2017/04/15

おフランスのかほり

フランスでは香味野菜のエシャロットがよく使われるのだ。
炒めると独特のよい香りがするんだよね。
おろしてソースに加えることもあるみたい。
で、せっかくフランスにいるので、自分でも料理に使ってみようとスーパーで探したんだけど・・・。
いまいちよくわからない!
でも、これには理由があったのだ。

日本で「エシャロット」と言うと、居酒屋などで出てくる、味噌をつけてかりっとかじったりする値の部分が少し丸くなったネギを想像するよね。
なので、それっぽいものを探していたのだ。
でも、本物のエシャロットは、少しほっそりした小ぶりのタマネギといった形状。
てっきり「ペコロス」だと思っていたんだけど、これがエシャロットだったのだ。
タマネギと同じ茶色く固い皮に覆われていて、鱗茎は少し紫色になっているのだ。
ちょうど海外産のタマネギと同じような色で、まさにそれが小ぶりになった感じ。
炒めると、タマネギとニンニクの中間のような香りが出るんだって。

なぜボクが誤解していたのか。
それは、日本では、柔らかいうちに若摘みした「根らっきょう」が「エシャロット」と呼ばれることがあるから。
「根らっきょう」だと売れなさそうなので、「エシャロット」とおしゃれな名前をつけて売り出したのが始まり。
でも、フランスの香味野菜の「エシャロット」とまぎらわしいので、「エシャレット」と改められたらしいんだよね。
ところが、改名したのに似たような名前にしてしまったので、混乱が残ってしまったようなのだ。

フランスで言うエシャロットが日本の一般の市場にはほとんど出回らないこともあり、「エシャレット」が「エシャロット」として売られていることも多いんだよね・・・。
でも、最近になって、おしゃれな料理のレシピなんかに「エシャロット」が出てくるようになったので、エシャロットとエシャレットは違うもの、ということが様々な場面で言及されるようになったんだ。
農林水産省にはQ&Aページもあるよ。
ちなみに、まぎらわしいということで、フランスではただの「エシャロット」なのに、日本ではわざわざ「ベルギー・エシャロット」と呼ばれることもあるんだって。

もともとタマネギの仲間は中央アジアや中東の原産の植物で、エシャロットは十字軍が欧州に持ち帰ったものと考えられているんだ。
エシャロットの名前自体も、イスラエル南部のアシュケロンという都市の名前に由来しているんだって。
なので、フランス料理によく使われる食材ではあるんだけど、イランや南アジアでもよく食べられている野菜ということなのだ。
ケバブの付け合わせにされたり、インドネシアのチリソースの一種であるサンバルソースに使われるということだけど、やっぱりその香りを楽しむ野菜なんだね。
中国本土や台湾でも使われるみたいなんだけど、朝鮮半島を通って日本までは来なかったんだね。
仏教の影響で香りの強い野菜は敬遠されたからかな?
でも、中国原産のらっきょうは普通に伝わっているんだよね。
不思議。

現在日本で入手できるエシャロットはほとんど輸入物。
ベルギーやオランダからのものが多いみたい。
それで「ベルギー・エシャロット」なのかな?
もともとタマネギの中まで冷暗所に保存すれば長期保存が可能なので、通年で輸入が行われているようだよ。
ただし、まだまだ一般のスーパーで見かけることは少なくて、ちょっとおしゃれな高級スーパーに行かないと手に入らないことが多いけどね。
なので、やっぱりフランスにいるうちに食べておくべきなのだ(笑)

2017/04/08

振ればとろり

日本では生クリームは小型の紙パックに入れて売られていることが多いけど、フランスではプラスチックボトルに入れられているのだ。
そこで、半分ほどまで減ったところで一生懸命ボトルをシェイクしたら、わりと簡単にホイップクリームになったんだよね。
はじめのうちはしゃばしゃばいっているんだけど、あるとき中身が固まって振った感じが変わるのだ。
中で粘性の高いものがごてっと動く感じ。
で、開けてみると、なかなかのホイップクリームができていたよ♪

ホイップクリームは、生クリームや植物性油脂を使ったクリームを空気と混ぜ合わせ、小さな泡をたくさん作ることで食感をなめらかにしたもの。
流動性も低くなって、とろっとした状態から形状が維持できるくらいのかたさになるのだ。
でも、これは液中に固形状の乳脂肪分があるからで、温めてしまうと乳脂肪が融けてしまい、泡構造が崩れてとろっとしたクリームにもどってしまうのだ。
ウィンナーコーヒーやカフェ・モカで生クリームを熱いコーヒーの上に載せると徐々に融けていくのはこのためだよ。
逆に、ホイップするときは、乳脂肪が融けないように、十分に冷やした状態でやるとうまくいくのだ。
お菓子作りで生クリームを冷やしながら攪拌するのはこのためだよ。

でも、かき混ぜすぎも厳禁!
あまりかき混ぜすぎると、乳脂肪が大きな塊になって分離してしまうのだ。
つまり、フレッシュバターとバターミルクに分かれてしまうよ。
こうなるともうもとには戻せないので、ホイップクリームとしてはあきらめるしかないのだ・・・。
ハンドミキサーなんかで攪拌している場合は、表面がざらついてきたら危ない証拠だって。
手でシェイクしている場合は、振り続けていると、液体状のものと固形のものが分かれるのが手に伝わる感覚でわかるよ。
どて、びしゃ、みたいな。
ただ、こうするにはかなり振らなくてはいけなくて、バターを作るのにそこまで振るのは大変だったので、むかしの手作りバターはちょっと原乳を発酵させて乳脂肪が分離しやすいようにしていたんだよね。

日本の規格(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、いわゆる「乳等省令」)では、「クリーム」は、生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」とされているんだ。
っていうか、乳脂肪だけを取り出した、とは言えないのは、本当に乳脂肪だけ取り出しちゃうと純粋な油脂になってしまって、いわゆるクリーム状のものではなくなってしまうからかな?
なので、食品として売られている生クリームで「クリーム」と種別が書いてあるものは、100%牛乳由来。
逆に、植物性油脂などが混ざると「乳又は乳製品を主要原料とする食品」となるんだって。
種類もいくつかあって、乳化剤や安定剤を入れたものは純乳脂肪タイプで、これはスプレー式のホイップクリームなどだよ。
植物性油脂が添加されたものは「コンパウンドタイプ」で、乳脂肪だけのクリームに比べると少しあっさりしているのだ。
さらに、植物性油脂のみのものは「植物性油脂タイプ」で、これは長い消費期限のコーヒークリーム(いわゆる「コーヒーフレッシュ」などに使われるものだよ。
乳っぽいのにくさらないのはそのためなのだ!

100%の牛乳由来の生クリームも乳脂肪の含量で分けられていて、乳脂肪が18~30%と少なめなのがライトクリーム。
コーヒーに浮かべるクリームなどに使われるのだ。
30~48%のものが「ヘビークリーム」で、これはホイップしてお菓子などに使われるんだ。
スコーンなんかにつける「クロテッドクリーム」はさらに乳脂肪が多いもので、55%だって!
バターもたっぷりで、乳脂肪もたっぷりで、さらに甘いジャムをたっぷりつけたりして、スコーンはめちゃくちゃカロリーが高い食べ物なのだ(>_<)

ちなみに、生クリームを軽く発酵させてさわやかな酸味を持たせたものがサワークリーム。
乳酸発酵なので、乳脂肪はそのままで、乳糖が乳酸になるのだ。
脂肪分が多いものが酸味でさわやかになるとは危険な食品だ・・・。
でも、通常のサワークリームの乳脂肪分は16~21%ということなので、ライトクリームの部類だね。
最近では、生クリームと牛乳を混ぜたものを発酵させて作る低脂肪サワークリーム(サワークリームとヨーグルトのミックスみたいなもの?)や、無脂肪サワークリーム(ゼラチンや増粘多糖類でとろみをつけるみたい)なんてものあるんだって。
っていうか、無脂肪サワークリームって無脂肪ヨーグルトだよね?
ちなみに、サワークリームをシェイクしまくれば、発酵バターが分離してくるのだ。
なので、むかしはバターを作る途中過程でサワークリームができていたんだよ。

2017/04/01

煎れば煎るほど

フランスでカフェで言うと普通にエスプレッソが出てくるんだよね。
でも、日本で「フレンチロースト」と言えば深煎りのコーヒー。
なので、最初はフランス式のコーヒーはカフェオレなんかに合う深煎りのコーヒーだと思っていたのだ。
本当の最初の最初はそうだったのかもしれないけどね。
で、この「ロースト」の種類が気になったので、少し調べてみたのだ。

一般的には、ローストには8段階が設定されていて、浅煎りから深煎りにかけて、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンとなっているんだ。
イタリアンは通常エスプレッソに使う真っ黒になるくらいまで焙煎されたもの。
表面に油脂が浮き出てちょっと黒光りもしているのだ。
フレンチは深煎りで焦げ茶色。
浅煎りの方のシナモンは、名前の通りシナモンスティックのような淡い茶色だよ。
もともとコーヒーの生豆はピーナッツのような色で、焙煎度合いが進むと茶色が濃くなっていくんだよね。

コーヒー豆の焙煎が、外から熱をかけてあげてコーヒー豆の中に含まれている成分に熱的な化学変化を起こさせることなのだ。
そのまま火にかける直火や、熱風を当てる方法、遠赤外線を当てる方法などなど、いろんな方法があるよ。
だいたい200度くらいになるまで熱するのが普通で、焙煎の浅い・深いは熱をかけている時間の差なのだ。
もちろん、時間をかけて焙煎すれば中までしっかり熱が伝わるし、時間が短ければ表面近くだけが熱変化を起こすわけ。
焦げ臭くならないように均一に熱をかけるのがコツなんだよね。

熱をかけた後の変化としては、水分が少なくなるのは当然として、大きな変化は色がつくこと。
これは生豆に含まれている糖類やアミノ酸が化学反応を起こし、カラメル化、メイラード反応、ポリフェノールの生成などが起きて、いずれにしても、茶色の成分ができてくるわけ。
これがコーヒーの色の正体だよ。
このとき同時に、アロマ成分なんかでも出てくるのだ。
実は、生豆は少し甘みがあるんだけど、これは糖類があるためで、この糖類が化学変化をするので、焙煎度合いが高くなると甘みはなくなっていって、カラメルやポリフェノールの苦みに変わってくるのだ。
また、熱変化によって酸性の物質が最初は増えてくるので、焙煎するほど酸味が増してくるんだけど、その後徐々に酸味成分は減っていくようなのだ。
最初は甘みがなくなっていて酸味が増すので余計に酸っぱく感じるし、後半は酸性の物質が減っていって苦みも出てくるので、酸っぱく感じなくなるんだ。
なので、中程度の焙煎がもっと酸っぱいと感じるわけ。

さらに、カフェインは揮発性成分でもあるので、長い時間かけて焙煎すると飛んでしまうのだ。
なので、色は濃くて苦くても、フレンチやイタリアンなどの深煎りローストの豆はカフェインが少なめなんだ。
エスプレッソはカフェイン含有量が低いというのはそういう理由があるわけ。
特保でもおなじみにクロロゲン酸(糖吸収を抑制する効果があると言われている。)も、熱で加水分解してコーヒー酸とキナ酸というものに変わってしまうんだって。
ただし、分解するとかえって香りの強い成分になるので、深煎りの方が深アロマがあると言われているひとつの要因なのだ。

もちろん、もともとのコーヒー豆の種類で味はだいぶ異なるんだけど、焙煎の違いでも風味がかなり変化してくるのだ。
自分の好きなコーヒーの味がわかっていれば、どのあたりの焙煎度合いがちょうどいいかがわかるよね。
そういうのを気にしていれば、おいしいコーヒーに出会えるかも。

2017/03/25

フランス人の大好物はイタリア仕込み

フランスと言えばジャムがおいしいことで有名!
いろんな果物のいろんなジャムがあるのだ。
日本で輸入物を買うと高いけど、現地で買えばそこまででもないんだよね。
なので、日本では買えないような高級品にも手が出てしまう・・・。
ところが、そんなジャムがアルというのに、フランス人がよくパンやクレープにつけるのはヌテラだったりするんだよね(笑)

ヌテラは、イタリアのフェレロ社が販売している、チョコレート風味のスプレッド。
ヘーゼルナッツペーストに砂糖、ココア、脱脂粉乳などを加えたもの。
常温では固まってしまうカカオバターの代わりにヘーゼルナッツ由来の常温で液体の植物性油が入っているので、常温では固まらず、パンなどにぬるスプレッドにできるのだ。
チョコレート風味のピーナッツバターみたいなものだよね。
なぜかこれが人気で、カフェなんかでもヌテラを使ったデザートがけっこうあるよ。
特に、ヌテラをぬったクレープは定番みたい。

ヌテラを使ったお菓子もあって、ヌテラ味のクッキーとか(チョコレートがけクッキーのチョコ部分がヌテラ)、「やんやんつけ棒」のようにヌテラにスティック状ビスケットをつけるものも。
そして、ホテルの朝食では、当たり前のように、一人用使い切りのヌテラがあるのだ。
ジャムと同じように並んでいるよ。
米国だとピーナッツバターがあったから、扱いがおなじなんだなぁ。

ヌテラの英語サイトによれば、1946年に、イタリアのピエモンテ州でペーストリー職人だったピエトロ・フェレロさんが作り出したもの。
当時は第二次大戦後でココアが非常に貴重品で配給が少なかったので、その貴重な少量のココアにたくさんとれるヘーゼルナッツのペーストと砂糖をまぜ、バターのような固形のカカオ風味ペーストを作ったのがはじまりとのこと。
これはジャンドゥーヤと呼ばれるもので、1951年には、クリーム状になったパンにぬりやすいタイプができがったんだ。
これはスーパー・クレマ・ジャンドゥーヤで、瓶詰めされて販売されるように。
1964年に名前がヌテラになり、1965年にドイツで発売されたのを皮切りに、1966年には欧州中に広がったんだって。

日本でも見かけないことはないけど、そこまでメジャーじゃないよね。
なので、フランスでそこら中で見かけるのがおどろきだったのだ。
スーパーには様々な大きさの便があるからね。
とうてい食べきれないほどの大容量のものも・・・。
ほぼ毎日のように使う家庭もあるのかなぁ?

このヌテラを作っているフェレロ社は、最近はコンビニやドラッグストアでもよく見かけるようになった、フェレロ・ロシェを作っている会社でもあるんだ。
中にヘーゼルナッツクリームが入っているまるいチョコレートだよ。
ボクは洋酒漬けのさくらんぼがチョコレートで包まれているモン・シェリの方が好きだけど。
そして、チョコレートでできた卵のからの中におまけが入っているキンダー・サプライズ(チョコエッグ)もフェレロ社のものだって!
ヌテラ以外は日本にも浸透してきているなぁ。

実はなかなかすごい会社なんだね。
チョコレート風味スプレッドでここまで会社を大きくするとは。
でも、それだけヌテラが欧州で愛されているということなんだよね。
その浸透度合いにもまたびっくりだ。

2017/03/18

ドーバーをくぐる

三連休になったので、それを利用してちょっと旅行することにしたのだ。
行き先は、いろいろ考えた上でロンドン。
パリからだとユーロスターで行けるしね。
というわけで、生まれて初めてドーバー海峡を渡ることになったのだ。

ユーロスターは欧州の高速鉄道のひとつで、1994年に開業。
当時は大きな話題になったよね。
今ではロンドン-パリ間を催促2時間15分で結んでいるのだ(最高時速300km)。
東京からだと京都まで、というところ。
そう考えるとなんだか納得だなぁ(笑)
ユーロスターはクラスが3つあって、ビジネス、スタンダード・プレミア、スタンダードとあるんだけど、ビジネスならホットミールが、スタンダード・プレミアならコールドミールが提供されるんだ。
このあたりのサービスは飛航空便を意識しているのかな?
最新の列車だと社内でWiFiも使えるようだし、快適な旅になりそうだ♪

ユーロスターの開業に当たってはドーバー海峡の海底トンネルがみそなわけだけど、なんと、その構想は18世紀までさかのぼれるみたい。
すでにそのときに海底にトンネルを掘って大陸とグレートブリテン島を結ぶアイデアがあったのだ!
1855年のパリ万博には、海峡トンネルの模型まであったらしいよ。
で、トンネル掘削会社まで作って掘り始めたんだけど・・・。
建設中止。
きっと土木技術が追いつかなかったのだ。

戦後になって、1978年に再度掘削が開始されたんだけど、やっぱり注視。
そして、1986年に再び工事に着工し、1990年にトンネルがやっと貫通したのだ。
構想から230年あまり。
いかに大変な土木事業だったかがわかるよね。
で、この工事には、日本の企業も活躍しているのだ。
川崎重工製と三菱重工の掘削機が活躍したんだよ。
特に、フランス側からの掘削に使われた川崎重工の掘削機は難工事をこなしたということで、NHKのプロジェクトXにも取り上げられたんだよね。

海底トンネルというとまっすぐ作られているようにも思えるけど、実際にはけっこうくねくねしているのだ。
岩盤の関係で必ずしもまっすぐは掘れないんだろうね。
掘削には、TBM工法とシールド工法が試用され、円盤形の歯のついたシールドで丸く削りながら進めていくタイプのものなのだ。
これをイギリス側(フォークストン)からとフランス側(カレー)からで掘り進めていってつなげたんだよね。
海底部の総距離では37.9kmと青函トンネルを抜く世界一のものなので、まさに世紀の大工事だったのだ(陸上部を含めると世界第3位)。

だけど、大工事であるが故に工費は当初計画の6倍にものぼったとか。
さらに、想定よりも乗客も少なかったため、多大な負債になったみたいだよ・・・。
ユーロトンネル会社が管理運営を行っているんだけど、トンネル使用料収入だけじゃ赤字で、2006年にはいったん経営破綻したみたい。
ただし、最近ではユーロスターの旅客数も増えてきていて、挽回してきているみたい。
でも、こういう話を聞くと、日本の三セクと変わらないんだなぁ、と正直思ってしまうね(笑)

ちなみに、ユーロスターは最高時速が300kmだけど、トンネル内は160kmに抑えないといけないみたい。
これはトンネルの問題じゃなくて、トンネルの陸上部でより遅い(時速140km程度)貨物列車や車運搬用のシャトル列車とのすれ違いがあるためらしいけど。
海底部トンネル内は、列車用の単線トンネルが2本とその真ん中にサービス用トンネルがある構造なので、本来はトンネル内でのすれ違いは気にする必要はないんだよね。
確かにトンネル内で複線だと、すれ違うときの風圧が問題になるのでだめだけど。

とにもかくにも、乗るのが楽しみだ。
青函トンネルは北斗星で通ったことがあるんだけど、それとの違いが気になるところだね。
これは鉄ちゃんじゃなくてもわくわくするのだ。

2017/03/11

生搾りリンゴ

フランスに来てからよく見かけるようになったのが、リンゴのお酒のシードル。
ビールとともに、アルコール度数の低いお酒としてかなりメジャーな存在なのだ!
それに、ガレットを食べるときにはつきものなんだよね。
どちらもブルターニュの名産。
フランスではかつて水事情がよくなく、生水が飲めなかったので、アルコール度数の低いシードルは飲料として重要だったみたい。
アルコールに比較的弱い日本人にはなかなか理解しづらいけど(笑)

このシードル、製法はいたって簡単なのだ。
リンゴを皮ごとつぶして果汁を搾り、発酵させる。
これだけ。
リンゴの皮には天然でアルコール発酵を行う酵母がついているので、皮ごと果汁を搾ればいいんだって。
ただし、日本のように湿度が高いと、他の雑菌が繁殖する可能性があるので、そうは簡単にいかないけど。
それでも、それに気をつければ、家庭でも作れるものみたい。
実際、英や仏ではかつて家庭で作っていたみたいだし。
ただし、日本の場合は酒税法の関係で勝手にお酒を醸造しちゃいけないので、注意が必要だよ(アルコール度数が1%未満に抑えられればいいみたいだけど、市販のシードルは4~5%くらいみたい。)。

シードルの材料となるリンゴはそれ用のもので、しかも、甘みが強いもの、酸味が強いもの、少し渋みがあるものなどいろいろと種類があるみたい。
単純な製法なので、材料となるリンゴによりかなり風味が変わるようなのだ。
それと、発酵期間を調節することで、アルコール度数が比較的低くて甘めなもの、とか、アルコール度数が高くて辛口のもの、などなど種類も豊富なんだって。
フランスに来るまでそこまでバラエティがあるとは知らなかった・・・。

工業的な製法としては、生搾り果汁をそのまま発酵させるんじゃなくて、果汁を濾過したりして濁りを除いた後、人工的に酵母を加えて低温で発酵させるんだって。
発酵が終わった後に遠心分離・濾過して澱を取り除き、瓶詰めするのだ。
いわゆる「火入れ」はせずに発酵を熱で止めないので、瓶の中でも多少は発酵が進んで、発泡性のお酒になるよ。
シャンパンなどのスパークリングワインは、まずはベースとなるワインを作ってから、それに糖分と酵母を加えて二次発酵させ、同じように瓶詰めするのだ。
なのでアルコール度数が高いんだけど、シードルの場合は果汁を発酵させるだけなので、そこまでのアルコール度数にはならないのだ。

日本で本格的に発泡性リンゴ酒のシードルが作られ始めたのは戦後のようなんだけど、実は、戦前にニッカウヰスキーがアップルワインという名称でリンゴ酒を製造していたのだ。
朝の連続ドラマ「マッサン」で有名になったけど、もともと余市にウイスキー工場を作ったとき、ウイスキー製造には数年の時間がかかるので、まずはリンゴジュースの製造・販売から始めたんだよね。
そのリンゴ果汁を使って、非発泡性の醸造酒を造ったのだ。
そう言えば、ドラマにもアップルワインが出てきたような・・・。
今でもニッカのシードルは日本で売られているけど、これは戦後にアサヒ飲料が始めたシードルをニッカが引き継ぐ形で作っているものみたい。

シードルはアルコール度数が低いのだけど、これを蒸留してアルコール度数を高くしたのがカルヴァドス。
ただし、カルヴァドスはシャンパン同様に原産地呼称規制(AOC)の対象で、ノルマンディー産リンゴを基にしたもの以外はアップルブランデーと呼ぶんだそうだよ。
カルヴァドスを作るときには、いろんな風味のシードルを混ぜて作ることが大事なんだそうだよ。
さらに、リンゴだけでなく、洋なしが原料に使われることもあるそうなのだ。
このブレンドで蒸留酒になった後の風味がかなり変わるようなのだ。
これには熟練の技と知識が必要とされるみたい。
日本ではどちらかという製菓用のお酒のイメージなので、そこまでこだわりがあるとは思わなかったよ。

2017/03/04

乾杯とは杯を乾かすと書く

この前、中国の人と中華レストランで会食をしたんだよね。
その場で出てきたお酒が、中国の蒸留酒の「白酒(バイジュウ)」。
アルコール度数がめちゃくちゃ高くて、そのとき出てきたやつは52度だって!
いわゆる「スピリット」と呼ばれるお酒だよね・・・。
中国酒だと、紹興酒に代表される「黄酒(ホァンチュ)」が有名だけど、これは透明で香り高いお酒なんだ。

紹興酒などは日本酒と同じように、お米を原料にして、麹と酵母で並行複発酵させて作るんだけど(麹がデンプンを糖に変え、それを酵母がアルコール発酵させる。)、原料はモロコシ(コーリャン)。
蒸したモロコシに大麦や小麦、エンドウなどで作った麹の塊をまぜ、土の中に埋めて発酵させるんだそうだよ。
日本ではなかなか考えられない作り方だ・・・。
この麹の塊の中にはアルコール発酵を行う酵母も混ざっていて、塊のまま発酵していくんだって。
どろどろのもろみを造る日本酒や焼酎とはだいぶ様相が異なるのだ。
この塊を蒸留し、得た液体を瓶に入れて長期間熟成すると、「白酒」になるんだけど、仕上がりはだいたいアルコール度数は50度くらい。
芳香成分を多く含み、独特の香りがあるのだ。
ちなみに、蒸溜した後に残る「酒粕」は豚のえさにするんだって。

中国の宴席での乾杯にはこの白酒を使うのが通常で、小さなグラスにそそぎ、文字どおり「乾杯」するのだ。
なんか、日本の体育会系計の飲み会みたい・・・。
ボクも最初の一杯はつきあったけど、アルコール度数が50度もあるとのどが焼けるようだから、これはなかなかつらいよ。
中国は日本よりもお酒が強い人が多いんだね。
というより、アジア地域でここまでアルコール度数が高い蒸留酒は白酒くらいなんだよね。
泡盛だと最高で60度くらいあるけど、多くのものはブランデーとかウイスキーと同じらいで、白酒はウォッカとかジン並の高さ。
中にはスピリタスのような96度なんていうほぼエタノールというのもあるから、世の中は広いよ(笑)

でも、20世紀末くらいからアルコール度数の低い白酒も出回り始めているんだって。
今は40度くらいの低度酒が主流になりつつあるとか。
それでも十分にアルコール度数は高いと思うけど。
嗜好の変化だけでなく、海上輸送の制限とかいろいろあるんだって。
確か、その会食の時は、中国の人が持ち込んでいたよ(笑)
そこまでしなくていいのに。
それにしても、それをストレートで飲むんだから、中国はやっぱりあなどれない!

ちなみに、蒸留酒自体は古代メソポタミアや古代エジプトにもすでにあったことが知られているという歴史のあるもの。
今のような蒸留方式が確立されたのは錬金術の時代なんだとか。
中国での蒸留酒作りがいつ始まったのかはよくわかっていないみたいなんだけど、中世欧州で確立された技術が東南アジア経由で伝わったのでは、と考えられているらしいよ。
とはいえ、古代社会にもあったから、もっと単純なものはシルクロードで伝わっていたかもしれないけどね。