月が欠けて月食よ!
今週21日の火曜日は日本では全国的に皆既月食が観測できる好機会だったのだ。
残念ながら関東はあいにくの天気であまりよく見られなかったけど(ToT)
前回の皆既月食は2008年の8月で、次は来年の6月のようなのだ。
その間には部分月食もあるし、意外とよくあるんだね。
月食は、月が地球の影に入ることで月に太陽の光が当たらなくなることで生じる現象。
つまり、太陽と月と地球が「太陽-地球-月」と一直線に並ぶときに起こるのだ。
でもでも、これって理科の授業の時に習った満月の時の並び方と一緒だよね?
約1ヵ月に一度現れる「満月」は地球を中心にして太陽と月が逆側にあるから月の見えている面が全面に太陽の光を反射して光っているんだけど、逆に言うと、普段は「太陽-地球-月」という順番に並んでも月に太陽の光が届いているというわけなのだ!
これは地球が太陽のまわりを回る公転面と、月が地球のまわりを回る公転面がずれているからで、二つの公転面は同一平面上ではなく、ななめに交わっているのだ(約5度の傾き)。
なので、実際には「太陽-地球-月」という順番に並んでいても、月は地球の真裏にあるわけではなく、地球の真裏からは少しずれた位置にあるため、大きな太陽から出ている光を受けることができるのだ。
むしろ、地球の真裏にたまたま月が来ると、そのときが月食になるというわけ。
すなわち、月食の時は必ず満月なのだ。
天球上で考えると、太陽の見かけ上の通り道の「黄道」と月の見かけ上の通り道の「白道」が交わる2つの点に月と太陽が来ると日食又は月食が起こることになるよ。
同一の点に太陽と月の両方が来ると太陽が月の影で隠れるので日食になって(このときの並び順は「地球-月-太陽」)、それぞれが別の点に来ると月が地球の影に隠れて月食になるのだ。
本当は違うけど、やっぱり地球を中心に太陽と月がどう回っているかを考えた方がわかりやすいのだ(笑)
で、地球の影に月が入り込むのが月食なんだけど、これにもいろいろと種類があるのだ。
太陽は地球に比べてはるかに大きいので、地球の影は中心部の光がほとんど入らない本影と一部の光が入らない半影に分かれるのだ。
ちょうど目玉の形に同心円になっているんだけど、半影のところには太陽の辺縁部から出た光が水平線・地平線を回り込んで地球の裏側にも少し届いてしまうためにできるんだよ。
※絵の解説はこちらの国立天文台のページを参照。
一般に太陽の光は平行と見なすけど、実際には斜めに出ているので、天文学的な大きな視点で捉えるとそういうことが起きているのだ。
半影に月が入る状態を半影食と呼んでいて、この場合は月が少し暗くなるだけ。
素人にはよくわからないみたい(笑)
本影に入るのが月食で、月の一部分だけが本影の中にはいるのが部分月食、全部が入るのが皆既月食なのだ。
月が移動していく中で本影にさしかかると一部が影に隠れて見えなくなるので、部分月食でも皆既月食でも月の動きとともに満ち欠けが変化していくんだよね。
部分月食の時の明るく見えている部分は実は半影の中にいるので、普通の月より暗いんだねぇ。
はじめて知ったよ。
全体が暗いから目立ってかえって明るく感じるけど。
で、皆既月食になると完全に月の光が見えないかというと実はそうでもないのだ。
何もなければ太陽の光は届かないんだけど、地球表層を覆っている大気によって太陽光の一部が屈折されるので、ほんの少しだけ光が届いているのだ!
青い光(波長の短い光)は空気の分子に散乱されやすいのでほとんどとどかないんだけど(青い光が散乱されるから空は青く見えるのだ。)、赤い光(波長の長い光)は屈折されて一部が届くんだ。
それで、皆既月食の時には灰色~赤~オレンジといった色に見えるのだ。
全体がうすらぼんやり光っているイメージだよ。
この色も大気の状態によって決まっていなくて、見るときによって違うんだって。
特に火山の噴火があって火山灰が成層圏まで巻き上げられると、赤い光も散乱させられてしまってほとんど光が届かなくなり、暗い(?)皆既月食になるんだそうだよ。
今回もアイスランドの噴火があったけど、影響はそこまでではないだろう、と予想されているのだ(フィリピンのピナツボ火山の噴火の後は相当暗かったみたい。)。
というわけで、一度学校で習ったような気もするけど、月食についていろいろと調べてみたのだ。
月食はたまにしかないから、こうやって勉強するよい機会になるね♪
ちなみに、アポロ計画以来の最大の月探査計画と言われた日本の月周回衛星「かぐや」は、皆既月食のときに逆に月の側から太陽を観測したことがあるのだ!
ちょうど日食と同じように、太陽が地球の影で隠れて、きれいなダイヤモンドリングも撮影できたんだよ。
これからの宇宙時代にはこういう日食・月食の楽しみ方も出てくるのかも?
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