなく「既知」のもののように扱うとか、宇宙空間を定義せずに高度100kmを越えて打ち上げるものを規制する、という形にするとか逃げる道はいろいろあるけどね。

ちなみに、当面問題となるのは一瞬宇宙空間に出た後にすぐに地上に戻ってくる弾道飛行というやつなのだ。
大陸間弾道弾(ICBM)のようにちょっと地球のまわりを周回してからもどってくるのが次のフェーズ。
月旅行や宇宙戦艦ヤマトのような世界はまだまだ先なんだよね。
なので、時間はたっぷりあるような気もするけど、ライト兄弟が初の有人動力飛行をしたのが1903年で、その66年後の1969年にはもうアポロ11号により人類は月面に立っているので、技術の進歩はとてつもなく早いというのも事実なのだ。
そう考えると、うかうかもしていられないんだよね。
ボクが定年になるころには、老後は宇宙で、なんてのもあったりして。

2008/07/05

いわゆるヌードル

夏になって暑くなると、つるつるっと食べられる麺類に人気が集めるよね。
そうめんや冷やしそば、冷やし中華みたいな冷たい麺もよいけど、ラーメンや汁そばのような熱い麺を汗をかきながら食べるのもまたよいのだ。
ごはんものよりは食べやすいから、食欲がなくてもわりと食べられるんだよね。

最近では種類も増えていて、むかしながらのうどん、そば、そうめんだけじゃなく、沖縄のソーキそばやラーメン以外の中華そば(刀削麺、担々麺など)、スパゲッティ以外のパスタ(リングィーネやフェットチーネのような扁平なロング・パスタやペンネ、リガータのようなショート・パスタ)などなど、いろいろなものが食べられるよ。
焼き肉屋さんでも冷麺なんてのがあるよね。
きっと、それだけ日本人は麺類が好きなのだ。

でも、麺の本場の中国では、日本と「麺」の考え方が違うのだ。
すでに中国では簡易字体を使うので「面」という字を使っているけど、中国の麺は小麦粉を使った生地に由来するもののみで、米粉を使うビーフンやそば粉を使う冷麺なんかは麺ではないのだ!
もともと麺という字は麦を面(シート)にすると書いているくらいで、小麦粉を練って生地にした加工品を指すんだって。
しかも、日本で面というと細長いものを思い浮かべるけど、小麦粉を練った生地に由来すればみんな麺なので、餃子や焼売、雲呑も麺になるんだって。
日本で人気のラーメンは拉麺と書くわけだけど、「拉」の字は「引っ張る」といった意味で、小麦粉を練って作った生地をきらずに引っ張って伸ばして作る麺と言うことなんだそうだよ。
金属板で削るようにすれば最近よく見かける刀削麺なのだ。

これに似た考え方なのがイタリアのパスタ。
パスタは小麦粉、特に乾燥パスタの場合はデュラムセモリナ粉を加工した食品一般を指すんだって。
日本ではスパゲッティだけが長いこと知られていたけど、最近になってペンネなんかのショート・パスタもおなじみになったのだ。
あのマカロニやラザニアの皮(?)、ラビオリもパスタなんだよね。
でも、中国の麺とは実はちょっと違うのだ。
それはニョッキのようにジャガイモのデンプンを練って作る生パスタがあるから。
そば粉や米粉を使ったパスタもあるんだって。
そういう意味で言うと、中国よりイタリアの方が懐が深いわけだね(笑)

でも、イタリアのパスタはもともと中国の麺がシルクロード経由で伝わったものと言われているんだよね。
シルクロード沿いには小麦粉を練って作る生地を使った餃子やいわゆるヌードル系の料理がいろいろあって、伝わっていった跡が追えるそうなのだ。
お米の場合は炊くだけでおいしく食べられるけど、小麦の場合はどうしても加工しないとあまりおいしく食べられないから、こういう小麦をおいしく食べる文化というのは伝わりやすかったのかも。
むかしの日本ではせいぜいうどんやそうめんくらいしかできなかったのは、おいしいお米がたくさんとれたからかもしれないね。

2008/06/28

木と草

木と草ってはっきりと違うように思っていたんだけど、どうもそうではないらしいのだ。
調べてみると、定義の仕方で木になったり、ならなかったりするようなのもあるんだとか。
同じ科でも木になったり、草になったりするらしいよ。

一般に木は年輪ができるもの、すなわち、茎のまわりに成長していく形成層があって太くなっていくもの、と考えられているのだ。
竹なんかは年輪ができないので、この定義の場合では草になってしまうのだ!
一方、木の場合は、死んだ細胞によって生体が支えられているという定義もあって、草だと一部でも枯れてしまうとそれで倒れてしまうわけだけど、木の場合は木質化しているので細胞は死んでも倒れないと言うことなのだ。
この定義の場合は、竹も死んだ細胞が生体を支えているので木になるんだって。
というわけで、けっこう境界はあいまいなのだ。
バナナなんかの場合は、太い葉っぱが合わさっただけで木じゃないってすぐわかるんだけどね。

で、この「木質」として重要な物質がリグニン。
木材の20~30%はこの物質で、木材を木材たらしめているものなんだよ。
つまり、木らしさの素なのだ。
紙は木の繊維質を並べて加工したものだけど、木材からパルプ・紙を作る工程ではこのリグニンは可溶化されて黒液として出てくるのだ。
むかしは燃やす以外用途はない、となかば邪魔者扱いだったんだけど、今ではバイオ燃料として注目を集めたりしているんだよ。
時代が変わると評価も変わるものなのだ(笑)

リグニンはバクテリアには分解されなくて、白色腐朽菌(カビの一種だよ。)のみによって分解されるのだ。
いわゆるキノコのことで、枯れ木にキノコが生えてくると木がぼろぼろになるのは、木のかたさを保っているリグニンが分解されてしまうからなんだ。
でも、キノコにしか分解されないから、いつまでもかたさを保てるというわけ。
なので、木材で作った寺院が千年以上もその姿を留めたりできるわけなのだ。
湿気が多かったりするとカビがはえてきて腐ってしまうこともあるけど、風通しに気をつけていれば、法隆寺のようにとっても降る域が今でもきちんと残っているということにもなるんだよね。
これはなかなかすごいことなのだ。

むかしの日本家屋は、屋根をわらやかやでふいていたわけだけど、草の場合は普通に腐食してしまうのでふき替えの作業が必要だったのだ。
一方、木でできた家の本体はそのままなんだよね。
囲炉裏からの煙でいぶされることである程度は腐食が防げるんだけど、それでも数年~10年に一度はふき替える必要があるのだ。
かつては村の人が総出で助け合いながらふき替えをしたそうだよ。
今では過疎化が進んでしまって、屋根のふき替えもままならないらしいのだ。
板ぶきや瓦ぶきならふき替えの必要はないわけだけど、かやでふくと熱気や湿気がこもらなくて日本の風土に合っているみたいなんだよね。
木と草の性質をよく踏まえた上で、うまく使っているというわけ。
そういう伝統・文化はできれば残していきたいものなのだ。

2008/06/21

おおはらえ

この時期に神社に行くと大きな茅の輪があるのだ。
まず左回りにくぐり、続いて右回り、左回りにくぐるものなんだよね。
この茅の輪をくぐると疫病を逃れるとも言われているのだ。

で、これは大祓(おおはらえ)の神事で、6月末と12月末の年2回の神事なのだ。
6月のものは夏越(なごし)の大祓、12月のものは年越の大祓というんだよ。
むかしは旧暦に行っていたから梅雨の時期じゃなくてもっと夏真っ盛りの時期だし、冬も雪が降っているころで、そういう季節の折り返しみたいな意味もあったのかもね。

その歴史は古くて、なんと701年の大宝律令で宮中行事として定められたんだとか。
その後、応仁の乱のころまで続いていたらしいんだけど、その後江戸時代までには廃れてしまったんだとか。
でも、明治になって王政復古・国家神道の時代になると、古い宮中行事が復活してきて、大祓も再び行われるようになったそうだよ。
そのおかげで今もこの風習があるというわけなのだ。
ま、一回廃れているから、むかしのものとは微妙に変わっているんだろうけど。

この茅の輪をくぐるのは、鎌倉中期の釈日本紀の中に見られる備後国風土記逸文に出てくる「蘇民将来」の伝説に基づくのだ。
あるとき、貧乏な風体の男が旅をしていたんだけど、夜になって宿を乞うたのだ。
そのとき、裕福だった弟の巨旦将来さんは男の風体を見て断ったんだけど、貧乏でも人のよかった兄の蘇民将来さんは泊めて上げたのだ。
すると、実はこの貧乏そうな男は神様で、優しくしてくれた蘇民将来さんの子孫に福を与えるとして、腰に茅の輪を着けていたら疫病から免れるようにしてあげた、というものなんだ。
この神様は一説に素戔嗚尊と考えられていて、素戔嗚尊は祇園さんこと牛頭天王と同一視されていて疫病の紙と考えられているのでそうなっているのだ。
で、茅の輪をくぐると厄が祓われて、疫病を免れるというわけなのだ。

この蘇民将来さんの伝説はどうも全国に広がっていたらしく、あのポスターで話題になった岩手県の裸まつりは蘇民まつりでこの伝説と関係したものなんだよ。
むかしはお医者さんもろくにいなかったし、感染症の概念もあんまりなくて疫病は大きな脅威だったから、非常に重要なものだったんだよね。
かつての日本社会では一に豊作、二に疫病払いといったものが重要な神事でのお祈り事項だったわけだよね。
なんだか今年は異常気象で米国西部では穀倉地帯が被害を受けているし、中国の四川大地震では衛生環境が悪くなって感染症が脅威になっているというけど、今の時代でもそれは大事なことなんだよね。
なんだか日本にいるとわりと何でも手にはいるので気づきにくいけど。

2008/06/15

タルトとガトー

こじゃれた店だと、ケーキと言わずにタルトとかガトーとか言うよね。
どっちもフランス語なのだ。
なんとなくスイーツ(笑)の雰囲気もあるけど、フルーツ・タルトやガトー・ショコラなんかはかなり浸透している名前なのだ。
ボクが子どものころはケーキと言えばショートケーキで、それ以外のものを見ることはまれだったけど、時代はだいぶ変わったのだ。

そこで気になったのが、タルトとガトーの違い。
調べてみると、タルトはサクサクしたパイ生地(本当はタルト生地)にクリームやフルーツを載せたもので、ガトーはスポンジ生地をベースにクリームなどをぬったものだそうなのだ。
タルトの起源は古くて、古代ギリシアや古代エジプトにあると言われているそうだよ。
クリームやジャムを食べるとき、そのままでは液状で食べにくいので、一緒に食べられる台の上にのせて食べたのがはじまりなんだとか。
なので、主役は上に乗っているもので、下の生地はそれを支えるためのものということになるのだ。
確かに、タルトと呼ばれるのはそういうものが多いよね。
でも、ボクなんかはあのサクサクの生地がわりと好きだったりするけど(笑)

ガトーはいわゆる家気で思い浮かべるものだけど、スポンジケーキにクリームをぬった単純なものよりは、チョコレートを練り込んだしっとり感のあるスポンジケーキをつかったものや、スポンジケーキの中に何層もクリームや果物がはさんであったりという手の込んだものを想像するよね(笑)
さらに、ケーキというと広い意味でタルトやロールケーキなども含む広義の西洋菓子を指すので、そこもちょっと違うのかも。
これは日本語のケーキという言葉の使い方が特殊なのかもしれないけど。
今で言うスイーツみたいな感じで使っているからね。

ケーキはスポンジケーキに様々な装飾をしていくわけで、このスポンジケーキが主体なのだ。
なので、スポンジケーキの作り方にも気を遣うわけで、シフォンケーキのようなものすごくふんわりさせたものや、しっとりしたもの、サクサクした食感のものなどいろいろ種類があるよ。
これはtくりかたの違いで、イーストで発酵させたり、重曹でふくらませたりと作り方がかなり違うのだ。
卵を入れるのにもメレンゲにして泡立ててから混ぜればふんわりするし、バターをたっぷり入れると重い感じになるのだ。
ボクはふんわり系も好きだけど、しっとり系のねっとりした感じのケーキが好きかも。

ちなみに、愛媛の名物の「たると」は薄いスポンジケーキに餡を巻き込んだものなのだ。
語源はトルテで、もともとはジャムをまいたロールケーキ名ようなものが南蛮渡来で伝わって、それを和風にアレンジしたものみたい。
トルテはタルトと語源は同じなんだけど、今ではすっかり違うものになってしまったよね。
今では同じ「タルト」だからややこしいのだ。
ま、四国の人以外なら話が混乱することはないけどね(笑)

2008/06/07

ハナショウブ2

今日はこの季節の代表的な花のハナショウブを見て来たのだ。
小岩菖蒲園と堀切菖蒲園で見たんだけど、きれいなものだねぇ。
様々な色、形なのだ。
前にもハナショウブとアヤメ、カキツバタの違いについて調べたけど、今回はハナショウブについてもう少し調べてみることにしたのだ。

ハナショウブはアヤメ科の植物で、葉っぱなんかがサトイモの仲間のショウブににていて花を咲かせるのでハナショウブと言うのだ。
もともとは川縁なんかの湿ったところに自生していたノハナショウブを江戸時代に園芸品種として改良していったものなんだよ。
なので、日本の風土にあった、比較的育てやすい植物になっているんだって。

もともと湿ったところに自生してるだけあって、ハナショウブも湿った土で育てるのだ。
ハナショウブの時期は菖蒲田と言われる水を張ったところに植えてあるけど、水を張るのは花を咲かせる直前から花が咲いている最中くらいで、あんまり長い間水を張っておくと根腐れしてしまうので、常に湿っている程度でよいんだって。
水中にも生えているカキツバタよりは乾いている方がよいようなのだ。

多年草なので数年楽しめるんだけど、2~3年おきに株分けしないといけないんだって。
花の咲いている時期か咲き終わった直後くらいがよいらしくて、土から引き抜いて、文字どおりふたちに裂くようなのだ。
で、また湿った土に植えるというわけ。
もともとノハナショウブは趣旨をまわりに飛ばして世代交代しながらより生育条件のよいところに広がっていくんだって。
で、あんまり大株にはならずに、ある程度大きくなるとかえって衰弱していってしまうようなのだ。
これはいわゆる連作障害が出るからみたい。
ハナショウブが生えることで土の性質が変わってしまって、だんだんと適さなくなってくるのだ。
これは園芸品種になってからも同じなので、株分けをしたり、土を掘り返して上げたりする必要があるそうだよ。

そういう手間はあるわけだけど、江戸時代から園芸植物として育てられてきただけあってかなりノウハウは蓄積されているので、きちんと勉強してやればそんなに難しくないようなのだ。
洋ランなんかは難しいと言うけど、こっちは素人でもそれなりに楽しめるみたいだよ。
ボクも自分で家を建てて、さらに庭を造れるようなスペースがあったら、池と菖蒲田を作ってみようかな?
ま、夢のまた夢かもしれないけど(笑)

2008/06/01

やわいやつ

最近は暑くなってきたねぇ。
暑くなるとアイスが恋しいのだ。
実は普通のお菓子なんかよりカロリーは低いから、あんまりダイエットを気にしなくてもよいのも魅力なんだよね。
と言っても、食べ過ぎれば太るし、おなかもこわすけど(>_<)

で、最近特に目につくのがソフトクリーム。
サンクス・サークルKでは105円キャンペーンをやっているし、マクドナルドも100円マックにソフトクリームが加わったんだよね。
ソフトクリームというとちょっと高いイメージがあったけど、今では普通のアイスクリームが軒並み120円になっているので、かえってソフトクリームの方が安かったりするのだ!
なんだかびっくりだよ。

このソフトクリームという名前は、普通のアイスクリームに比べるとやわらかいのでそう言うのだ。
ソフトクリームというのは和製英語で、英語では「soft serve ice cream」とそのままの名前なのだ。
ソフトクリームの方がすっきりしていてよいよね(笑)
ソフトクリーム協議会によると、紀元前2,000年頃の中国で、牛乳を煮て雪で冷やしてやわらかくしたのが最初なんだとか。
ま、今の日本のアイスクリームは幕末に欧米から伝わったものが源流だけどね。

日本におけるソフトクリームの歴史は意外と浅く、戦後からだそうなのだ。
占領下の昭和26年(1951年)に明治神宮外苑で連合国軍の米国兵が独立記念日を祝って店を出したのが始まりだとか。
その年のうちに百貨店などでも売られるようになり、一気に広まったんだって。
それにしてもすごいスピードで普及したねぇ。

ソフトクリームは原料自体はアイスクリームとほぼ同じなんだけど、液体原料をアイスクリームを作るときより高速で回転することにより、より多くの空気を混ぜ込んでやわらかくしているんだそうだよ。
なので、専用のサーバーから絞り出しているけど、その中でくるくる回っているよね。
そこが秘密なのだ。
ちなみに、空気がより多く混ぜ込まれているだけあって、普通のアイスクリームより融けにくいような気もするのだ。
そこもぺろぺろなめて食べるのに合っているのかもね。

最近ではバニラだけじゃなくて様々なフレーバーがあるよね。
ボクはマンゴーなんかが好きなのだ。
さらに、カロリーを気にして、低脂肪のフローズンヨーグルトのソフトクリームもあるのだ!
同じように高速回転で撹拌してフローズンヨーグルトを作ることでやわらかくしているみたいだよ。
フローズンヨーグルトの場合は口当たりもまた違ってよいのだ。

さらにこれがやわらかくなると、スムージーやシェイクになるんだよね。
その場合は液体の中に氷のつぶつぶが入っているようなものなのだ。
シェイク(ミルクセーキ)はアイスクリームと他の牛乳などの材料を混ぜて作るんだけど、むかしはシェイカーで振って作ったのでシェイクというのだ。
今はミキサーで作っているみたいだけど。
スムージーの場合は、果物を凍らせておいて、それと牛乳などをまぜてミキサーで撹拌して作るそうだよ。
2つとも凍らせるんじゃなくて、溶かしながら作るところがソフトクリームとは大違いなんだね。
なんだかソフトクリームがかたまる途中のものがシェイクのような気がしていたけど、作り方がまったく違うのだ!

2008/05/25

洋風酒粕

最近どうもミネラル不足っぽい感じがしてきたので、今日は時代遅れ(?)のビール酵母を買ってきたのだ。
米国に留学していたときは自分で気を遣って野菜を多めにとったりと工夫していたんだけど、やっぱり日本にもどってきてお仕事をするようになるとそうもいかなくなるのだ。
で、注目したのは留学前にも食べていたビール酵母なのだ。
おいしくないけど、必須アミノ酸や必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなんかがバランスよく入っているんだよね。

で、その正体は、名前のとおり、ビールを造るときの酵母(イースト)なのだ。
ビールは大麦の麦芽から作るんだけど、麦芽になるとアミラーゼという酵素が出てきて、それがデンプンを加水分解して麦芽糖が出てくるのだ。
この麦芽糖を酵母が分解するとアルコールと炭酸ガスが発生するんだけど、樽に詰めたまま炭酸ガスを抜かないと液中にに炭酸ガスが溶けてビール独特のしゅわしゅわの飲み口になるのだ。
この発酵が終わった後、濾過して酵母や未分解の麦芽をのぞくんだけど、濾過しただけなのが生ビール、熱処理して酵母の活性を抑えているのが「生」でないビールなのだ。

で、濾過して残った酵母はこれまでは肥料にするくらいで捨てられることが多かったんだけど、栄養素がバランスよく含まれていることから栄養食品として注目されるようになったんだ。
酵母も人も体を構成する物質はほとんど同じで、細胞膜はリン脂質からできているし、酵素はタンパク質と糖鎖からできているし、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)は物質的には何も変わらないのだ。
で、ビール酵母はこの酵母をすりつぶして作ったものなので、人間にとっても必要な栄養素がバランスよく含まれているというわけ。
大腸菌を実験的に培養するときには培地にイーストエクストラクトというのを加えるんだけど、これは酵母から抽出したものということでものは同じなのだ。
大腸菌の成長・増殖に必要な微量栄養素なんかをバランスよく含ませるために混ぜているんだよ。
いちいちそれぞれのミネラル分を量って入れるんじゃ大変だからね。

さらに、オーストラリアやニュー・ジーランドではメジャーな調味料のベジマイトもこの酵母のペーストを主成分としたものなんだ。
独特の香ばしい感じの風味でなじみがない人は苦手にするんだけど、慣れるとみそのようなもので何でもかんでも入れるんだって。
栄養的にはビール酵母とまったく同じなので栄養的にはよいものなのだ。

お酒を造ったときの副産物で、酵母が入っているという点では日本酒を造った後の酒粕も同じ。
ボクなんかは酒粕の方が風味もすがすがしいし好きだよね(笑)
やっぱりそれが米と大麦の違いなのかな?
成分的には似たようなもので、栄養素に富んでいるのだ。
調味料として使うなら酒粕の方がよいね。
ワインの澱も同じようなものだけど、ワインの澱の場合はあんまりそういう使い方はないよね。

2008/05/18

ただの草じゃないよ

今日テレビを見ていて知ったのだけど、なんと、牧草というのはただの雑草とは大きく違うそうなのだ!
牧場に生えている草が牧草で、雑草とそんなに違わないと思っていたんだけど、牧草の場合はチモシーやアルファルファ、シロツメクサ(クローバー)などの専用の草をわざわざ生やしているんだって。
草が生えるのを放ってあるだけではないのだ。

なんでも、牧草に使われる草はいわゆる雑草なんかに比べて栄養豊富で、牛や馬も好んで食べる草なんだって。
ぺんぺん草(ナズナ)なんかはどこでも生えるけど、そういうのじゃダメみたい。
でも、クローバーなんかは雑草としても生えているよね(笑)
ところが、クローバーやアルファルファ(こっちはサラダに使うので人間も食べるのだ。)は実は重要で、このふたつはマメ科なので根っこのところに根粒菌という細菌がいるのだ。
この根粒菌は空気中の窒素を取り込んで有機窒素に変えるんだよね。
それが牧草全体の肥料になるので、他のイネ科なんかの牧草の生長もよくなるそうだよ。

遊牧の場合は草を食べきってしまったら場所を移動するわけだけど、牧場の場合は定位置で牧畜をするので常に家畜の飼料が必要なのだ。
モンゴルの遊牧民はそれこそ北アジアを長距離移動するし、アルプスの少女ハイジでもペーターは牧草地を求めて山に入って放牧しているよね。
でも、定位置で牧畜する場合は草がなくなったらそれまでで、どうしても秋の終わりから冬にかけては牧草が育たないので、干し草を作っておいてそれを食べさせるのだ。
干し草は夏の間に草を刈って乾燥させておいただけのもので、日持ちするようにしただけのものなのだ。

これに対して、サイロなんかに入れて作られるサイレージというのはもっと進んでいるんだ。
サイロの中では嫌気性細菌によって乳酸発酵が行われ、うまく発酵させると栄養源となる乳酸などの有機酸を多く含む飼料になるのだ。
草食動物の場合は反芻しながら長時間かけて消化するんだけど、胃の中には細菌がいて牧草に含まれるセルロースを細菌に分解してもらって、そこから栄養を手に入れているのだ。
サイレージの場合はあらかじめ跛行しているので、もっと楽に栄養が吸収できるわけ。
発酵食品(?)にすることで日持ちもするようになるし、栄養価も上がっているというわけなのだ。
忍下名食べる発酵食品と同じだよね(笑)

こうしてみると、牧草をはじめ、家畜用の飼料も奥が深いのだ。
狂牛病のときに話題になったけど、乳牛にはカルシウム分を効率よくとらせるために肉骨粉を飼料に混ぜていたりしたわけだけど、ただ草を食べさせておけばいいというわけではないんだね。
肉骨粉はちょっと問題ありだけど、牛の場合にはカルし無分を多く含む牧草にするとか、きっと工夫が必要なのだ。
競走馬なんかはもっと気を遣っているんだろうね。

2008/05/11

魚とは虫類では違うのだ!

魚とは虫類の共通点と言えばウロコがあること。
でも、魚とは虫類では同じウロコと言われていても、まったく違うものなのだ。
確かに、ワニ皮やヘビ側はハンドバックやベルトになるけど、魚のウロコのついた皮では革製品は作らないよね。
魚のウロコはせいぜい素揚げしておつまみになる程度なのだ(笑)

魚のウロコは真皮の内部に発達した骨格で、ようは骨の一種なのだ。
なので、主成分は骨と同じリン酸カルシウム。
その表面に粘膜性の表皮が覆っているのだ。
ウロコは歯と同じような構造で、コラーゲンなどの繊維質からなる繊維層に骨質層が重なっていて、古い魚類ではその間に象牙質やエナメル質があるんだって。
新しい魚ではその部分は退化していて、より軽くてやわらかいウロコに変化しているそうだよ。
ハリセンボンのハリはこのウロコが発達したものなんだけど、あのハリの方が骨っぽい感じがするよね。
ちなみに、ほ乳類のヤマアラシやハリネズミのハリは毛が太くなったものなので、普通の毛と同じように抜けるのだ!

一方、は虫類のウロコは表皮が硬くなったもので、主成分はケラチンなどのタンパク質からなる角質。
なので、ツメなんかと同じようなものなんだ。
魚類のウロコは皮膚の表層に板状のウロコが埋め込まれた構造になっているので、ウロコ取りで逆側からなでてやる塘路湖が歯が得るんだよね。
でも、は虫類のウロコは皮膚の表面がかたい角質になって、動きやすいように小片化しているものなので、はがれることはないのだ。
ヘビが脱皮してもそのままウロコは離れずにくっついたままになっているのはこのためだよ。

この角質のウロコは鳥類やほ乳類でも一部見られるのだ。
鳥の足の部分やネズミのしっぽの部分なんかがそうだよ。
あれはは虫類のウロコと同じようなものなのだ。
センザンコウなんかだと全身がウロコに覆われているよね。

というわけで、同じウロコといわれているものでも、魚とは虫類ではまったく違うものなのだ。
でも、体の表面をかたくして守っているという点では機能は似たようなものなんだよね。
こういうもともとは違うものから進化していて似たような機能を持つことを相似性(analogy)というのだ。
コウモリの翼手と昆虫の羽なんかがそうだけど、同じ飛ぶという目的に使われるものでもまったく進化の過程で別のルートからできているんだよね。
ウロコの場合もそれと同じということだよ。

2008/05/10

ふくらめふくらめ

日本に帰ってきてからうれしいことはパンがおいしいこと!
どうも米国の人たちはかたいパンが好きみたいで、ふかふかしたパンが少ないんだよねぇ。
それに比べて日本のパンはふっくらしていておいいしのだ。
もちもちした生地はそれはそれでよいんだけどね。

で、このパンのふっくら具合は製造工程中の発酵の度合いによるんだよね。
焼き上げて作るいわゆる普通のパンの場合、小麦粉とバター、塩、水を練って作ったパン生地にイーストを加えてしばらく置いておいて発酵させるのだ。
すると、イーストがパン生地の中で糖分を分解して炭酸ガスが出てくるんだよね。
1~2時間置いておくとものすごくふっくらふくらむのがそれだよ。
で、生地の中には炭酸ガスのつまった小さな泡ができているんだけど、その生地を焼くとその泡の中の炭酸ガスが温められてさらにふくらむのだ。
これでパンがふっくらするというわけ。
発酵をたくさんさせればよりふっくらするんだよ。
逆に、ベーグルのように無発酵だともっちりしたかたい歯ごたえになるのだ。

でも、ケーキやお菓子の場合は、イーストじゃなくてベーキングパウダーを使うことも多いのだ。
ベーキングパウダーの主成分は重曹(炭酸水素ナトリウム)だけど、これは熱を加えると分解して、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)と炭酸ガスになるんだよね。
で、発酵させたときと同様に炭酸ガスが出てきて生地の中に泡ができて、それでふっくら又はさっくりした感じになるのだ。
でも、重曹の場合は炭酸ガスと同時に苛性ソーダも出てくるので、あまり入れすぎると苦くなってしまうのだ(>_<)

この重曹のふくらし粉としての作用を利用したのがカルメ焼きなのだ。
カルメ焼きは、ザラメをお玉の上かなんかで熱して、融けてきたところで重曹を加えてお箸とかで勢いよくかき回すのだ。
すると、重曹から出てきた炭酸ガスで泡が出てきて、それが粘性の高い融けたザラメの中にうまく泡としてまざるとあの独特の軽石状のカルメ焼きになるのだ。
かき回し方がけっこう難しくて、失敗するとうまくふくらまなくて、あわあわの入ったべっこう飴になってしまうのだ。
最近ではこの熱反応を見て感じとれるということで、学校の理科の実験なんかでもやるんだって。
そういう授業だと楽しいよね♪

2008/05/05

境目は?

今日はこどもの日。
むかしでいうところの端午の節句なのだ。
「国民の祝日に関する法律」では「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日とされているんだよ。
で、気になったのが、「子ども」と「青少年」の違い。
なんだか「青少年」だと「子ども」よりちょっと年長の気がするものの、中学生くらいだと重複しそうな気もするよね。

で、調べてみると、どっちもきちんとした定義はないのだ・・・(>_<)
「子ども」の場合、通常は未成年なので20歳未満を指すことが多いけど、選挙権やお酒・タバコが20歳を境にしているのに対して、自動車普通免許なんかは18歳からとれたりするので微妙なのだ。
今度成人年齢を18歳に引き下げようなんて議論もあるしね。
さらに、電車やバスの料金だと、小学生までが子ども料金で、中学生からは大人料金になってしまうよね。
つまりは、通常は20歳未満の未成年を指すことが多いけど、場合によって範囲はまちまちということなのだ。

さらに「青少年」になるともっと複雑。
どうもはっきりしないんだけど、かなり下の年齢から、20代前半までを指すようなのだ。
そういう意味では、成人も含むので「子ども」より範囲は広めみたい。
似た言葉に「青年」というのがあるけど、これは厚生労働省の資料なんかでは15歳から24歳までを指すみたい。
どうも「子ども」と「青年」を足すと「青少年」になるようなのだ。
でもでも、その一方で、有名な各自治体の青少年育成保護条例では18歳未満とされていることが多くて、その意味では「子ども」と変わらないのだ。

一方で、児童や幼児、乳児という定義ははっきりしているのだ。
児童は小学校就学から18歳未満まで。
いわゆる学校教育法にいう生徒の概念とかぶっているんだけど、留年や休学の場合もあるので必ずしも一致しないのだ。
幼児はその下で満1歳から小学校未就学まで。
乳児は生後から満1歳までなのだ。
乳幼児というと小学校未就学の子どもを指すんだよ。

というわけで、なんだか複雑なんだよねぇ。
どうも法律的な権利が与えられる年齢と、社会通念條大人の仲間入りが許される年齢、肉体的・精神的に一人前になる年齢などなど、様々な面で区切りを入れているので錯綜しているようなのだ。
確かに、そのときどきの局面で適切な分け方をしようとするとそうなるんだよね。
むかしから変だと思っているけど、中学校を卒業して働いて自ら税金を納めるようになっても、選挙権も認められないんだよね。
このあたりは社会システムとしてちょっと矛盾しているのかも。

2008/04/29

Sweet Alcholic Beverage

このまえ神社で甘酒のふるまいを受けたのだ。
ボクはお酒は苦手だけど、甘酒はけっこう好きなんだよね。
ほんのり甘くて、アルコールの香りもして、飲み口もさわやかなのだ。
でも、最近の市販のものの中にはあんまりできのよくないものもあって、それは甘ったるくてしつこくて、後味もよくないんだよね(>_<)
手間がかかっても、むかしながらの製法できちんと作ってあるのがおいしいようなのだ。

家で甘酒を作るときは、酒粕を買ってきて、よく砕いてから水にといて煮るんだよね。
酒粕はあんまり甘くないから、ここに砂糖と少量の塩を加えて味を調えるのだ。
最近では生姜も入れてより体が温まるようにしているものも多いよね。
生姜の味でさっぱり感も増すのだ。
でも、酒粕にはけっこうアルコール分が含まれているので、お酒に弱い人は注意が必要だし、車の運転などをする人はのまない方がよいんだよね。

で、この酒粕から作る方法は実は簡略製法で、甘酒風の飲み物を簡便に作る方法として確立されたものなんだ。
むかしながらの甘酒は、おかゆややわらかめに炊いたお米に米麹を加えて50~60度に保温し、一晩おいて発酵させて作るのだ。
すると、その間に麹菌によってデンプンが分解されてブドウ糖ができる糖化が起こるのだ。
それで甘みが出てくるというわけ。
一晩おいて作るので、古くは「一夜酒」とも言われていたそうだよ。

で、このとき同時に少しアルコール発酵も起きてしまうので、ほんのりお酒の香りがするというわけ。
ビールなんかは麦芽を糖化してからそれをアルコール発酵させる二段階発酵なんだけど、日本酒の場合は麹による糖化と酵母によるアルコール発酵が同時並行に起きる製法で、甘酒でもそれが少し起こっているというわけ。
さらに、乳酸菌なんかも混入していて、乳酸発酵も起きているらしいのだ。
すると、その乳酸の酸味でよりさっぱり感が出るんだって。
本来は糖化によるほんのりとした甘みと、その少しの乳酸でさわやかな飲み物になるのだ。
でも、保温温度が高すぎると糖化も進まないし、雑菌が繁殖してしまって、風味も悪くなるし、すっぱくておいしくないそうだよ(>_<)
で、この本式製法ではもともとは
糖分を添加しないんだけど、最近は加えているものもあるいたい。
ボクはさっぱりした甘さが好きだから、加えない方がよいな。

現在では甘酒というと、冬に飲む体を温めるものだけど、江戸時代には夏に冷やしたものや熱くしたものを飲んで暑気払いをしていたみたいなのだ。
酒蔵では冬に日本酒を仕込むけど、夏の間は甘酒を作って副業にしていたというのもあるみたい。
俳句では今でも夏の季語だそうだよ。
で、この甘酒、どちらの製法で作っても麹や酵母が含まれているので、必須アミノ酸やビタミンB群がたくさん含まれていて、健康的な飲み物なのだ。
夏ばてにもぴったりなので、夏に飲むのもよいんだよ。
栄養補助剤としてビール酵母を食べるのと一緒だよね(笑)
甘酒や酒粕の方がおいしくてはるかによいのだ♪

2008/04/26

花の蜜と糖蜜

今日は根津神社につつじ祭りを見に行ったのだ。
ツツジと言えば、小学生のときはよく花を摘んで、花のつけ根の少し白くなったところをちゅーちゅー吸っていたのだ。
ここには蜜があるんだよね。

虫媒花は昆虫に花粉を運んでもらうために蜜を出して、それで引きつけて昆虫の体に花粉をつけ、運んでもらうのだ。
昆虫は紫外線で世界を見ているのだけど、花を紫外線カメラで撮影すると、蜜のある場所を示すような模様が出てくるんだよね。
人間の見ている可視光の世界の色鮮やかさとはまた違った模様が表れるのだ!
どちらかといえば、花粉を運んでくれる昆虫の方が大事なんだけどね(笑)

花の蜜の中にはブドウ糖や果糖などの糖類が含まれていて、そこにさらに香料成分なども入っているのだ。
でも、この花の蜜とハチミツでは成分が違っているのだ。
これは、ハチが一度蜜を食べて濃縮・加工してはき出してためているのがハチミツだからなのだ。
なので、花の蜜を集めてもハチミツみたいには使えないんだよ。
裁定でも煮詰めないといけないのだ。
花の蜜はハチミツに比べてかなり薄いんだよね。

煮詰めるといえば、大学芋なんかにかける蜜は砂糖を煮詰めて作るんだよね。
もっとも単純な製法は本当に砂糖水を煮詰めていくだけなのだ。
砂糖水を煮詰めていくと、どんどん糖の濃度が高くなるので、その分とろみも増してくるんだよね。
さらに熱を加えていくと、中で糖の重合反応も起きてきて、独特のべとべとした粘りが出てくるのだ。
さらに、170度以上の熱が加わるとカラメル化も起きて、茶色い色がついてくるんだよね。
大学芋なんかに使うには少し飴色になった方がおいしそうだから170度を超えてもよいのだけど、お菓子や料理のつや出しに使うときは透明度が高い方がよいので、低温で煮詰めていく必要があるのだ。

この砂糖水を煮詰めて作る糖蜜と似たようなものに水飴があるけど、製法が違うのだ。
水飴はもともと糖が重合しているデンプンなどを分解することで麦芽糖やブドウ糖などの甘みのある糖を作り出したもので、最初から甘いものにとろみをつけた糖蜜とは違うのだ。
甘くも何ともないものを甘くしたものなんだよね。
成分はたいして違わないとは思うけど。
むかしは発芽玄米の酵素を使ってデンプンを分解して作ったりしていて、砂糖が精製できるようになる前から比較的簡便に作ることができる甘味料だったので貴重だったのだ。

というわけで、似ているように見えてもけっこう違うものなんだよね。
花の蜜は薄い糖の水溶液なので、それを煮詰めていったら糖蜜に近いものができるかも。
それで大学芋を作ったら、花の香りのする大学芋になるかな?

2008/04/19

ふんわりお菓子

今日は寺通が丘のスイーツフォレストで、チョコレートムース入りのオレンジババロアを食べたのだ。
ビターなチョコと酸味のある柑橘類の組み合わせでとてもおいしかったのだ。
ボクの好きな味なんだよね。

で、そんなスイーツを食べ的になったのがババロアとムースの違い。
どっちも同じようなふんわり系のお菓子だけど、使い分けているくらいなのできっと作り方なんかが違うんだろうな、と思ったんだけど、なんと違いはとてもあいまいなのだ!
よりぷるぷる感があるのがババロアで、よりふんわりしているのがムースと呼ばれることが多いみたい。
後は作った人がどっちで呼んでいるかみたいだよ(笑)

ババロアはフランス語で「バイエルン地方の」という意味の形容詞で、バイエルン王国の貴族のためにフランス人菓子職人が作ったことからそう呼ばれるようになったと言われているんだって。
もともとその地方にあったクリーム状の飲み物をゼラチンで固めたものだったらしいのだ。
今のババロアは、泡立てた卵黄と砂糖に鍋で温めてゼラチンを溶かした牛乳を加え、そこに泡立てた生クリームと卵白を混ぜてから型に入れて固めるそうだよ。
それがベーシックなクリーム色のババロアで、これに様々なフルーツのソース(たいていは酸味のあるものだよね。)をかけるのだ。
プリンよりもさらにふんわりぷるぷるしているのが特徴だよね。

一方、ムースはフランス語で「泡」を意味する言葉で、フルーツのピューレやチョコと泡立てた生クリームを混ぜ、固めたものなのだ。
ババロアと同じようにゼラチンを使うんだけど、ゼラチンはつなぎ程度でよりふんわり作るんだって。
さらに、ババロアは卵黄が重要だけど、ムースの場合はゼラチンと一緒につなぎに使う程度のようで、量は少ないようなのだ。
ババロアは上からソースをかけることが多いけど、ムースははじめからフルーツ味やチョコ味のものを作るのも特徴だよね。
型に入れて固めるというよりは、ふんわりまとめて冷やして食べるというところが食感の違いみたい。

で、」作り方なんかから見ると一応違いはあるんだけど、でもできあがるものには対して違いはないので、やっぱり主観が重要なようなのだ。
今回ボクが食べたものも、外側はよりぷるおうる、中はよりふんわりなので違いがあるから使い分けているのかな?
ま、おいしければ何でもいいんだけどね(笑)

2008/04/13

小麦粉でもくず餅とはこれいかに

今日は雨だったけど、お散歩したくなったので、雨に映える花の藤の花を見に亀戸天神に行ってきたのだ。
亀戸の名物と言えばなんといっても船橋屋のくず餅なのだ。
ここのくず餅はぷりぷりしていておいしいんだよねぇ。
あっさりした甘みがよいのだ。

くず餅はくず餅と言うだけあって、本来はくず粉で作るんだよね。
関西のくず餅はきちんと本葛のデンプンで作ってあって、透明感があるのだ。
水でといたくず粉に砂糖を加え、火にかけて練ってとろみを出してから冷やして作るのだ。
冷蔵庫で冷やすと難くなるし、透明感もなくなるので、流水で冷やすのがいいんだって。
このくず餅であんこを包むと夏のお菓子の水まんじゅうになるのだ。

でも、関東のくず餅はくず粉じゃなくて小麦粉を使うのだ。
関東ではくず粉が手に入りにくかったからなんだろうね。
でも、小麦粉はそのまま使うとタンパク質を多く含みすぎているので、ぷるんという感じではなくてねっとりしてしまうのだ。
なので、小麦粉を水にさらして乳酸発酵し、タンパク質を壊してデンプンだけを取り出すのだ。
船橋屋のくず餅は、地下天然水で15ヶ月も発酵させてから作るらしいよ。

小麦粉は主にタンパク質(グルテン)の含有量で、多い方から強力粉、中力粉、薄力粉、と分かれていて、用途によって使い分けているのだ。
麺類なんかはコシがあった方がおいしいのでタンパク質の多い強力粉が使われて、天ぷらの衣なんかはさっくりしている方がおいしいのでタンパク質の少ない薄力粉を使うのだ。
で、この強力粉とか薄力粉は下になっている小麦の種類の違いで、あとからタンパク質の多い部分を取り出したりしているわけではないのだ。
なので、くず餅も乳酸発酵させてタンパク質を減らすという工程になっているわけ。
江戸時代にはすでにこういう製法があったんだから、すごいことだよね。

ちなみに、スーパーなんかで売っている、安くて日持ちするくず餅は、小麦粉どころか、ジャガイモのデンプン(つまり市販の片栗粉みたいなもの)で固めてあって、さらに、砂糖が大量に入っているので日持ちするんだって。
もはやここまで来ると似て非なるものなのかも。
ボクは安い物好きだけど、こういうお菓子だけは本物志向なのだ(笑)

2008/04/08

米国風犬

米国発祥らしいけど、米国にいたときは食べるどころかみることもなくて、日本に帰ってきてから食べたものがあるのだ。
それはアメリカンドッグ。
最近はコンビニなんかでも売っているから、ちょっと小腹が空いたときによいよね。
衣がある分、フランクフルトより腹持ちがよいのだ。

日本のアメリカンドッグは串を刺したフランクフルトにホットケーキミックスなどの衣をつけて揚げたものなのだ。
でも、これは日本独自の名称で、米国から伝わったからそう呼ばれるだけみたい。
米国では衣にトウモロコシ粉を使ったコーンブレッドを生地に使うのでコーンドッグと呼ばれているそうだよ。
単にホットドッグと呼ぶこともあるようなのだ。
でも、ボクは1年間米国にいたけど見たときはなかったのだ。
球場とかに行くと売っていたのかな?
パンにはさんだホットドッグはどこでも見かけたけどね。

アメリカンドッグはケチャップとマスタードで食べることが多いけど、北海道の方では砂糖をまぶして甘くして食べることもあるんだって。
名前もフレンチドッグと言うらしいのだ。
フレンチトーストのイメージなのかな?
でも、日本のアメリカンドッグもホットケーキミックスを衣にしているからもともと少し甘いんだよね。
ソーセージが入っているからお買いsという感じでもないし、確かに不思議なものなのだ。

おそらく、米国のものは甘みのそんなにないコーンブレッドなので、手軽にソーセージと炭水化物がとれるものなのだ。
衣をつけて揚げるだけだから調理も簡単だし、ソーセージをゆでて、蒸したパンにはさむホットドッグより簡単に作れるよね。
でも、日本だともともとコーンブレッド生地があまり普及していないので、きっとホットケーキミックスで代用したんだろうね。
むかし高速のサービスエリアで売っていたアメリカンドッグはほとんど衣でソーセージが小さかったから、むしろ惣菜パンケーキみたいな感じだったんだよね(笑)そういうところはカレードーナツ(ドーナツ生地にカレーを入れて揚げたもの)に似ているかも。

2008/04/05

インド+イギリス=日本

ボクはカレーパンが大好物なのだ。
あんパンも好きだけど、やっぱりカレーパンが一番!
大学生の頃はそれこそ毎日のように食べていたのでほぼ主食だったんだよ(笑)
米国に留学していた頃は食べられなかったので、今日ひさびさに食べることができたんだ。

あんパンなんかは由来がはっきりしていて、銀座の木村屋で日本人の口に合う独自のパンとして考案され、幕末の三舟の一人、山岡鉄舟さんを通じて明治天皇の口にも入り、一気に日本中に普及したのだ。
この歴史はよく知られているんだけど、カレーパンはよくわからない、というのが正直なところなのだ。
深川森下には、元祖カレーパンの店として知られるカトレアというお店があって、ここのカレーパンは具も大きくて揚げてあるけどあっさりしていて絶品だけど、本当にここが発祥がどうかは意見が分かれているみたい。
昭和初期に「洋食パン」のなで考案されたものが元祖カレーパンと呼ばれるものだそうだけど、本当のところはどうなんだろう?

カレーパンは惣菜パンの代表選手だけど、揚げパンになっているところも特徴だよね。
最近では焼きカレーパンといって、普通に焼成したパンの中にカレーが入っているようなものもあるのだ。
でも、やっぱり王道は揚げパン。
その揚げカレーパンにも実は2種類あって、揚げパンとドーナツがあるのだ。
原材料はほぼ同じようなものなんだけど、揚げパンの場合はイースト菌で発酵させてあって、ドーナツの場合はベーキングパウダー(重曹)をまぜてふくらませているんだよね。
そこが大きな違いなのだ。
それに、ドーナツの場合はショートニングなんかも使うので、生地がよりさっくりしているんだよね。

カレーパンの作り方は簡単で、生地に冷たくしたカレーを包んで揚げるのだ。
カレーは冷たいとかたまる性質をうまく利用しているんだよね。
揚げたてで食べると、中のカレーがとろとろになっていて、やけどしそうだけどそこがまたおいしいんだよね。
でも、カレーパンに使われるカレーはごはんにかけるカレーよりはとろみが強くしてあって、カレーが液状にもどってパン生地がべちゃべちゃにならないようになっているのだ。
なので、あまったカレーをそのまま生地で包んでもあまりうまく行かないんだよね。
小麦粉なんかでさらにとろみを増す必要があるのだ。

カレーパンはロシアの揚げ惣菜パンであるピロシキに似ているけど、ピロシキを参考にして作られたとも言われているんだって。
でも、その違いは表面のさっくり感。
カレーパンの場合は揚げる前にまわりにパン粉をつけて、さくさく感を増すのだ。
これがおいしさの秘密でもあるんだよね。
電子レンジで温めてしまうとこのさくさく感がなくなるのが残念なんだよね。
ボクなんかはそのまま冷めたものを食べるか、温める場合はレンジで温めてからさらにオーブントースターで少し表面を焼いて食べるようにしているんだ。
そうすると、比較的揚げたてに近い味になるんだよね。

2008/03/29

春じゃなくても食べられるよ

今日は上野に桜を見に行ったんだけど、ついでにアメ横によってサクラエビとワカメを買ったのだ。
ワカメは頼まれていたので買ったんだけど、ボクはサクラエビ入りのかき揚げが好きなので、ついでに買ったのだ。
ちょうどさっきまで見ていた桜と同じ色だしね(笑)

まさにサクラエビは桜色なのでサクラエビというわけだけど、もともと体は透明で甲に赤い色素があるから透き通ったピンク色に見えるんだって。
干したりゆでたりするときれいな桜色になるのだ。
体調は4cmくらいだけど体調より長い触覚があるのも特徴。
ゆでサクラエビの場合は、水の中ではしでくるくるかき回すと長い触覚がとれるよ。
これをとった方がおいしいと言われるのだ。

もっと古くから食べられているかと思いきや、サクラエビが食べられ始めたのは明治以降。
もともと深海に住んでいて、たまたま網が深く潜ってしまってとれたのが始まりなんだとか。
しかも、僕たちが食べている本物の国産サクラエビはすべて駿河湾産なのだ。
相模湾や東京湾の一部にも住んでいるらしいけど、漁が解禁されているのは駿河湾だけなんだって。
主な漁期は4~6月と10~11月で、6~9月は繁殖期なので禁漁期なんだそうだよ。

サクラエビはプランクトンを食べているんだけど、実はサクラエビが繁殖するには富士川が重要な働きをしているのだ。
昭和の初めの頃にサクラエビが激減したことがあったんだけど、その原因を富士川の汚染にあると突き止めたのが哲学者の中沢新一さんのおじいさんの中沢毅一さん。
私財をなげうって研究を行い、富士川の環境破壊を食い止める運動につながったのだ。
そのおかげで今もボクたちはサクラエビが食べられるようになったんだよ。
偉大な人なのだ。

クジラの問題もそうかもしれないけど、食は文化の大事な側面だから、環境破壊や乱獲でそれが食べられなくなるというのは文化の喪失だよね。
きちんとそのあたりにも配慮して、後世に食文化を伝えていきたいものなのだ。

2008/03/24

江戸から京の都へ

そのむかし「旧中山道」を「いちにちじゅうやまみち」と読んだアナウンサーがいたけど、今でも日本の東西をつなぐ幹線として東海道と中山道は名前を残しているのだ。
特に、東海道の場合は新幹線もそのままの名前の在来線もあるし、よりなじみが深いよね。
中山道の方は中央高速や中央線が一部沿って走っているけど、もともと甲州街道沿いの部分もあったりと完全に中山道に沿っているわけではなく、東海道に比べるとマイナーな感じがするのだ。

どちらも江戸幕府が開かれてから江戸と各地を結ぶ街道の中でも特に重要な五街道として整備されたんだけど、すでに律令制の時代から東西を結ぶ道として古い道はあったみたい。
鎌倉幕府ができると京都と鎌倉の間の往復が重要になるわけだけど、さらに江戸幕府が開かれて事実上の首都機能が江戸に移ると、経済の中心地である大坂(当時はこっちの字だよ。)、朝廷のある「都」である京、政治の中心地である江戸を結ぶ道が重要度を増したのだ。
なので、道幅を拡げ、一定区間ごとに一里塚などをもうけるとともに、宿場も整備して往来を楽にしたのだ。

一方で、こうやって道を整備すると攻め込まれることにもなるから、箱根なんかにあるように関所も設けて出入りを制限したのだ。
俗に言う「入り鉄砲に出女」というのは、江戸に向かって鉄砲が入ってくるとクーデターのおそれがあるから厳重にチェックし、一方、参勤交代はだ妙の奥さんと子どもを人質として江戸屋敷に住まわせるようにしていたわけだけど、その人質が逃げ出さないように江戸から外に出る女性を取り締まった、ということなんだって。

東海道の場合は歌川広重さんの浮世絵で有名なように、江戸日本橋から京三条大橋計59ヶ所の宿場が整備されていて、それで五十三次というのだ。
これは53泊するというわけじゃなくて、一般に男性なら1日で2宿分を歩いたというから1ヶ月弱で京都まで行けるのだ。
でも、子どもや女の人はそんなに歩けないので53ヶ所整備してあるわけ。
参勤交代の大名なんかは少しでも経費を浮かせるために駆け足で移動していたというから、もっと飛ばしていたのかもね。
街中をとるときだけ「下に~、下にっ」とゆっくりと歩いたみたいだよ(笑)

東海道の難所と言えば、箱根八里の山道。
とにかく急進で大変だったようなのだ。
今はトンネルもあるけど、箱根の山道は車で登っても大変だよね。
でも、それ以上の難所が、「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」なのだ。
大井川はもともと浅いけど急流でよく氾らんするので難所だったんだけど、それ以上に、駿府城に近いので江戸幕府から渡し船や架橋が禁止されていて、ここをわたるには肩車してもらったり、輿に乗ってわたる必要があったんだ。
このため、川の水位が低い、天気のよい日じゃないとわたれないので、ここで足止めを食うこともよくあったみたい。

もう一方の山側を通る中山道は、かつては東山道とも呼ばれ、また、読み方は同じだけど「中仙道」と描いたりもしたのだ。
幕府は公式には「中山道」と定めたみたいだけどね。
で、こっちの道は山道で、海沿いの東海道に比べて歩きづらいし、かつ、40km近く長くて69ヶ所の宿場が整備されたのだ(六十九次)。
それでもこの道が使われていたのは、大井川のような川がないから足止めを食わないことなんだ。
東海道は大井川以外でも大きな川をいくつかわたるのでそこで足止めを食うことが多かったみたいだけど、中山道は比較的そういう足止めが少ないことが魅力だったみたい。
女性は特に中山道を好んで使ったそうで、江戸末期に14代将軍家茂公に嫁いできた和宮親子内親王の一行は中山道を通ってきたんだよ。

中山道と東海道はもともと草津から先の、大津、京は宿場が共通なんだけど、実は、今の東海道本線は東海道に沿ったところと中山道に沿ったところが組み合わさっているらしいのだ。
海運が栄えていたので、最初に鉄道を敷設しようとしたときに東海道は不利で、山間部に敷設しようと決まったらしいんだけど、碓氷峠などの急峻な山間部では工事が難航し、長期間の工事が予想されるので途中から敷設が楽な海沿いのルートに変更されたんだって。
それが今の東海道本線で、東京から名古屋の熱田までは東海道に沿っていて、その先、岐阜を通って滋賀・京都へと続くところは中山道のルートに沿っているようなのだ。
というわけで、実は中山道という名前は廃れてきているけど、やっぱりしっかりと現代生活の中には生きているのだ。
こういうのっておもしろいよね。

2008/03/23

Rose Meat

ボクはどちらかというとクセがないので牛肉より豚肉が好きなんだよね。
中でも、脂ののったバラ肉なんかが好きなのだ。
あまり体にはよくなさそうだけど、脂がのっているとやわらかいし、うま味も濃いような気がするんだよね。
炒め物にしても、生姜焼きにしても、カレーに入れても、豚丼にしてもどんな食べ方でもおいしいような気がするよ。

そんなバラ肉だけど、ボクはてっきり脂のサシがきれいに入っていて、バラのように見えるからバラ肉というのだと思っていたのだけど、実はただ単に「あばら肉」だから「バラ肉」というようなのだ。
バラ肉は肋骨周辺の肉のことで、英語ではリブなんだよね。
赤身と脂身が交互に重なっていることから日本語では三枚肉ともいうのだ。
で、豚バラとわざわざ言うように、あばら骨周辺の肉はウシでもブタでもバラ肉って言うみたい。
焼き肉のカルビもまさにこのあたりの肉で、ウシのバラ肉は通常はカルビと呼ばれているのだ。
骨付きカルビの骨はあばら骨だったんだね。

カルビと言えば脂身が乗っていてこってりしたものだけど、その対極にあるのは脂身がほとんどない赤身肉のロース。
このロースは和製英語で、ロースト(roast)に適した肉だからそう呼ばれるようになったんだって。
英語でも韓国語でもないので、日本でしか通じないみたいだよ。
ロースには2種類あって、肩の辺りの肩ロースと、バラ肉の近い部位のリブローズがあるのだ。
肋骨周辺で脂身が多いとバラ肉で、脂身が少なく赤身肉だとロースになるのだ。
実は肩ロースの周辺にも脂身の多い肉があって、それは肩バラと呼ばれるそうだよ。
けっきょくは脂身が多いとバラ肉で、少ないとロースということになるのだ。
いわゆる英語のローイン(サーロインとかテンダーロイン=ヒレ肉とか)に近い部位だけど、日本独特の区分なのでぴったりと英語の部位とは合致しないんだって。
ちなみに、同じあばらの近くでも横隔膜の筋肉はハラミになるのだ。

話はもとにもどってバラ肉になるけど、バラ肉は煮物や炒め物などの料理によく使われるんだけど、これは脂身が入っていることで底の部分から脂が融け出し、うま味を出すとともにやわらかくなるからなのだ。
脂身の脂が出きった残りの部分にはコラーゲンなんかも多いし、沖縄料理のようにしっかりゆでて脂をぬいた後に料理に使えばヘルシーなんだよ。
それに、ベーコンやソーセージの材料としても重要で、ロースではこうはいかないのだ。
欧米の人たちは肉の味が好きだから脂身の少ない肉でステーキを焼くのだけど、日本人にはぱさぱさしていてあまりおいしく感じないんだよね。
でも、その一方でベーコンやソーセージのような加工肉の場合は、脂身の少ない肉で作るとぱさぱさでおいしくないから、脂身をたっぷり含んだバラ肉で作っているんだよね。
そう考えると、なんだか不思議な食文化だよ。

2008/03/22

熱風でふかふか

きっとむかしは違ったんだろうけど、現在は米国の都市部ではほとんどの過程が洗濯乾燥機を使っていて、外に洗濯物を干すということがないのだ。
個人的には日光に当てて干した方が好きなんだけど、干す環境も整っていないので、ボクも乾燥機を使っているんだ。
なんだかエネルギーも無駄遣いしているような気がして、ちょっと罪悪感があるんだけどね。
家に乾燥機がな人たちも外に干すことはせず、コインランドリーなんかを利用するみたい。
車社会で排気ガスがひどいとか、そういう理由もあったりするのかな?

洗濯乾燥機はドラムで衣類を開店させながら、そこに乾いた熱風を当てて乾燥させるという仕組みなのだ。
熱源は電熱式のものとガス式のものが主流で、本体内にたまった水分や湿気を帯びた空気を排出することで乾燥状態を保っているみたい。
熱を加えるとともに湿気を下げて、どんどん水が蒸発していく状態を作り出すことで乾燥させているのだ。
そういう意味では原理は極めて単純なんだよね。

メリットとして、天候に左右されずに衣類を乾燥させることができることなのだ。
部屋干しでゆっくり乾かすと乾かしている間に雑菌が繁殖して変な臭いがついたりすることもあるけど、乾燥機で短時間で乾燥させればそのおそれはないのだ。
花粉症の人なんかは花粉の時期には外に洗濯物を干せないから乾燥機は重宝するよね。
でも、無理矢理乾燥させていることには変わりないので、薄い生地や化学繊維のものなんかはあんまり向いていないのだ。
もちろん、絹やウールなんかの手洗いが推奨されるようなものにも不向き。
タオルやTシャツ、スウェットなんかの丈夫な生地のものは向いていて、それこそ米国でよくきられている衣料なんだよね。
普及するわけがよくわかるのだ(笑)

でも、日光で干すことにはいい面もあって、ひとつは紫外線も当たるので殺菌されること。
天日干しだといやな臭いがつかないのはこのためなんだよね。
しかも、わりとゆっくりと干していくのでふっくらと仕上がるのも特徴なんだよね。
そこは無理矢理乾燥させているのとはやっぱり違うのだ。
それと、天日で干すとなんだか「お日様のにおい」のようなよい香りがする感じがするよね。
きっと乾燥機で干すのとは香りのもととなる物質が洗濯物に残る・残らないのところで差があるのだ。
でも、何より、日光を活用すればそれだけエネルギーを使わなくて済むから省エネだよね。
せっかく日が差すなら、できれば天日干しですっきりとふかふかに干したいものなのだ。

2008/03/21

一音一字じゃないっ!

ボクは最近浮世絵とか江戸時代の絵が好きになってよく見るようになったんだけど、そこにはちょっとした字が書いてあったりするんだよね。
でも、たいていは「うねうね」している字で書いてあって判読できなかったのだ。
で、読みたくなったので少し勉強してみたんだけど、これがびっくり!
読めなかった理由は崩し字が読めなかったことだけじゃなかったのだ。
そこには今では既に使われていない仮名が使われていたんだよね。

今のひらがなは「ん」と歴史的仮名遣いの「ゐ」、「ゑ」を入れて48文字だけど、なんとこれは明治になってから(1900年)決めた小学校令の中で定められたもので、それまではひとつの音に対してひとつの仮名ではなかったのだ。
いわゆる「変体仮名」と呼ばれるものだけど、今でもおそば屋さんの看板で読めない「きそば」という文字があるよね。
まさにあれが変体仮名で、「そば」は「楚者」を崩し字で書いてあるんだ。
落語の名人古今亭志ん生さんの「志」も別に感じじゃなくて、「し」の音の変体仮名の「志」なんだよ。
浅草にあるどら焼きの隠れた名店「おがわ」も、「が」は「可゛」なんだよね。
で、こういう今は使われない変体仮名があるから、さらに読みづらいというわけ。

もともと今の平仮名は漢字の草書体をさらに崩して作られ、形が整えられたものなんだよね。
で、その崩し途中の字やら、別の字を崩したものが変体仮名なのだ。
「あ」は「安」の草書体からできているけど、「阿」からも変体仮名ができていたりするわけ。
で、別にこれは違う音で発生していたわけじゃなくて、特に使い分けもなく、描きやすさやくせで使い分けていたようだよ。
平安時代はもっと多くの変体仮名があって、江戸時代にはかなり減っていたみたいだけど、それでも100字以上はあったみたい。

もともと奈良時代より前は、日本の正式な文章は漢文で書いていたのだ。
なので日本の正史の日本書紀はすべて「漢文」で書かれていて、今の岩波文庫版なんかはその読み下し文なんだよね。
一方、万葉集なんかの歌謡は「和文」で大和言葉も使われて書かれていて、正史として書かれなかった古事記は漢文風だけど大和言葉が混じっているみたいなのだ。
でも、奈良時代の万葉仮名は今で言う仮名とは違って、表意文字として使う感じと表音文字として使う感じ(これがいわゆる万葉仮名)が混ざっていて、見た目はただの漢字の羅列なのだ。
なので、これを読むにはどれが仮名として使われている感じかを見極めないといけないんだよね。

平安時代くらいになると女性を中心に仮名書きが行われるようになるんだけど、仮名がかなり発達してきて、よく使う仮名は崩した字で書かれるようになるのだ。
これはよく使うからどんどん崩されていって、感じとして使われる文字とだんだん特別がつくようになってくるんだよね。
こうして仮名が成立するんだけど、音を表せばいい、という発想でもともと万葉仮名が作られたからか、一音一字でなくて、一音に対して様々な字が仮名として使われるようになったみたい。

でも、それだと不便なので、明治政府は一音に対して仮名を一字と定め、今の仮名が誕生したのだ。
これでだいぶ読みやすくなったし、活字なんかにもしやすくなったんだよね。
江戸時代の木版も活版印刷だけど、崩し字をそのまま画像のように彫り込んでいるだけなので(今で言うとPDFの発想に近いね。)、活字とは言えないんだよね。
でも、それでも江戸時代の識字率は世界で一番だったというから、むかしの人はすごいのだ。
あのうねうねしていて、さらにいろんな仮名の交じった文章を読んでいたんだよね。

2008/03/20

道路からゆらゆら

春から夏にかけての天気のよい日なんかにはよく陽炎が見えるよね。
地面すれすれの高さのところがもやもやして見えて、そこだけ像がゆがんでゆらゆらするのだ。
夏に陽炎を見ると暑さを実感してしまって少しいやな感じがするけど、春先に陽炎を見つけるとあたたかくなってきたなぁとうれしくなるのだ。
同じ現象なんだけどね(笑)

陽炎は空気の屈折率の違いによって発生する現象で、空気は温度によって体積が変わるので、密度も変わるのだ。
均一な状態の空気の中を進む場合は光は直進するんだけど、あたたかい空気と冷たい空気が接しているところでは空気の密度に違いができるので光が屈折してしまうんだよね。
一般に、あたたかくて密度の低い方から冷たい密度の高い方に屈折するようなのだ。
陽炎の場合は、地面が太陽の光で温められ、その輻射熱で地面すれすれの空気が温められたとき、風がなくて空気が撹拌されないとあたたかい空気が地面すれすれのところにたまって、より上空の冷たい空気と混ざり合わないのだ。
すると、そこにあたたかい空気と冷たい空気の境目ができて、そこで光の屈折が生じるというわけ。

この屈折の世で景色が少しゆがんで見えるんだけど、もともとあたたかい空気と冷たい空気の接している部分は不安定だから、それがゆれて見えるのだ。
ちょっとした気温差だと陽炎なんだけど、もっと気温差が大きくなって屈折が大きくなると、今度は逃げ水なんかが見えるのだ。
逃げ水は蜃気楼の一種なんだけど、実際の位置より下に物が見えるようになるのだ。
これは、向こうからやってくる光が温度差のあるところにさしかかると、冷たい空気のある上の方に屈折してしまうんだけど、人間の頭の中では光は直進してくるものと認識しているので、実際よりも地面が下にあるように見えるのだ。
なので、建物なんかがあると、それが地面から浮いているように見えてしまうんだよね。
何もないと、空の青い色が見えて、それがいわゆる逃げ水になるのだ。

一方、いわゆる蜃気楼はこれとは逆で、下に冷たい空気があって、上にあたたかい空気がある状態なのだ。
寒流なんかが流れている場合、その上方で空気が冷やされて発生するのだ。
日本では富山湾の蜃気楼が有名だけど、きっとリマン海流(寒流)が流れているのがひとつの要因で、それに地理的条件などが重なっているはずなのだ。
オホーツク海で蜃気楼が見られるのもきっと海の水が冷たいからだよね。
で、下に冷たい空気があると、温度差のあるところで光は下に曲がるので、実際の位置よりも上にあるように見えるのだ。
すると、本来水平線の向こう側にあるものが浮かび上がって見えたり、逆さになった像が上に浮かんで見えたりと様々な現象が起こるんだ。
これも光が来るときには屈折しているのに直進してきたものと認識するからそう見えるんだよ。
普段は見えない遠方の島が見えたりすると、まさに蜃気楼という感じだよね。

むかしの中国人は年を経た大きなハマグリが霧のようなものを出して、それで人を惑わしていると考えたんだよね。
なので、
ハマグリの出す気の楼(建物)」で蜃気楼になるのだ。
蜃気楼で見えているものは、もともと見えているものの像が逆さまになったものだったり、水平線の下にあるものが見えるようになっているものだったりで、本来存在しているものが見えているだけなんだけど、像がぼやけていることもあってむかしの人はそこがあたかも竜宮城のような理想郷があるように見ていたんだよね。
でも、単に空気の屈折率による現象と考えるよりは、そういう理想郷のようなものがたまーに見えると考えた方がなんだかすてきな気がするよ。
実際はまだ知られていない深海に住む大浜繰りが冷たい息を出して、それで海上に冷たい空気の層ができて蜃気楼ができているのかもしれないけどね(笑)

2008/03/19

指折り数えてみれば

英語で数字というとすぐに思い浮かぶのはnumberだけど、figureにも数字という意味があるよね。
グラフなんかを指して「この数字」なんて言うときにはfigureを使うのだ。
でも、金庫の番号や何桁の数字というときの数字にはdigitという単語を使うんだよね。
数字という意味ではなじみがないけど、これはデジタル(digital)のdigitなのだ。

digitというのはもともと手足の指のことを指していた言葉で、ものを数えるときには指を折って数えるので、数字という意味も持つようになったみたい。
これは洋の東西を問わず共通なんだね(笑)
特にアラビア数字のことを指すんだって。
さらに、そこから桁数を表すようになって、例えば4桁の数字という場合は、four-digit numberなんて言うのだ。
もともと指を指していた言葉だけあって、指幅をもとにした単位の3/4インチの長さのこともdigitと言うみたいだよ。

このdigitの数字という意味からできた言葉がデジタル(digital)。
デジタルというと0と1の二進法で表すものを指すような気がするけど、もともとは数字で表すことがデジタルなのだ。
アナログの時計は長針と短針の位置(角度)で時間を知るわけだけど、時刻を数字で表すとデジタル時計となるわけ。
今のコンピューターでは基本的にオン・オフの二進法ですべてのものを表すので、デジタルがいつしか二進法で表すもののように感じられているだけなのだ。

アナログとデジタルの最大の違いは連続的か断続的かということ。
数字で表す以上、どうしても数字と数字の間にギャップができてしまうのだ。
無限桁の数字を使えば擬似的に連続的になるけど、有限の数字で表す限りはギャップができるよね。
でも、時計の針なんかをいればわかるとおり、それが読み取れるかどうかは別として、アナログは連続的に表示することができるのだ。
でもでも、実際には時計の針は歯車で動いているから、この歯車の歯の数で実際には連続的ではなく、断続的な動きをしているんだよね。
針の動く角度にはどうしても最小単位があるのだ。

でも、それは時計に限ったことでなく、相対性理論が確立されてからは多くの物理量で見られる現象なんだよね。
これまで連続的だと思われていた物理量も、量子的に見るとそれ以上は小さくできない量子単位があって、連続的ではないのだ。
例えば、電気はマクロで見れば連続的に変化するけど、実際には電子1個1個の単位でしか動けないから、電子ひとつの量の電荷が電気の量子単位になるんだよね。
そう考えると、実は自然界もアナログでなくてデジタルなんだよね。
これってなかなかおもしろいことなのだ。

2008/03/18

力を入れて回す

米国に来てはじめて知ったんだけど、こっちではドライバーを「プラス」とか「マイナス」とか言わないのだ。
そもそもドライバーのことをドライバーとは呼ばず、「スクリュードライバー」ときちんと言うんだよね。
ドライバーといってしまうと運転手かゴルフのクラブの1番ウッドになってしまうみたいだよ。
こういうのを略すのは和製英語のことが多いんだよね。

で、プラスのドライバーは英語で「フィリップス」と言うのだ。
電機メーカーのフィリップス(Philips)とは関係なくて、フィリップス(Phillips)・スクリュー社が1933年に特許を買い取って発売したことに由来するそうだよ。
プラスの場合はねじ山とドライバーの先が自然にかみ合うので回しやすくて効率性が高くなるんだよね。
最近ではドライバーの先が磁石になっているものがあるけど、その場合はさらにネジが落ちないのでもっと便利なのだ。
ちょっとした工夫だけど、これは偉大な発明だよね。

で、ドライバーの先を十字にしたのが特許になるくらいで、もともとはドライバーと言えばマイナスだったみたい。
なので英語で単に「スクリュードライバー」というとマイナスドライバーなんだよね。
きっと日本に入ってきたときにはすでにプラスも普及していたから、先端の形で区別するようになったのかも。
欧米ではもともとドライバーはマイナスを指すから、先端で区別せずに後から出てきたものに名前をつけることになったのだ。

マイナスの場合はかたいネジの場合なんかは特にドライバーの先がねじ山から外れやすくて、ちょっと使いづらいんだよね。
シンプルな形で、ドライバー自体も作るのが簡単だから最初にできたんだろうけど。
でも、きちんとしめた後にわざとネジを外しにくくするにはマイナスのほうがよいし、ネジがあまりにも小さい場合は従事にねじ山をきれないのでマイナスになるのだ。
なので、まだまだ需要はあるんだよね。

このマイナスドライバーはピッキングにも使われるので、隠して持ち歩いていると処罰されることがあるんだって。
たいしたものじゃないような気もするけど、ドライバーを持ち歩くときには気をつけた方がよいかもしれないのだ。
もともと先がとがっていて危険なものではあるけどね。

一般にドライバーというとプラスとマイナスだけど、六角レンチとか、ねじ山と棒の先端をかみ合わせてネジを回すものはみんなドライバーと言うみたい。
特殊なものも含めてかなり種類が多いようなのだ。
大きさもいろいろあって、時計やメガネに使う小さなネジを回す精密ドライバーのようなものもあれば、業務用のモーターがついて自動で回す大型のものまであるよ。
工具としてそれだけ広い分野で使われているということだろうね。

ドライバーを使うとネジが回しやすくなるのは「てこの原理」なんだよね。
ドライバーの中心が支店と作用点になっていて、ドライバーのグリップのところが力点になるのだ。
中心から離れれば離れるほど小さな力で回転力(トルク)が得られるので、かたいネジを回すときにはグリップにさらにキャップをはめて太くするんだよね。
六角レンチのようなものの場合はすでにグリップじゃなくてT字型になっていて、その横棒を両手でもって回したりするよね。

2008/03/17

油を分けろ

最近は原油価格高騰やガソリン税の暫定税率の延長などなど石油が話題だよね。
きっと昭和49年のオイルショック以来の大きな取り上げられ方なんじゃないかな(笑)
でも、重油が最後まで残ったドロドロの部分というのは何となくわかるんだけど、原油からどうやってガソリンを分けたりするのかがいまいちぴんと来なかったので、少し調べてみたのだ。

油田から掘り上げられたままの石油の原油は、いろんな成分が混ざっている黒い少しどろっとした液体で、まさに石油臭がするのだ。
で、油田からは石油だけじゃなくて、ガスも出てくるんだよね。
そのガスを精製して不純物を取り除いたものが液化石油ガス(LPG)で、いわゆるプロパンガスなのだ。
主成分が炭素が3つの炭化水素のプロパンだからプロパンガスと言うんだよ(和製英語だよ。)。
でも、炭素が4つのブタンもけっこう入っているんだよね(笑)

で、基本的に石油の輸出は原油のまま行われて、タンカーで各国に運ばれるのだ。
なので、ときどき事故で海に流出するのはあくまでも原油なんだよ。
そんな原油を輸入して、ガソリンなどに分けることを石油精製というのだ。
英語だとrefiningと言うんだよね。
石油精製ではまず常圧蒸留装置というものを使って、中の成分を沸点の違いで分けていくのだ。
この操作を分留と言って、徐々に温度を上げていくわけだけど、沸点が低いものは早く蒸発するので早く分留されて、沸点が高いものほど後まで残るのだ。
最後に残るのが重油やアスファルトなんだけど、さらにそれを分けるために、今度は低い気圧にして蒸留する減圧蒸留装置というものを使うこともあるんだって。
沸点はまわりの気圧が低いほど低くなるけど、減圧することで温度を高温にしなくてもさらに分留することができるんだよ(あんまり高温になると熱分解してしまうので、常圧では蒸留できなくなるみたい。)。

こうして沸点の違いで分けられたもののそれぞれは留分と呼ばれるんだけど、それぞれにそれぞれの使い方があるんだよね。
最初に出てくるのは沸点が40度から70度の石油エーテルで、水に難溶性の物質を溶かす有機溶媒として使われたりするみたい。
あんまり身近なものではないのだ。
次に出てくるのが沸点が60~100度の軽ガソリンと100~150度の重ガソリン。
これはあ主に自動車燃料になるわけだけど、ガソリン精製の場合はさらに不純物の硫黄を除くのだ。
最近では環境への配慮からベンゼンも少なくするんだよね。
でも、ガソリンは別に自動車燃料だけじゃなくて、ベンジンのようなドライクリーニングの溶剤にも使われるのだ。
ガソリンで洗うとかえって汚くなってしまいそうだけど(笑)、自動車燃料用のガソリンはわざとオレンジ色に着色してあるみたいで、ベンジンなんかの汚れ落としに使うものは透明だよね。

その次に出てくるのは沸点が120~150度の軽ケロシンと150~300度のケロシン。
ケロシンってあんまりなじみがないけど、ジェット機やロケットの燃料に使われるものなのだ。
でも、いわゆる灯油もこのケロシンなんだよね。
日本語でケロシンというと純度の高いジェット燃料やロケット燃料だけを指すことが多いけど。
その先は沸点が250~350度のガス油と呼ばれるもの。
ディーゼル燃料や軽油、灯油なんかが含まれるみたいだけど、ちょっととろみがあるのが特徴だよ。
沸点が300度未満で一応蒸留できる最後の部分が潤滑油で、エンジンオイルなどのかなりとろーっとした液体なのだ。
で、最後まで蒸留されずに残るのが石油残渣で、この中には重油、タール、アスファルトなんかが含まれているんだ。
もうこのあたりになるとドロドロだよね。
タールやアスファルトなんかは液体というよりも、流動性がある、と言った方が近いのだ。

沸点はほぼ炭化水素の炭素数と対応しているんだけど、メタン、エタン、プロパン、ブタンは分子量が小さすぎて常温・常圧では気体なので、これは最初から原油に含まれていないのだ(溶け込んでいることはあるけどね。)。
で、炭素数が5~7のものは無色透明なもので、これをナフサというのだ。
ドライクリーニングの溶剤なんかに使うわけだけど、留分で言うと石油エーテルと軽ガソリンに含まれるみたい。
炭素数が8~12くらいが自動車燃料のガソリンで、10~15くらいがケロシンだよ。
このあたりが液体燃料として有用なのだ。
炭素数が10~20の範囲からは灯油やディーゼル燃料(軽油)が作られるけど、かなりとろっとしてくるのだ。
さらさらのナフサとは大違い。
炭素数が16~20位は潤滑油とか残渣分で、固形成分なんかも含まれるようになるんだよね。
ちなみに、炭素数が重複しているのは、直鎖構造の場合と分枝構造場合では同じ炭素数でも沸点などの性質が変わるからなのだ。
一般に分枝構造だと石油臭が強くて沸点は低めになるのだ。

というわけで、けっこう原油を精製するのも大変なんだよね。
でも、この家庭で様々なもの化学物質が得られていて、燃料に使うわけじゃなく、プラスチックの原料になったり、化学製品の材料になったりと現代人の生活を支える多くのものが出てくるんだよね。
そういう意味では非常に重要なことなのだ。
ちょっと調べてみただけだけど、まだまだ奥が深そうだよ。

2008/03/15

北国の春

やっとDCも春らしい陽気になってきたんだけど、それだけに街中ではモクレン属の花が咲き始めているのを見かけるようになったのだ。
いわゆるコブシの仲間で、モクレンの仲間はサクラよりちょっと早めに咲くんだよね。
なので、春の訪れを告げる花とも言われるのだ。
千昌夫さんの歌謡曲の「北国の春」もコブシが春を告げるはあとして出てくるよね。

コブシは白い小さめの花で中国原産のハクモクレンに似ているけど日本原産の木なんだって。
ちょうど春に田植えに備えて田んぼの土を起こす「田打ち」の頃に花を咲かせるので「田打ち桜」の別名もあるのだ。
サクラの仲間と同じように葉が出る前に花が咲くからなんだよね。
香りもなかなかよいし、白い花はよく目立つのだ。
でも、サクラに比べると散り際が少し汚いんだけど・・・。
ちなみに、よく間違われるけど、いわゆるモクレンは紫色の花で、白くて小さいのがコブシ、白くて大きいのがハクモクレンなのだ。
これらはみんなモクレン属(Magnolia)で、米国にはピンクや黄色の花もあるよ。

コブシの名前の由来は、つぼみが開く直前の形が幼児の「拳」の形に似ているからと言われているんだ。
また一説には、ごつごつした実の形がやっぱり幼児の「拳」に似ているからとも言うのだ。
まだ咲く前のつぼみを干したものは「辛夷(しんい)」という漢方薬で、鼻炎や鼻づまりに効果があると言われているよ。
モクレン属の花のつぼみは産毛が生えているのが特徴的なんだよね。
これがだんだんと大きくなってきて、先が割れて開花してくるのだ。
今のDCではまさに咲き始めてきている状態だよ。

辛夷はよく街路樹で使われるんだけど、ハクモクレンやモクレンも街路樹に使われるんだよね。
しかも、中にはハクモクレンとモクレンの交雑種のサクラモクレンというのもあるらしいのだ。
さあ蔵モクレンは白から紫がかったピンク色までのグラデーションの花を咲かせる木で、都内でもけっこうよく見かけるよ。
やっぱり桜より少し早めに咲くのだ。
咲く順番は、ハクモクレン、サクラモクレン、モクレンの順なんだって。
どうしても春を告げる花というと梅、桃、桜の順で思い浮かぶけど、バラ科だけじゃなくてモクレンの仲間にも注目してほしいものなのだ。

2008/03/14

広い・せまい

最近、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA:Japan Aeroapace Exploration Agency)が超高速インターネット衛星(WINDS:Wideband Internetworking Engineering Test and Demonstration Satellite)「きずな」の打上げに成功したのだ。
でも、気になったのは、英語では「wideband internetworking」となっているのに、日本語では「超高速インターネット」となっている点。
そこで、「ワイドバンド」についてちょこっと調べてみたんだよね。

今ではナローバンド、ブロードバンドというとインターネットの接続速度の速さを表すことが多いけど、もともとは通信で使う周波数帯域の広さで、よりせまい帯域を使うものがナローバンド、より広い帯域を使うものがワイドバンドと呼ばれているのだ。
ブロードバンドというのはワイドバンドの別名だよ。
で、このナローとワイドは別にどこまでがナローでどこまでがワイドということはなくて、相対的なものなんだって。

いわゆるナローバンドは無線通信や電話などの音声通信が主なのだ。
一方、ワイドバンド又はブロードバンドは画像転送やより精細な音響の通信なんかに使われるんだ。
これは、デジタル通信にした場合、周波数帯域が広ければ広いほど、一度に伝送できる情報量が増えるためなんだよ。
そうすると「大きいことはいいことだ」でワイドバンドの方がいいような気もするけど、有線の場合は同じ伝送路(電線)で多重化(一度に複数の信号を送ること。)できる回線数はナローバンドの方が多いし、なんと言っても、すでに全国に電話線がひかれているので網羅性があるというメリットがあるのだ。
さらに、伝送に使うエネルギーも少なくて済むので、情報量が少ないものについてはわざわざワイドバンドにする必要はなくて、ナローバンドが活躍できる素地があるのだ。

さらに、使用できる周波数帯には限りがあるので、何でもかんでもワイドバンドにするわけにはいかないんだよね。
ナローバンドを使った方がチャンネル数は増やせるので、全部をワイドバンドにするのは得策じゃないというわけ。
衛星による無線や移動体通信の場合は、まさにこの周波数の問題が出てくるんだよね。
なので、単純に音声をやりとりできればいい通信にはナローバンドを使うし、逆に大容量のデータ通信が必要なものにはワイドバンドが使われるのだ。
今回の「きずな」は一気に大容量のデータ通信を行うことができるワイドバンドなので、結果として「超高速インターネット通信」になるというわけ。

米軍なんかだおきちんと使い分けをしていて、主に船舶無線として衛星通信を使う海軍ではナローバンドの衛星通信システムを運用・開発しているんだけど、アフガンやイラクなどの「現場」に衛星画像などの大容量のデータを送信する通信システムとしてはワイドバンドのものが運用・開発されているのだ。
ワイドバンドの方は空軍の担当なんだよね、主に使うのは海兵隊と陸軍だけど。
全軍が使う必要のあるシステムは一括して空軍が運用・開発することになっていて、個別の軍資か使わないようなものはそれぞれが運用・開発することになっているのだ。
なので、GPSのような軍だけじゃなく民間も使うようなものは空軍が担当だけど、船舶無線に使うナローバンドは海軍が担当するというわけ。
海軍の場合、衛星画像なんかもらっても一面青い海原だから、むしろチャンネル数多く無線の回線が確保できた方がよいんだよね(笑)

2008/03/13

ニュースでしか聞かない言葉

まずニュースでしか聞かない言葉っていろいろあるけど、その中のひとつに「目出し帽」っていうのがあるよね。
最初は何のことかよくわからなかったんだけど、何のことはなくて、銀行強盗がかぶるような目の所だけが開いた覆面状の帽子のことだったのだ。
はじめはプロレスラーのデストロイヤーさんのかぶっているようなマスクを想像しちゃったよ(笑)
目出し帽は目と口に穴が開いているマスクじゃなくて、目のところだけゴーグル状に楕円形の穴が開いているんだよ。

この目出し帽はバラクラバとも呼ばれる防寒用の帽子で、頭部、顔面、頸部をまとめて防寒・保温できるので、よく山岳救助隊や寒い地方の軍隊が使っているんだよね。
自衛隊では「顔面覆」と呼ぶそうだよ。
もともとはクリミア戦争で英国兵が手編みのウールの帽子を持って黒海沿岸の寒冷地帯の戦地に赴いたしいんだけど、それが起源なんだとか。その帽子をかぶって戦った地名がバラクラバで、それが帽子の名前にもなったみたい。

比較的あたたかいときは目より下の部分は折り曲げて普通の帽子のようにすることもできるので、帽子の一種にされているらしいのだ。
つばがついたものもあるそうだよ。
でも、どちらかというとマスクだよね(笑)
でも、なんで普通に覆面って言わないんだろう?
実態がわかっていると「目出し帽」という名前はなるほどと思うけど、それだけじゃなんだかよくわからないよね。

同じようなよくわからない帽子の名前に鳥打帽というのがあるのだ。
これはいわゆるハンティング帽のことで、狩猟のときにかぶる帽子だよ。
テレビではよく刑事や探偵がかぶっているのだ。
そういえば、かなりむかしの特撮で、石の森正太郎さん原作のロボット刑事もかぶっていたのだ。
これは帽子の形状とかじゃなくて、英国の貴族がカモ猟なんかでかぶっていたからその名前があるんだよね。
でも、別にキツネ猟でもシカ猟でもいいはずで、なぜ鳥にだけ限っているかは不明なのだ。
それと、狩猟の場合は「撃つ」という感じだけど、「打つ」なんだよね(笑)

それにしても、なんでニュースだとこういう言葉を未だに使うのかな?
NHKは映画業界が作った言葉の「ゴールデン・ウィーク」というのは使わないで「大型連休」と必ず言うんだけど、そういうこだわりがあるんだよね。
目出し帽なんかは覆面といった方がわかりやすい気がするし、不思議なことなのだ。
ま、明治時代なんかは文章に書く文語と話し言葉の口語ではかなり違ったものだったというから、そういうように分かれていくきざしなのかもね。
そう考えるとそういうのに注目するのもおもしろいかもしれないのだ。

2008/03/12

外で食べると格別?

米国人はとにかく外で食べるのが好きなのだ。
もうすぐ春なのでますますその傾向が強まると思うけど、レストランなんかでも天気がよければオープンテラスの方が先に埋まるくらい。
家に大きな庭もあるから、そこで食事することも多いみたい。
当然、山や河原でバーベキューをするのも大好きなのだ。
米国の公園にはトイレはなくてもバーベキュー用のコンロは置いてある、というようなところがあるくらいだよ!

で、気になったのはバーベキューという言葉。
BBQとかも書くけど、まったく語源が想像できないよね。
調べてみると、スペイン語のbarbacoa(丸焼き)という言葉が語源で、それがbarbecueになって、音からBBQと書かれるようになったみたい。
もともと「丸焼き」だっただけあって、当初のバーベキューはじっくりとやわらかくなるまで焼き上げるものを言うんだって。
日本でやるようなサット焼いて食べるようなものはグリルで、正確にはバーベキューではないらしいのだ。
バーベキューと言うためには、リブやブリスケット(肩バラ肉)のようなかたくて食べにくい肉をじっくりと蒸し焼きにしてやわらかく仕上げなくてはいけないそうだよ。

米国のバーベキューは、南部地域で長時間かけてブタを長時間かけて丸焼きにして食べる習慣から始まったそうで、一家族では食べきれないのでまわりの人も呼んで一緒に食べていたみたいなのだ。
そこから野外に多くの人が集まって肉をじっくり焼きながら談笑して楽しむ習慣がバーベキューとして確立されたみたい。
今では大不人気のブッシュ大統領は、ノーベル賞を受賞したアル・ゴア元副大統領と大統領選を戦った1999年の時点では、自宅のバーベキューに呼びたいような気さくな人柄ということで人気を集めたんだよ。
米国の人にとってはバーベキューに呼べるかどうかっていうのがつきあいやすさのひとつの目安みたいだね。

日本ではそのまま焼き肉のたれが使われることが多いけど、米国での味付けはやっぱりバーベキューソース。
トマトケチャップやウスターソース、にんにくなどをまぜ、そこに香辛料を加えて、ちょっとスパイシーで、でも甘ったるいソースなのだ。
これには家ごとの独自のレシピなんかもあるみたいで、きっと日本で言うところのの家庭ごとに味噌汁の味が違う、というようなものなのだ。
米国の人はこの味付けが大好きみたいで、ポテトチップスやフライドポテト、チキンナゲットなんかでもバーベキューソースを使うのだ。
それだけ親しみのある味ということなのかもしれないけど。

2008/03/11

スペース・シャトル

せっかく打上げを見に来ているので少しスペース・シャトルについて調べたのだ。
スペース・シャトルは世界で唯一の再使用型宇宙往還機で、外部燃料タンクなんかの再利用駅内部分もあるけど、機体(オービター)は毎回帰ってきて、改修を受けた後に次のフライトに備えるのだ。
でも、当初は再使用できると打上げコストが安くできると構想されていたんだけど、できてみると改修費や運用費が高くついて、必ずしも安い打上げ手段ではなかったんだよね。
人が必ず乗らなくちゃ行けないし、普通の人工衛星の打上げにもあまり向かないのだ。
もうすでに2回も事故を起こしてしまっているわけだけど、そんなこともあって次の米国航空宇宙局(NASA:National Aeronauticas and Space Administration)の有人ロケットはサターン・ロケットと同じような使い切りロケットなんだよね。

もともとスペース・シャトルはポスト・アポロ計画の一環として計画されたもので、最初は宇宙ステーション計画とセットだったらしいのだ。
でも、ジョンソン政権の次のニクソン政権ではすでに宇宙はプライオリティの高い分野ではなくあっていて、そんなにお金のかかるプログラムは認められなかったんだって。
ニクソン大統領と言えば1969年のアポロ11号の月面着陸のまさにそのときの大統領なわけだけど、そのころには実はNASAの予算はピークを過ぎていて下り坂だったんだよね。
で、けっきょく宇宙ステーション計画は認められず、1984年にレーガン大統領が一般教書演説で計画をスタートさせることをことを公表するまでお蔵入りになるのだ。
10年以上水面下にあったということだよね。
でも、未だに国際宇宙ステーション計画は管制していないから、とても長期間のプロジェクトなのだ!

で、スペース・シャトルも「夢の往還機」として予算が認められたわけじゃなくて、寄りやすく宇宙に物や人を運べる手段として有望ということで開発が始まったそうだよ。
でも、完全再利用型にするには費用がかかりすぎるので、一部だけ再利用する今の形状になったのだ。
さらに、打上げコストを安くするためには本数を多く上げる必要があるので、米国内の人工衛星なんかはすべてスペース・シャトルで打ち上げる方針が模索されるんだよね。
そのために国防総省の軍事衛星や国家偵察局の偵察衛星なんかも上げられるようにで是院が変更されたりしているんだ(実際には衛星を積み込むペイロード・キャビティというのが大きくなったそうだよ。)。
で、当初の計画では年十機以上は打ち上げるはずだったんだけど、現在では6機も上げられない状態なんだよね。

スペース・シャトルの開発が始まると、軍が運用していた使い切りロケットの運用中止の方向性が探られるんだけど、軍からは猛反発があるのだ。
スペース・シャトルが使えなくなったときに人工衛星を打ち上げられなくなる、というのがその理由なんだけど、実際にチャレンジャー号の事故が起きてそれが現実になってしまうのだ。
軍ではその直前に新しい使い切りロケットの開発を認めてもらっていて、それでなんとかしのぐことができたんだよね。
それがデルタIIという米国でもっとも安定したロケットなのだ。
チャレンジャーの事故以降、軍部は引き続きNASAとは独立して使い切りロケットを運用することにあって、最新のものはロッキード・マーティン社のアトラスVとボーイング社のデルタIVだよ。

で、シャトルはコロンビア号で2回目の事故が起きてしまうんだけど、この時にはすでに20年以上にわたって運用が続けられていたのだ。
その間にもシャトルの後継となるようなものの開発の話は出てくるんだけど、費用がかかりすぎるのと、シャトルがあれば当面困らないので実現しなかったんだって。
でも、コロンビア号事故でそういう耐性がよくないと言うことが指摘されて、新たにロケットを開発し、月面有人探査を再開することを今のブッシュ大統領が決めたのだ。
シャトルは2010年に国際宇宙ステーションを管制させたら退役で、その後は新しい使い切りロケットに移行するんだけど、その運用開始は2015年と言われているんだよね。
けっこうギャップがあるのだ。

残すところシャトルの打上げもあとわずか。
2010年を過ぎてしまうと次の新しいロケットの打上げは2015年までないから、今のうちに見に来られてよかったのかも。
せっかくの経験なのでしっかり見てこないと!

2008/03/10

とりあえずつけておけば治るよ?

日本では完全にマナー違反だけど、米国では道につばを吐き捨てる人が多いんだよね。
むかしはメジャーリーグでもネクスト・バッターズ・サークルでかみタバコをかみながらグラウンドにつばを吐き捨てている選手なんかを見かけたけど、日本ではグラウンドにつばを吐き捨てただけで退場になったサッカー選手がいることを考え合わせるとものすごい文化の違いなのだ。
でも、このつばって、普段から何気なく口の中に充満しているけど、いまいち何をするものなのかよくわからなかったりするんだよね。

つばは「つばき」の略で「唾(つ)」+「吐き(ばき)」なんだって。
なので、「つ」だけで唾液の意味の大和言葉・雅語だったみたいなんだけど、吐き捨てるからつばきと呼ばれるようになって、それがつばになったのだ。
だとすると、日本でもつばは吐き捨てていたんだね。
江戸時代は手鼻で鼻水も飛ばしていたというから、ひょっとすると明治の文明開化以降の「エチケット」としてつばを吐き捨てちゃいけないというのが広まったのかもね。

で、つばは実は口中から分泌されていて、大きな唾液腺は3つ、小さな唾液腺は口の中のいろんな所にあるようなのだ。
大きな唾液腺というのは、耳の下に位置する耳下腺、下あごにある顎下腺(「う~んマンダム」でこするあたりだよ。)、舌の下にある舌下腺の3つなのだ。
基本的にほとんどの唾液はこの3つの分泌腺から出ているみたい。
胆のうでは分泌液がかたまって結石してしまう胆石という病気があるけど、実はこれらの唾液腺でも似たような結石ができるのだ。
唾液の中にはけっこうカルしムガ含まれているので、それが炭酸カルシウムなどの形でかたまってしまうみたい。
大きさなは小さいものが多いけど、これが唾液の出口につまると唾液の分泌が滞ってしまうので、その唾液腺のあるところがものすごくふくらんでしまうのだ!

この唾液は通常の聖人では1日に1リットルから1.5リットルも分泌されているそうで、無意識のうちに飲み込んでいるから気づかないけど、それってかなりの量だよね。
成分の99%は水だけど、消化や口腔内の殺菌・清浄といった働きがあるのだ。
口の中にある食べ物に水分を加えて飲み込みやすくするっていうのもあるんだよね。
唾液の分泌が不十分な状態でパンのような口のなあの水分を吸収してしまうようなものを食べるとむせてしまうのだ。
唾液が出ないことを考えると、毎回ものを食べるたびにそんな苦しみがあるってことだよね。
この作用だけでも偉大かも。

唾液に含まれる消化酵素で有名なのはアミラーゼ。
デンプンを分解して麦芽糖にする酵素なのだ。
小学校なんかでもヨウ素液によるデンプンの検出実験で、普通に白いごはんにヨウ素液をかけると紫色になるけど、口に入れてよくかんでからヨウ素液をかけると紫色が薄くなる、というのがあるのだ。
これは唾液に含まれるアミラーゼでデンプンが分解されるからなんだよね。
さらに、デンプンが分解されてできた麦芽糖を担当に分解するマルターゼも含まれていて、この二つの酵素のおかげでデンプンを含む食品(お米やパン、麺類、いも類など)はかみ続ければだんだん甘くなってくるのだ。
この他に脂質を分解するリパーゼなんかも含んでいるんだけど、タンパク質分解酵素のプロテアーゼはすい臓まで行かないと分泌されないのだ(胃の中では強酸の胃液でタンパク質が一部加水分解されるけどね。)。

消化酵素だけでなく、唾液にはリゾチウム(かぜ薬にもよく入っているよね。)のような抗菌作用のあるタンパク質も含まれているんだよね。
分泌液中にある免疫グロブリンのIgAもあるのだ。
よくかすり傷なんかはなめておけば治る、っていうのはこの唾液の抗菌・殺菌作用に注目したものなんだよ。
経験的に知られていただけだろうけど、唾液で傷口を洗浄し、かつ、リゾチウムやIgAで多少の病原体は駆除できるのだ。
動物なんかも傷口をぺろぺろなめるけど、本能でそういうのをしっているんだろうね。

さらに、口腔内の洗浄作用も重要なのだ。
唾液が常に出ているおかげではの表面についた食べかすなんかが洗い流されるのだ。
虫歯は歯の表面にこびりついている食べかすなどの上に細菌が繁殖して起こるんだよね。
細菌が食べかすを分解すると、そこから乳酸が出てきて、そえが歯質を溶かしてしまうのだ。
なので、歯を常に清潔に保てれば、歯を溶かす原因の乳酸が作れないので、虫歯になりにくいというわけ。
キシリトールという糖は口腔内の細菌が分解できない糖で、乳酸のもとにならないので虫歯にいい、と言われているんだ。
さらに、唾液で細菌の出す乳酸が薄められ、常に一定のpHが保たれていることも虫歯の予防に重要なんだって。
唾液の分泌が少なくて口の中がいつも乾いているような人は虫歯に注意なのだ。

2008/03/09

解熱鎮痛剤と麻酔薬

うちの大家さんが首を痛めてしまったようで、たいそうなコルセットをつけていて、とても苦しそうなのだ。
やっぱり痛いみたいで、痛み止めでアスピリンを飲んでいるんだよね。
早く治ってくれるいいけど。

で、いわゆる痛み止め薬として市販されているものは非ステロイド生解熱鎮痛薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)で、銭湯の桶でおなじみのケロリンなんかにも入っている19世紀から使われている薬のアスピリンをはじめとして、バファリンなんかの頭痛薬に入っているエテンザミド、かぜ薬によく入っているアセトアミノフェンやイブプロフェン、筋肉痛のぬり薬なんかに使われるインドメタシンなんかが代表的な薬剤だよ。
アスピリンだけはちょっと作用機序が違うのだけど、基本的にはシクロオキシゲナーゼ(COX:Cyclo-oxygenase)という酵素の活性を阻害するのだ(アスピリン以外は酵素の活性部位で本来の基質と競合するんだけど、アスピリンだけは酵素の活性部位をアセチル化することで阻害するのだ。)。
最初の薬のアスピリンが発見されたのは19世紀前半で、もともと柳の葉が鎮痛効果があると民間薬で使われていたんだけど、その中から有効成分としてサリチル酸が取り出されたのだ。
でも、このサリチル酸はそのまま薬として服用すると副作用が強くて、どうにか改善できないものか、と試行錯誤の上で出てきたのが、サリチル酸をアセチル化したアスピリンで、アセチルサリチル酸のことなんだよね。
アスピリンという名称はもともと商品名だったんだけど、これを開発した製薬企業のバイエルのあったドイツは第一次世界大戦で負けてしまい、このアスピリンに関する商標などもそのときに無効にされ、アスピリンという名称も一般名称にされてしまったんだ。
今でも日本のCMでアスピリンの開発から140年とかいうバイエルの宣伝があるよね。

で、このCOXという酵素は、細胞膜にある脂質のアラキドン酸からプロスタグランジンという物質を作っていて、これが実は痛みを増幅させるメディエーターとして作用するのだ。
なので、COXの活性を抑制してプロスタグランジンができないようにすると痛みが増幅されず、それにより、本来もっといたいはずのものがそんなに痛くない状態になるというわけ(アセトアミノフェンだけは中枢神経に作用していると言われているんだけどね。アセトアミノフェンだけはむかしから作用がマイルドだったので作用機序が違うと言われていたのだ。)。
ポイントは痛みのもとそのものを抑えているわけでない、ということなのだ。
でも、このプロスタグランジンには他にも作用があるので、それが同時に抑えられると副作用になるわけ。
胃が荒れたり、腎臓に悪影響が出たりするのが代表的なのだ。
でも、COXという酵素にはサブタイプで1と2があって、炎症反応などの場合は2が活躍していて、恒常的な昨日については1が担当していると言われているんだよね。
なので、最近は2だけを抑制するような薬を開発して、副作用を少なくしようという試みがなされているのだ。
プロスタグランジンは病気のときの発熱反応にも関係しているので解熱剤としても使われるんだけど、それは炎症反応系のCOX-2が関与していることがわかっているのだ。
でも、痛みの場合はどっちが効いているのかよくわからないのだ。
たぶん、2の方だと思うんだけどね。

一方、麻薬などにも使われるモルヒネなどの鎮痛剤は中枢神経内のオピオイド受容体に作用して痛みの伝達自体を止めてしまうのだ。
なので、NSAIDsとは違って、痛みが完全に遮断されるというわけ。
でも、中枢神経系に作用するがために、麻薬にも使われてしまうんだ。
いわゆる多幸感(とてつもなく気持ちよくなる)という効果なんだけど、ヘロインやコカインなんかの麻薬の場合、鎮痛効果はそれほどなくて、多幸感の方の作用の方が強いんだって。
でも、逆にそのことで禁断症状もとてつもないものになっているのだ。
本当に耐えきれないような疼痛を抱えている人にはイクラモルヒネを投与しても麻薬中毒症状は出ないとか言うけど、そういう危ない面もあるので使うには特殊な処方せんが必要なのだ。
覚醒財形は緑色の処方せんで、麻薬系はピンク色の処方せんなんだよ。

いずれにしても、麻薬系の鎮痛剤は市販では手に入らないので、とりあえずはNSAIDsで許容できるレベルまで痛みを抑えるので我慢するしかないのだ。
でも、我慢しなくなると人間はこらえしょうがなくなるから、思いどおりにならないようなことがどこかにはあった方がいいのかもしれないけどね(笑)

2008/03/08

思い思われ、ふりふられ

なんとなくこんなフレーズを思い出したのだ。
これって確かニキビ薬(クレアラシルかな?)のCMに出てくるやつだと思うんだよね。
ボクはもともとそんなにできなかったけど、こっちの大学の授業で一緒になる若い外人の学生さんなんかはけっこうすごいニキビ顔だったりするのだ。
大人になるとあまりできなくなるけど、若いときは気をつけていてもできちゃうんだよね。

で、このニキビというのは主に顔にできる皮膚の炎症で、体の他の場所にもできるんだけど、その場合はただの吹き出物と呼ばれるのだ。
ニキビは皮脂が多く分泌されるところにできるので顔面にできやすいんだって。
毛穴の中には皮脂腺があって、そこから皮脂を分泌しているんだけど、まずこの皮脂が毛穴の中にたまることから始まるのだ。
さらに、毛穴の中に皮脂がたまりだすと、皮膚の代謝ではがれてくる角質も一緒にたまってくるんだって。
で、これが毛穴の中で相当量たまると、皮膚の表面がふくらんで見えるようになるのだ。
毛穴が開いていて白く見えると白ニキビ、毛穴が閉じていて黒く見えると黒ニキビと呼ばれるんだって。

で、この状態になってから、皮膚にもともと常在菌として存在しているアクネ桿菌(Propionibacterium acnes)という最近がたまった皮脂や角質を分解するんだ。
そうすると、脂肪酸などの刺激物質ができて、これが毛穴の中で炎症を起こすのだ。
それで赤くなって、いわゆるニキビになるんだよ。
さらにウミが中でたまってくると黄色っぽくなってくるんだよね。
でも、これを下手に破いてしまうと真皮の方までキズが広がってしまって、いわゆるニキビ跡やあばたが残ることになってしまうのだ。

市販されているようなニキビ薬は、ぬり薬の抗菌剤や抗炎症剤で、ひどい場合には飲み薬でビタミン類が処方されるみたい。
ビタミンBは皮膚の脂質の代謝を助け、Bは皮膚の抵抗力を高め、Cは抗酸化作用により色素沈着を防ぐそうなのだ。
でも、これって実は根本的な治療にはなっていなくて、できたニキビがひどくならないようにしているだけなんだよね。
ところが、一番最初のなんで皮脂がたまるのか、のメカニズムがよくわからないので、ニキビができる原因はまだ不明なんだって。

一般にきれいに洗顔するとよいとか、チョコレートやスナックなどのカロリーの高い、油分の多いものを食べないとよい、なんて言うけど、それもどこまで効果があるのかは不明だとか。
でも、ボクなんかは油っぽいスナックを食べるとニキビができていたような気がするんだよね。
それは「マーフィーの法則」みたいなものかな?
どちらにしても、もう大人になったボクにはあまりできないからあまり気にしなくてもよいのだけど(笑)

2008/03/07

第四の指

あるときふと気になったんだけど、英語では、親指はthumb、人差し指はindex、小指はpinkyと名前がついているんだけど、中指と薬指って聞いたことがなかったんだよね。
で、和英辞書で調べてみると、中指は日本語と発想がまったく同じでmiddle finger となっていたのだ。
一方、薬指はなんとring finger。
これは婚約指輪(engage ring)をつける指だからみたい。
でも、それって左手だけだよね(笑)

欧米で左手の薬指に婚約指輪をつけるのにはきちんと意味があって、かつて欧州では左手の薬指が心臓にもっとも近いと考えられていたからなんだよ。
これは一種のまじないのようなものなのだ。
互いに裏切ることの内容、もっとも心臓に近い指に指輪をつけて誓うのだ。
日本では指切りげんまんで小指を結んで約束するけど、これもそういうまじない的な意味があるのだ。
欧米でもpinky swearやpinky promiseと言って同じようなことをするんだよね。
運命の赤い糸がついているのが小指なのもきっと同じような意味があるのだ。

日本語の薬指という名称は、薬を水に溶かしたり、ぬったりするときに使っていたことから来ているのだ。
これは、普段もっとも使わない指なので、それだけ清浄と考えられていたんだよね。
むかしの女性は紅も薬指でくちびるにぬったんだよ。
江戸時代の浮世絵にもそんな構図があるのだ。
なので、紅差し指なんて呼び方もあるみたい。

薬指を使わないのはもっとも動かしにくいからで、小指みたいに端にあれば動かしづらくても使うんだけど、中途半端に内側にあるから使いにくいんだよね(笑)
でも、それもそのはずで、薬指を動かす腱は両隣の指の腱とつながってしまっていて、そもそも独立して動かすのが難しいのだ。
訓練すればかなり動かせるようになるけど、それでも自在に動かせるのは一部の人だけみたい。
ピアノをやったりするとかなり動かせるようになるみたいだけどね。

でも、そういう単独でぇ動かしづらいところが婚約指輪をつける指としてはいいのかもね。
一人で勝手にふらふらしないってことだから(笑)
実際的にも、もっとも動かさない指だから、指輪が外れにくいという利点もあって、なかなかよくできたものなのだ。

2008/03/06

大事な大事な骨

ボクは長距離歩くようになってから気づいたんだけど、姿勢をよくして歩いた方がつかれにくいんだよね。
これはきっと重心の位置が適切な位置に来て、左右のバランスもよくなるからだと思うのだ。
前傾姿勢とか左右どちらかにかたむいていると余計な負担がかかって片側の足だけが痛くなったりするんだよね(>_<)
それ以来、常に姿勢はよくするように気をつけているのだ。

そんな姿勢をよくする上で大事なのが背骨(脊椎)。
人間の背骨は7対の頸椎、12対の胸椎、5対の腰椎、5対の仙椎、それにしっぽの名残の3~6対の尾椎があるのだ。
人間の場合は、頸椎と腰椎が前方にふくらんでいて、胸椎が後方にふくらんでいるので、ちょうど横から見るとS字型になっているのだ。
これは二足歩行に適した形状と考えられていて、前後左右のバランスをとるのに優れているとともに、S字型になることで上下の衝撃も吸収できるようになっているのだ。

頸椎はほ乳綱の動物でその数が保存されていて、あの首の長いキリンも頸椎は7対の骨でできているんだよ!
ヘビのようにくねくね動かなくて思ったより柔軟性がない(どっしりして安定感があるといった方がよいのかな?)のはそのためなのだ。
首なんかないように見えるゾウやブタでも7対なんだよね。

胸椎は肋骨(あばら骨)のついている部分で12対の胸椎に対応して左右に12本ずつ、計24本あるのだ。
聖書ではアダムの肋骨が1本とられてそこからイヴが作り出されることになっているけど、別に男女で肋骨の数に差はないんだよ。
肋骨は上から7対目までは胸骨とつながっていて前が閉じているんだけど、そこから下は胸骨とは結合していないので開いているのだ。
ちょうどみぞおちのところがその境というわけ。
折れやすい骨としても有名で、内臓に突き刺さったりしない限りは折れても大ダメージにはならないんだけど、かといって手足の骨のようにギブスで固定することもできないので、できるだけ胸部を動かさないように安静にして治るのを待つしかないという大変な治療が待っているのだ。
折れると笑うだけで激痛が走るらしいよ。

腰椎はまさに腰の骨で、ここは前後の動きだけでなくて回転運動もするのでよく動かすところなのだ。
腰痛やぎっくり腰は腰回りの筋肉・腱や腰椎に原因があるわけだけど、ふだんから姿勢をよくして腰回りの筋肉を鍛えておくと、腰痛になりにくいそうだよ。
「腰」という字は肉月に要と書くわけだけど、まさに体の中の「要」なのだ(もともと「要」は扇子の留め金の部分でそれがないと扇子がバラバラになるので大事な部分を「要」と言うのだ。)。
仙対と尾骨はおしりにかけてある骨で、しりもちをついて痛く感じるのはここの骨なんだよね。

で、背骨でよく聞く病気といえばヘルニア。
背骨は上下の衝撃を吸収して二足歩行を可能にしているんだけど、それには背骨のそれぞれの骨の間にある椎間板が緩衝剤の役割をしているのだ。
椎間板はゼラチン状の核のまわりにコラーゲンをたっぷり含む繊維状の軟骨があるものなんだけど、これがゴムの衝撃吸収剤のように働いているのだ。
ヘルニアというのは本来あるべきところから外れて外に出ている状態を指すんだけど、でべそは正式には臍(さい)ヘルニアと言うんだよ。
で、椎間板ヘルニアの場合はこの軟骨の椎間板が背骨の間からはみ出してしまう状態を言うんだけど、背骨のすぐ近くには太い神経が通っていて、はみ出した椎間板がその神経を圧迫して発症するのが椎間板ヘルニアなのだ。
激痛が走るというのもあるけど、背骨の神経は四肢の運動神経や感覚神経のと脳の中枢神経を結ぶ働きをしているので、手足のしびれ、感覚障害、筋力低下などの症状も出てくるんだ。
腰椎にできることが多くて、次いで頸椎にできるみたい。

椎間板ヘルニアで苦しむというのも、もともとは背骨が大事な役割をしているからなんだよね。
まさに人間の屋台骨だし、人間は特に二足歩行をするために四足歩行の動物よりよりバランスや重心の位置が大事になってくるから、背骨の役割も大きいのだ。
姿勢をよくして大事にしないとね♪

2008/03/05

行って来いでちゃら

米国は広いだけあって、国内の移動には主に飛行機が使われるんだよね。
短距離だと車で行くけど、何より鉄道がもうあんまり走っていなくて不便だからなのだ(鉄道は主に貨物の輸送に使われているのだ。)。
で、そんな状態なので、主要都市の空港の間にはシャトル便が運航されていて、日本の新幹線のように使われているんだよ。
米国の航空システムはハブ&スポークと呼ばれていて、複数の航空便が発着する基点(ハブ)と、そこから放射状にいろんなところにつながる航空便(スポーク)で構成されているんだよね。
で、特に重要な地点間は日に何度も往復している便があって、それがシャトル便なのだ。

で、今回の注目はその「シャトル」。
バスにも「シャトル・バス」なんてのがあるけど、もともと「シャトル」は織機の杼(ひ)のことなんだよ。
杼というのは横糸を巻いておさめた平らな舟形のもので、織物をするときに縦糸の間に横糸を通すのに使うのだ。
がっちゃんがっちゃんて力織機を動かすとき、あの「がっちゃん」は2つの縦糸の上下を入れ替えている音なんだけど、縦糸を入れ替える前に杼で横糸を通し、織物を作っているのだ。
するするするーって通すやつだよ。
で、シャトル・バスやシャトル便は行ったり来たりするから、この杼の動きに例えられてシャトルと言われているんだ。
同じような言い方に「ピストン輸送」なんてもあるけど、これもピストン運動のように行ったりもどったりを繰り返すからだよ。

スペース・シャトルの考え方も同じで、宇宙に行って帰ってくる往還機で、何度も再利用できるからシャトルなのだ。
帰ってくるだけで次にまた宇宙に行けないようではシャトルとは呼べないんだよね(笑)
バドミントンの羽はシャトル・コックというけど、これもなんどもお互いのコートを行ったり来たりするからだよ。
もともとはコルクにニワトリ(cock)の羽をつけたものを使っていたのでシャトル・コックなんだって。

で、行ったりもどったりするものじゃなくて、杼と形が似た紡錘形のものもシャトルと呼ばれるのだ。
ステーキなんかの付け合わせに出てくる紡錘形のニンジンの形はシャトルと言うのだ。
小さい子はニンジンが食べられなくてフォークでこねくり回すから、行ったり来たりの運動をしているという説もあるけどね(笑)

今ではシャトルというとどうしてもスペース・シャトルが思い浮かぶけど、もともとは産業革命の代表的な発明のひとつでもある、ジョン・ケイさんの飛び杼の動きなのだ。
これはまさに飛ぶように縦糸の間を行ったり来たりする杼なんだけど、今ではそれが地球と宇宙を結ぶ動きをも意味しているんだから技術の進歩はすごいよね。

2008/03/04

Rice Cracker

ボクはおせんべいやあられ、おかきといった、いわゆる米菓が大好きなのだ。
ポテト・チップスなんかもいいけど、やっぱりおせんべいやおかきを食べたくなるんだよね。
これも日本人として生まれたさがかな?
さくさくしていたり、ばりばりしていたりするけど、そういう米菓独特の歯ごたえが好きなのかも。
でも、よくよく考えてみると、おせんべいとかおかきって何が違うのかわからなかったので、少し調べてみたんだ。

調べてみると、おせんべいとおかき・あられの違いは明確だったのだ。
おせんべいは炊いて食べる「うるち米」で作ったもので、通常はうるち米を砕いた粉で作った生地を平たくしてからよく乾燥させ、たれをつけながら焼いて作るのだ。
一方、あられやおかきはおもちにする「もち米」で作るんだって。
あられやおかきの方がぱりっとした感じがするのはそのせいかな?
あられやおかきには揚げたものも多いけど、サクサクした食感を出すにはもち米の方が向いているのかもね。

ちなみに、せんべいという名前でも別にうるち米で作られているわけでも、焼いて作られているわけでもないようなのだ。
例えば、岩手名物の南部せんべいは名前はせんべいだけど小麦粉で作ったものだよね。
駄菓子のソースせんべいも小麦粉から作られているのだ。
よくボクもおやつに食べたサラダせんべいは、もち米で作った生地をサラダ油で揚げて塩味にしたものなのだ。
でも、これらは厳密に言うと「せんべい」ではなくて、名称の中に「せんべい」が入っているだけなんだそうだよ。
よくよく包装を見てみると、「焼き菓子」とか「米菓(おかき)」とか書いてあるのだ。

あられとおかきには厳密な区別はないみたいなんだけど、一般に多きなも尾がおかき、小さなものがあられと呼ばれるみたい。
もともとあられはかたくなったもちを砕いて小さくして、それを大鍋で炒って作るものだったそうなのだ。
そのいるときの音が空から降ってくるあられのぱらぱらという音に似ているのでそう呼ばれるようになったみたい。
ボクは揚げ餅のおかきが大好きでよく食べていたんだけど、あれってカロリーが高いんだよね・・・。
サラダせんべいも揚げたものだけど、どうも焼くのではなくて揚げる場合はもち米が向いているようなのだ。
それに、せんべいは網の上でひっくり返しながら焼くけど、焼いて作るあられやおかきの場合はかごに入れて遠火であぶるんだって。
そうするとゆっくりふくらんできてあの食感ができるみたい。

「やめられない、とまらない」でおなじみのかっぱえびせんの「せん」は「せんべい」だと思うけど、もともとは「かっぱあられ」という名前で発売されていたんだって。
揚げているから「あられ」としたんだろうけど、米じゃなく小麦粉なんだよね。
これは食糧難の時代に開発されたことと関係しているみたい。
「かっぱあられ」に今のようにエビが練り込まれるようになって「かっぱえびせん」が誕生したそうだよ。

それにしても、日本のお米を使ったお菓子は奥が深いのだ。
欧米人から見ればクッキーやビスケットも奥が深いのかもしれないけど(笑)

2008/03/03

ひたすら煮込む

今日の夕ごはんは家にあまっていた赤ワインと、スーパーの安売りで買ったヒレ肉(テンダーロイン)でビーフシチューを作ったのだ。
赤ワインをたっぷり使ったのでちょっと酸味のある味になったけど、なかなかおいしくできたよ。
4時間も煮込んだだけあって、お肉もとろとろ、じゃがいももほくほくでスプーンだけで食べられる感じ。
やっぱりシチューはこうでないとね。

で、気になったのはシチューはそもそもなんなのか。
なんとなく大きめの具をよく煮込んだ料理というのはわかるんだけど、そうするとスープとの違いがよくわからないよね。
調べてみると、実際にどこからどこまでという線引きはあいまいなんだけど、一般にメインディッシュで食べるものをシチュー、前菜で食べるようなものをスープと呼ぶみたい。
シチューの具が大きかったり魚や肉がふんだんに入っているのはメインディッシュで食べるからなのだ。

英語ではstewは煮込むという意味なので(トマトのホール煮缶もstewed tomatoと書いてあるのだ。)、とにかく煮込んだ料理がシチューみたい。
日本で言うと煮込み料理とかにものに近いものなのかもね。
日本ではビーフシチューとクリームシチューがメインのような気がするけど、これは日本にシチューが最初に伝わったときにそれが伝わったからで、別にこの二つに限られるわけじゃないみたい。
ボクなんかもどうしても小麦粉を炒めて作ったルーが入っていて、とろっとしているものをシチューと思っていたけど、とろみがなくても煮込んであればいいみたい。
ブイヤベースやボルシチなんかもシチューの一種なんだって。

日本でビーフシチューというと茶色いものだよね。
明治期にすでに洋食としてメニューに取り入れられたみたいなんだけど、牛肉と野菜をブイヨンで長時間煮込み、それをトマトピューレとドミグラスソースで味付けてルーでとろみを加えているのだ。
ホワイトシチューというのもあるけど、こっちは鶏肉などが多くて、大きくきった牛肉は入らないよね。
でも、これは最初にそういうのが伝わってきて広まっていったからで、別にホワイトシチューに大きくきった牛肉が入っていてもよいはずなのだ。
後は味の好みだよね。

ビーフシチューと言えば必ずと言っていいほど出てくるのが、東郷平八郎元帥と肉じゃがの話。
統合元帥で英国でシチューを食べ、いたくこれを気に入って、海軍の調理師に同じような料理を作らせようとしたのだ(陸軍は兵士が交代で料理を作っていたんだけど、海軍にはきちんと船に専門の料理氏が乗っていたのだ。)。
それでできたのが肉じゃがで、これが戦争に従軍していた庶民が持ち帰って広がり、日本中の家庭料理になったというのだ。
確かに、具が同じで日本風の味付けになると肉じゃがだよね。
牛肉とじゃがいも、ニンジン、玉ねぎ。
これを茶色く煮るためにしょうゆを加えて少し甘くすれば肉じゃがなのだ。
ただ、すぐに広まったわけでもなくて、牛肉食が一般的になった戦後に広まっていったそうだよ。
それまでは軍隊でのみ食べられていたようなのだ。
お袋の味の代名詞だけど、実は大して歴史はないみたいだね(笑)