リングのキング
いよいよ、世紀の天体ショー、金環日食の日が迫ってきたのだ!
日本で観測できるのは江戸時代後期の1839年(天保10年)以来の173年ぶり!!
これは貴重な機会なのだ。
今回は、午前7時32分から5分程度観測できるということで、登校中に事故がないよう、始業時間を早めたり遅めたりする学校もあるほど。
でも、これは見る価値あると思うよ。
あとは、天気を祈るばかりだね。
日食は地球から見て太陽の前を月が横切るときに起きる現象だけど、太陽の天球での見かけ上の軌道である黄道と、月の天球での見かけ上の軌道である白道は約5度の傾きでずれているため、なかなかそういう位置関係にならないのだ。
満月の時は、太陽-地球-月の並びなので、黄道と白道が一致していれば必ず月食が起きるし、逆に新月の時は、太陽-月-地球の並びで日食になるのだ。
でも、太陽の方が圧倒的に大きいので、黄道と白道の交点付近でないと太陽の光が月や地球の影に阻まれずに届いてしまうので、影がうまく重なり合わないというわけ。
交点付近で月の朔望があると日食・月食があるんだけど、地球の公転周期は1年、月の公転周期は約1ヶ月なので、自ずと日食・月食が発生しやすい時期が周期的に出てくるのだ。
太陽がその交点付近にいるときは日食・月食が発生しやすいので、「食の季節」と言うらしいよ。
日食は地域によって見え方が異なってくるけど、それも太陽が大きいため。
観測点から見て、太陽と月の中心がそろっているときに日食が観測できるのだ。
大きくずれていると全く欠けて見えないけど、ほんの少しずれているだけだと一部が欠ける部分日食が観測できるよ。
これはけっこう見られるのだ。
で、かなり中心が合っていると、中心食と言われる、すっぽり重なり合う日食になるのだ。
この中心食のうち、完全に月が太陽を隠してしまうのを皆既日食、同心円状に重なって太陽が環状に残って見えているのを金環日食と言うんだ。
今回はその金環日食。
皆既日食でも白いコロナが黒くなった太陽のまわりに見えるようになるけど、それとは違って、もっと明るく輪が見えるらしいよ。
皆既日食だと夜のように暗くなるけど、部分日食だとけっこう明るいから、それくらいの違いはあるんだろうね。
この原因は、地球の公転軌道も、月の公転軌道も楕円だから。
交点軌道上の位置によって地球との距離が変わるので、見かけの大きさが大きくなったり、小さくなったりするのだ。
月の影が十分に大きければ皆既日食に、太陽の見かけの大きさより小さければ金環日食になるんだ。
もちろん、同じ金環日食でも、リングが肉厚(?)な場合と、ものすごい細い場合とがあるはずだよ。
月と太陽の中心が少しずれていれば、一方が厚く、もう一方は薄い金環日食にもなるのだ(この場合は正確には「同心円状」とは言えないよね。)。
ちなみに、日本語では金環日食というおしゃれな名前だけど、英語では「annular eclipse」で「環状日食」という呼び方をするのだ。
皆既日食は「total eclipse」。
なんか味気ないよね(笑)
皆既日食になる直前に一部だけ太陽の光が残る「ダイアモンドリング」は日英で共通なのにね。
部分日食や金環日食の場合は思っている以上に太陽の光が強いので、観測には注意が必要なのだ(>o<)
裸眼で見たりすると網膜を痛めるおそれがあるよ!http://www2.blogger.com/img/blank.gif
黒っぽい下敷きやサングラスなんかでは十分に遮光できないので、専用の遮光フィルターや日食観察グラスを使う方が無難。
もう売り切れているのが多いけどね・・・。
簡便な方法としては、ピンホールで影の中にできる光の点が「金環」になっているのを見る、鏡で壁などに反射させて見るなどの方法もあるよ。
今回の金環日食に関する情報は、国立天文台が特集ページを作っているので、そこを参照するとよいのだ。
観察方法や撮影方法、どこでいつ見られるかなどの必要な情報がまとまっているよ。
おそらく、生きているうちにもう一度日本で金環日食が見られることはないだろうから、このチャンスを活かさないと。
万全の準備をして臨もう!
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