2014/10/18

Do-No

2週連続で週末に台風が到来して、テレビのニュースでは例のごとく暴風波浪警報が出ているような地域で中継をしていたのだ。
今回は雨の量も多かったので、川などが氾濫して床上・床下浸水になった地域も多いみたいだね。
で、ここで改めて注目したのが土のう。
水が浸入してこないように積み上げて「防波堤」にするわけだけど、袋に土が詰まっているだけなのになんで水を通さないのかな?、って単純に疑問に思ったんだ。

実のところ、なんのことはなくて、土塀が水を通さないのと同じ。
袋の中に入れることで土が散乱せず、形状が保持されるので、隙間がない以上はそうそう水を通さないのだ。
パイプに土が詰まれば水が通らなくなるのと同じで、時間をかけてじわじわと水はにじみ出してくるけど、浸水を止めるという目的に対して問題になるほどしみ出すわけじゃないんだよね(笑)
問題は、隙間なく並べることで、そのための工夫がいるのだ。

ひとつは、袋はぱんぱんに土を詰め込まずに余裕を持たせること。
土は水を吸えばある程度膨潤するし、何より、袋に入った状態で自由に形状が変えられないと隙間ができるのだ。
あらかじめ袋の中の土もよく乾燥させてから踏んだりして柔らかくし、簡単に形状が変えられるようにしておくことも重要なのだ。
二つ目は、当然と言えば当然だけど、袋はしっかりひもなどで閉めておくこと。
中の土がもれるようであれば用をなさないのだ。
通常は袋の口のところにあるひもをきつく縛り、さらに、余ったひもを袋の口のところでぐるぐると巻くんだよね。
こうすると、袋が破れない範囲で自由に形状を変えられて、自重も手伝って隙間なく土のうが積み上がるのだ。

ただ土をもっただけではすぐに崩れてしまうので、しっかりと踏んだりたたいたりして固める必要があるけど、そうして作っていたのがむかしの堤。
簡易的に、かつ、短時間で同様の機能を持たせるために土のうを積み上げるのだ。
土を固める代わりに袋で形状を維持しているんだよね。
ただし、袋の中の土がぬれている限りにおいてはしっかりと隙間なく積み上がるけど、中身が乾いてきてある程度軽くなってくると、そこまでぎっちりとは密に積み上がらないのだ。
なので、緊急避難的には使えるけど、恒常的に堤にするわけにはいかないんだよね。

伝統的には麻袋に土をつめるんだけど、最近ではポリエチレン製の袋が主流なんだって。
その方が丈夫だし、長持ちするからね。
さらに、中身も土でなくて、高吸水性ポリマーのようなものがつまっていることも!
そうすると、水を吸う前は非常に軽いので、扱いやすくなるのだ。
積み上げてから水を吸わせると中身が膨潤していって、密に積み上がるという仕組み。
使用後に乾燥させれば再使用もできるそうで、軍隊のように袋だけ持ち歩いてその場その場で土を詰めて使う,というものでない限り、非常に便利なのだ。

さらに、最近では、生分解性のおがくずやら植物性繊維をつめたものもあって、もともと水よりも比重が重いので乾いた状態でも水に沈み、それが水を吸うと土のうの役割を果たすというのもあるんだって。
水が引いた後もそのまま放っておいても土に戻るし、中には植物の種が入れてあって、そのまま芝生の育成にも使えるものもあるとか。
こういうのは植生土のうと言われていて、緑化のための土木資材として使われているらしいよ。
水路に沿って置いて水の氾濫を防ぐとともに、水路際の植栽を行ったり、路肩に置いて路面への水の進入を防ぐとともに植栽を行ったりできるのだ。

今回、災害情報を調べていて知ったんだけど、もともと海抜高度が低くて、浸水が頻繁に起こるような地域だと、あらかじめ土のうを集めて置いてある「土のうステーション」があって、そこの土のうを持ってきて使うことができるんだって!
災害情報を見るたび、よくすぐに土のうなんて積めるものだ、と思っていたんだけど、そういう便利な公共サービスもあったんだね。
各家庭に常備していたわけではないのだ(笑)

2014/10/11

くさいほどうまい

最近とても気になっている料理があるのだ。
それはスイスのチーズ料理のラクレット。
ハードチーズを火であぶって表面を溶かし、それをそぎ取ってパンやゆで野菜につけて食べるのだ。
よく眞鍋かをりさんがワインとともにテレビで紹介しているんだよね。
かつて、アニメ「アルプスの少女ハイジ」でも全国の子供を釘付けにした料理なのだ!

チーズには独特の臭気があるので、長らく日本では加熱した上で各種チーズをブレンドして成型したプロセスチーズが主流だったんだよね。
別途乳化剤を入れないと固まらないけど、加熱して発酵を止めるので、保存期間が長くなるし、くせやにおいもマイルドにできるのだ。
米国ではプロセスチーズをよく食べるから、そこから来たんだろうけど。
でも、この頃は百貨店とかでも高級な輸入物ナチュラルチーズを売っているよね。
ボクはチーズが好きなのでわりと平気だけど、苦手な人にはきつそうなのだ(>o<)

チーズは、牛乳などの乳汁を長期保存するために工夫された伝統的な乳製品で、加熱しながら凝乳酵素(レンネット)を加えることで、乳脂肪や不溶性・難溶性の乳蛋白を乳清(ホエー)から分離して作るのだ。
水分を絞っただけのものがフレッシュチーズ(カッテージチーズ)。
これをさらに発酵させて作るのが「くさい」チーズたちだよ。
基本は乳酸発酵させて、中に含まれている糖分を分解して乳酸にし、酸性度を高めて雑菌が繁殖しづらい状態にすることで保存性を高めているのだ。
さらに、表面にかびを生やしたりして独特の風味を与えたりするんだよね。
最終的に残存する水分量で硬さが決まって、かっちかちのハードチーズから、とろりとしたカマンベールチーズのようなやわらかいチーズまであるのだ。

この発酵段階においては、タンパク質が分解されてアミノ酸になるんだけど、これがうまみのもとの一つ。
これは多くの発酵食品と同じなんだけど、このとき、脂肪分も同じように分解されて、脂肪酸ができてくるのだ。
この中でも、炭素数の少ない低級脂肪酸があの独特の臭気のものなんだよね。
酪酸やイソ吉草さんがまさにそれなんだけど、これは足のにおいの成分と同じなのだ・・・。
足のにおいも、汗の中に含まれていた皮脂が足の表面で雑菌に分解され、低級脂肪酸ができることで発生しているんだ。
においの発生メカニズムだけ見たら似たようなもの。

納豆やくさやなんかの「くさい」発酵食品は数あるけど、やはり発酵過程でにおい成分の分子ができているのだ。
この脂肪酸だけでなく、硫黄を含むアミノ酸が分解されてできる硫化水素やチオール(あるコースの酸素原子が硫黄原子になったもの)だったり、そのものずばりのアンモニアが発生していたり。
ただ、これらにおい分子ができているということは、発酵も進んでいるということで、うまみ成分が増えている証でもあるのだ。
くさいものほどうまいというのにもそれなりに意味があるわけ。
日本の「くさい」名産代表のふなずしも、乳酸発酵でタンパク質が分解されてうまみ成分が増えていくんだけど、同時ににおい分子も増えているんだよね(笑)
糖を分解するだけだとアルコールや酢酸、乳酸ができるだけだけど、脂肪やタンパク質が分解されるととたんにくさくなるのだ。
お酒の発酵があまりくさくないのは主に糖が分解されているからなんだよね。

チーズのにおい成分は主に低級脂肪酸なんだけど、これらは油状の不揮発性の液体なんだよね。
なので、常温ではずっとそこにあってくさいんだけど、ちょっと熱をかけてやると少しずつとんでいくので、多少においがやわらぐのだ。
チーズを加熱しているときはくさいけど、生のままより加熱したチーズの方が口の中では臭気が広がらないのはこのため。
好きな人は生のままちびちびかじりながら一緒にワインを、ということなんだろうけど、ボクはやっぱり加熱してとろっとしたやつを熱々で食べるのが好きだなぁ。
お酒をあまり飲まないというのもあるけど(笑)

2014/10/04

冬に咲く花

家の前の花壇にチューリップの球根を植えたのだ。
はじめて知ったんだけど、チューリップの球根って、秋のうちに植えて、しっかり値を張らせておくんだね。
で、春になると芽が出て、ということみたい。
でも、秋から冬にかけては地中でじっとしているので、水やりを忘れがちになるおそれがあるのだ!
見た目が変わらないから。
そこで、園芸の手引きを見ると、冬に咲くパンジーなんかの種をまいておくと、水りゃりを忘れないし、チューリップの芽が出るまでの間に花も楽しめる、と書いてあったのだ。

というわけで、さっそくパンジーとパンジーよりも少し花が小ぶりなビオラの種を買ってきてまいたんだ。
こちらは秋に芽が出て冬に咲くんだよね。
冬の寒い時期に咲く花は貴重なので、これからの季節は街中の花壇でもよく見かけるようになるのだ。
もともと発芽の適温が低くて、ある程度気温が下がってからでないと芽が出ないみたい。
これも棲み分け戦略なんだろうね。
寒い時期に咲く花は少ないので、虫に花粉を運んでもらう上で競合相手が少ないのだ。
冬に活動する虫が少ないのでは、という懸念があるけど・・・。
ちなみに、日本では夏が暑すぎるので夏に枯れてしまうことが多いけど、寒冷地では多年草で、1年目に葉を茂らせ、2年目に種を作ってから枯死するんだそうだよ。

パンジーは園芸品種のスミレ属の植物で、より花が小ぶりなものがビオラと呼ばれているんだ。
どちらも様々な色があって、花壇が賑わうのだ。
特に花が少ない時期に咲くので、園芸をする上で便利なんだよね。
もともとは、1800年代の北欧で、アマチュアの園芸家が交配で作り出したんだとか。
野生のサンシキスミレや野生のスミレ、近東のスミレなんかを交配して現在のような大きな花をつける品種になっていったのだ。
すでに19世紀前半にはかなり園芸品種として欧州に広まっていたみたい。
その後も現在に至るまで品種改良は進められていて、色が増えたり、さらに花が大きくなったり、ますます広がりが大きくなってきているのだ。
もともと寒冷な地方では春に咲く花なんだけど、温暖な地域では冬に咲くので、このあたりも園芸をする上で使い勝手がよかったんだよね。

パンジーが我が国に入ってきたのは江戸時代。
当時は「遊蝶花」や「胡蝶草」などと呼ばれていたんだって。
これは花の形から来ている名前なんだろうなぁ。
蝶が羽を開いたように見えるからね。
パンジーという名称は仏語の「パンセ(思慮)」から来ていて、8月末に花をつけたとき、深く思索にふけるように前に傾くことから来ているとか。
日本と欧米ではとらえ方が違うんだねぇ。
ちなみに、日本で一般的に栽培されるようになったのは戦後からなので、なかなか雅な名前だと思うけど、江戸時代の名称は引き継がれていないのだ(>o<)

ボクが買ってきたのは100均の種だし、植え替えをせずに球根を植えた花壇に直まきなのでどうなるか不明だけど、きれいに咲いてくれるといいなぁ。
わりとまだあたたかい時期に巻いたので、うまく行けば年内から花が咲くはずなんだけど。
せっかくだからきれいに咲かせたいものだよ。

2014/09/27

コメの消費を上げるためにも米粉を食べよう

先日、はじめて「ケンミンの焼きビーフン」を食べてみたんだ。
肉、味付ビーフン、野菜を重ねて水を入れて蒸し焼きにするだけ。
意外と簡単にできて、なかなかのもの。
CMでは存在を知っていたけど、こういうものだったんだ、と感心したよ。
東南アジア料理として食べるビーフンとはやっぱり違って、和食としてアレンジされているんだね。

ビーフンはうるち米を材料とするライスヌードルの一つで、中国福建省当たりが発祥のもの。
ベトナム、タイ、インドネシア、シンガポールなどでもメジャーなものなのだ。
ライスヌードルはその名前のとおりお米を原料として麺類の総称で、ベトナムのフォーや生春巻きに使うライスペーパー、中国の点心で出てくる腸粉、タイ風焼きそばパッタイに使う平太麺のセンレックなどが含まれるよ。
もともと中国では、小麦を原料とした麺類を「麺」と呼んで、米を原料としたものを「粉」と呼んだんだって。
よって、「ビーフン(米粉)」はまんまの名前なんだよね。
ちなみに、ここで言う「麺類」というのは、イタリアのパスタの概念と同じで、必ずしも細長いひも状のものだけでなく、シート状のものなど様々な形状のものが含まれるよ。
餃子も春巻きも麺類。

中国やインドのような国土が広い国だと、国内でも気候条件が大きく違うので、地方によって主食となる穀物が違うのだ。
北部の寒冷な乾燥した地域では主に小麦が、南部の温暖で湿潤な地域では主に米が食べられるんだよね。
(更に土壌が貧困な場合はそばなんかになるよ。)
なので、インドカレーでも北部料理はナンを、南部料理はライスをつけるのだ。
中国も同様で、北部由来の北京料理だと小麦がメインだし、南部由来の福建料理だと米がメイン。
炒めビーフンも福建省から伝わっているのだ!

麺と粉の大きな違いはその作り方。
小麦麺の場合、多くは小麦粉と水を混ぜ、生地を練って麺にしていくんだよね。
このときに塩を入れることで、コシのもととなるタンパク質のグルテンが生成され、独特の硬さ・粘りが出てくるのだ。
小麦麺の弾力があって、ぷっつりと切れる食感はグルテンによるところが多いよ。
一方、米粉の場合は、水につけたまま米をひいて白濁液を作るところから始めるんだ。
これを濾過してデンプンを主成分とする生地を取り出し、ところてんのように細かい穴から湯の中に押し出して作るのがビーフン。
生春巻きに使うライスペーパーの場合は、白濁液をクレープのように布の上に丸く広げ、蒸し上げるんだよ。
フォーのような平麺は、白濁液を熱した鉄板の上に広げ、シート状に固まったものを切っているんだ。
いずれもその後によく乾燥させるところがみそ。
パスタのように長期保存ができるのだ。
粉を水と一緒に練るんじゃなくて、水と一緒に米を砕いて、形を整えてから乾燥させる、というのが一般的な製法だよ。
点心の腸分のように乾燥させずに「生」で食べる料理もあるようだけど。

この粉の場合、もっちりとした食感になるけど、これはデンプンの中のアミロペクチンによるもの。
小麦よりも米の方がアミロペクチンが多いので、もちもち感が出るのだ。
同じようにデンプンを抽出して作る春雨は、小麦よりもアミロペクチンが少ない豆を原料に使うので、つるっとした食感で、もちもち感はほとんどないんだよね。
同じ米で、うるち米から作る上新粉と餅米から作る白玉粉では性質が違うけど、ビーフン類の多くはインディカ種のうるち米から作るので、そこまでもちっぽくはならないみたい。
最近では、米由来のデンプンだけじゃなく、ジャガイモやタピオカ由来のデンプンを句会えたりもするようで、すでに「粉」でも亡くなりつつあるようなのだ。

米粉が注目されてきているのは、我が国のように米が余っていて米食を推進したいからではなく、グルテンフリーの食品の必要性が認められてきたから、
セリアック病という自己免疫疾患では、グルテンが標的となるので、小麦を使った料理が食べられないのだ・・・。
いわゆる小麦アレルギー。
でも、これってかなり痛い話で、純然とした和食なら麩を食べなければ済むようなものだけど、洋食とかでは相当つらいよね。
そこで脚光を浴びたのが米粉を使った食品。
米粉パンであったり、米粉を使った麺類なのだ。
日本では未だにライスヌードルにあたる米粉を使った麺類の総称がないけど、これは伝統的には小麦を食べなくてもなんとかなっていたからなんだろうね。
今は逆輸入の形でライスヌードルが注目され、逆にもうカタカナ語でよくなってしまったので、改めて漢語を作る必要がないのだ。

2014/09/20

大英帝国崩壊の危機か

イギリスの正式な国名は、「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」であることはわりと有名だけど、この枠組みが崩れかけたのだ!
今月18日にグレートブリテン島北部に位置するスコットランドが独立するかどうかの投票を行ったのだ。
むかしからくすぶっていて、ずっと徐々に独立賛成派が増えていたんだよね。
独立すれば、300年以上ぶりの独立となるんだ。
今回はけっきょく独立は見送られる形になったけど。

日本から見るとよくわからないけど、もともとイングランドとスコットランドは分化も民族も違う別の国。
同じお受けが君臨して「二重帝国」になっていたのだけど、1707年に連合法というのがイングランド、スコットランド双方の議会で成立し、連合王国であるグレートブリテン王国が誕生したのだ。
北部アイルランドがこれに加わるのは1800年の連合法だよ。
ちなみに、もうひとつのウェールズだけはちょっと位置づけが違って、13世紀中頃にウェールズ大公(Prince of Wales)をいただくウェールズ公国が誕生するんだけど、すぐにイングランドのエドワード1世王に侵略され、イングランドの統治下に入ってしますうのだ。
なので、連合王国の一角ではあるけど、イングランドの一地方という扱いなんだよね。
ちなみに、このとき、エドワード1世は長男のエドワード2世にウェールズ大公の地位を継がせたので、それ以来、イングランドの皇太子は「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号を引き継ぐことになるのだ。
これが連合王国になった今でも続いているわけ。

こういう経緯があって、イングランド、ウェールズ、スコットランド及び北部アイルランドが一つの連合王国になったのだけど、スコットランドだけは独立心が強く、たびたびイングランド主導の連合王国統治に不平・不満を漏らすのだ。
それで独立騒動がずっとくすぶっているわけ。
それが噴出したのは今のエリザベス2世女王陛下の戴冠のとき。
イングランドには「処女王(Virgin Queen)」と呼ばれたエリザベス1世が君臨していたけど、スコットランドとしてはエリザベス女王の統治ははじめてだったのだ。
そこで、新たに君臨するエリザベス女王が「1世」なのか「2世」なのかでもめたんだって・・・。
最終的には、女王本人の意思で「2世」となったんだけど、そのとき、新基準として、「○世」が異なる場合は大きい方の数字をとる、と決めたんだそうだよ。
ただし、国王又は女王が自らなんと名乗るかはまわりが決めるのではなくて、「国王大権」として本人が決めることなので、次の王がこの新基準を採用するかどうかは未定なんだとか(>o<)

1998年にはスコットランド法というのが制定され、外交、軍事、財政・金融、麻薬取り締まり、移民政策などの連合王国が一体として取り組むべき政策課題(いわゆるウェストミンスター議会留保事項)を除き、スコットランドは独自に法令を作ることが認められたのだ。
これにより、福祉政策や、所得税率、禁煙政策など、スコットランドは独自の法制度を持っているのだ。
かなりの裁量が認められるようになっているわけ。
もともとスコットランド法は大陸法系で、英米法ではないというところも興味深いけど。
これでも足りないから独立、ということなんだけどね。

日本から見てイギリスというと、タータンチェック、キルト、バグパイプ、ウィスキー(スコッチ又はアイリッシュ)、ゴルフ発祥の地(セント・アンドルーズ)などが思い浮かぶけど、これも多くはスコットランドの文化。
産業革命を支えた石炭もウェールズとスコットランドのものだし、「国富論」のアダム・スミス、「シャーロック・ホームズ」のコナン・ドイル、電話の発明者のグラハム・ベル、蒸気機関を発明したジェームス・ワットなど、スコットランド出身者が多く活躍しているんだ。
英国首相のトニーブレアさんやゴードン・ブラウンさんもスコットランドの出身。
英国の産業や文化、政治を支える上で重要な位置を占めているので、今さら独立されるとかなりの影響が出るはずなんだよね・・・。

それでも独立を画策しているのは、北海油田の石油があるからなんだとか。
スコットランドにはまだ石炭もあるし、欧州随一の埋蔵量と言われている石油もあれば、かなりの経済力が見込めるからね。
イングランドと一緒でなくてもやっていけるぜ、ということみたい。
ただ、本当にそうなのか、とスコットランドの中でも思っている人がいるわけで、ずっと独立はしなかったんだけど。
実際どうなるかはよくわからないけど、仮にスコットランドが独立すると、英国の国旗のユニオンジャックは変更されるのだ。
もともとイングランド、スコットランド及びアイルランドのそれぞれの国旗を組み合わせたものなので、背景の青地と白の斜めクロスのスコットランド国旗分がはずれるんだよね。

2014/09/13

実録シリーズ?

先日、「昭和天皇実録」の編纂が完了し、今上天皇陛下に奉呈された、という報道があったのだ。
現在はその写しを皇居東御苑で公開(特別閲覧)していて(11月いっぱいの予定)、奉呈されたのと同じ装幀の副本も展示されているんだって。
来年から5年間かけて刊行されるらしいけど、12,000ページもあるらしいし、きっとハードカバーだから高いんじゃないかな・・・。
こういうときこそ、図書館で読みたい時代だけ読むのがよいよね(笑)

もともと「実録」というのは、中国で正史を作る際に参考にされる各皇帝の一代記のことで、その統治下での事績がまとめられるのだ。
中国は必ず前王朝の成立から滅亡までを正史としてまとめ、今の王朝の正当性を主張するんだよね。
なので、「史官」という歴史書を作成する官職があるくらいなのだ。
米国の政府機関でも「historian」という役職の人がいて、政策史をまとめているんだよね。
日本では今回の「実録」を作るので、宮内庁の書陵部にはそういう役職の人がいるけど、正式に歴史を紡ぐ人はいないのだ(>o<)

日本での実録の扱いは中途半端で、各代について作成していたわけじゃなくて、「日本三代実録」のように、清和天皇・陽成天皇・光孝天皇の三代をまとめたようなものも。
そもそも大和朝廷がずっと続いていることもあって、「朝廷の正当性」を主張する正史の必要性は薄くて、「正史」もきちんと作られているわけではないのだ。
「王権神授」というか、皇祖皇宗の由来をひもとく日本書紀があれば事足りる部分もあったんだろうけどね。

一方で、江戸時代には「徳川実紀」というのが幕府によって編纂されていて、江戸幕府の公式記録になっているのだ。
もともとは初代家康公から10代家治公までの事績を12代家慶公に献じたもので、各将軍の諡号に実紀をつけて、「東照宮御実紀」(家康公)、「台徳院御実紀」(秀忠公)、・・・と将軍の治世ごとに事象を日付順で記載したもの。
将軍の逸話を収めた付録もあるとか。

11代家斉公以降も大政奉還まで実紀は編纂され続け、その後半部分は「続徳川実紀」とも呼ばれるのだ。
もともとは将軍ごとの実紀なので、幕府内では単に「御実紀」と呼んでいたものを、明治時代にまとめて総称する際に「徳川実紀」と名付けたとか。
江戸時代は火事が多かったので、古い時代のものは資料が散逸していて、幕府内の公式記録だけでなく、他からの資料の転載のようなものもあるらしいけど、江戸時代の歴史書として非常に貴重なものなのだ。
本体は国立公文書館が保管しているけど、国史大系の一部として刊行されているし、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーでも見られるのだ。
これは実質上の「正史」なんだけど、幕府自らが作っているから、中国の歴代王朝の「正史」とはまた位置づけが異なるのだ。

話は「実録」にもどると、明治になって、きちんと各天皇の御代について実録を作ろうということになって、孝明天皇から実録の編纂が始まったのだ。
戦前は宮内省が担当で、それが戦後宮内庁に引き継がれているわけ。
「孝明天皇紀」、「明治天皇紀」は存在が知られていたんだけど、「大正天皇紀」は存在は推測されていたものの、長年宮内庁で情報公開の対象から外されていて、幻の実録だったのだ。
ところが、21世紀に入って、情報公開・個人情報保護審査会が非公開は不当とする判断を下したので(平成13年)、翌年以降一部が黒塗りの形で公開されることになったんだって。
それを受けてか、今回の「昭和天皇実録」は最初から全文が公開されることになっているのだ。
マッカーサー元帥とのやりとりや、終戦前夜の動向など、すでに知られていることも多いけど、未公開の側近や侍従の証言・メモなど、新たな情報も含まれているとか。
個人的にはかなり興味あるなぁ。

2014/09/06

保存食は防災訓練のタイミングで更新を!

9月1日の防災の日に、うちの職場でも防災訓練があったのだ。
毎年やってはいるけど、今回は訓練の一環として、備蓄倉庫にある乾パンとビスケットの配給も受けたのだ。
ま、これは訓練というより、単に配るだけだから、備蓄食料のリニューアルのために古いものを処分するという意味合いが強いような気もするけど(笑)

今回もらってきた乾パンもビスケットも実は中身は同じで、三立製菓という乾パン製造では主流メーカーのもの。
おやつ用に袋に入って売っているものよりは大型の乾パンがみっしりと5枚セットで袋詰めになっているもの。
長期保存するものだけあってかなりの乾燥度で、一口食べると口の中の水分がすべて持っていかれてしまう・・・。
水も貴重な災害時にこれを食べられるのかは少し疑問だなぁ。

乾パンは保存食としての堅パンの一種で、堅パン自体は欧州ではむかしから食べられていた保存食なのだ。
古代ローマでは兵糧として支給されていたらしいよ。
二度焼くなどの手法によって極限まで水分を除くことで、腐敗を防止して貯蔵性を高め、寒冷地での凍結にも強くなるのだ。
また、水分がない分だけ軽くなるので、携行も容易に。
まさに軍隊が戦地に持っていく食料としてはふさわしいものだったんだよね。
大航海時代にも活躍するのだ。

一方、我が国の伝統的な保存食は、乾燥させたお米。
伊勢物語にも旅の携行食として「干し飯」が出てくるよね。
「東下り」で三河国八つ橋まで来たところで、在原業平公が「かきつばた」の歌を詠んだとき、同行者はその歌に感動して「干飯(かれいい)」に涙をこぼし、ふやけた、というエピソードがあるのだ。
鎌倉時代以降は「糒(ほしい)」の字が当てられるようになって、代表的な携行食糧になるんだよね。
もちろん、兵糧としても使われていたよ。
水で戻してもいいし、そのままぱりぽり食べられるし。

江戸末期くらいに西洋から堅パンが導入され、やがて日本人の口に合うように日本式アレンジがなされ、今の乾パンができあがるのだ。
糖分を補うのと、唾液を出やすくして食べやすくする目的で、氷砂糖や金平糖が同梱されるようになるのだ。
試行錯誤の結果、陸軍が仕様を決めて郡民協働で開発して今の形になったようだよ。
たまに食べると、絶妙な甘さも合ってなかなかおいしいよね。
でも、これだけだとつらいけど・・・。

一方で、日本人としてはお米も食べたい、という欲求があるので、伝統的な糒も改良が重ねられ、「アルファ化米」として携行食糧となって軍に採用されるのだ。
お米の中のデンプンがアルファ化されるともっちりとおいしい食感になるんだけど、それには蒸したり、炊いたりして熱をかける必要があるし、一度アルファ化しても、時間がたつと劣化してきて堅くぼそぼそになるんだよね。
アルファ化米は、もっちりした状態のまま乾燥させることで、水やお湯でもどすともちもちしたお米が食べられる、というものなんだけど、いかんせん、戦時中のものはおいしくなかったようなのだ。
それでかなり否定的なイメージが国民の間に広がって、戦後は災害用の備蓄食料としてはおやつとして食べてもおいしい乾パンが主流になっていったんだ。
登山やキャンプ用の携行食糧としてはアルファ化米も生き続けるんだけどね。

ところが、阪神大震災の時にまた流れが変わるのだ。
実際に災害が起きて、毎日のように乾パンを食べることになると、とにかく飽きる。
そして、お米が食べたい、というニーズが高まったんだそうだよ。
そのころにはアルファ化米の技術も格段に進歩していて、おいしく戻せるものができあがっていたのだ。
で、アウトドア用品として売られていたアルファ化米を配ったところ、これが大好評。
また伝統的な糒が備蓄食料として復権したのだ。
もちろん、「サトウのごはん」のような加熱調理するものの方がおいしいのだけど、アルファ化米はお湯や水で戻すだけという簡便性があるし、何より、真空パック+乾燥技術で保存期間もかなり長期にできるのだ、やっぱり備蓄にはアルファ化米が便利なんだよね。

うちの職場にはアルファ化米はあるのかな?
防災訓練でもらった後、お昼に乾パンを食べたんだけど、最初はおいしいものの、やっぱり飽きるし、何より大量の水分がないと食べられないんだよね(>o<)
本当の災害時にはこれはけっこうきついかも、と思ったよ。
水で戻せるアルファ化米(しかも、今は五目ごはんやおこわ、赤飯など、それだけで食べられるものもあるよ!)があるといいんだけどなぁ。
ボクはどちらかというとごはん党だし(笑)