2008/12/28

新春の魚と言えば

年末にお正月の買い出しに行ったんだけど、そこでよく見かけるのは数の子や昆布巻き。
で、このふたつの共通点はニシン!
昆布巻きは身欠きニシンを芯にして昆布をまいてあるんだよね。
ボクなんかは昆布だけの方があっさりしていいのに、なんて思うけど(笑)、ニシンそばとか意外とニシンって食べられているんだよね。
最近は高級魚になったけど、むかしはもっと身近な魚だったのだ。
イワシもそのうちそんな感じになるのかな?

ニシンは北海道の名物だけど、産卵期の春から夏にかけて獲れるので春告魚とも言うのだ。
春の季語でもあるんだよ。
江戸時代から蝦夷地の名産として国内に流通していて、その後、近代的な漁が行われるようになると大量に水揚げされ、それでもうけた網元さんは「鰊御殿」を建てたそうだよ。
ニシンの豊漁を願う歌がソーラン節で、ニシン漁は北海道を代表する産業となっていたのだ。
でも、昭和30年代以降水揚げだかが激減し、今や高級魚となりつつあるんだよね。
加工品ではカナダなんかで獲れる近縁種の輸入品も多いようなのだ。

ニシンは生ではあまり日持ちしないのでほとんど生食されないけど、干物にして全国に流通していたのだ。
それが「身欠きニシン」で、これは干したものをもどすと筋ごとに身がすぐにほぐれてとれることから来ているんだって。
そう言えば身欠きニシンって身ばなれがよくて食べやすいよね。
この身欠きニシンはとても日持ちがよく安価だったので、日本の海から遠い山間部では重要な解散加工品だったんだ。
それで昆布巻きとかニシンそば、甘露煮とか、そういう料理が広まっていったみたい。

身欠きニシンはまずニシンを半干しし、それを三枚におろして頭を落としてからさらに乾燥させて熟成させていくらしいんだけど、これを天日干しでやるとなかなか乾燥具合が難しくて熟練の技が必要なんだとか。
干しが足らないとすぐに腐ってしまうけど、あんまりかぴかぴにも干せないというわけ。
今はそれを機械干しと送風でやっているようだよ。
寒風吹きすさぶ北国では比較的加工はしやすいようだったのだ。

ニシンと言って忘れてはならないのはその子どもの数の子。
かつてニシンは「かどいわし」と呼ばれていたので、「かどの子」がなまって「数の子」になったんだとか。
今ではその名称と黄金のような色、卵がたくさんつらなっていて子だくさんにつながることからお正月のお節料理には欠かせなくなっているよね。
通常は干したものや塩漬けにしたものを見かけるよね。
干したものを味つきの汁でもどした味つき数の子なんてのもあるのだ。
その特徴は味よりもむしろ食感で、独特のプチプチ感が食べていて気持ちいいんだよね♪
イクラとかタラコのようなねっとりとしたうま味を楽しむものではないのだ。

ニシンはこの数の子の卵を昆布に生み付けるんだよね。
で、その昆布をとってきたのが子持ち昆布。
ちょっとねばねばしていて、ぷつぷつした食感もあって、これがまたおいしいんだよね。
ボクはけっこう好きなのだ。
数の子だけだとしつこいしね。
コレステロールも多いので、メタボの人にも子持ち昆布の方がおすすめだよ(笑)

こうして日本の料理の中に深く入り込んだニシンと数の子だけど、最近少し回復してきているとは言え、かなり漁獲高は減っているんだよね。
日本の食文化の欠くべからざる部分となっているから、持続可能な方法で漁をしていくことが大事だよね。
イワシもクジラもそうだけど、今後はそういうことを考えながら漁をしていかないといけないんだよね。
これからは獲れるだけとるんじゃなくて、頭を使いながらやっていかないといけないのだ!

2008/12/22

積み重ねろ!

今日はひさしぶりにホットケーキを焼いて食べたのだ。
これが、ホットケーキミックスの箱の裏に書いてあるとおりにやったら、非常にうまく焼けたんだ。
あらかじめ熱くしておいたフライパンを少し冷ましてから生地を流し込んで焼くのがコツみたい。
最近では人気キャラのリラックマの好物としても知られているよね。
というわけで、今回はホットケーキについてちょっと調べてみたよ。

米国などの英語圏ではホットケーキではなくてパンケーキと呼ばれることが多くて、これはフライパンで簡単に作ることができるケーキだからなんだって。
確かに、普通のケーキだとオーブンがいるわけだけど、もっと手軽にできるよね。
小麦粉と卵を使った薄めの生地を焼いたもの、という意味では古代エジプトからあるそうなんだけど、今のようにフライパンで焼く形になったのは米国に移民した人たちが始めたものだそうだよ。
まだオーブンなどが使えない時期にフライパンで焼く手法を考案したんだろうね。
必要は発明の母なのだ。

ホットケーキの材料と言えば、小麦粉、卵、砂糖、牛乳、ベーキングパウダーなど。
でも、日本では自分でまぜることは少なくて、たいていはあらかじめすべて混ざったホットケーキミックスを買ってくるよね(牛乳は後から足すけど。)。
ベーキングパウダーのおかげでふっくらと焼き上がるわけだけど、欧州では入れないでもっと薄型に、具のないお好み焼き、厚めのクレープのように焼くんだって。
欧米では日本とは違って、ホットケーキは甘くしておやつに食べるだけじゃなくて、砂糖を入れずに焼いて軽食として食べるからなのだ。
卵やベーコンなんかとあわせたりするし、オランダの方では具を入れてお好み焼きのように焼くこともあるみたい。
ま、パンの代わりだよね。
むかしアクドナルドにそんなメニューがあったけど、あまりはやらなかったのか、いまでは甘いおやつ系のホットケーキしかメニューにないのだ(>_<)

ホットケーキを焼くときのコツは、一番最初に書いたように少しフライパンを冷ましてから生地を流し込むこと。
これは、熱いフライパンに生地を流し込んでsまうと表面だけ焦げてしまって中まで火が通らずぐちゃぐちゃになるからだとか。
少し冷ましたフライパンに生地を流し込み、弱火でじっくり焼くと、表面がむらなく茶色になって、おいしそうに焼けるんだよ。
表面にぷつぷつと泡が出てきたら中まで火が通ってきた証拠で、フライパンに接していない方の表面が少し乾いてきたくらいでひっくり返すとちょうどよいんだよ。
で、その後反対側もじっくりと弱火で焼いていくのだ。
あまり焼きすぎるとかぴかぴになってしまうけどね。
焼くときのこつはあまり動かさないこと。
焦げ付かないように気になってしまうけど、生地を入れたところやひっくり返したところで動かしてしまうと表面にデコボコができて一様に焼けず、色にむらが出てしまうんだよ。
じっと我慢の子で焼き上がる忍耐力も必要というわけ。

焼き上げたホットケーキは通常バターをのせてとかし、さらにメープルシロップやハチミツをかけて食べるよね。
ホイップクリームとフルーツソースなんていうのもかなり広まってきたのだ。
でもでも、1枚だけで食べることってそんなになくて、なぜか重ねるんだよね(笑)
これは米国でも同じで、1枚1枚が薄いから、それでボリューム感を出しているみたい。
この形状から、積み重なっていくことをよく「パンケーキ」と例えるんだ。
例えば、電気の場合、遠く離れた発電所から電気を運んでくるといろんなネットワークを通って運ばれてくるわけだけど、そのたびにネットワークの使用量をとられてそれが積み重なっていくのだ。
これを通称「パンケーキング」と呼んでいるんだよね。
まさに積み重なっていくからだよ。
※実際には電気の場合は色がついているわけでもなし、ネットワークの入口と出口でバランスがとれていればよいのでネットワーク料金を課金していく必要は必ずしもないので、最近ではパンケーキ問題の解消をするように工夫しているみたいだよ(これは日本の電気料金体系でも同じだよ。)。

それと、ホットケーキに似たものと言えばどら焼きの皮。
どら焼きは上野のうさぎ屋で大正時代に考案されたというんだけど、どうもホットケーキが明治の後半に紹介され、世に知られるようになったころなので、それがひとつの源流なのだ。
最初はホテルの朝食とか限られたところでしかたべられなかったようで、認知度も低く、どら焼きとの区別もあいまいだったみたい・・・。
戦後に洋食が一般化するとホットケーキも家で作られるようになり、ホットケーキミックスが登場するとかなり頻繁に家庭で食べられるようになるのだ。
今ではこの混同は考えられないよね。
ちなみに、どら焼きの皮はホットケーキというよりはカステラ生地に近くて、卵がよりたっぷりなんだよね。

2008/12/16

日曜日のデザート?

むかしからマクドナルドのメニューで気になっているのがサンデー。
最初はデザートであることすらわからなかったのだけど、あれってアイスクリームにフルーツソースとかがかけてあるんだよね。
「日曜日」と何か関係あるのかな?、とか、すっごく気になっていた時期があったのだ。
で、実際に食べてみると、アイスの下にコーンフレークなどのシリアルがあったりするデザートなんだよね。
そこでふと疑問に思うのが似たようなデザートのパフェとの違い。
確かにパフェの方が果物があったり、ウェハースが刺さっていたりとちょっと豪華なイメージで、サンデーはその簡素版という感じだけど、実際はどうなんだろう?、と思って少し調べてみたよ。

時代的に先行しているのはパフェのようで、仏語ではパルフェ(parfait)で、「完全な、完璧な」という意味なのだ。
これは「完全なデザート」というところから来ているらしくて、アイスとかチョコとか果物とかが盛りだくさんでのっているところから来ているみたい。
本場のパルフェは、クリームのうえに型にはめて固まらせたアイスクリームをのせ、そこにソースをかけたり、果物をトッピングしたもので、ちょっと豪華なアイスという感じみたい。
これが日本に来て、独自の進化を遂げて今のパフェになったようなのだ。
日本だと、さらにプリンがのっていたり、スポンジケーキの角切りが入っていたりともっとボリュームがあるよね。
それに、アイス主体というよりは、クリームと果物が主体で、そこにアイスもあるという印象なのだ。
ボクなんかはバナナチョコレートパフェが好み。

一方、サンデーもアイスクリームを主体としたデザートで、19世紀の終わりに米国で発明されたみたい。
諸説あるようだけど、日曜日の安息日にも手軽に提供できるデザートして、アイスクリームにチョコやフルーツソースなどを簡単にトッピングするものとして考案されたんだとか。
最初は日曜日のデザートでそのまま「Sunday」としていたんだけど、キリスト教徒から不敬だというクレームが付いたとかでつづりを変えて「sundae」になったと言われているそうな。
最初は日曜日の昼間に路上で提供されていたんだけど、当時の冷凍技術では夜にはアイスがとけてしまうので、そこからサンデーは昼間のデザートと言われるようになったみたいだよ。
今でも、パフェは夜に食べるもの、サンデーは昼間に食べるもの、という区分をする節があるのはそこから来ているみたい。
また、一説には、日曜日の安息日にも休日出勤している職員にご褒美としてトッピングしたアイスを提供したことに始まるというのもあるみたい。
いずれにしても、「日曜日」というのが関係しているようなのだ。
なので、ボクの第一印象もあながち的はずれではないというわけなのだ(えっへん)。

一般には、パフェはかなりごてごて盛りつけるけど、サンデーはあくまでもアイスにトッピングする、という仕切りなので、パフェは細長いグラスに入れ、サンデーは丸いグラスに入れるなんて区分けもあるんだよね。
でも、これは本末転倒で、結果としてそうなっているだけだと思うんだけど。
実際には明確な区分はなくて、なんとなく傾向としてそう分かれている、というのが真実みたい。
別にごてごてのサンデーがあってもいいし、アイスを主体としたあまり飾り気のないパフェがあってもよいのだ。

それと、やっぱりパフェの方がいろいろとのせるのでバリエーションが豊富で、アイスクリームのトッピングの範囲内でしかないサンデーよりも種類が多いし、変わり種も多いのだ。
サンデーだとせいぜいフローズン・ヨーグルトがあるくらいで、後は何味のアイスにどういうソースをかけるか、くらいしかないわけだよね。
そこいくと、パフェの場合は抹茶小豆にしたり、ティラミスをのっけてみたり、といろいろできて、アイスの付いた崩れたケーキ的なことができるわけだよね。
そういう意味でも、無限の可能性があるからパフェの方が「完全」なデザートなのかも(笑)

2008/12/07

かたや高級食材、かたや居酒屋のおつまみ

エプソン品川アクアスタジアムに行ってきたんだけど、そこには「ノコギリエイ」という魚がいたのだ。
エイなんだけど扁平じゃなくて、むしろサメのような形なので一瞬「ノコギリザメ」かと思うんだけど、エラ穴と呼ばれる、軟骨魚類独特のスリットが体の下面についているのでエイなんだって。
たしかにノコギリザメはそれが体の側面についているのだ。
で、気になったのがエイトサメの違い。
そこでちょっと調べてみたのだ。

軟骨魚類には3種類いて、大きく分けてサメ、エイ、ギンザメに別れるのだ。
先に触れたように、サメは体の側面にエラ穴があり、エイは下側にあるのだ。
ギンザメはわりと深い海底にいる魚で、原始的なものと言われているんだ。
サメとエイではエラ穴が5対なんだけど、ギンザメは1対しかないんだそうだよ。
で、これら軟骨魚類の大きな特徴は、名前のとおり、体の骨全部が軟骨でできていること!
サメはよく牙しか後に残らないと言うけど、これは前身の骨がタンパク質からできている軟骨なので、分解されてしまうからなのだ。

もうひとつの特徴は死後のアンモニア臭。
このせいであまり食用にならないんだけど、これは浸透圧の調節のために体の中に尿素をためていて、それが死後にアンモニアとなって出てくるからなんだ。
ちょっと時間がたつととたんにくついにおいがするんだよね。
でも、東アジアでは食用になっていて、日本ではサメはかまぼこの具に使うし、エイは煮こごりなんかにするよね。

で、もっと大事な利用方法がフカヒレとエイヒレ。
フカヒレは名前のとおりサメのヒレだけど、そのままヒレをとっただけではアンモニア臭がするので、それをゆでて皮を取り除き、さらに油脂分も落としてヒレの形を支えるフレームワークになっている軟骨部分だけを取り出して天日干しにしたものなんだ。
作るのに手間がかかるので高級食材になるというわけ。
これは干しナマコなんかと同じ理屈だね。
ヒレの形のまま干せると高級なんだけど、ちょっとでも形が崩れるとほぐされるんだよね。
ありとフカヒレスープがリーズナブルな値段であるのはこのためで、さすがに姿煮になるとまんまの形のヒレが必要なので高級になるのだ。

一方、エイヒレの場合は、体の側面のヒレ(ヒラメで言うところのエンガワに当たる部分)を切り取って干物にしたもの。
最初アンモニア臭が出てくるけど、かまわず干し続けるみたいだよ。
これがこりこりした食感で人気があるんだけど、これってフカヒレとまったく違うよね。
で、何が違うかというと、作り方もさることながら、もともとのヒレの機能が違うのだ。

エイヒレの場合は泳ぐためによく動かす部分で、骨のように縦に細い軟骨が入っていて、それを軸にしてひらひらと動かすんだよね。
これがカリカリの食感の原因。
一方、フカヒレの場合はあくまでも形状を支えるための軟骨組織で骨の代わりになるようなものでないので、むしろぷるんぷるんとした食感のやわらかいものとなるのだ。
エイヒレの場合も、骨のように固い軟骨のまわりにそういう軟骨組織もあるんだけど、それだけ取り出すのは困難なのだ。
うまく取り出すことができたらほぐしたフカヒレと似たような感じになるかもしれないけどね。