2025/04/19

紅白うお合戦

 先日、ファミレス型の回るお寿司に行ったのだ。
タッチパネルでも注文できるのだけど、そこで疑問が出てきたわけ。
サバやアジ、イワシなどの青魚が「白身魚」のカテゴリーの中に入っている!
え、光物って白身だっけ?
というわけで、ちょっと調べてみたのだ。

白身魚と赤身魚の違いはその名前が示すとおり、身の色。
人間でも、短距離走の選手はミオグロビンの少ない白筋(速筋)がメインで、逆に長距離走の選手はミオグロビンの多い赤筋(遅筋)が多いというけど、魚も同じみたい。
白身魚の多くはスプリンタータイプで、普段はあんまり動かず、エサを見つけた時や敵から逃げるときにさっと素早く動くような魚なのだ。
赤身魚の多くはマラソンランナータイプで、マグロやカツオのように常に泳ぎ続けていないとダメなやつ。
実際に白身と赤身は100gあたりのメモグロビン・ミオグロビンの含有量で区別するそうで、10mg以上が赤身、10mg未満が白身ということらしい。

白身魚の場合は、ミオグロビンが少ないという特徴のほか、コラーゲンが多いという特徴もあるのだ。
これは煮魚にしたとき決定的で、マグロなんかをねぎま鍋とかで煮て食べる場合、身はどちらかというとぱさぱさ下感じの仕上がり。
一方、カレイやキンメダイの煮つけの場合、コラーゲンが溶け出して煮凝りができるよね。
白身魚は熱で溶けだすコラーゲンが多いので加熱すると身を崩しやすいのだけど、逆に、それがあるからこそ、似て食べる場合は柔らかくなるのだ。
逆に、赤身魚の場合は、加熱すると水分が少なくなって固くなる傾向があるので、「火を入れ過ぎない」ことがおいしく食べるこつだったりするよね。

で、外観はそんな感じなんだけど、具体的に振り分けていくと、あ、そうなんだ、っていうのがいくつかあるんだよね。
一つはサケ・マス類。
身がオレンジ色なので赤身のようにも思えるけど、見は白身。
身がオレンジ色なのはエサとして食べているオキアミなどの甲殻類の持っている色素、アスタキサンチンによるもの。
ミオグロビンの色ではないのだ。
サケ・マス類は川を下って海に出て川に戻ってくる生体で知られるけど、河川残留型或いは陸封型といって海に下らずに淡水域に留まる連中もいるんだよね。
例えば、渓流釣りのヤマメはサクラマスの陸封型、逆に、塩鮭としてよく食べられるベニザケが陸封型になるとヒメマスになるのだ。
で、降海するサクラマスやベニザケは身がオレンジ色なのだけど、淡水域に留まるヤマメやヒメマスは身が白いんだよね。
かつ、その卵(イクラ)の色も違って、降海型はよく見慣れた赤い卵、陸封型は黄色い卵なのだ。
陸封型のサケ・マス類の卵は黄金イクラなんて呼ばれることもあるのだ。

問題の青魚だけど、一般的には赤身に分類されるのだ。
確かに味の刺身の色なんか見れば赤身だけど、サバって白くない?
でも、さっきのミオグロビン含有量で行くとサバも赤身みたい。
おそらく、血合いの部分は非常に色が濃く、そこはミオグロビンがたっぷりだから、全体を通してみると赤身になるっぽいのだ。
そう考えてみると、サバの味噌煮とカレイの煮つけってやっぱり違うよね。
サバは身がしっかり残っているイメージがあるし。
コラーゲン量も違うのだと思う。

境界線上に入るっぽいのがカジキの類。
カジキの仲間は回遊しているけど、海中屈指のスプリンターでもあるよね。
メカジキなんかは白身に分類されるけど、マカジキ、クロカジキなんかは赤身になるんだそうで。
確かに、ステーキのように焼いたときに、パサつくのとしっとりするのがあるけど、それはその赤身・白身の違いなのかもしれないなぁ。
カジキでひとくくりにしてどのカジキを買っているかあまり意識したことなかったけど、そこを見てみると面白いかも。

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