2020/09/26

酒臭い息

TOKIOの元メンバー、山口容疑者が酒気帯び運転で現行犯逮捕されたのだ。
追突事故を起こしたのがきっかけ。
休日の午前中にバイクで友人宅へ向かう途上だったそうだよ。
確か、もともとの事件を起こした際にお酒はやめたはずなんだけど・・・。
やはりなかなかアルコールの依存は断ち切れないようだね(>o<)

いわゆる「酔った」状態での車の運転は世界中どの国でもたいていは禁止されていて、日本では、道路交通法第65条で「酒気帯び運転等の禁止」が定められていて、その第1項では「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」とするほほか、第2項や第3項では、酒気帯び運転する可能性のある人に車両を提供したり、さける意を提供したりしてはいけない、となっているのだ。
お酒を飲んだ人に車を貸したり、車で来ていることをわかっていながらさける意を提要したりする行為も同様に罰せられるよ。

でも、実は実際の罰則では、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に区別されているのだ。
罰則を定めているのは第117条の2と第117条の2の2で、前者の第1号では「第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの」としていて、これが「酒酔い運転」に当たるのだ。
ポイントは、アルコールの摂取量等に関係なく、アルコールの影響でふらついたり、正常な判断ができないような状態にあるにもかかわらず車両を運転した場合が該当するということ。
お酒に弱い人だと少し飲んだだけでもふらついたりするからそこでアウト。
そして、この場合は自動車だけでなく車両全般が対象になるので、軽車両足る自転車もダメだし、大八車を引くのもダメだよ。

一方、「酒気帯び運転」は後者の第3号「第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」に規定されるもの。
これは呼気中のアルコール濃度を測定して、その範囲で罰則の適用の可否が判断されるのだ。
ふらついていたりする「千鳥足」状態だと「酒酔い運転」で即アウトなんだけど、お酒に強くて多少飲んだだけでは平常と変わらないような人であっても、測定結果で呼気中アルコール濃度が基準を超えれば引っかかるのだ。
翌検問で取り締まっているのはこっち。

基準は法律にあるように政令である「道路交通法施行令」の第44条の3で「血液一ミリリットルにつき〇・三ミリグラム又は呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラム」とされているよ。
実際には検問等で血液検査をするわけにはいかないから、呼気中のアルコール濃度を測ることがほとんどなのだ。
ちなみに、ビール中瓶1本だと、500ml×5%で約25gのアルコールが含まれるんだけど、これが代替呼気中アルコール濃度0.15mg/lに相当すると言われているよ。
時間をおけば代謝されて減っていくけど、個人差はあるし、そもそもビール500mlですでに日か係るような基準なので、飲んだ日は運転しないが鉄則なのだ。

で、これは法律上の「酒気帯び運転」に該当するかどうかの基準で、このほか、「行政処分」の法の基準もあるんだ。
いわゆる「違反点数」の方。
こちらは、呼気中アルコール濃度が①「0.15mg/l以上0.25mg/l未満」と②「0.25mg/l以上」があって、このほかに③「酒酔い運転」があるよ。
①の場合は違反点数13点で、90日の免許停止。
②の場合は違反点数25点で、免許取消+2年間の欠格。
③の場合は違反点数35点で、免許取消+3年間の欠格なのだ。
②や③の場合は、免許の取消後、2年又は3年間再取得ができないよ!
ちなみに、検問で引っかかった場合はこれだけだけど、事故等を犯して酒気帯びが発覚した場合は、これに別の違反(信号無視、速度超過など)がプラスされるよ・・・。
①の場合でも他に違反があれば一発で免許取消になるのだ(例えば、25km/h以上の速度超過で違反点数2点なので、これが追加で即免許取消だよ。)。

今回の山口容疑者の場合、呼気中アルコール濃度は0.7mg/lくらいだったというから、相当量のアルコールを摂取しているようなのだ。
ビールで言うと中瓶で6~7本くらい。
前に問題になったときは、焼酎1本を飲んだ酩酊状態で・・・、ということだったけど、そのときに匹敵するくらいの酒量。
なんだかアルコール依存の怖さを物語る事件だよね。

2020/09/19

何のネギ?

 先日、お寿司屋さんにいったとき、ネタの中に「芽ネギ」があったのだ。
まだ一度も食べたことないけど、けっこうよく見るよね。
で、そのメニューには、外国人用に英語も書いてあったんだけど・・・。
「オニオン・スプラウト」と書いてあったのだ。
なので、てっきり「芽ネギ」はタマネギの若芽かと思ったんだよね。
ところが、どうもこれが違うみたい。

調べてみると、「芽ネギ」は「姫ネギ」と呼ばれる種類のネギで、水耕栽培で密集させて作られるもの。
10cm未満の丈の柔らかい状態で収穫され、強すぎないネギの風味としゃっきりした食感を楽しむもののようなのだ。
これは長ネギの仲間で、関西で好まれる青ネギ(葉ネギ)の一種だよ。
確かに、万能ネギみたいな細めの青ネギを早めに収穫したらこんな感じかな、という見た目だね。
実は、その万能ネギ自体も、九条ネギを品種改良したもので、細めのものを早取りしているんだって。
そのさらに「青田買い」なのだ。

万能ネギに似たようなものとしてアサツキがあるよね。
実は、これはまた別の種類で、欧米でハーブとして使われるチャイブ(仏ではシブレット)の変種にあたるもの。
日本とシベリアの一部に自生するものみたい。
万能ネギとは見た目で区別できて、万能ネギは根の付近がちょっと太くなっている程度で、づお見ても長ネギの形態。
一方、アサツキの場合は小さな為義のような鱗茎がついているのだ。
これが大きな特徴だよ。
根の方が丸く膨らんでいたら、それは万能ネギではなく、アサツキなのだ!

ちなみに、実はチャイブには鱗茎ができないんだよね・・・。
日本ではまず見かけないからいいんだけど。
そして、チャイブは中国原産のニラに近縁の種なんだけど、欧米では、チャイブと言いつつ、ニラを細いときに収穫したものが売られていることもあるそうなのだ。
これはだまそうとしているわけではなくて、単純に区別がつかないから・・・。
人の往来に伴って地域性のあった植物種が入ってくることでこういう混乱が起きているみたい。


タマネギはタマネギで、葉の部分を食べることもあるんだよね。
それが「葉タマネギ」。
あまり出回らないんだけど、長ネギより肉厚で、ネギの辛みも薄いので、何にでも合う、と最近注目を集めているようだよ。
千葉産が多く出回っているみたい。
これは主に春先に出回っていて、季節性が強く、時期を外すとまず手に入らないのだ。
木の葉タマネギは欧米でも食べられているようで、フランスでは、オニオン・ヌーボー、イタリアではチポロットと言うらしいよ。
確かにパリのスーパーでも見たような。
エシャロットの中かなんかだと思っていたんだけど、葉タマネギだったのか。
青ネギの代用で使っている人もいたんだよね。

2020/09/12

医療用もダメ!

 また芸能人が大麻所持で逮捕されたのだ・・・。
今回は結構な量を持っていたみたいだね。
殺伐とした世の中になったからはびこるのか、ネットや通信機器の普及で素人でも手に入りやすくなったから広まるのか。
俗に「たばこより健康への害悪は少ない」だとか「海外では合法」なんて言われるから、軽い気持ちで手を出してしまうのかも、
でも、ルールはルールだから、ダメなものはダメだよね。
まさに「ならぬことはならぬのです」なのだ。

日本においては、大麻は「大麻取締法」により規制されているのだ。
実は、他の麻薬は「麻薬及び向精神薬取締法」で規制されているので、大麻だけ別に規制法が作られているんだよね。
戦前は他の麻薬と一緒に帰省されていたらしいんだけど、戦後、繊維としての「麻」の産業があるとともに、「麻の実」を食品として利用してきた歴史があることなどから、大麻だけ少し規制の枠組みを変えて、別の法律が作られたみたい。

大きな違いはいくつかあるんだけど、まず、大麻は一切の利用が認められていないのだ。
先に言ったように既存産業があるので、「成熟した茎と趣旨及びその製品を除く」とされていて、麻の繊維や種子(七味唐辛子に入っていたり、小鳥のえさに使われたりするよ。)は規制の対象からはずれているんだ。
あくまでもトリップするのに使われるものが規制対象というわけ。
で、特徴的なのは、目的を問わず利用が禁止されているという点。
モルヒネのような麻薬や覚醒剤の一部は、医師の処方があれば特別の場合に医療利用が認められているのだ。
海外では大麻の医療利用を認めている例もあるようなんだけど、日本では認めていないので、一部の人たちが「医療用大麻解禁」と主張しているんだよね・・・。

大麻取締法で認められている大麻の取扱いは、大麻草の栽培と研究利用だけ。
その栽培と研究を合わせて「大麻利用」としているのだ。
これらは都道府県知事からの免許制だよ。
栽培はもちろん、繊維と実をとる目的での栽培のみが認められていて、国内では、トチギシロというトリップ成分の含有量の極めて低い栽培品種が確立されているよ。
研究については、研究利用のための栽培と使用が認められていて、研究で使う場合については、厚生労働大臣の特別の許可があれば輸出又は輸入もできることになっているよ。

完全に野生種の大麻草はすでにないらしいんだけど、大麻草は栽培が比較的簡単で、普通に自生していたりもするのだ。
蛍光灯の光でも栽培できるので、押し入れで隠れて栽培したり、大学の裏でこっそり栽培したり、なんてのが時々摘発されるのだ。
大麻は、「単純所持」で五年以下の懲役になるんだけど、そもそも大麻取扱者は大麻取扱者以外に大麻を譲り渡してはいけないので、誰かが大麻を所持していた場合、
①国内で人からもらったものなら、それを譲り渡した大麻取扱者が違法行為をしている
②海外から持ってきたなら、輸入が禁じられているので持ってきた人が違法行為をしている
③自分で育てたなら、無免許栽培なのでその育てた人が違法行為をしている
といった整理になて、さらに罰を受ける人が出てくるのだ。
いずれにせよ、大麻取扱者でない人が大麻を所持していた段階で、「単純所持」以外のなんらかの違法行為が行われていたことにはなるわけ。
なので、大麻が摘発された場合、その入手ルートが問題となって、さらに逮捕者が出るかどうかが変わってくるのだ。
所持しているのがある程度の確度を持ってわかっていても、容疑者を「泳がす」のはこのためなのだ。

麻薬の場合は医療利用があるため、製造とか販売とかの他の規制が必要になるんだけど、一切の利用が禁じられている大麻については非常にシンプルな規制になっているよ。
万が一医療用大麻が解禁されたとしても、麻薬の方の規制の枠組みに合流すればいいので、おそらくそこまで複雑な枠組みを新しく作ることにはならなさそう。
問題は、大麻は医療用に使う必要性がほぼ認められていないことだね。

2020/09/05

北の国から~サラダ編

最近、またポテトサラダが話題だよね。
料理都市お手はやっているわけではなくて、主婦がスーパーでポテトサラダを買おうとしたら初老の男性に嫌みを言われた、とかいう話で。
作り方は確かにシンプルではあるけど、手間はかかるよねぇ。
そこまで大量に食べるわけでもなく、ちょっとした付け合わせにしたい程度であれば、スーパーのお総菜で十分と思うけど。
へたに手作りするよりそっちの方がおいしいこともあるし。

そんなポテトサラダだけど、実は世界中に広がっている料理なのだ。
中国にもあるそうで、生野菜を食べなれていない中国人向けにロシア料理店で考案された「上海サラダ」というのがひろまったんだって。
ロシアには、オリヴィエ・サラダという名物料理があって、モスクワのホテル「エルミタージュ」のレストランのシェフだったベルギー人のオリヴィエさんが19世紀後半に考案したもの。
別名「首都サラダ」とも呼ばれているのだ。
ゆでたジャガイモをさいの目に切り、固ゆで卵やにんじん・j中利などの他の野菜、鶏胸肉の蒸したものと一緒にマヨネーズで和えるのが基本形。
鶏胸肉に変わってハムや課になんかが入ることもあるとか。
考案者のオリヴィエさんのレシピでは、そのマヨネーズの味が絶妙で評判になったんだけど、そのレシピはすでに失われているらしいのだ・・・。
というわけで、今残っているのはそれを模したものだよ。

これが欧州やトルコ・中東にも広まっていて、ゆでたジャガイモをマヨネーズで和えるサラダは「ロシア風サラダ」と呼ばれるのだ。
このため、ポテトサラダの起源はロシアと言われることがあるのだ。
ボクのいたフランスでも「サラダ・ルッス(ロシアのサラダ)」と呼ばれていたよ。
フランスは生野菜のサラダを結構食べるので、名前はサラダでもどちらかというと前菜扱いだったけど(笑)

一方で、wikipediaでは、ポテトサラダの起源をドイツとしているんだよね。
日本語版は明確に書いていないけど、英語版だと、「広くドイツを起源とすると信じられていて、それが欧州やその植民地に広まった」と書いてあるよ。
米国のポテトサラダは割と日本のものと見た目が似ていて、おそらく日本のものは米国由来。
ジャガイモは形は残っているけど少しつぶれてもいて、全体にもさっとしているのだ。
ロシアのやつは角切りのものがマヨネーズで和えているだけなので、そのもっさり感はないんだよね。

で、その補b名と言われるドイツには、マヨネーズで和えてすらいないポテトサラダがあるようなのだ!
普通にゆでたジャガイモを油と酢を混ぜたドレッシングで和えたもの。
ゆでたジャガイモを葉物野菜と同じようにサラダにしたものだよ。
北欧ドイツは寒冷な気候で葉物野菜が豊富には手に入らないんだよね。
なのでキャベツを発酵させたザワークラウトなんかも伝統食としてあるわけで。
つまり、ジャガイモも野菜だということでそのままサラダにしたものなのd。
そう考えると、それがオリジナルかも、と思えるよね。

マヨネーズは、もともとスペインで発展したソースで、それがフランスに伝わって洗練されたもののようなのだ。
マヨネーズ自体はフランス語で、メノルカ島マオンやマヨルカ島などの地名から来ている、とする説が有力だよ。
どうも三銃士の時代、18世紀後半くらいにフランスに伝わったようなのだ。
それから約100年経ってロシア風サラダが生まれているわけだね。
ジャガイモが欧州に広まったのは17世紀からのようなので、おそらく、マヨネーズが広まる前にすでにドイツではジャガイモを食べるようになっていて、ゆでたジャガイモを普通のドレッシングで和えたポテトのサラダはあったはずなのだ。
その後マヨネーズが伝わると、普通のドレッシングに変わってマヨネーズが使われた可能性もあるよね。
今でもゆでたジャガイモにマヨネーズをつけて食べる人は多いし。

でも、それが洗練された料理となって評判になったのはおそらくオリヴィエさん以降。
推測するに、ゆでたジャガイモをサラダに使う風習はすでにドイツを中心とした文化圏に存在していて、その中にはマヨネーズを使うような種類もあったのだ。
それを参考に洗練された料理として完成させたのがベルギー人のオリヴィエさん。
おいしいと評判になって似たようなものが各地で作られ、世界中に広まる、という流れじゃないかと思うんだ。
そういう意味で、最初に「コロンブスの卵」的発想で、サラダにゆでたジャガイモを使うことを始めたのがドイツ、マヨネーズをベースとして和えた料理として完成した地がロシア、ということなんじゃないかな。