清濁併せ呑む
最近韓国の濁り酒のマッコリがはやっているよね。
韓国料理屋さんだけじゃなく、普通の焼き肉屋さんでも見かけるようになったし、居酒屋でもときどき見かけるのだ。
特有の香りがあって苦手にしている人もいるみたいだけど、独特の甘みとほのかな酸味で飲みやすいとも言われているのだ。
アルコール度数もビール程度だからぐびぐびっといきがちだけど、濁り酒だけあって悪酔いしやすいので注意が必要なのだ(>_<)
韓国のマッコリと日本酒と同じお米のお酒で、麹でデンプンを糖化させてから酵母でアルコール発酵をさせる並発酵。
このとき、雑菌の繁殖を抑えるために乳酸菌発酵もさせているので、ちょっと酸味が出てくるんだ。
ただし、日本酒とは違って原料に小麦を加えることが多いんだとか。
芋焼酎のようにサツマイモからつくるマッコリもあるみたいだ。
発酵させたそのままを飲む生マッコリは微炭酸状態。
軽く発泡しているのだ。
その方がさわやかな飲み口と言われるけど、発酵が継続していて日持ちがしないので、加熱して発酵を止めたものが広く流通しているようだよ。
夏場に冷やしたものを飲むのが好まれているようだけど、この点はmかしの甘酒の飲み方に近いかも。
マッコリの方が発酵期間が長いのでアルコール度数が高いけど。
このマッコリに似ているのは日本のどぶろく。
どぶろくも甘みとほのかな酸味が特長の濁り酒だけど、すっきりした飲み口のわりにアルコール度数が高いのだ。
普通に上澄みをとって濾過して加熱処理すれば清酒にになるので、アルコール度数は日本酒並みなんだよね。
基本的に材料や起こっている発酵現象は同じなんだけど、作り方に工夫があるんだ。
どぶろくの場合、米と麹を複数回に分けて加えていく複発酵という方式で、これによりアルコール度数が高いお酒が造れるのだ。
一度発酵させたものにさらに麹と米を加えてさらに発酵させ、というのを繰り返すわけ。
マッコリと同じく、発酵途上では二酸化炭素が出てくるので、発泡性なのだ。
密閉した容器で作らないと雑菌が繁殖するおそれがあるけど、適度にガス抜きしないといけないんだ。
さらに、発酵を止めないので、早く消費しないと引用に適さないものになるので注意が必要なんだって。
と言っても、現在は酒税法の関係で勝手にどぶろくを作ると密造酒になるので、自分で作ることはまずないと思うけど。
このどぶろくの状態のものを静置しておくと白い沈殿ができるのだ。
これがもろみで、こしてから乾燥させると酒粕。
さらにこしたものを濾過して、「火入れ」と言われる加熱処理で発酵を止めると清酒になるのだ。
すごいことに、日本ではすでに平安時代には濾過して、火入れしてある程度の透明度を持った日本酒を造っていたようなのだ!
この火入れも難しくて、あまり高い温度で加熱してしまうと風味も飛んでしまうので、風味を極力残すように発酵を止める必要があるんだよね。
それを温度計なんてない時代から技術の伝承で培ってきた技なのだ。
日本は酒造を通じてむかしからすぐれた醸造技術を持っているというけど、本当にすごいんだよね(笑)
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