あめちゃん
職場のおみやげで「フグ雑炊ドロップ」というのがあったのだ。
これはまさしくその味で、しゃれにならないもの・・・。
よくそんなものを本当に作るよ、味見しないのかな?、なんて思うよね。
で、気になったのが、「ドロップ」というもの。
いわゆるキャンディとは何が違うのか。
気になったので、調べてみたよ。
ドロップはハードキャンディの1種類で、砂糖80%、水飴20%の基材を140~150℃で煮詰め、そこに酸味を加えるクエン酸や香料、着色料などを加えて冷やしかためたもの。
非常に単純な材料で作られたあめだったのだ!
水飴と混ぜるところがポイントで、こうすることで砂糖の再結晶かがふせげて、透明感を残したままかためることができるんだって。
確かに色がきれいだよね。
もともとはオランダに甘草を使ったリコリス菓子の「ドロップ」というのがあって、それが語源と言われているのだ。
通常欧米のリコリス菓子は紐状だけど、オランダのものだけは動物やコインなどいろんな形にかためたもので、本場オランダでは親しまれているんだって・・・。
日本人にはリコリスの味と香りは苦手とする人が多いけど。
で、このいろんな形状にかためるところから名前が来ているのではないか、と言われているそうだよ。
じゃあ、キャンディは何かというと、砂糖や水飴を主原料とし、煮詰めた後に冷やしかためたお菓子の総称みたい。
かちっとかたくかためたものがハードキャンディ。
ドロップのほか、ペロペロキャンディのロリポップや、三温糖とバターを煮詰めたものをナッツと混ぜてかためたタフィやバタースコッチなんかがこれにあたるそうだよ。
やわらかくかためたものがソフトキャンディで、キャラメルやマシュマロ、ヌガーなどはこのソフトキャンディになるのだ。
ボンタン飴や森永ハイチュウもソフトキャンディだよね。
タフィなんかはキャラメルに近いような気がするけど、がりっと歯が砕けるかと思うほどかたいこともあるから「ハード」なのかな?
バタースコッチはとろっとしたソースのイメージだけど、かたく作ったチップもあるそうなので、やはりかたいものなのかも。
ちなみに、タフィとバタースコッチの違いはどこまであたためたかで、バタースコッチの場合はとろみがつく程度にまでしか加熱しないのに対し、タフィはカラメル化が起きるまで加熱するのだ。
なので、タフィの方が苦みと風味が出るわけ。
もともとタフィやバタースコッチの茶色は主に三温糖の色なんだけど、キャラメルの場合はカラメル化した砂糖の色で、さらに、バターでなく生クリームを加えるのでよりやわらかいのだ。
翻って、日本の飴がどうかというと、けっこう歴史が古いみたいなんだよね。
砂糖自体はむかしの日本では超貴重品だったので、基本はデンプンを酵素で分解して糖化したものが使われていたようなのだ。
今でも麦芽水飴というのがあるけど、それと同じように、米を発芽させ、その発芽した芽に含まれる酵素でデンプンを糖化して作っていたのではないか、と言われているよ。
これを精製していくとできるのが水飴。
むかしはこれも貴重品で、それで「附子(ぶす)」なんて狂言が生まれるのだ。
これはかくしておいた水飴が食べられないように毒だと言ってうそをつく話だよね(砂糖と言われるけど、どう考えても動作的に水飴をなめているのだ!)。
江戸時代くらいになって砂糖が手にはいるようになると、この水飴に少量の砂糖を加えて練って作るさらし飴が登場するんだよ。
これはよく寝ると空気が入り込んで白くなるのだ。
柔らかいうちに棒状に丸めてトントントンとこぎみよく切るのだ。
今でも神社やお寺の前ではそういう飴屋さんがあるよね。
ちなみに、やわらかいうちは加工が可能なので、飴細工にしたり、金太郎飴にしたりと色鮮やかにできるんだよ。
日本的な飴と思われるべっこう飴はもっと後の時代に出てくるもので、これは砂糖水(ザラメを水に溶かしたもの)を熱してから冷やしかためただけのもの。
加熱しているときにカラメル化が起きるので、黄金色に色づくのだ。
これがべっ甲の色に似ているのでべっこう飴と呼ばれるんだ。
色づいてから型に流し込むだけだけど、自分で作ろうとするとけっこう難しいんだよね。
焦げ付いたり、色がきれいにつかなかったりするのだ。
色がつかないと風味もないので、おいしくもないのだ。
というわけで、実はあめの世界も奥が深いみたい。
口ざみしいときについつい口に入れてしまうあめだけど、これは何のあめかな?なんて思いをはせると、食べ過ぎずにすむかも(笑)
いろんなあめで舌触りが違ったりするけど、それも長年の工夫の上に立っているんだねぇ。
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