2015/07/25

「冷やし」始めました

最近知っておどろいたんだけど、熟したバナナは冷蔵庫で保存した方が長持ちするんだって!
バナナは冷蔵保存すると皮が変色して、味も落ちるから絶対に常温保存と信じていたんだけど、シュガースポット(バナナ皮の表面に出てくる茶色い点々)が出てくるほど熟したものは、十分に熟しているので冷やしてよいのだとか。
そうか、バナナ保存法の常識が覆ったよ。
ま、ボクの場合は、大して甘くなくてもかたいくらいのバナナが好きなので、緑色が残るうちに食べちゃうので関係ないんだけど。

バナナは検疫上、まだ熟していない真緑の状態で輸入され、倉庫の中でエチレンガスを吹きかけて「追熟」させるのだ。
まだ一部に緑色が残る状態で出荷され、流通過程で全体が黄色くなってくるんだよね。
その状態ではまださほど甘くはなくて、その後さらに追熟させて、シュガースポットが出たあたりが食べ頃と言われているのだ。
ただし、この頃には果肉はとろけるように柔らかくなっているので、柔らかいのはちょっと、という場合はもっと早めに食べないといけないんだ。

熱帯原産のバナナは15~20度くらいで熟成が進むんだけど、熟しきっていない段階で13度未満まで冷やしてしまうと、そこで熟成が止まってしまうのだ。
風味が損なわれて甘みがなくなると同時に、皮も変色してすごいことになるんだよね。
ボクは自分でも冷蔵庫に誤ってバナナを入れた経験があるので、バナナは決して冷やしてはいけないものだと思っていたんだ。
ところが、これは熟成途上にあるからであって、成熟していれば冷やしても問題ないということなのだ。
そればかりか、成熟後は傷んでいく一方なので、むしろ冷やした方が長持ちするんだって。
ちなみに、バナナスタンドというのがあるけど、これはバナナをつるすことでバナナの自重で傷んでいくのを防ぐんだって。
確かにテーブルなどに接触しているところから黒ずんでくるよね。
スタンドがない場合は、山型になるように置くだけでも違うようなのだ!

流通しているバナナはエチレンガスを吹きかけて追熟させているんだけど、買ってきたバナナの熟成が進むのは、バナナ自身が自分でもエチレンガスを出して、それに自分で反応して熟成が進むからなのだ。
なので、バナナ同士が近くにあると、となりのバナナが出したエチレンガスで熟成が進んでしまうので、長持ちさせるには房ごとに分けて保存するといいらしいよ。
目に見えて効果があるなんて報告もあるので、やってみる価値はあるのだ。

で、こういうバナナの熟成のメカニズムを理解していくと、おいしくする方法、長持ちさせる方法がよく理解できるよ。
まだ未成熟のバナナをおいしく食べ、なおかつ、長持ちさせる方法として、35度のぬるま湯に数分つけてから放置する、というものがあるのだ。
これはバナナ内の酵素(アミラーゼ)の働きを活性化し、デンプンを糖に変えるので甘みが増すんだ。
また、お湯のヒートショックにより、バナナ中に抗ストレス物質ができて、常温でも2週間くらいはもつらしいよ。
通常ならどんどん黒ずんでくるけど、それが防げるらしいのだ。
これは意外と簡便な方法だから試してみたくなるよね。

さらにもっと長期保存したい場合は、一度成熟させたバナナの皮をむいて冷凍保存というのもあるのだ。
未成熟な状態だとかちんこちんに固まるんだけど、完熟バナナはほぼクリーム状になっているので、シャーベット状に凍るのだ。
生バナナとして食べるんじゃなくて、バナナペーストにするとか、加工して使う場合は冷凍バナナがおすすめというわけだね。
そのまま冷凍バナナとしてかじってもおいしいみたいだけど。

2015/07/18

○○がなければ××を食べればいいじゃない系

最近はめっきりウナギが高嶺の花になっているよね。
知らすウナギの漁獲量が少し増えて値段は下がっては来ているようだけど、それでもむかしに比べるとはるかに高くなっているのだ・・・。
アナゴやらサンマやら、代替品も増えてきたし、定着もしてきているよね。
スーパーで普通にアナゴの蒲焼きを見かけるようになったし。

そんな中で注目されているのが、近畿大学の取組。
あのマグロの完全養殖を実現した技術力・開発力で、ウナギ味のナマズの養殖手法を研究しているのだ。
今度の土用の丑の日には、東京と大阪の近畿大学水産研究所(飲食店の方ね。)で、限定でウナギ味のナマズの蒲焼きが食べられるんだって。
これはなかなか興味あるなぁ。

ナマズは古来から日本で親しまれてきている淡水魚で、今でこそあまり食べなくなったけど、淡泊で上質な白身の魚としてかつては珍重されていたのだ。
ただし、泥臭いので、泥抜きをするなどの事前処理が大事なんだよね。
これはドジョウなんかも同じ。
かまぼこももともとはナマズのすり身が使われていたそうなのだ。
天ぷらや甘辛く煮付けるのが主な調理法で、ウナギと同様に蒲焼きにもするんだけど、ウナギほど脂がのっておらず、さっぱりしているので、メジャーではないのだ。
むしろ、こりこりとした食感を楽しむために刺身で食べられることもあるようだよ。

ナマズは水質汚濁に強い性質もあって、流れがよどんだ沼や池の底の方に生息しているのだ。
そこでザリガニやらドジョウやらカエルやらを食べて生活していて、小さな池沼だと食物連鎖のトップに位置しているんだよね。
食欲も旺盛なので、どんなえさでも食いつくと言われていて、「ぽかん釣り」といってカエルの足に糸をつけて水面のあたりで上下させて食いつかせてとるのだ。
今ではルアー釣りなんかもあるみたい。
実は全世界的に漁獲され、食用に供されている淡水魚なんだよね。

日本古来のナマズは減少傾向で、その代わり、米国から持ち込まれたアメリカナマズが増えているのだ!
特定外来生物にも指定されているけど、食用で導入されたものが養殖池や釣り場などから逃げ出して広まったみたい。
生命力もあるし、固有種のドジョウやザリガニを食べたりもするので、迷惑な存在なのだ・・・。
行方市なんかでは、駆除したアメリカナマズを使って御当地グルメのナマズバーガーを売り出したりしているけど、今ではそんなにナマズを食べないこともあって、ブラックバスと同様に頭の痛い問題になっているのだ。

このナマズの養殖だけど、普通に養殖するだけでもけっこう難しいみたい。
というのも、稚魚の時によく共食いをするらしいのだ。
まずそれを防いで個体数が減らないようにしないといけないんだよね。
さらに、近畿大学の取組では、えさに工夫をして、ウナギのように脂ののった身になるように育てるみたい。
かつ、きれいなわき水で育てることで、泥臭さもなくすのだ。
テレビで取材している限り、ウナギと遜色ないおいしさだと言うけど?
一度は食べてみたいよね。

現在は細々とした需要しかなく、基本的には地域の食材という位置づけのナマズだけど、この技術が成功すれば需要が伸びるかもしれないよね。
近畿大学では、減ったウナギの漁獲高の分だけ潜在的な需要があると見込んでいるのだ。
ウナギの場合は完全養殖は厳しく、知らすウナギをつかまえてきて養殖するけど、ナマズが完全養殖が可能なので、より安定供給が可能なのだ。
味だけでなく栄養面でも優れているらしいので、うまくいけばスタンダードな食材に化けるかも、なんだよね。
どうなることやら、この先が楽しみだ♪

2015/07/11

ワーカホリックを脱せよ、日本

7月から「ゆう活」が始まったのだ。
勤務時間を朝に1時間シフトして、夕方の時間を活用しようというもの。
中央省庁の国家公務員は9:30~18:15が標準の勤務時間なので、これが8:30~17:15に変わるんだよね。
で、政府部内だけでなく、民間企業にも同様の取組を推奨しているんだ。
民間企業の中にはすでに朝方勤務を奨励して、残業時間を少なく、効率的に仕事をしよう、という取組をしているところもあるみたい。

で、よく世間で言われているのは、サマータイムの導入の代わりにやっているんじゃないかという指摘。
でも、よくよく見てみると、ちょっと観点が違うみたい。
というのも、欧米式のサマータイムというのは、英語でdaylight-savingと言われていることからも明らかなように、省エネがその目的の中心なのだ。
夏期の長い昼の時間を有効活用して、照明需要や冷房需要を減らすことが大事なんだよね。
なので、そもそも標準時を1時間前倒しにするのだ。
よって、社会全体の時計の針が進むわけ。

一方、「ゆう活」は一部の取組であって、社会全体の話ではないのだ。
もともと日本でも昭和20年代にサマータイムを取り入れたことがあったんだけど、それがうまくいかなかったので早々に取りやめた歴史があるのだ。
その後もことあるごとに欧米式のサマータイムを導入する話は出てきてはいるんだけど、やはりそのまま日本社会に組み入れるのは難しいみたいなんだよね。
で、そういう流れがあるので、今回の勤務時間を前倒しにする「ゆう活」が日本版サマータイムなどと言われるのだ。

ところが、「ゆう活」の資料をよく見てみると、サマータイムとは観点が違うんだよね。
もっとも重要なポイントは、「ゆう活」の目的はワークライフバランスの是正にあるという点。
したがって、「ゆう活」のポイントは、朝1時間早く仕事を始めると言うだけでなくて、それも含めて業務を効率化し、残業を減らして早く帰るところまでがセットなんだ!
よく言われる批判は、朝早く来ても営業終了時間が変わらなければ労働強化になる(1日あたり残業が1時間増えるだけ)というのがあるけど、「ゆう活」の本来的な趣旨からするとそれは許されないことなんだよね。
ただし、始業時間を早めるのと同じように早く帰らせることがルールかしづらいので、朝早く帰るのは確定で、夜早く帰るのは「できるだけ」という設計に見えるのが問題なのだ(>o<)

「ゆう活」のメリットを見ていても、早く帰って英語の勉強するとか、家族との団らんの時間を増やす、趣味に当てるなどいろいろあるけど、これってサマータイムのように時計の針を進めてしまうとメリットにならないんだよね。
だって、本来のサマータイムでは就寝時間も1時間早まるので、時間的余裕が出てくるわけではないから。
もともと「帰ったら寝るだけ」だった人が「ゆう活」で1時間の時間的余裕を持った場合、それは単純に睡眠時間が1時間削られただけになってしまう点に注意が必要だよ。
そのまま1時間シフトするのではなくて、朝方に勤務形態を切り替えることで全体の業務効率化を目指すことが何より求められているのだ。
ここをはき違えてしまうと、何のためにやるのかまったくわからないんだよね。

だからといって、朝早く来れば自動的に業務が効率化されるわけではないのだ、個人も、職場全体も工夫をしなくちゃいけないんだ。
むしろ、そういうところを「ゆう活」の広報の中でもアピールすべきなんだけど。
今は、朝が早いと通勤ラッシュから逃れられるとか、明るい時間に帰ることができるのでプライベートも充実するとかだけど、そもそも社会全体で「ゆう活」が採用されれば通勤ラッシュも朝方にシフトするし、早く帰るための工夫がなければ明るいうちには帰ることはできないのだ。
だから、それぞれが意識を持って少しでも早く帰ろうというスタンスで仕事に臨むべきなんだよね。
逆に言うと、そういう雰囲気が職場で形成されれば、実際に無駄な残業や、明日以降に先延ばししても大丈夫な仕事をその日のうちにやるようなこともなくなるはずなのだ。
取組は理想的にはよいものなので、うまくいってくれるといいんだけどなぁ。
でも、極論すると、職場の意識が変わればいいので、朝方に勤務時間帯をシフトする必要性はないんだけど(笑)

2015/07/04

自然に黄色

日本の漬け物の代表格と言えば沢庵漬け。
あの黄色い色と独特のにおいが食欲を誘うのだ。
外国人には納豆と同じくらい「臭く」感じるらしいけど。
発酵食品の場合は自分の食文化に取り込まれていないとどうしてもそうなるよね。
日本人も海外の発酵食品は苦手なことが多いし。

たくあんは、ただのぬか漬けと違ってかなり手の込んだ作業工程がいるんだ。
でも、そのおかげもあってポリポリとした歯ごたえ、甘みがあって、江戸時代には食卓に欠かせないごはんの友になったみたい。
まず、大根を干して水分を飛ばし、手で曲げられるくらいしわしわにするのだ。
そのしわしわになった大根を米ぬかと塩で漬けるんだよね。
これが1ヶ月から数ヶ月。
この間に、米ぬかに含まれる麹によってデンプンが分解されて糖になるので甘みが出てくるのだ。
さらに、米ぬかには枯草菌の一種も含まれていて、その代謝で大根中の辛み成分であるからし油が分解されて黄色の色素になるのだ。
こうして、独特の甘み、臭い、色、食感ができあがるわけ。

伝統的な作り方はそうなんだけど、スーパーなんかで売っているのは例のごとくもう少し簡略化され、大量生産ベースに乗った製造法に変わっているのだ。
例えば、最初に干す工程は多くの場合省略されていて、濃いめの塩水につけて水分を抜く方法がとられることが多いみたい。
発酵過程も、天然色素だと色むらも出るので、クチナシ色素などの黄色の色素を転化することが多いのだ。
さらに、風味付けのために甘味料なんかも加えられるんだよね。
というわけで、実は伝統的なたくあんと市販されているたくあんでは甘みも色も食感も異なっているんだ!

これはちょっとショック。
確かに一般に売られているものでもだいぶ歯ごたえは違うし、塩分の濃さや風味も違うよね。
いわゆる「たくあん」類似漬け物というだけで、新しい漬け物になっている可能性すらあるのだ!
でも、ボクは梅酢風味のたくあんはけっこう好きだけどね。
でも、本来的には干した大根をぬか漬けしたものなので、梅酢風味はつくはずがないのだ(笑)

ちなみに、たくあんの黄色い色は日に当たると退色するので、漬け樽から出して時間が経つとしらっちゃけてくるんだ。
古くなったかどうかのひとつの目安にはなるんだよね。
それと、黄色の色素は辛み成分がもとなので、もともと辛みが強いものは濃い色になるし、そうでないものは淡い色なのだ。
なので、むかしの作り方であれば、たくあんの色を見るといろいろと情報が得られるんだよね。
今は着色しちゃっているのでダメだけど。

たくあんは普及したがゆえに、そのまま気って食べる以外の食べ方も地方によっていろいろとあるのだ。
有名なのは古くなったたくわんを塩抜きして油炒めにしたりするよね。
高菜とかもそうだけど、漬け物の油炒めはそのまま食べるのとはまた違ったおいしさがあるのだ。
さらに、ボクは見たこともないんだけど、たくあんの煮物というのもあるみたい。
京都や滋賀、石川、富山、福井なんかで食べるみたい。
ちょっと興味あるかも。
新しいものでは、滋賀名物(?)のサラダパンというのもあるよね。
コッペパンにたくあんのみじん切りをマヨネーズで和えたものがはさまっているのだ。

とにかく、一番の驚きはむかしながらのたくあんは着色していなかったという事実だね。
こうなると、俄然伝統的なたくあんを食べてみたくなるよ。
きっと市販されているものより塩が強かったりするんだろうけどね。
どっかで食べられる機会がないものかなぁ。