2026/05/30

風と熱と

 いよいよじめじめしてきたのだ・・・。
からっとしているとまだ過ごしやすいけど、湿度が高く成るだkで一気に不快指数が上がるね。
もうすぐ梅雨入りか。
そんなときに大事なのが衣類乾燥機能。
ボクが子供のころはコインランドリーの乾燥機ほぼ一択だったけど、家庭用の乾燥機もあるし、浴室乾燥機もあるし、部屋干し+サーキュレータというのもあるし、洗濯だけに選択肢が増えているのだ。

個人的には天日干しが一部案ふわふわでしっかり乾く気がするけど、最近のテクノロジーはなめてはいけないよね。
けっこう電気代は食うとは言うけど、家庭用の衣類乾燥機はけっこう優秀なようなのだ。
でも、やっぱり服の繊維は傷みやすくなるんだよね。
どのみち高級品はクリーニングに出すから、ファストファッションとかのターンのーバーの早い奴ならよいのかも。
いつでも好きな時間に乾かせるのは大きいよね。

その対極にあるのが普通の部屋干し。
ひたすら水分が蒸発するのを待つだけだけど、サーキュレータと組み合わせてあげると、洗濯物周辺に滞留する水蒸気がなくなるので少しだけ乾燥が早くなるのだ。
もともと干す段階で風が通るようにすき間をあけてあげるだけでもけっこう乾きが違うんだよね。
それでも、日本はもともと湿度が高いからなかなか難しいところはあるけどね。
でも、パリに住んでいるときに実感したのは、欧州は普通に部屋干しでばっきばきに乾くほどの乾燥具合なんだよね。
パリは景観保護のために洗濯物の外星ができないので、どうしても部屋干しになるんだけど、なぜか2~3時間で殻っからに乾くんだよね。
最初はおどろいた。


我が家の場合はその中間にあたる浴室乾燥機を利用。
昼間家に誰もいないので、さすがに外に干しておけないのだ。
ただの部屋干しだと乾くのに当然時間がかかるし、においなんかも出るしだけど、こっちならそのあたりはだいぶ解消されるからね。
それに普段から浴室乾燥を使っているとお風呂場のカビ対策にもなるのだ。
電気代はかかるというけど、衣類乾燥機ほどではないのだ。

この浴室乾燥の原理は単純で、温風で温度を上げつつ、換気機能で蒸発した水蒸気を逃がしていく。
天日干しの太陽の熱で温めて、風が洗濯物のまわりの水蒸気を飛ばしていく、というのと同じなんだけど、閉鎖空間というところが大きく違うのだ。
つまり、温度だけ上げても水蒸気が抜けていかなければ湿度が上がっていってだんだん水分が蒸発していかなくなるのだ。
なので喚起するんだけど、換気が強すぎると熱も逃げてしまう。
そのバランスが大事なわけだね。

最近、我が家の浴室乾燥はちょっと能力が落ちている気がするんだよね。
つまり、温風か換気のどっちかがいまいちなんだと思うんだけど、普通に浴室暖房は機能しているようなのだ、おそらく換気が弱っていると思うんだよね。
フィルターが目詰まりしていると換気が弱まるのでそれも疑ったんだけど、そこは大丈夫だった。
ま、経年劣化的なものかもしれないのだけど。
いまはとりあえずタイマーの時間を長めに設定するようにしているのだ。

で、最近さらに便利になってきているのがコインランドリー。
洗濯機も官隙も大型になって、家では洗えない布団や毛布を選択・乾燥できるようになったんだよね。
スマホアプリで空き状況も確認できたりするし。
かなり高機能化しているのだ。
見た目もおしゃれになってきているし、無料WiFiがあるところもあるよね。
これから梅雨時になるとどうしても洗濯物が乾かないので、こういう選択肢を駆使して、洗濯にいそしむ必要があるのだ(笑)

2026/05/23

容赦なく重い

 栃木県で起こった強盗殺人事件が衝撃的だったのだ。
トクリュウ案件なわけだけど、16歳の少年がバールのようなものでめった刺し・・・。
話を聞いていてかんり残虐性が高い事件なんだよね。
で、本来的には「強盗殺人」になると「死刑又は無期拘禁刑」になるのだけど、それが少年法で「割引」されるのか、などが話題になっているわけだよね。
最後は司法で決することだけど、ネットであふれている意見では「悪質なのできちんと報いを受けるべき」という感じで、少年法で保護しても構成できないのであないか、という見方のよう。
それはそれとして、いわゆる少年法によって刑事罰がどうなるか自分でもよくわかっていなかったので、ちょっと調べてみたよ。

まずは刑法で量刑の重さの確認。
刑法上最も重い刑罰になっているのは81条に規定されている「外観誘致」で「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する」なので、死刑しか選択肢がないのだ。
ギルティ=死刑ということだよ。
これに次ぐのが「強盗殺人」なんかも該当する「死刑又は無期拘禁刑」というやつで、死刑にはしないまでも刑務所からは出さない、というもの。
これに該当するのは、77条の内乱罪(首謀者)、126条の汽車転覆等致死(鉄道などを脱線させて人を死なせる)、240条の強盗殺人(強盗致傷なら無期又は六年以上の拘禁刑)、241条の強盗・不同意性交等致死(強盗したうえで暴行もして死なせた場合)の4つのみ。
強盗致死というのはそれほど「悪い犯罪」という扱いなのだ。

刑法第14条の規定で刑の軽減について限度が定められていて、いわゆる情状酌量により刑を減じる場合も「死刑又は無期拘禁刑」の場合は30年の拘禁刑までしか軽減できないよ。
で、その軽減する場合は、「強盗殺人」だったのか、「強盗致死」だったのかが問題になるわけ。
「強盗殺人」と「強盗致死」の違いは、最初から殺意を持って殺そうとしている場合は「強盗殺人」、殺そうとは思っていなくても強盗行為の間にけけがをさせて結果的にその人がなくなった場合が「強盗致死」になるのだ(けがしただけなら「強盗致傷」)。
なので、裁判においては殺してから金品なりを奪おうとしていたのか、金のありかをはかせるために暴力をふるった結果なくなってしまったのか、というところを認定することが必要なんだよね。
さすがにバールでめった刺しっていうのは「殺意がなかった」とは言えないのではないか、ということで、今回は「強盗殺人」だよね、という雰囲気になっているんだよね。

20歳以上の大人だとこれだけなだけど、今回は実行犯1が6歳の少年ということで少年法が入る込んでくるのだ。
すでに成人年齢は18歳になっているけど、少年法でいう少年は「20歳未満のもの」と定義されているんだよね。
それだけだと成人年齢の見直しとずれてきていますので、改正少年法により18歳以上20歳未満は「特定少年」としてまた別の扱いをすることになったのだ。
少年ほどは守られないけど、「更生の余地」という観点で少しだけ20歳以上の人の場合よりは守られる仕組みなのだ。
ただし、「光母子殺人事件」を契機として、刑事責任をどこまで取らせるべきかはずっと議論されてきていて、現在の少年法では、18歳未満の「少年」は死刑はなし、無期拘禁刑も10~20年の拘禁刑にすることができる、という形で「割引」があるんだよね。
ただし、18歳以上の「特定少年」にはこの規定が適用されないので、成年年齢であれば刑事罰はきちんと負わせる、という形になっているよ。

今回は16歳なので死刑判決はないのだけど、刑法どおりの無期拘禁刑になるのか、少年法適用でそれが軽減されるのかがポイント。
少年法での軽減措置は「できる」規定なので、十分に更生の余地あり、将来ある少年に過度の刑を科すべきではない、と認められれば有期の拘禁刑になるわけ。
どうもアルバイト代は10万円だったみたいな報道もあるけど、それくらいの金額で人生を棒に振るような犯罪を犯してしまうんだね。
しかも、あんまりためらいなくやっているみたいだし、どう結論を出すことやら。

2026/05/16

電気のセーフティーネット

 職場で懸念事項が出てきたらしいのだ。
それは、電気代の高騰。
どうも、コンペでいわゆる「新電力」が勝ってそこから電気を買っているみたいなんだけど。
そういう会社って自前の発電所を持っていることは少なく、契約やマーケット(卸電力取引所)で調達してくるので、燃料費高騰の影響をもろに受けるんだよね。
で、総低硫黄の値上げになるかもしれない、ってことで心配し始めたわけ。
そういえば、ちょっと前にも新電力の電気料金が高くなりすぎて、みたいな話があったよね。

戦後の電力供給は地域独占体制だったんだよね。
東京電力とか関西電力とか、供給区域ごとに電力会社(一般電気事業者)がいて、独占的に電気の供給を行っていたのだ。
その代わり、その料金の改定は国の認可が必要な規制料金だったのだ。
今の鉄道事業の料金とかと同じだよ。
で、先に電話(電気通信事業)の方が自由化され、電力も一部自由化、全面自由化と規制緩和されてきたのだ。
今では一般家庭も自由化対象範囲なので、いわゆるむかしながらの電力会社だけでなく、新電力と呼ばれる電気の小売事業者からも買えるようになったんだよね。
最近はポイントプログラムや他のライフラインととのセット割とかでいろんなメニューがあるよね。

で、最初期は大口の顧客(需要家)が自由化対象範囲になったのだ。
具体的に言うと、特別高圧受電(20,000V以上)の人たちで、大規模工場や大型公共施設なんか。
配電設備を介さず、自前で受電設備・変電設備を用意して送電線から直接電気を引き込むのだ。
この自由化の時に導入されたセーフティーネットが最終保障供給(ラストリゾート)という概念。
いわゆうる「電力難民」にならないように、必ずどこかからは電気が買えるようにするための措置だよ。
当時は新規参入者(特定規模電気事業者:PPS)が何らかの事由で電気の救急ができなくなった場合、一時的な話であればまだ規制部門では供給独占が残っていた電力会社がバックアップ電力供給というので補填するとともに、もう電気の供給ができない場合(倒産、事業の撤退など)は電力会社があらかじめ用意する最終保障供給という少し割高の料金プランで契約することになっていたんだ。
国が独占を認めるということは、逆に言うと、正当な理由がなければ供給依頼を断ってはいけないといこと(=供給義務)で、まだ規制部門が残っていたので自由化部門も含めて電力会社に責務を持ってもらっていたのだ。

で、自由化範囲が拡大してくと、ちょっと様相が変わってくるよ。
6,000V以上の受電の高圧受電の場合(大型スーパーや百貨店、小規模工場など)は基本的には特別高圧と同じように最終保障供給という形態になっているのだ。
こういう大口の電気の消費者の場合、しっかり電気の供給力を確保した事業者でないと対応できないんだけど、そういう事業者はどうしても数が限られてくるので、最悪どの新電力も対応できなくなる場合も想定する必要性が大きいから。
なお、これはあくまでも次の契約先が見つかるまでの臨時措置という位置づけなので、数か月から1年以内と契約期間が限定されているよ。
一方で、200V以下の低圧や従量電灯と呼ばれる一般家庭や小規模商店向けの場合、新電力にもともと法律上課せられている救急力確保義務の範囲でなんとかなるはずなので、最終保障供給の対象外になっているんだ。
では、どうするかというと、電気事業法の改正法の附則で「当面の間」の経過措置として用意されている特定小売供給というのを使うのだ。
これは自由化前の規制料金とほぼほぼ同じ料金の作り方で算出するもので、旧規制料金とも呼ばれるよ。
燃料需給制度による料金の上り幅に上限があったりして料金が爆上がりすることがない一方、ポイント還元やガス供給とのセット割とかそういうのはないのだ。
最終保障供給はわざと市場価格に比べて割高に設定することで次の契約先を早く見つけるように誘導しているのだけど、こっちは従前と同様に国の認可を受けた料金なので、割高感はなくて、総括原価方式で、電気供給にかかるコストに効率化係数をかけて利益を定率でのせたものだよ。

で、うちの職場はわりと大口の契約なので、新電力との料金値上げの調整が不調で契約が破棄されてしまったりすると、最悪最終保障供給になるかもしれないんだよね。
ボクは担当じゃないんだけど、電気料金の話が好きなので、ちょっと自分で調べてみたのだ。
でも、あまりにも大幅な値上げだと最終保障供給の方がやすくこともあるみたいだから、しばらくそれで泳いで、次の契約先を見つけるのでもいいような気がしてきたな。

2026/05/09

とうもころしこ

 タコスってはやり始めてる?
テレビでもよく見るようになったし、スーパーにも前はあまり見かけなかったタコスセットが並んでいる。
これから暑くなる季節に向けてはいいよね。
でも、確か米国発のタコスのファストフードはいまいちはやんないんだよな・・・。
かっちかちのハードタコが主体だからかもだけど。

ここで気になっているのが、スーパーなどで売っているタコスの「がわ」はほぼすべえ小麦粉で作られた「フラワー・トルティーヤ」であること。
タコスの「がわ」ってトウモロコシ粉から作るんじゃないの?
って、調べてみたら、もともと中南米で伝統的に食べられていたのはトウモロコシを使った薄焼きパンなんだけど、北米に行っててクス・メクス料理になると小麦粉が使われ始めるみたい。
で、小麦粉で作った「がわ」の方がふわふわで万人受けするので、タコス後進国日本ではほぼそっちしかないみたいだ。
ちなみに、米国のかりっかりのハードタコはトウモロコシを使たもので、これに対比させてソフトタコと呼ばれるようになった時、よりふわふわ感、しっとり感が重要視されるようになったようなのだ。
トウモロコシで作るとごわごわだからね。

日本でのトウモロコシの食べ方の主流はスイートコーンなので、ゆでたり、蒸したり、焼いたりして食べるイメージだけど、これは甘みの多い品種を未成熟のまま収穫したもの。
本来的にはトウモロコシも穀類に分類されるもので、完熟状態ではかっちかちになるのだ。
そう、煎る前にポップコーンのような状態。
で、これを砕いて食べるのだけど・・・。
実はそのまま食べるのだとダメなのだ(>o<)

トウモロコシの実は、でんぷん質が多いだけでなく食物繊維も豊富で、各種ビタミンやミネラルも多い、栄養価の高いものなんだけど、必須アミノ酸のトリプトファンが少ないという欠点があるのだ。
ビタミンB3であるナイアシンはトリプトファンから作られるので、そのままだとビタミンB3欠乏症=ペラグラという重症の皮膚炎になってしまうのだ。
なので、中南米では伝統的にトウモロコシ粉を石灰水などでアルカリ処理し、リシンやトリプトファンといった必須アミノ酸の吸収をしやすくなる加工(ニシュタマリゼーション)をしていたんだって。
アルカリ性環境下で粒のまま煮て、そのまま冷ましてから煮汁を捨てるんだって。
これも生活の知恵だね。
最初にスペインが欧州にトウモロコシを持ち帰ったとき、これを知らなかったのでペラグラが広まったそうだよ。
通常の食物ではトリプトファンが少ないということはあまりないから、最初はなんだかわからなかっただろうね・・・。
ちなみに、ナイアシンが豊富な食べ物はカツオ、サバ、ブリ、イワシ、マグロ、鶏ささみ、レバー、豆類らしいから、これらと一緒ならトウモロコシをそのまま食べ続けても大丈夫な、はず。

で、このアルカリ処理にはトリプトファンの吸収をよくする以外にも効能があって、小麦よりさらに硬いトウモロコシが軟質化し、かつ、粘りも出てくるんだって。
これにより、生地を薄く広げて焼くトルティーヤが作れるようになるのだ。
逆に、アルカリ処理をしない場合はぼそぼそでそのままではトルティーヤにできないので、「つなぎ」で小麦粉を入れるらしいよ。
二八そばみたいなものだね。
で、トウモロコシ粉もそのものは白い粉なんだけど、アルカリ処理して焼くからうっすら黄色くなるのだ。
これは中華麺がかん水の作用で黄色くなるのと同じ。
ちなみに、あらかじめアルカリ処理したトウモロコシ粉も売っているとのことなので、家庭で水に溶いて焼くだけにできるよ。

で、この薄焼きパンがなぜトルティーヤなのか?
もともとトルティージャ(スペイン語読み)はスペイン風の丸いオムレツ。
それに形が似ているからそう呼ぶというのだけど・・・
月とすっぽんみたいな話だ(笑)

2026/05/02

おこめパワー

 江戸末期から明治くらいにかけての白黒写真っておもしろいよね。
新選組副長の土方歳三がめちゃくちゃ男前だったり。
芸者さん(花魁?)の写真を見ても今に通じるような美人がいるのだ。
で、そんな中で特に目を引くのが、飛脚や大工などの体を使う人たちの体つき。
背は高くなさそうだけど、ものすっごくマッチョなのだ。
筋肉隆々で、ふんどし一丁だったりするので、そのままボディビル大会みたい(笑)
でも、江戸時代って肉はほとんど食べないし、魚もたまに食べる程度、とにかくお米をひたすら食べているイメージがあるんだけど・・・。

調べてみると、現代人と比べてしっかりタンパク質は獲れていたようなのだ。
江戸時代の人たちは1日平均で3~5合のお米を食べていて(塩辛いおかzで大量のごはんを食べるスタイル)、白米を食べていた江戸市中で見ても、お米からのタンパク質だけでけっこうあるのだ。
炊きあがった白米100gあたりに含まれるたんぱく質は2.8gくらい。
1合は炊き上がりで330gになるから、28~46gくらい。
それに大豆加工品(みそ、しょうゆ、豆腐、納豆などなど)を加えると、下手な現代人よりきちんととれている計算になるよね。
農村部だと玄米になって、さらに「かて飯」と言って麦や豆などを一緒に炊き込むのだけど、その場合はもう少しタンパク質量が増えるのだ。
百姓仕事もほぼほぼ人力でやっていたから、そちらもかなりのマッチョだったわけだ。

加えて、このころは油は貴重なものだし、とにかく体を動かしてカロリーも消費しているので、一般にはあまり脂肪はついていないのだ。
むしろ、太っているのはお金持ちの証拠、みたいな。
なので、余計に筋肉が浮き出るわけだよね。
ナチュラルに生活しているだけで、筋トレして、糖質とタンパク質をたっぷりとって、脂肪は少なめで、とボディビルダーのような感じなのだ。
そりゃあマッチョになるか。

地域の米の生産力を表す単位が「石高」だけど、1石は10斗=100升=1,000合で、人が1年で消費する米の量というイメージなのだ。
この計算の場合、1日3合計算で360日分として1,080合ということだよ。
加賀100万石というのは、100万人分の年間米消費量を生産できるという意味。
当時は貨幣機材も進んでいるけど、米本位の経済なので大事な指標なのだ。
ただし、実質石高と名目石高というのがあって、実際には米以外の農作物(=そばや麦など)もあるので、実質的な食料生産能力はより大きくなる場合うもあるし、気候や水利の関係で水田の広さに比べて米の収量が低いところもあって生産力が実はそんなに高くない場合もあるんだよね。
そういうのが実質石高というもの。
でも、大名・旗本としての役割を振られるときはあくまでも名目石高で課されるので、余裕でこなせるところと、赤を出しながらなんとかやるところと地域差があったようなのだ。

この「石高」というのは基本は取りに連動していて、拝領地の生産力を表すもの。
そうではなくて、俸禄として米の現物支給を受けている場合(御家人など)は、別の指標で給与を表していたんだよね。
それが「〇俵〇人扶持」というもの。
時代劇に出てくる町方の同心とか与力はまさにそういう給与形態なのだ。
「俵」は字のとおり「たわら」なんだけど、これもやはり1年間に一人の人間が消費する米の量を表しているのだ。
各藩で換算は違うようだけど、幕府の場合、御天領は「四公六民」なので、1石当たり4斗の税収(年貢米)があり、それを精米すると3斗5升になって、それが蔵米(税収として入ってきた現物の米)の1俵になるんだって。
一人扶持というのはこの蔵米5俵のことなので、知行地としては5石に相当するのだ。
全体を換算すると、知行取り100石=蔵米100俵=現米35石=20人扶持=35両ということだよ。
最初に出てくる「石」は生産力の方の単位の「石」で3つ目に出てくる「石」は単純に米の量の単位の「石」(「合」の千倍)というのがややこしいのだ。
給与として支払われる方は現物換算なんだよね。

これで単純に計算すると、将軍直轄の天領は約400万石なので、80万人扶持ということになるよね。
実際には御家人は2万人弱で、知行地を渡している旗本はこれとは別に300万石ほどの石高を持っていたんだよね。
そうすると、78万人扶持=78万両くらいの規模が江戸幕府の裁量経費として使えることになるけど、1両は10万円くらいの価値だから、780億円ほどということかな。
国家財政規模としてはかなりこころもとないけど、各藩は独自に地方自治をしていたし、大規模な土木工事などは大名に普請させていたりしていたわけだからこんなものなんだろうか?