うすめがはやり?
前の職場ではドリッパーでレギュラーコーヒーを入れていたのだけど、今の職場に移動してからはいまいち勝手が悪く、買ってきたコーヒーを飲む日々なのだ。
コンビニのカウンターコーヒーも多いのだけど、もう少し時間をかけて飲みたいときは、ペットボトルのコーヒーにしているんだよね。
前はちょっと敬遠していたのだけど、意外とぬるくなったコーヒーを飲むというのも悪くない。
っていうか、だいぶ飲み口がさっぱりしているから、お茶のようにそういうの見方ができるようになっているんだよね。
で、よくよく見てみると、表示が「コーヒー飲料」になっているのだ!
コーヒーについては、公正取引委員会が告示している「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」というのに従って3種類にくぶんされているんだ。
製品内容量100gあたりのコーヒー豆の生豆換算の使用量で
①コーヒー: 5g以上
②コーヒー飲料: 2,5g以上5g未満
③コーヒー入り清涼飲料: 1g以上2.5g未満
となっているのだ。
ちなみに、喫茶店で出てくる本格的なコーヒーは10g程度の生豆を使用しているそうなので、もっと「濃い」んだよね。
また、コーヒー牛乳のように乳固形分を3%以上含む場合は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」に基づき「乳飲料」となるのだ。
最初の缶コーヒーといわれる「UCCコーヒーミルク入り」はこっちに該当するんだよね。
メジャーなミルク・砂糖入りコーヒーで「コーヒー」に分類された最初のものは「ポッカコーヒー」とのこと。
かなり甘いし、いわゆる喫茶店なんかのレギュラーコーヒーとはかなり別物だけど、それでも当時はかなり「コーヒー感」がつよいもので、「本格派」扱いだったようなのだ。
缶コーヒーは、製造過程で独特の風味が出たり、コーヒー独自の香りが飛びやすかったりで、喫茶店で飲むコーヒーとは別物、というのが伝統的な扱い。
外でタバコを吸いながら缶コーヒーを飲む、みたいなのが定番になっていくんだよね。
で、そういうちょっとした気分転換のための気軽な飲み物という扱いだったので、基本はミルクと砂糖多めのものが主流だったのだ。
その後いろんなメーカーが参入してきて、サントリーが「BOSS」を発売し、各社がシールを集めて抽選でもらえるノベルティグッズでしのぎを削ったりして、90年代後半に缶コーヒーの競争が激化するのだ。
この流れの中で、またしてもパイオニアの上島珈琲が出した製品が「ブラック・無糖」。
缶コーヒーはコーヒーとは言えども基本はクオリティが低いもの、という扱いだったので、まさかブラックで、というのが当時の受け止め。
でも、まさにそういう認識に対して、うちのコーヒーは本格派なのでコーヒーの味だけで勝負する、と売り出した商品なのだ。
これが思いがけずヒットし、各社からブラックの缶コーヒーが発売されるのだ。
さらに、21世紀に入るとメタボ対策として糖分を控える動きもあって、微糖コーヒーも出てくるのだ。
ちょっと変な味がするといわれることもあるけど、砂糖不使用の人工甘味料の入ったものもあるよね。
さらに、飲料業界では、スタバが台頭してきて、カフェで飲むおしゃれなコーヒーブームがやってくるのだ。
これまでもミルク多めのカフェオレはあったけど、そこにカフェラッテやカプチーノなんかが乱入してくるわけ。
さらに、コンビニがカウンターコーヒーを始めると、かなり手軽に豆からひいたレギュラーコーヒーがいたるところで飲めるようになったんだよね。
コロナ禍での外出抑制もあって、缶コーヒーはかなり厳しい状況になった異様なのだ。
そんな中で出てきたのが、時間をかけてゆっくり飲むタイプのコーヒー。
最初はスクリューボトルの缶だったけど、そこにペットボトルのコーヒーも登場してくるのだ。
ホットにしりアイスにしろ、ぬるくなったコーヒーは飲めたものじゃない、というのがあったんだけど、むしろ、そういう状態でもおいしく飲めるものが追求され、製品化されていったのだ。
そうして出てきたのが、少し薄い、後味のすっきりしたコーヒー。
ミルク入り・加糖のものであっても、飲み口がすっきりするように、あまり濃厚な感じにしていないようなのだ。
大まかにこうして流れを見てくると、確かに「コーヒー飲料」というのが答えなのかもしれないね。
サントリーなんかは公式に、抽出方式にくふうをしているので、ぎりぎりまで抽出しても雑味が出ないようになっていて、使用する豆の量が減っても風味や香りにはあまり影響ない、なんて言っているけど、
むしろ、飲み方が変わったから、それに合わせた製品にしました、の方がいいような気も。