2009/06/28

お返し?記念品?

昨日は職場の同期の結婚式に出てきたんだけど、披露宴に出ると、必ず席に引出物が置いてあるよね。
二次会まで行くとけっこう荷物になるのだ(>_<)
さらに、最近では披露宴でも二次会でも、最後に新郎・新婦(+御両親)がお見送りの時にプチギフトもわたすよね。
けっこうもらい物が多いのだ。
で、その起源はなんだったんだろう?、と気になったので、少し調べてみたよ。

引出物自体は、結婚式の後にもらえるものだけではなくて、他のものも含めて、御祝いの席・祝宴(銀婚式・金婚式、喜寿・米寿・白寿の御祝いなどなど)の後にホスト(主催者)側からゲスト(招待側)に贈られるものの総称なのだ。
多くの人は結婚披露宴くらいしか祝宴には出ないこともあって、結婚式というイメージが強くなったんだろうね。
ただし、地域によっては法事やお葬式のような御祝いでない場合でも、香典返しのお茶などを引出物と言うことがあるので、慶事にだけ限るというわけでもないみたい。
語源的には、平安時代ころにウマを庭先に引き出して贈ったことに由来するようだよ!
それにしてお豪勢なおみやげだねぇ。
当然のことながら(?)、時代が下るとウマ自体を贈らずに、「馬代(うましろ)」として代わりに金品を送るようになったんだって。
そこから酒膳に添えられる物品や招待客へのおみやげをさすようになったんだそうなのだ。

むかしはそれこそ御祝いの料理などの余り物を折り詰めにして持ち帰ってもらったのが基本だとかで、これだとさもありなん、とうなづけるよね。
やがて、専用のものをおみやげとしてわたすようになり、お赤飯や紅白まんじゅうなどの御祝いの食べ物を出すようになったんだって。
これは今でもときどき見かけるよね。
戦後になって景気もよくなり、バブルの時代に結婚披露宴が華やかに、派手になっていくと、祝宴のお裾分け、御祝いのお返し、という意味合いに、記念品としての意義が出てきたんだそうだよ。
このころから、食器や時計などで、新郎・新婦の名前が入ったものなどが配られるようになったのだ。
最近は好きなものが選べるようにとカタログギフトも増えてきたよね。
引き菓子とカタログが多いような気がするよ。
個性はお菓子の方の選択で発揮するのだ。

でも、結婚式は御祝いの場なので、スピーチでの忌み言葉のように、地域によっては避けられる物品があるんだって。
食器やガラスのものは「割れる」を連想させるのでよくないとか、はさみや包丁は「(縁が)切れる」んでダメとか、重箱は重ねるものなので離婚・再婚を連想させるから出さないなどなど。
とは言え、言い始めるとキリがないので、スピーチでの忌み言葉ほどは一般的ではないんだよね(笑)
ま、本当にがんじがらめになって選択の幅がなくなってしまうから、気にしすぎない方がよいのかも。

最後に、結婚式でもらうくらいでしか見かけないものの代表選手が、引き菓子のドラジェ。
カラフルな糖衣でアーモンドをくるんだものだけど、これを欧州では古くから結婚式や誕生日の御祝いのお菓子として配っていたのだ。
それで日本でも「幸せのお裾分け」という意味合いで選ばれることが多くなったのだ。
そんなにおいしいとも思わないんだけど(笑)
色にも意味があるそうで、通常は五色で、それぞれ幸福、健康、富、子孫繁栄、長寿の5粒。
それを花嫁のヴェールを切ったものと言われる1枚の薄布につつむのが正式だそうなのだ。
ま、のし紙をつけて紅白まんじゅうを包むのと実は考え方自体は変わらないんだけどね。
おそらく、日本のまんじゅうがそうであるように、むかしは砂糖が非常に貴重品で、甘いものはぜいたくなものだったので、こういうお菓子が御祝いの品に選ばれたんだろうね。

2009/06/20

緑のすっぱいやつ

この前、みんなで飲みに行ったときに話題になったんだけど、よく焼き魚なんかについている緑色のすっぱい柑橘類はカボスなのか、スダチなのかがわからなかったのだ(>_<)
同じく緑色のすっぱい柑橘類としてはライムもあって、いまいちよく区別がつかないんだよね。
というわけで、今回は緑色のすっぱいやつを調べてみたのだ。

まずはカボス。
これは大分の名産で、ゆるキャラのカボたんなんてのもいて、これがけっこう人気なのだ。
ユズの近縁種で、熟してくると黄色くなるんだけど通常は酸味の強い緑色のうちに収穫するんだって。
もともと花がついていた果頂部(いわゆる「へた」のところ)がドーナツ状に盛り上がっているのが特徴。
デコポンのようにちょっとふくらんでいるのだ。
独特の香りと強い酸味で薬味に使われるんだけど、果実がけっこう大きいので、通常は果汁がし織られた状態で使われることが多いのだ。
汁気が多くて果汁が多めなので、カボスの絞り汁をお酢の代わりに使って酢の物やポン酢にしたりもするよね。

これに対してスダチはもっと小ぶりなまるい果実で、こっちは四国は徳島の名産。
こちらもユズの近縁種で熟すと黄色くなってくるんだけど、緑色のうちに収穫すると独特の香りと酸味を楽しめるのだ。
特に香りが強くて、さわやかな香りをつけたいときに使われることが多いみたい。
スダチはカボスに比べて小さいので、櫛形に切って薬味として添えてあることが多いのだ。
直接焼き魚なんかにしぼるのは多くの場合スダチだよ。
というわけで、事の発端の答えは「スダチ」だったのだ。
スダチは薄い果皮も薬味として使われることが多く、細かく刻んだり、おろしたりして汁物に入れられたりするのも特徴なのだ。

最後はライム。
こちらはもちろん外国から来たもので、熱帯産。
よく緑色のレモンがライムと思われているけど(笑)、ライムはレモンよりはまるみが強くてあんまり紡錘形ではないのだ。
しかも、レモンよりひとまわり小さいものが多いみたい。
ライムも熟すと黄色みを帯びてくるらしいけど、黄色くなると酸味がなくなるので緑色のうちに収穫して使うんだって。
レモンの酸味に比べると独特の苦みがあると言われていて、それがライム特有のさわやかさにつながるのだ。
グレープフルーツの苦みによるさわやかさと同じだよね。
で、自然な酸味を加えたいときにお酢の代わりに使われることもあるけど、ライムを一番よく見かけるのはなんと言ってもカクテルだよね。
さわやかさのある酸味で、甘みの少ないすっきり系のカクテルによく使われるのだ。
なんでも、大航海時代にはビタミンC欠乏による壊血病を防ぐため、ドイツの伝統料理のザワークラウト(塩漬けして乳酸発酵させたキャベツ)とともにライムが食べられていたみたい。
それで世界的に広まったようだよ。

というわけで、似ているようでそれぞれ特徴があって、使い道も違うのだ。
すっぱくて緑色で、熟すと黄色くなる柑橘類というところは共通なんだけどね。
とは言え、大きさも形も違うので、一度知れば区別は容易につくのだ!
これからは違いのわかる男になれるよ♪

2009/06/14

さえぎってなんぼ

今日は新居に引っ越す準備の一環でカーテンを買いに行ったのだ。
事前に窓の大きさを調べておいて、サイズを合わせてオーダーするんだよね。
窓枠にぴったりで意味がないので、この寸法をとるのが重要なんだよね。
むかしの集合住宅だと窓の大きさは規格化されて固定されていたからカーテンもそれに合わせたサイズを買えばよかったけど、このごろはできるだけ窓を大きくとろうとしたりして、窓の大きさがまちまちなので、それにカーテンを合わせる必要があるのだ。

このカーテンの大事な役割のひとつは遮光。
文字どおり外からの光をさえぎることで、特にベッドルームでは強い光が差し込むと寝ていられなくなるので、光をさえぎることが必要なんだよね。
でも、リビングルームなんかだと完全に光をさえぎってしまうと暗くなってしまうので、レースのカーテンで半透明にして、一部光が入るようにしているのだ。
普通の生地でもある程度は光を通すけど、完全に遮光したい場合はもっと密に生地が編まれている遮光カーテンというのがあって、この場合は光をほとんど通さないのだ。
そのかわり、一度閉めてしまうと真っ暗なので、部屋の中に電気をつけないと行けないのだ。
写真を現像するときの暗幕なんてのはまさに遮光性がもっとも強いものだよね。

一方、カーテンの役割としてはその逆で、中からの光が外に漏れないようにする、というのもあるのだ。
まわりに人家がなければ光が漏れても大して問題ないけど、夜になってあたりが暗くなっているときに部屋の中の光が漏れるということは、部屋の中が丸見えになるということなのだ!
それを防ぐという意味もあるわけ。
昼間にある程度光を通すことを前提にしているレースカーテンの場合は、外からの光が入る分、中の光が外に漏れ、おぼろげながら中が見えてしまうのだ(>_<)
これを避けるため、最近では表面加工がしてあって、部屋の内側を向く方(つまりカーテンの表)は光を乱反射してあまり光が透過しないようにして、中を見えづらくしているものもあるのだ。
そういうのをミラーカーテンというそうだよ。

この西洋のカーテンに似ているのが日本のすだれ。
やっぱり窓にたらして外からの光を防いだり、中が見えないようにしたりするのだ。
すだれの場合も密に編んで遮光性を高めたり、粗に編んで光の透過性を高めたりするよね。
偉い人や神聖なものを直接見えないようにするために間に入れる、という使い方も似ているのだ。
いわゆる御簾とヴェールだよ。

でも、大きな違いは、カーテンはたいてい床すれすれまで丈があるのに対し、すだれの場合はわりと下は空いているくらいの丈だということ。
これは湿気が多くて家屋全体の開放度の高い日本ならではなのかな?
西洋はむしろ冬が寒くて保温効果を高める必要があるので、しっかり床まであることが大事なのだ。
現代でもよく使われているすだれは、すき間から風は通すけど光は一部遮蔽して暑さを和らげるものだよね。
逆に、カーテンは省エネの観点で冷暖房の効果を高めるために使われるのだ。
やっぱり似たようなものでも使い方が違うんだよね。

このカーテンが日本で普及してきたのは住宅の西洋化が進んできてから。
それまではまさに障子しかなかったわけで、障子は薄い紙を通じて光はそれなりにはいるけど、けっこう保温効果もあるという優れものなんだよ。
平安時代ころまでは大きな部屋があって、そこの間仕切りとして屏風やふすまが使われていたのだ。
夏の蒸し暑さに対応するためにしっかりとした壁はなく、ふすまを使っていたわけだけど、閉めておくと位し暑いので、多くは開放されただだっ広い部屋だったのだ。
源氏物語の世界では、そんな開放された部屋の中、屏風のような間仕切りのすぐ向こうで男女が愛を語らっていたんだから、今から考えるとすごいよね・・・。

でもでも、時代が下ると障子が発明され、それで部屋を仕切るようになったのだ。
障子の場合は明かりがある程度透過するので、暑いとき以外は閉めておけるという利点があるのだ。
これにより明かり取りのために開けっ放しにする必要がなくなったんだよね。
これでかなり個々の部屋の独立性が高まったはずなのだ。
そんな障子もカギがかけられるわけではなく、すぐに開け放てるのでやっぱりまだまだ開放的なんだけどね。

2009/06/06

紙の文化の人だから

結婚の準備を進めるようになってよく見かけるのが「水引」。
普通にくるっと巻いてあるだけじゃなくて、鶴や亀の形に細工したものなんかもあるんだよね。
なかなか種類が多いし、色鮮やかなのだ。
欧米にはカードを送る文化があって、それこそグリーティングカードには様々な種類があるけど、こういう細工は見ないのだ。
やっぱり日本独特のものなのかな?
というわけで、ちょっと調べてみたんだよね。

水引はのし袋や贈答用のお祝い品につける紙の飾りひもで、紙をよじって作ったこよりにのりを引いて固めたものなのだ。
使い道によって、紅白、金銀、黒白など色もいろいろあるよ。
きれいに丸く結ぶだけじゃなくて、花型や縁起のよい鶴亀などの大きな飾りにすることもあるんだよね。
びっくりしたんだけど、100円ショップとかでも細工した水引のついた御祝儀袋がうられていたりするんだよね。
それほど日本では浸透している文化だってことだよね。

もともとは宮廷に捧げる贈答品には紅白の麻ひもをつける習慣があったらしいんだけど、室町時代後期になると、こよりを固めた紙ひもで代用するようになってきたらしいのだ。
むかしの人はちょんまげをゆっていたわけだけど、それをとめていたのがまさに細い紙をよって作るこよりで、室町時代も後期になると日本中でまげを結い始めたので、こよりも市井に浸透していたのだ。
ま、その辺によくあるものだった、ということだよね。

もともとは紅白に染め分けるくらいだったらしいけど、明治になると金銀など他の色も出てきたようなのだ。
みんながまげを切って洋髪にしてこよりをあまり使わなくなったので、水引に使うのが中心になってくるのだ。
そうすると、その辺にあるものに色をつけて使う、という感じじゃなくて、それ専用に作り始めるんだよね。
大正時代になると立体的に結ぶ結び方ができはじめ、水引もよくなってきた昭和になると鶴や亀などの細工結びも出てきたんだって。それが今に続いているのだ。

この水引の結び方にも種類があるんだよね。
結婚・婚約や快気祝い・病気見舞い、仏事・法要なんかに使うのが「結びきり」というもの。
二度と繰り返さないように、というわけで、ほどいて結び直せないように固結びに結んでしまう形なのだ。
よく見かけるのは8の字型の輪にエビのひげのようにぴんと縦に両端が立っているのが「あわじ結び」というやつだよ。
出産祝いや入学祝いなんかに使われるときはこれが蝶結びになるのだ。
こっちは何度繰り返してもよいし、むしろ続く方がよいことなので、わざと結び直せるように結ぶんだそうだよ。
奥が深いねぇ。

こうやって見てくると、水引を見る目も変わってくるよね。
今度から注意深く水引の形と使われ方をチェックしたいものなのだ。
趣味で作っている人もいるというけど、それもけっこう楽しいかもね。
ま、ボクは不器用だから向いていないけど(笑)