ハードなやつで
普段はプレーンヨーグルトの大容量パックを買って少しずつ取り分けて食べているのだけど、たまにカップのヨーグルトも買うんだよね。
そういうときについつい手が伸びてしまうのでヤクルトのソフール。
トクホだからとかそういうことではなく、昔ながらのぷるんと固まって、しっかり甘みのついたヨーグルトがあんだか懐かしいんだよね。
まさに小学校の時の給食の時に食べていた味。
正直、牛乳はあまり好きではないし、そもそもごはん食が増えていた給食に牛乳はまず合わないので、デザート感覚で食べられるヨーグルトの日は盛り上がったものだよ。
そういう楽しい記憶もあるから余計においしく感じるんだよね。
ユーラシア大陸では西から東までわりとよく乳製品を食べる文化があって、ヨーグルト的な発酵乳はメジャーな食品なんだよね。
日本でも奈良時代とかだと乳製品を食べていたようだけど(「蘇」とか「醍醐」とか)、その後ウシは牛車を引く、或いは、農耕に使う、という感じで、肉も乳も食文化から消えていくんだよね・・・。
仏教の本場のインドでは普通に牛乳や乳製品を食べているから仏教の影響でもないとは思うんだけど。
そんな土壌の中で西洋文化とともに入ってきた乳製品。
やはり最初は抵抗があったようなのだ。
牛乳自体もあまるこのまれなかったのだけど、発酵乳であるヨーグルトについては、腐った乳と区別がつきにくいということでより忌避感が強かったみたい。
一方で、乳酸菌発酵により整腸効果も期待できるし、発酵の過程で乳糖や大きなたんぱく質が分解されていて栄養が吸収しやすいなどのメリットもあったので、なんとか日本でもヨーグルトを広めたい、と思って人もいたのだ。
そうしてできたのがハードタイプのヨーグルト。
発酵乳を瓶詰めしてゼラチンや観点といった凝固剤で固めてしまってプリンやババロアのようにするのだ。
その際、ヨーグルトの酸味もいまいち評判がよくなかったので、加糖して甘くしたんだよね。
こうして、日本におけるヨーグルトは甘くて固まったものとして広まっていったのだ。
この伝統を今なお引き継いでいるのがソフールというわけ。
瓶ではなく紙パックだけどね。
一方で、ヨーグルトというものがある程度普及してくると、明治のブルガリアヨーグルトをはじめとして、「本場」の味を求めるようになるのも日本の特徴。
これは本当に発酵乳を容器に入れただけなんだよね。
乳酸菌発酵で凝集しているけど、ゆるくかたまっているだけど、整地しておくと水分(乳清)が分離してくるのだ。
今はこのプレーンのヨーグルトに果物やジャムなどを加えて食べることが多いよね。
でも、こういう本格派ヨーグルトの出始めも、やはり酸味が気になるということで、当初は「フロストシュガー」というのが別袋についていたものなのだ。
これはグラニュー糖を特殊加工して顆粒状にしたもので、溶けやすく固まりにくい、というもの。
よく冷えているおうれーにヨーグルトと混ぜても「だま」にならないのだ。
そして、これは今でもあるけど、フルーツなどを混ぜ込んで甘く加工したヨーグルトもあるよね。
フランスのダノンのものなんかが有名だけど、ヨーグルトの酸味を活かしつつ、フルーツと糖の甘みで食べやすくしているのだ。
で、実はこのフルーツ等の入ったプレーン以外のヨーグルトの場合、少しゲル化剤が添加されているんだよね。
というのも、普通にプレーンヨーグルトとフルーツを混ぜただけだと時間経過により水分が分離してきてしまうから。
それを避け、口当たりを滑らかにするために、固形に固まらない程度に、フルーチェくらいの固さになるようにゲル化剤として増粘多糖類などが加えられているのだ。
なので、同じ個食パックのブルガリアヨーグルトでも、プレーンのものは原材料が「生乳、乳製品」とシンプルになっているのに対し、フルーツ入りのものは、そこに甘味料やゼラチン、増粘多糖類が入っているのがわかるのだ。
ちなみに、水分をきってより固くしたギリシアヨーグルトだけど、甘みやフルーツのソースが混ぜ込んであるものは、滑らかさを維持するためにやっぱり増粘多糖類が添加されているよ。
というわけで、実はヨーグルトについては、①自然に固まったもの、②水分が分離せず滑らかになるように少し固めてあるもの、③プリンのように完全に固形に固めてあるもの、の3種類があるのだ。
基本的にさわやかな酸味が好きなのでどのヨーグルトも食べるんだけど、大人になってから食べる機会が一番少ないのが③のタイプなので、時に無性にソフールが食べたくなるんだよね(笑)
原点回帰だ。