とうもころしこ
タコスってはやり始めてる?
テレビでもよく見るようになったし、スーパーにも前はあまり見かけなかったタコスセットが並んでいる。
これから暑くなる季節に向けてはいいよね。
でも、確か米国発のタコスのファストフードはいまいちはやんないんだよな・・・。
かっちかちのハードタコが主体だからかもだけど。
ここで気になっているのが、スーパーなどで売っているタコスの「がわ」はほぼすべえ小麦粉で作られた「フラワー・トルティーヤ」であること。
タコスの「がわ」ってトウモロコシ粉から作るんじゃないの?
って、調べてみたら、もともと中南米で伝統的に食べられていたのはトウモロコシを使った薄焼きパンなんだけど、北米に行っててクス・メクス料理になると小麦粉が使われ始めるみたい。
で、小麦粉で作った「がわ」の方がふわふわで万人受けするので、タコス後進国日本ではほぼそっちしかないみたいだ。
ちなみに、米国のかりっかりのハードタコはトウモロコシを使たもので、これに対比させてソフトタコと呼ばれるようになった時、よりふわふわ感、しっとり感が重要視されるようになったようなのだ。
トウモロコシで作るとごわごわだからね。
日本でのトウモロコシの食べ方の主流はスイートコーンなので、ゆでたり、蒸したり、焼いたりして食べるイメージだけど、これは甘みの多い品種を未成熟のまま収穫したもの。
本来的にはトウモロコシも穀類に分類されるもので、完熟状態ではかっちかちになるのだ。
そう、煎る前にポップコーンのような状態。
で、これを砕いて食べるのだけど・・・。
実はそのまま食べるのだとダメなのだ(>o<)
トウモロコシの実は、でんぷん質が多いだけでなく食物繊維も豊富で、各種ビタミンやミネラルも多い、栄養価の高いものなんだけど、必須アミノ酸のトリプトファンが少ないという欠点があるのだ。
ビタミンB3であるナイアシンはトリプトファンから作られるので、そのままだとビタミンB3欠乏症=ペラグラという重症の皮膚炎になってしまうのだ。
なので、中南米では伝統的にトウモロコシ粉を石灰水などでアルカリ処理し、リシンやトリプトファンといった必須アミノ酸の吸収をしやすくなる加工(ニシュタマリゼーション)をしていたんだって。
アルカリ性環境下で粒のまま煮て、そのまま冷ましてから煮汁を捨てるんだって。
これも生活の知恵だね。
最初にスペインが欧州にトウモロコシを持ち帰ったとき、これを知らなかったのでペラグラが広まったそうだよ。
通常の食物ではトリプトファンが少ないということはあまりないから、最初はなんだかわからなかっただろうね・・・。
ちなみに、ナイアシンが豊富な食べ物はカツオ、サバ、ブリ、イワシ、マグロ、鶏ささみ、レバー、豆類らしいから、これらと一緒ならトウモロコシをそのまま食べ続けても大丈夫な、はず。
で、このアルカリ処理にはトリプトファンの吸収をよくする以外にも効能があって、小麦よりさらに硬いトウモロコシが軟質化し、かつ、粘りも出てくるんだって。
これにより、生地を薄く広げて焼くトルティーヤが作れるようになるのだ。
逆に、アルカリ処理をしない場合はぼそぼそでそのままではトルティーヤにできないので、「つなぎ」で小麦粉を入れるらしいよ。
二八そばみたいなものだね。
で、トウモロコシ粉もそのものは白い粉なんだけど、アルカリ処理して焼くからうっすら黄色くなるのだ。
これは中華麺がかん水の作用で黄色くなるのと同じ。
ちなみに、あらかじめアルカリ処理したトウモロコシ粉も売っているとのことなので、家庭で水に溶いて焼くだけにできるよ。
で、この薄焼きパンがなぜトルティーヤなのか?
もともとトルティージャ(スペイン語読み)はスペイン風の丸いオムレツ。
それに形が似ているからそう呼ぶというのだけど・・・
月とすっぽんみたいな話だ(笑)