2025/07/05

伊東に行くなら・・・

 経歴詐称疑惑のあった伊藤市長の問題は、いよいよ「卒業してなかった」ということで落ち着きそうなのだ。
っていうか、手続き的に簡単に手に入ると言われている卒業証明書をなかなか出してこないあたりはもうわかっていたことだけど。
こういうのって、最後まで隠し通せるものではないし、粘らずに早く誤ってしまった方がよいと思うんだけど、実はそうもいかないんだよね。
それは、公職選挙法との関係なのだ。

公職選挙法第235条のでは「虚偽事項の公表罪」というのを規定しているのだ。
第1項は候補者が当選しようとして嘘をつく場合の規程で、、
当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
となっているんだよね。
まさにこれにがっつりと抵触するので、経歴を詐称していたことを認めた時点でアウトなのだ。
ちなみに、この規定だと、結果として落選していても、立候補時にウソの情報を選挙公報などに載せてしまうと罪に問われることになるよ。

有名な先例としては、旧民主党の国会議員の案件があるよね。
米国の「ペパーダイン大学を卒業」と経歴に書いていたわけど、それがあやしいということになって追及を受けたのだ。
このときはマスコミを連れて米国の現地にまで行って、みたいな悪あがきをしていたわけだけど、卒業していないんだからどうにかなるわけでもなく・・・。
さんざん追及されて離党して、公職選挙法違反で告発。
警察の事情聴取を受けて、経歴を詐称していたことをおおむね認めたところで議員を辞職。
けっきょくは「起訴猶予処分」ということで落ち着いたんだ。
これって、公職選挙法違反はほぼ明らかなんだけど、訴追するまでは必要ない、という検察の判断なのだ。
一連の流れの中で社会的制裁も受けているしね。
おそらく、今回も同じような流れになるはずで、市長という公職を辞して警察の事情聴取を受けて、となるのだ。
これも裁判まで行かないだろうなぁ。

ちなみに、同条第2項は、立候補している人の足を引っ張ろうとして虚偽の情報を流す場合の規定。
当選を得させない目的をもつて公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、四年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
こちらはよりたちが悪いということで量刑が重くなっているのだ。
自分を利するより、他人を蹴落とす方が罪深いということだね。
これが原因で落選になったかどうかはわからないんだと思うけど、これは被疑事実を認めた場合は起訴猶予とは行かないと思うんだよね。
ほぼほぼ確実に裁判にはいくと思うね。

ちなみにのちなみに。
選挙妨害という観点で実際に事例があるのは、虚偽情報をなあすというよりは、もっと物理的な妨害行為なのだ。
先般問題になったのは、演説しているところに行って大音量でその演説が聞こえないように妨害するってやつ。
わざわざ街頭演説の行先裂きにストーキングしてやってたみたいだよね。
これは真偽を確かめるという以前の問題で即アウト行為。
虚偽の情報を流して足を引っ張ったんじゃないか、というときには、それは本当に虚偽なのか、虚偽だったとしてどれくらい影響が出たのか、などなどを掘り下げる必要があるので、面倒っちゃ面倒。
どのみちそういう妨害をする人は他にもポスターをはがしたりと妨害してくるので、そっちで現行犯で取り締まった方がよかったりするわけだ。
ただし、ネット上でのデマの拡散や誹謗中傷なんてのもあるから、今後はそういうケースで取り締まられる例が増えてくるかもだけど。

というわけで、参議院選挙が近いので、ここも要注目なのだ。
今回は注目度の高い選挙だし、いろいろあるかもね。
国籍問題を明確に解決しないまままた立候補しようとしている元議員もいるみたいだし。
人腹なりそうだ。
って、候補者を擁立しただけで炎上案件が発生しているからなぁ。
興味は尽きないね。