2017/11/04

オトナ用の白い粉

大人用の粉ミルクがはやっているんだそうだよ。
赤ちゃんの完全栄養食なので、きっと栄養満点で体にいいだろうと段階の世代で粉ミルクを摂取する人が増えてきて、そこに目をつけたメーカーが改めて大人用のものを発売し始めたみたい。
団塊の世代だと、ララ物資の苦い思い出があるので脱脂粉乳を嫌うんだけど、それ以降の世代だとそういうこともないみたい。
むしろ、赤ちゃんが飲んでも大丈夫なものだと安心と感じているらしいのだ。

ところが、乳幼児用の粉ミルクは、赤ちゃんにとっては完全栄養食になっているんだけど、大人に対しては必ずしもそうではないんだよね。
例えば、赤ちゃんはミルクしか飲まないので、乳脂肪分が多く、カロリーが高くなるようになっているのだ。
必要な栄養素も赤ちゃんと大人では違うので、そのまま飲めばいいってものじゃないみたい。
さらに、牛乳だとおなかがゆるくなるから、と粉ミルクにする人がいるみたいんだけど、乳幼児用粉ミルクには乳糖がたっぷりと入っているので、乳糖不耐症の人がそのまま飲むとやはりおなかがゆるくなるのだ・・・。

なので、現在市販されている大人用の粉ミルクは、成分調整がしてあって、ビタミンが多く入っていたり、高齢者向けにはカルシウムが多く入っていたりと、製品ごとに特徴があるみたい。
よく成分表示を見て、自分にとってはどれがいいかを選ぶ必要があるようだよ。
中には脂肪が多かったりするのもあるから、注意しないといけないんだよね。
とりあえず、乳幼児用をそのまま使うのはダメだというのは基本なんだけど。

そして、もっと一般的な注意点として、粉ミルクはできるだけ水道水を使うのがよいようなのだ!
というのも、水道水のミネラル分を踏まえて成分調整されているので、ミネラル・ウォーターをへたに使うとミネラル分が多すぎたりする可能性があるんだって!
特に欧州系の硬水には要注意だね。
そして、赤ちゃんにあげるときも、よく人肌に冷ますと言うけど、70度の高温のお湯で溶かす必要があるみたい。
一昔前は、もっと低い温度、40~60度で溶かすこととされていたようなんだけど、粉ミルクにどうしてもコンタミしてしまう雑菌が繁殖するおそれがあるので、雑菌が死滅する70度にして、それを冷ます必要があるのだとか。
世界保健機関(WHO)からもそう推奨されているんだそうだよ。
ほ乳瓶の殺菌も大事だけど、ミルクの調整温度にも気をつけないといけないのだ・・・。
ま、大人が使う場合はそこまで神経質にならなくても大丈夫かもしれないけどね。

もともと粉ミルクは、生乳のままでは保存性が低く、かつ、液体でかさばるので、保存性が高く、容易に移送できるもの、として発達してきたのだ。
ほ乳類であれば、どの動物も母乳で育つのが基本なので、栄養に富んでいるのは確かなんだよね。
でも、腐敗も早いので、古来より、バターやチーズ、乳酒などの各種加工品が作られてきたのだ。
その中でも、最も保存性が高く、移送が容易なのが粉ミルクだよ。
しかも、水分がほとんどないので、乾燥した状態であれば、雑菌の繁殖の可能性も低いのだ。
戦後日本にララ物資で脱脂粉乳が大量に持ち込まれたのも、運ぶのが容易で栄養が豊富だからなんだよ。

工業的には、殺菌、均一化(ホモジナイズ=乳脂肪の粒の大きさをそろえる)をしてから、濃縮し、その濃縮した乳を噴霧しながら乾燥させるのだ。
そうすると、パウダー状の顆粒ができるんだよ。
そのままだと水に溶けづらい場合があるので、ほんの少しだけ湿り気を与えて、乾燥直後の粉末を顆粒状にすることもあるのだ。
殺菌する前に乳脂肪を取り除いているのが脱脂粉乳。
濃縮・噴霧乾燥する前に、乳糖を除いたり、逆にビタミンやミネラルなどの栄養素を足したりして成分調整も行われるのだ。

つまり、この過程で赤ちゃん用と大人用がわかれるんだね。
でも、足すものが変わるだけだから、実は大人用粉ミルクの製造ラインを作るのはそんなに大変じゃないのかも。
だからこそいろんな会社が乗り出してきているのかもね。
少子化だし、次のターゲットは大人だ!

2017/10/28

赤い香辛料

先日、ハンガリー料理を食べる機会があったのだ。
ちゃんとしたレストランじゃなくて、レセプションに並んでいた料理なんだけど。
でも、どの料理もみんな赤いような・・・。
それもそのはずで、ハンガリー料理の特徴は、香辛料のパプリカを多用することなんだって!

日本ではパプリカというと大きくて肉厚のピーマンを思い浮かべるけど、その野菜のパプリカと、香辛料に使うパプリカは別なんだとか。
もう少し小さいもので、鮮やかな赤い色をしているものを、乾燥させ、粉末にしているようなのだ。
日本ではパプリカ・パウダーというとまったく辛みがないけど、いろんな料理に多用するハンガリーにおいては、少し絡みのあるパプリカも存在するみたい。
日本で言うシシトウみたいな?

ちなみに、野菜のパプリカも、香辛料のパプリカも、ハンガリーで品種改良されたものなんだそうだよ。
スペインが新大陸から持ち帰った唐辛子やピーマンを改良したのだ。
「パプリカ」というのもハンガリー語から来ているんだって!
知らなかった。
ハンガリーの研究者により、パプリカには大量のビタミンCが含まれていることが発見され、そのビタミンCを抽出した功績でハンガリーの研究者、セント=ジェルジ・アルベルト博士が医学・生理学賞を受賞しているのだ。
そこかたパプリカ人気が高まって、料理にも積極的に取り入れられるようになったとか。

ハンガリーの名物というと、パプリカの入ったシチューのグヤーシュ。
でも、ハンガリーでは味噌汁のような扱いで、他国のシチューと違ってメインという位置づけにはないみたい。
でも、毎日のように飲むスープがもうパプリカ入りなんだよね。
どれだけ好きなんだか。

パプリカの色素は主にカプサンチンと呼ばれるエステル(脂肪酸とアルコールが脱水結合したもの)。
これは油によく溶ける性質があるので、パプリカを使う場合は、油があると色が鮮やかになるのだ。
また、この色素は熱に安定なので、焼いたり煮たりしても大丈夫。
天然色素だし、赤やオレンジは食品に彩りを与えるから、けっこう添加物としても使われているよ。
ソーセージとかハムとかの加工肉も赤みを増すために入れたりするのだ。
風味も加わるし、その方がおいしく見えるからね。

新大陸の野菜が食文化に深く食い込んでいるのは、イタリアやスペインのトマト、イギリスやドイツのジャガイモなんかが有名だけど、パプリカも中欧にはけっこう食い込んでいるんだねぇ。
中欧の料理はあまり食べる機会がないので気づかなかったよ。
他にも探してみると、もっとおもしろい発見があるかも。
それにしても、中世のころのこのあたりの人たちは一体何を食べていたんだろう?
きっと色味も風味もよくないものだったから、パプリカがはやったんだろうね。

2017/10/21

フライには・・・

先輩がパリに出張に来ていたので、一緒にカフェレストランで食事をしたんだよね。
で、まったくフレンチじゃないんだけど、ついつい気になっていた「フィッシュ&チップス」を頼んでしまったのだ(笑)
フランスのやつはフライドポテトとタルタルソースがおいしいから!
実際、イギリスのより洗練されている気がする。
この白身魚のフライには、レモン汁や酢、タルタルソースが合うよね。
でも、どうしても、日本式のソースも恋しくなるのだ。

米国にいたときは、スター・ソースという揚げ物用のソースがあって、見た目は日本のウスターソースそのものなんだけど、ものすごく酸っぱい!
欧米ではフライは酸味で食べるみたい。
日本式のちょっと甘めのソースがいいんだよなぁ。
もちろん、自宅でフライの時は中濃ソースさ。

いわゆる「ソース」の発祥はイギリスのウスター・シャー。
19世紀初頭に、とありう主婦が、食材のあまりと調味料を一緒に入れて保存していたら、ソースが出来ていたんだって。
って、どれだけ保存していたんだろう・・・。
現代の冷蔵庫の奥地にあるミイラ食品のようだね・・・。
それはそれとして、工業的に作られ始めたのは19世紀前半。
インドのソースの作り方が伝えられ、イギリス式に改良して、ちょっとスパイスのきいた黒いソースが作られるようになったのだ。
これがウスターソースのはじめ。

イギリスのウスターソースのレシピでは、モルトビネガーに漬けて発酵させたタマネギ、ニンニクに、タマリンド、アンチョビなどを加え、そこに各種香辛料を入れたもの。
日本ではアンチョビは入れず、スパイスも抑えめ。
イギリスのソースはフライにどばどばかけるものではなくて、シチューやスープに数滴垂らして隠し味に使うものだとか。
コクを加えるということかな。

日本にこのウスターソースが伝わったのは明治になってから。
当初は受け入れられなかったものの、日本人の舌に合わせたものが開発され、徐々に広まっていったみたい。
戦後になると、粘度を高めてとろっとさせた「とんかうソース」が出回るようになり、定番になっていくのだ。
中濃ソースはウスターソースととんかつソースの間で、どちらにもいける、ということで更に後になって開発されたみたい。
俗に、東日本ではブルドックの中濃ソースが好まれ、西日本では、カゴメやイカリのとんかつソースが好まれると言われているのだ。
もちろん、広島はオタフクソースじゃけん!

現在では、日本農林規格(JAS)で分類がきちんとされていて、粘度が0.2パスカル秒未満のものがウスターソース、0.2~1.9パスカル秒の間のものが中濃ソース、2.0パスカル秒以上のものが濃厚ソースとなっているんだ。
濃厚ソースというのがいわゆるとんかつソースだよ。
デンプンを加えて粘度を高めているのだ。
このほか、個別にお好み焼きソース、焼きそばソース、たこ焼きソース、どろソースなど用途別のソースが生み出されたそうだよ。

しかしながら、歴史を見ると、世界的にも出てきたのはほんと200年ほど前で、それがけこうすぐに日本にも来ているんだね。
でも、一般家庭に常備されるようになるのは戦後からというのもまたおどろきなのだ。
当初は洋食屋さんのものということだったのかな?
今ではソース味のものは「和」という感じだけどね。

2017/10/14

混ぜるな、危険?

この前はじめて知ったんだけど、コンビニやスーパのレシートでもらう感熱紙は、リサイクルに回しちゃいけないんだって。
古紙回収の注意書きにも、感熱紙やのりのついた紙、防水加工された紙(紙皿、紙コップなど)、印画紙などなどは、「禁忌品」とされているのだ。
普通にもらったレシートは紙の資源ゴミに混ぜていたんだけど、実は混ぜちゃいけなかったのだ!
普通に燃えるゴミにしないといけないみたい。

感熱紙は、印刷面に特殊な物質が塗布してあって、独特の光沢をもっているのだ。
熱をかけたところだけ変色して、それが字として浮き上がるようになっているんだよね。
インクカートリッジやトナーがいらないので、印刷機が小型化できるのだ。
スーパーのレジでいちいちインクの交換とかは大変だよね。
感熱紙ならロールだけを交換すればよいのだ。
また、熱源だけなので、インク詰まりとかそういうトラブルも少ないよ。

表面に塗布された物質の熱による発色を使っている関係で、長期間保存すると劣化してきて、使えなくなるのだ。
基本的には冷暗所で保管し、消費期限内に使わないとダメみたい。
劣化したものは黄ばんでくるみたいだよ。
そして、感熱紙の印字は、時間が経つと薄れてきたり、全体が黒くなってきたりして、不鮮明になるのだ。
財布にレシートをためる人なら、古くなって何が書いてあるかわからなくなった、黄ばんだレシートを見たことがあるはず(笑)

かつては、ファックスやワープロによく使われていたんだよね。
やっぱりインクやトナーを使うと小型化できないから。
でも、印刷した紙の耐久度の問題もあるし、最近は小型のプリンタも技術的に可能になったので、減ってきているみたい。
見たらもうその場ですぐ捨てるような用途のものであればよいのだけど、長期間保存しておくための印刷には向かないんだよね・・・。
所得税の確定申告にはレシートを貼り付ける必要があるけど、あれはせいぜい2年持てばよいから。

感熱紙に印字を行うプリンタは、熱源を使うプリンタということでサーマルプリンタと呼ばれるのだ。
一方で、インクリボンを使用して、熱をかけてそのインクリボンの塗料を紙に転写する熱転写プリンタもサーマルプリンタに分類されるんだって。
ようは、熱を使って印字するプリンタということなのだ。
ちなみに、感熱紙プリンタは、熱源があるヘッドを直接紙に当てるので、ダイレクト・サーマルプリンタという言い方もするらしいよ。
簡単な形状で小型軽量化しやすく、コストも安いので、レジスターみたいな機械に向いているんだよね。

感熱紙って何かにイメージが似ているな、と思っていたんだけど、これって「あぶり出し」なんだよね。
紙にミカンの汁で絵や文字を書いて乾かした後、火であぶって熱を加えると茶色い絵や文字が浮かび上がってくるのだ。
まさに、熱で発色しているわけ。
紙の全面にミカンの汁を塗っておいて、温めた金属の棒で絵や文字を書けば、感熱紙と同じ原理なのだ(笑)
ミカンの汁を塗ったところは、何も塗っていないところに比べて発火点が低くなるので、より低い温度で焦げるんだって。
なので、何も塗っていないところは焦げず、塗ったところだけ焦げるような熱をかけてやると、あぶり出しになるのだ。
もともと感熱紙プリンタは米国で開発されたみたいだけど、日本にも同じような原理は庶民の遊びの中にあったわけだね。

2017/10/07

冷やして、固めて、電子で見る

今年もノーベル賞の季節がやってきたのだ。
残念ながら、自然科学三賞については日本人受賞者なし。
ま、毎年出るというものじゃないからしかたないけどね。
でも、やっぱり日本人がイルかもしれないと注目しちゃうよね。
で、今年の自然科学三賞のうち、ボクが気になったのは、ノーベル化学賞の「極低温電子顕微鏡法による液中の生体分子の高解像度構造決定法の開発」というもの。
物理学賞のLIGOによる重力波の間出というのは難しすぎるからね(笑)

この方法の画期的な点は、電子顕微鏡により、液中のタンパク質などの生体高分子の構造決定ができるようになったこと。
電子顕微鏡でのタンパク質の構造決定はむかしから行われていたんだけど、伝統的な方法だと、いったんタンパク質を結晶化させないとダメだったのだ。
なので、どうやって安定的な結晶を作るかが大きな課題だったんだよね。
その際、膜貫通型受容体については、生体膜の構成成分であるリン脂質と一緒に結晶化させるという方法が生み出され、その高次構造が分析されるようになったりしたのだ。
でもでも、やっぱりリジッドに固まった状態のタンパク質の構造決定しかできなかったんだよね。

一方で、実際の酵素や受容体などのタンパク質は、水溶液中でその機能を発揮しているのだ。
つまり、溶液中でどういう構造をしているのか、その構造がどのように機能に関係しているのか、が知りたいわけ。
そこで、核磁気共鳴法(NMR)を使った解析法なんかも出てきたんだけど、NMRだと、あまりに大きな分子量のものは解析できないんだよね。
情報量が多すぎて処理できず、高次構造が決定できないのだ。
なので、タンパク質の一部分だけを取り出して構造を見るとか、そういうやり方をしていたのだ。

そこで出てきたのが、極低温電子顕微鏡法という手法。
平たく言うと、液中のタンパク質を、液体ヘリウムや液体窒素で凍らせ、固めてしまって、それを極低温環境下で電子ビームを当てて解析するというもの。
透過型電子顕微鏡と同じように、試料に電子ビームを当てて、その影(射影)を見ているのだ。
そのままだ二次元情報なんだけど、角度・方向を変えて像をとり、それをまとめてコンピュータで処理してあげると三次元情報が復元できるのだ。
もちろん、その復元にもものすごいコツがあるみたいだけどね。
こうして、氷の中で、そのタンパク質がどういう立体構造をしているのかがわかるようになったわけ。

この方法のすごいところは、液中であってもリジッドな構造体の部分と、液中ではフレキシブルに動いていて、おそらく機能に関係していると思われるところが分けて見られるということ。
可動部分はぶれて見えるので、そこがまさに目をつけるべきところということになるのだ。
コンピュータによる解析は必須だし、直接見られるわけではないんだけど、かなり光学顕微鏡に近い感覚でタンパク質などの生体高分子の観察ができるようになったんだよ。
グラフィックスで三次元モデルが作れて、それを動かしたりもできるしね。
タンパク質の機能に関係している部分を研究することは、病気の解明や薬の開発に直結しているので、非常に重要な成果なのだ。

ただし、この方法だと、立体的な輪郭はわかるんだけど、どのアミノ酸残基がどういうように相互作用して・・・、という情報までは当然得られないんだよね。
立体的な形がわかるのみ。
なので、伝統的な結晶化による構造決定も必要で、例えば、突然変異である特定のアミノ酸残基が変わったときにそのタンパク質にどういう影響があるか、というような研究をしようと思ったら、まず立体的な構造が維持されているのか、変な形になってしまうのかを観察した上で、実際に分子レベルでどういうことが起こって形状が変わってしまうのか、といったことを突き詰めていく必要があるわけだよね。
そうなると、両方の解析法が必要になるので、これができたから従来の解析方法に取って代わる、というものでもないんだ。

それにしても、技術の進歩はすごいよね。
見えなかったものを可視化し、検知できなかったものをとらえられるようにし、それで更に謎が深まっていくのだ(笑)
人類の知的好奇心ていうのは果てしがないのかも。
ま、ここから先はないよ、というのも夢がないけどね。

2017/09/30

国外にも清き一票

衆議院が解散したのだ。
ということは選挙。
ボクは「在外選挙人名簿」に登録をすませてあるので、今回の選挙は投票できるんだ!
というわけで、在外選挙の制度について調べてみたよ。

「在外選挙」はその名のとおり、日本国外に在住している人が選挙に参加できる制度。
平成10年の公職選挙法改正により、翌平成11年5月の国政選挙から適用されたのだ。
意外とまだ新しい制度なんだね。
当初は、在外選挙では比例代表制にしか投票できなかったのだけど、訴訟が起こってこれが違憲だと判決が出たので、平成19年から選挙区にも投票できるようになったんだ。
ということは、東京にいたときと同じように投票できるのか。
ちなみに、憲法改正のための国民投票にも参加できるんだけど、通常総選挙と同時に行われる最高裁の裁判官国民審査には在外選挙制度は適用されないんだって。
これは、公職選挙法の改正と同時期に「日本国憲法の改正手続に関する法律」ができていて、あらかじめ「織り込み済み」にできていたからで、一方、国民審査の根拠法令の「最高裁判所裁判官国民審査法」はあわせて改正がされなかったからみたい。

在外選挙人名簿に登録するには、選挙権を有する日本国籍の18歳以上の国民で、現在の居住地である国外の国・地域に3ヶ月以上住んでいることが条件。
通常は、国内で直前まで住んでいた住所に基づいて、該当する市区町村の選挙管理委員会に登録をするのだ。
なので、割り当てられる選挙区は、その住所に従うよ。
東京23区内はけっこうひとつの区でも選挙区が分かれていら大変そう・・・。
ちなみに、海外で生まれた場合や、所定期間以前に住民票登録が抹消されている場合はそれができないので、在外選挙人名簿への申請時に記載されている本籍地の選挙管理委員会になるんだって。
本籍地って住んだことがないような場合もあるけど、それで選挙区投票するのはなんか変な感じ。

在外選挙人名簿への登録は、在外公館、つまり、大使館や領事館を通じて行うのだ。
在外公館から該当の選挙管理委員会に書類を送って、そこで手続をして、在外選挙人証というのが送り返されるんだ。
でも、当然のことながら、往復で海外との紙のやりとりになるので、通常は2ヶ月くらいかかるよ。
全部デジタル化して、在外選挙認証も在外公館で印刷できるようになればもっと早くなるとは思うけど、設備の導入とか、「公印」の問題とかを考えるとむずかしいかもね。
なので、在外公館によっては、在留届という当該国・地域に在住することになりました、という届け出と同時に申請できることもあるのだ。
で、3ヶ月経ったところで登録が正式に決まるというわけ。
在外公館がすぐ近くにない場合なんかは便利なサービスだよね。

実際の投票は、在外公館における直接投票か、郵送による投票になるそうだよ。
直接投票の場合、在外公館に投票所が設置されるんだけど、基本的には国内で行われている「期日前投票」と同じような感じだとか。
また、選挙当日には投票できず、その前までに投票しなくてはならないみたい。
これは、選挙当日の投票締切までに投票用紙が該当の選挙管理委員会に必着でなければいけないためで、送るのに時間がかかるところほど締切が早くなるみたいだよ。
郵送の場合は、投票を希望する人が、該当する市区町村の選挙管理委員会に在外選挙認証を同封して郵送で選挙用紙を請求するんだとか。
で、返送されてきた投票用紙に記入して、投票締切までに必着するようにまたその投票用紙を郵送。
これってなんだかめんどくさい手続だなぁ・・・。

何はともあれ、選挙になったのだ。
ボクの場合は在外公館が遠くはないから、直接投票かな。
それにしても、選挙公報とかってネットでも見られるのかな?

2017/09/23

何石器

この前、たまたま飲み会の席で、考古学の話題になったのだ。
確か、箸墓古墳が発掘調査できれば歴史の教科書が変わるとかなんとか、そんな話題。
ちょうど次の世界遺産候補として「百舌鳥・古市古墳群」が推薦されることになったしね。
あの中には、鍵穴型=前方後円墳の仁徳天皇陵が含まれているのだ!
でも、あそこが本当に仁徳天皇の陵墓かどうかは実は定かじゃなくて、大山(だいせん)古墳とか、伝・仁徳天皇陵とか呼ばれていたような・・・。

で、そんなこんなで歴史の話になったんだけど、やっぱり覚えていないものだよね。
そんなとき、ふと頭に思い浮かんだのが、「旧石器時代」というターム。
そこでどうしても気になったのが、「旧石器」と「新石器」って何が違うんだっけ?、ということ。
忘れないうちに調べてみたよ。

まず最初に、石器時代、青銅器時代、鉄器時代という区分はわかりやすいよね。
どんな素材の道具を使っていたかで分けているのだ。
でも、よくよく見てみると、石器の作り方には技術的な変遷があったのだ!
そこで出てきた概念が、「旧石器」と「新石器」だよ。
最初に19世紀に英国の考古学者が石器時代を二つに分けることを提唱し、ここに新旧の別が生まれたんだ。

旧石器とは、打製石器、すなわち、石を砕いて作られた石器で、黒曜石のような薄い板状に割れる性質の硬い石で作られたんだ。
この頃はまだ絶滅したような動物種がいた時代で、地質時代で言うと氷河時代の洪積世(更新世)のころだって。
約1万年前くらいまでだから、マンモスや巨大ナマケモノのメガテイルムがいた時代かな?
一方、新石器は、石を砕いた後にさらに磨きをかけることで鋭く、なめらかにした石器のこと。
よく博物館とかで見る黒曜石の石ナイフとか石鏃(やじり)なんかはこれだよ。
磨製石器が出ることはもう現生動物種の時代で、間氷期になった沖積世(完新世)。
ちなみに、現代も沖積世だよ。

この古典的な時代区分をもとに調べてみると、おおよそ新石器に移行するくらいのタイミングで農耕や牧畜が始まったことが確認されたんだって。
生活・文化的な区分としてもちょうどよくて、狩猟生活の旧石器時代、定住・農耕生活の新石器時代というように使われるようになったんだ。
ところが、こういうのは調べれば調べるほど例外が出てくるもの・・・。
日本でも縄文時代にすでに稲作が始まっていたことがわかったけど、旧石器時代の終わり頃に農業が始まっていたり、新石器時代になっても農業や畜産が始まっていなかったりというのが出てきたのだ。
そこで、過渡期としての「中石器時代」というのも提唱されているみたい。

旧石器時代は、人類(ヒト科)の種別でさらに前期・中期・後期に分けられていて、前期旧石器時代はホモ・エレクトスや北京原人、ジャワ原人が活躍(?)した時代。
現生人類のホモ・サピエンスやネアンデルタール人は出始めくらいだって。
火や言語の使用が始まった頃と考えられているよ。
ここで動物であるサルと人類が分かれるのだ。
中期石器時代は原人類が絶滅し始め、ネアンデルタール人が活躍した時代。
死者への畏敬の念が生まれ、埋葬が始まった頃と考えられているのだ。
時代的には氷河期の真っ最中で、動物・植物は少なく、かなり過酷な時代だったみたい。
後期石器時代は現生人類の時代。
ネアンデルタール人が絶滅し、ヒト科はホモ・サピエンスだけになるのだ。
衣服や装身具などが使われ始め、洞窟の壁画などが登場する頃だよ。
だいぶ複雑な思考ができるようになってきていて、呪術のような行為も発生が認められているみたい。
でもでも、こうしてみると、旧石器時代ってまだ原人とかの時代なんだね・・・。
それにびっくり。

後期石器時代を過ぎると、気候も穏やかになり、農業ができるようになるのだ。
それでさらに文化が発達するわけだね。
中石器時代が入ったり、入らなかったりするけど、新規石器時代は四大文明が出てきた時代でもあるよ。
土器も作られるようになるし、食糧生産能力も上がり、貯蔵や交易(物々交換)ができるようになるので、だんだんと社会が複雑化してくる頃なのだ。
集団の中でそれぞれの役割が出てきて、リーダー的な存在の人が治めるようになって、と社会が組織がされていくのだ。
でも、それったたかだか6~8千年前。
後期石器時代でも1万年以上前だから、その後はかなり加速度的に文明が発達していくことになるのだ・・・。