2009/12/31

年を迎える前に飾ろう♪

いよいよ今年も終わりつつあるねぇ。
街中もすっかりお正月モードになっていて、「謹賀新年」などの文字が目につくのだ。
クリスマスを過ぎたらこんなものだけどね(笑)
で、同時に目につくのが、お正月の飾り。
今でも玄関先に飾っている家が多いよね。
今回は、そのお正月の飾りについて調べてみたのだ。

あのお飾りは注連(しめ)飾りと呼ばれるもので、玄関先に飾るものを特に玉飾りというそうなのだ。
台所やトイレなどの水回りには注連縄(しめなわ)をまるめたようなものを飾るけど、それは輪じめと言うそうだよ。
神社にある注連縄は現世と神域の境界を示す結界のように扱われるけど、もともとは神様が宿る依り代としての意味があったのだ。
お正月の飾りはまさにその依り代で、年神様を迎えるものなんだそうだよ。
これは童謡「一月一日」に♪松竹たてて門(かど)を取り~♪と歌われている門松も同じ。
両方飾ってあるとかぶってしまうのだ!

通常注連飾りには縁起物がつけられて色鮮やかに飾られるんだよね。
目立つのは「代々」をかけた橙(ミカンじゃないよ!)、長寿を表す伊勢エビ、依り代であることを表す紙垂(しで)、末広がりを意味する扇、シダの一種であるウラジロなんかがつけられているよね。
ウラジロは由来がだんだんわからなくなってきているそうなんだけど、これは裏側が白くなったシダというだけではないようなのだ。
一説には、ウラジロは茎が長く伸びていって、毎年その先端に2枚の若い葉が出てくるんだけど、それが世代の交代を表していて、かつ、裏が白くなると言うことで「夫婦ともに白髪の生えるまで」という縁起物と言われているのだ。

同じように年神様を迎えるのに飾られるのは鏡餅。
もともとは武家で具足(甲冑)を飾っていて、その前に餅が置かれていたらしいんだけど、いつしか餅だけになったのだ。
この鏡餅にも同じように橙やエビ、ウラジロなどの縁起物が飾られるよね。
丸い形は家庭円満を表し、二つ重ねるのはそれが代々続きますようにという願いが込められているそうなのだ。
ちなみに、これは後付の説で、もともとは魂の形と考えられていた円形に形作り、それが古代の円鏡に似ていたので鏡餅と言うらしいのだ。
二つ重ねるのも陰陽をそれぞれ表していて、福徳が重なって縁起がよい、ということらしいよ。

で、これらの飾りを飾る時期だけど、大晦日ではダメなのだ!
旧暦の一番最後の日である12月30日や今の暦の最後の日である31日だと「一夜飾り」となってしまって年神様に失礼に当たると言われているんだ。
さらに、29日だと「九」が「苦」につながるので縁起が悪いと言われるのだ。
なので、28日までに飾るのがスタンダードらしいよ。
今はクリスマスがあるから25日~28日に飾ることが多いみたい。
むかしはそれこそ新年にそなえて12月10日くらから準備したらしいけど。

というわけで、街中ではまだまだ正月飾りを売っているのを見かけるけど、すでに遅いのだ(笑)
飾らないよりはいいのかもしれないけどね。
何事も事前の準備が重要ということかな?
年末の大掃除もそうだけど、すっきりして年を越したいものなのだ。

2009/12/19

マスのサケ

クリスマスが過ぎると、一気に年末っぽくなるねぇ。
今年ももう1週間をきっているのだから当たり前だけど。
で、クリスマスケーキやローストチキンが消えた後に出てくるのが、お正月の定番のお節料理の材料(特にかまぼこ、数の子など)や切り餅などなど。
そして、かつてのお正月の定番と言えば、冷蔵庫がなくても保存できる新巻鮭なのだ。
産卵期に川を上ってきて脂が落ちきったサケの内臓をぬき、そこに塩を詰めて保存食にしたのものなのだ。
でも、最近では、塩抜きが大変だし、そんなにたくさん食べられないから、雰囲気だけと普通にサケを買うことも多いみたいだよね。
なぜかスモークサーモンなんかが一緒に並んでいたりするのだ。

で、このところ注目を集めているサーモンと言えば、一気に知名度が上がってきたトラウトサーモン。
サーモントラウトとも呼ばれるけど、「トラウト」は「マス」、「サーモン」は「サケ」だから、本来はどっちつかずの不思議な名前なのだ。
そうなると気になってくるので、とるものもとりあえず(?)調べてみたよ。

正体から言うと、このトラウトサーモンというのは、子どものころによく川でつかみ取りをしたニジマス!
そのニジマスをチリやアルゼンチンの南の「冷たい海」で養殖して大きく育てたものを輸入しているんだよ。
もともとニジマスはカムチャッカから北米大陸北部の寒い地域の原産で、サケ・マス類ではあってもそのほとんどの個体は海に降らずに淡水域にとどまるのだ。
たまに海に出て大きく育つやつが出てくるらしいんだけど、それがスチールヘッドと呼ばれるものなのだ。
よく食卓に上るベニザケは逆で、ほとんどの個体は海に降って大きく育つんだけど、一部が淡水域に残るとヒメマスと呼ばれるんだよね。
で、その降海型のスチールヘッドと比較的大きなニジマスとを交配していってできあがったのが、大きく育つドナルドソン・トラウトという系統で、米国ワシントン州立大学のドナルドソン博士が作り上げたんだそうだよ。
で、そのドナルドソン・トラウトを完全海洋養殖したのがトラウトサーモンというわけ。
でも、生物種としては完全にニジマスなのだ。

海流が比較的早い冷たい海で養殖することで、脂がのりすぎることもなく身も引き締まるのだ。
また、サケ類は寄生虫がいるので生食せずに燻製にしたりするわけだけど、北極海を回遊中に寄生虫に寄生されることが知られていて、養殖する場合は寄生虫フリーになるんだって。
つまり、スモークサーモンやルイベ(サケを冷凍してから薄く切ったもの)にしなくても、お刺身でいけるんだよ。
輸入物だけど安価に手にはいるので一気に人気が出てきたのだ。
アトランティックサーモン(タイヘイヨウサケ)やギンザケも養殖物が出回っているらしいけど、成長が早く安くできるのでここのところトラウトサーモンの流通量が増えてきているんだって。
(通常ムニエルやスモークサーモンなどの洋風の料理に使うサケは欧米で一般的なアトランティックサーモンだよ。)

川にいるニジマスも流通しているのはほとんど養殖物で、どうも日本では放流してもほとんど定着しないみたい。
知床半島の一部で定着している例もあるそうだけど、多くの場合は釣りなどの目的で放流されているものを見かけているのだ。
最初に日本に移入されたのは1877年というから明治10年。
さすがにそのころからのおつきあいだから、養殖ものだろうとは思っていても、日本にむかしからいるのかと思っていたよ。
一部の例外を除いて、あまり定着しないから今でも盛んに放流しまくっているのかもしれないけどね。

ニジマスはエラから尾びれにかけて赤~赤紫の模様があって、これが虹色の光沢があるのでニジマスと言うのだ。
これが海に降って大きくなると頭部が黒くなるのでスチールヘッド(和名ではテツ)と呼ばれるんだって。
淡水域に生息しているものでは成熟後に数年にわたって複数回の繁殖が可能で、サケの川上りのように一生に1回の繁殖というわけではないのだ。
サケ類としては比較的高温でも生息可能だけど、それでも冷たいくらいの水温が好きで、もともと流れが急なところに住んでいるので、溶存酸素量(水の中に溶けている酸素の量)も多い方がいいみたい。
なので、ニジマスの養殖場にはよく水車があって、それで水をよくかき回しているらしいのだ。
トラウトサーモンを海流のある海域で養殖するのも同じだね。

しょうがのパン

いよいよ年末が近づいてきて、寒さがきびしくなってきたねぇ(>_<)
こういう季節には体が温まるものが恋しいのだ。
鍋物がなんと言っても恋しいけど、この時期同じ恋しくなるのがしょうがの味。
さわやかな辛みと風味を与えてくれるとともに、体がぽかぽかとするのだ。

日本だと甘酒に入れたり、葛湯に入れて飲むなどの飲料系、煮物・鍋物に入れるなどのスープ系などで使われることが多いよね。
欧米だと、ジンジャーエールのようにしょうがを砂糖で煮て作ったシロップを使う飲料もあるけど、
香辛料のひとつとしてクッキーなどの焼き菓子やパンにも使うんだよね。
で、その代表格が、クリスマスの時期になると見かけるジンジャーブレッドやジンジャークッキー。
ともにしょうがをすり下ろしたもの(またはその絞り汁)や粉状にしたジンジャーパウダーを練り込むのだ。

ジンジャーブレッドは十字軍の時代に中東から欧州に持ち込まれたもののようで、しょうがを入れ込んだパンなのだ。
通常はドライフルーツやナッツも入れて、菓子パンにすることが多いみたい。
甘みをつけるのにサトウキビの絞り汁を煮詰めて遠心分離で粗糖を分離した後に残る糖蜜を使うんだけど、そのせいで黒いことが多いのだ。
糖蜜は言わば砂糖をのぞいた後のカスみたいなイメージだけど、もともとサトウキビに含まれるアミノ酸などの成分が凝縮されているので、栄養も満点。
さらに、煮詰める過程で中でカラメルができていて風味もよいのだ。
なので、素朴な甘さとうまみ、独特の風味をつけるものとして、欧米ではけっこうお菓子なんかに使われるんだよね。
ジンジャーブレッドみたいに甘さを抑えつつ、しょうがの風味と合わせようとするときには最適なのだ。

これと似たようなものがジンジャークッキー。
こっちはしょうがを練り込んだクッキーだけど、甘みをつけるには砂糖ではなくて黒砂糖やハチミツが使われるんだって。
やっぱりしょうがの風味は単純な砂糖の甘さではなく、アミノ酸などのうま味成分や風味成分が合った方が合うということなんだろうね。
日本では特にジンジャーブレッドとよく混同されるけど、どうも実はそんなに明確な差があるわけでもなさそうで、固くて乾いていればジンジャークッキーという程度みたい。
でも、米国だとしけたようなサクサクタイプのクッキーもあるから、そうなるとますます境界はあいまいかも。

混同する原因のひとつは、クリスマスの時期にかざりにも使う人型にしたジンジャークッキーをジンジャーブレッドマンと呼ぶことがあげられるよね。
さらに、ジンジャークッキーで作ったお菓子の家はジンジャーブレッドハウスで、こっちもずれているのだ。
でも、日本で触れるのはこのふたつが圧倒的に多いから、どうしても誤解してしまうよね。
おそらく、もともとは固めに焼いたジンジャーブレッドで作っていたものが、より日持ちがするクッキーで作るようになったんじゃないかと思うんだよね。
欧州のクリスマスケーキである、英国のクリスマス・プディング、フランスのブッシュ・ド・ノエル、ドイツのシュトーレンなどはどれも日本のお節料理と一緒で保存食としての面を持っているので(これは休みの期間中に料理をしなくてすむようにだよ。)、おそらくこのジンジャーブレッドもそうなのだ。
クッキーにすればクリスマスツリーに飾った後も食べられるというわけ。

しょうがの辛みと風味はジンゲロールやショウガオールと呼ばれる成分で、これが体をぽかぽかさせるのだ。
漢方薬でしょうががショウキョウとして使われるときの薬効成分でもあるんだよ。
免疫力を高める効果もあると言われていて、風邪の予防にもよいのだ。
クリスマスはもともと冬至のお祭りであると言われているけど、これは寒さが厳しくなる季節。
そんな時期に体の温まるしょうがを使ったものを食べるという習慣はよくわかるのだ。
日本ではカボチャを食べたり、ゆず湯に入ったりするけど、カボチャは冬に不足しがちなビタミン類の補給ゆず湯は体をより温める効果があるので、発想は似ているんだよね。

2009/12/12

膜と肉の間

昨日、忘年会で焼肉を食べに行ったんだけど、そこの名物はハラミだったのだ。
これがやわらかくっておいしかったんだよねぇ。
で、そのハラミと言えば横隔膜。
というわけで、横隔膜についてちょっと調べたのだ。

横隔膜というのはほ乳類だけに存在するもので、心臓や肺のある胸腔と、胃や腸、肝臓のある腹腔の間にあるのだ。
横隔膜はドーム状になっていて、胸腔の方にふくらんでいるのだ。
それで肺は下の方が少しえぐれた形になっているんだよね。
心臓のある方の左側が二葉、ない方の右側が三葉で全部で5つのパートに分かれていて、それがすっぽりと肋骨・肋間膜と横隔膜の間におさまっているわけ。
でも、完全にパーティションになっているわけではなくて、食堂と下大動脈(心臓からの血液を下半身に運ぶ)と上大静脈(下半身から心臓に血液を運ぶ)の3つの太い管が通れるように穴が空いているんだよ。

このドーム状の横隔膜は随意筋と呼ばれる自分の意思で自由に動かせる筋肉で、ドームをべこっと凹ませるようにするとそれに引っ張られて胸腔が広がり、それで肺がふくらむのだ。
そうすると気道から空気が流入するわけ。
これが深呼吸した状態だけど、通常は意識せずにその動きをしているんだ。
肋骨で囲まれた胸郭を開くことでも胸部はふくらむので、通常の呼吸のサイクルではそこも動いているんだけど、あえて胸郭を動かさないように行うのが腹式呼吸。
これは横隔膜の動きだけで呼吸を仕様とするものなんだけど、全身の筋肉が弛緩し、声帯もよく開くので、声が大きくきれいに出るようになるそうなのだ。

鳥類も地上で生活しているけど、高空を飛ぶ必要があるので呼吸の仕組みはかなり違うようで、より効率的に酸素を取り込めるようになっているんだって。
肺の他に気のうと呼ばれる部位があって、そこに一度空気をため込んでから肺に空気を送るそうなのだ。
気のうから肺に、肺から気のうにと空気を送り込む際に血液中のガス交換をして酸素を取り込み二酸化炭素を排出するんだけど、この仕組みを使うと、より少ない体積で多くの酸素を取り込めるようになるそうなのだ。
鳥類は重量や体積に制限があるから、うまいこと進化しているんだよね。

話は横隔膜にもどって、この横隔膜がけいれんすると起こるのがしゃっくり。
原因や対処法はそんなに解明されていないんだけど、不随意に、つまり、自分の意思とは関係なく横隔膜が細かく動いて起きているのがしゃくりなのだ。
このとき、声帯が開いたり閉じたりして独特の「ひっく」という音が出るんだ。
民間療法ではいろんな治し方が知られているけど、科学的にはよくわからないのが正直なところみたい(笑)
気の持ちようのところもあるので、自分が信じていれば治るという面もあるかも。
しゃっくり自体はそんなに人体に悪影響を与えるものでもなくて、ちょっと呼吸がしづらい、食べ物を飲み込みづらいといったことはあるけど、それだけで命に危険が及ぶようなものではないのだ。
よく何回しゃっくりをすると死ぬとか言うのは根拠がないんだよ。
でも、しゃっくりが長期間止まらない場合は、尿毒症や脳腫瘍などの重大な病気の可能性があるので注意が必要なんだって。

最後に、焼肉の話にもどって(笑)、ハラミの話。
ハラミはカルビより脂が少なくよりさっぱり食べられるから最近人気なんだよね。
むかしは「ホルモン」というとイメージが悪いこともあって、「ソフトカルビ」なんて言われていたこともあったのだ。
横隔膜はよく動く筋肉なので脂肪がつきづらく、それだけやわらかいんだよね。
実は、背中側のうすい部位がハラミ、腹側の厚いところはサガリというらしいのだ。
ハラミも一般には内臓系のホルモン扱いだけど、肝臓のレバーや腸のモツ(狭義のホルモン)、心臓のハツ、第一胃のミノ・・・といった内臓系の不随意筋(自分の意思では自由に動かせない筋肉)は違って、普通のカルビやロースト同じ随意筋なので、風味はそちらに近いのだ。
まさに、胸と腹の間、骨格筋と内臓筋の間の、どっちつかずのにくいやつ、なんだよ。

2009/12/05

冬を彩れ!

12月になるといよいよクリスマスまっしぐらのムード(?)だね。
今年は11年ぶりに表参道のイルミネーションが復活して話題になっているけど、都内でも各地でクリスマスイルミネーションの点灯式が行われているのだ。
この時期の名物だけど、きれいだよねぇ。
というわけで、今回はこのイルミネーションについて調べてみたのだ。

なんと、イルミネーションの起源は16世紀のドイツ。
宗教革命で有名なマルティン・ルターさんが考えたと言われているんだ。
森の中で見たきらめく星々に感動し、それを再現するために木の枝にロウソクをつるして飾ったのがはじまりらしいよ。
この装飾はクリスマスのお祝いに行われたらしいんだけど、もともとドイツには14世紀から大きな針葉樹に様々な飾り(オーナメント)をつるすクリスマスツリーの習慣もあって、そこからさらに発展したみたい。
初期のクリスマスツリーは日本の歳末市のようなクリスマスマーケットに飾られ、そのまわりで踊ったりしたらしいのだ(日本の盆踊りのイメージ?)。
それがさらにロウソクで彩られ、光の装飾へと進化していったというわけ。

イルミネーション(illuminatin)は動詞のilluminateから来ているわけだけど、このilluminateはラテン語の光をいう意味の単語のlumenというのが語原。
il-がついて動詞になって、「光で照らす」という意味になったんだ。
で、同様に光を当てるという意味の「enlight」という語と同じように「闇を照らす、暗がりに光をもたらす」ということから「啓蒙する」なんて意味が派生したんだよ。
イルミネーションももともとは「光で照らす」から「光で装飾する」というように意味が変わってきたんだけど、その由来がキリスト教の宗教行事であるクリスマスで、かつ、宗教革命を進めたルターさんが始めたっていうのは「啓蒙する」という方にもひっかかっていておもしろいのだ。
ちなみに、飾り文字のまわりに装飾することもilluminateというらいしよ。

日本ではすでに明治時代にイルミネーションが導入されていて、最初に文献に銀座の明治屋のものなんだとか。
でも、このときはクリスマスのものというよりは、文明開化の象徴としての西洋の光の文化であるガス灯の方に注目がいっていたんだろうけどね。
そういう経緯もあって、日本ではイルミネーションがクリスマスに直結するというイメージはうすいよね。
クリスマス以外でも光のアートとして観光名所でイルミネーションをしたりするし。
クリスマスツリーやクリスマスリースの電飾とは一線を画しているような気がするのだ。
日本ではお祭りの時に提灯を飾ったり、灯籠に火をつけたりと何かと光を装飾に使う文化があったから、そっちの面の方が早く受け入れられたのかも。

最初はイルミネーションも主に火を使ったものだったんだけど、暗いのと火事の危険があるのとで電球が発明されてからは麦球や豆電球が主流になってくるのだ。
そのまま使っても淡いオレンジ色であたたかみのある色だしね。
でも、どうしても電球だと熱を持ってしまうので、火事の危険は避けられないし、かなり電力も消費するんだよね。
そうすると、自ずと使用できる電飾の量も限られていたのだ。
そこで最近登場してきたのがLED(発光ダイオード)。
少ないエネルギーで明るい光が得られるし、しかも熱を発生しないので、火事の危険は漏電くらいしかないのだ。
技術の進歩で様々な色が出せるようになって、さらにイルミネーションも進化してきたのだ。
でも、もともと熱が出ないから冷たいし、青や白が多いから寒々しい感じがしてしまうこともあるけど・・・。

このイルミネーションもよいことばかりではなくて、イルミネーションの光が明るすぎて眠れない、とかいう害も出てくるわけ。
そういうのを光害(こうがい)というらしいよ。
星を見るには確かにじゃまだし、人だけでなくその他の生物にも影響を与えるところが問題なのだ。
幹線道路などの近くは明るいので夜でも鳥が飛んでいることがあるけど、そうやって鳥や虫などの生活のリズムにも影響を与えてしまって、生態系を崩す可能性があるのだ!
また、イルミネーションを見物に来る人のマナーも問題で、そもそも表参道で地域住民が反対していたのがゴミが翌朝ひどく散乱しているという理由もあるとのことなのだ。
そこはモラルの問題で解決可能だけど、生態系に与える影響はよく考えないといけない問題なのかもね。
確かにきれいなものだけど、技術が進歩して大がかりになってくるとこういう問題も出てきてしまうのだ。