2015/06/27

煙にダマされるな!

そろそろ蚊を見かけるようになってきたのだ。
うっとうしいよね。
職場は高層階なんだけど、エレベーターに乗ってやってくることもあるのだ。
で、虫除けのぶら下げるやつなんかを下げている人も。
でもでも、一番効果があるのは蚊取り線香なんだって。
電気蚊取りとかいろいろあるけど、持続性・拡散性に優れているそうなのだ。
熱帯地域でマラリア蚊を防ぐのにも蚊取り線香と蚊帳が一番いいらしいよ。

蚊取り線香と言えば「金鳥」が有名だけど、会社名はずばり「大日本除虫菊」なのだ!
当初の蚊取り線香はまさにこの除虫菊を乾燥して粉末にしたものが練り込んであったので、この名前なんだとか。
7割方花が開いたところで花を摘み取り、陰干しでよく乾燥してから臼でひいて粉にし、デンプンなどと混ぜて形にしていたんだ。
渦巻き状なのは、夜寝ている間中効果を持たせるため、7時間くらい燃焼させる必要があったため。
直線上だと長さがかせげないので、渦巻き状にしたのだ。
今では型抜きなので、円いシートから重なり合った渦巻き2つを切り抜くんだ。
今でも蚊取り線香を買うと2つの渦巻きがくっついた形で入っていて、切り離して使うよね。

もともと除虫菊は地中海地方のセルビア原産で、日本には観賞用として明治期に入ってきたもの。
生花の状態でも虫除け効果はあることが知られていて、大日本除虫菊の創業者の上山栄一郎氏がその乾燥粉末を使って作ったのが始まり。
最初は、伝統的な蚊遣火と同じように、モグサのようにおがくずと除虫菊の乾燥粉末を混ぜたものを火鉢で燃やすことを考えたみたいなんだけど、蚊のよく出る夏に火鉢を使うのもあれなので、線香に練り込んでみたんだそうだよ。
線香は火をつけてからふっと消して上げるとくすぶりながら比較的長時間燃え続けるのでいけるとおもったみたい。
でも、棒状だと燃焼時間がそんなに長くないし、倒れて火災の原因になるおそれもあって、先に触れた横置きの渦巻き型になって普及するのだ。
これはすごい工夫だよね。

この蚊取り線香、煙の中に虫除け成分があるように思えるけど、実はそうではないんだって。
煙は煙で、虫除け成分はその手前から見えない状態で拡散しているのだ。
もともと揮発性成分なので、燃焼点手前の高温になったところで揮発していっているみたい。
これはちょっとおどろきだよね。
なので、蚊取り線香の煙を集めても意味がないんだよ!
煙の流れでどっちの方向に拡散しているかの見当はつくけどね。

そう考えると、リキッドタイプとか、蚊取りマットとかでは煙が出ていないのに効果があるのもうなづけるよね。
蚊遣火だった時代はまさに煙で蚊を追い払っていたわけだけど、現代は虫除け成分を拡散すればよくて、それは煙と関係ないので、熱して揮発させてあげればよいのだ。
なので、煙の少ない蚊取り線香なんてのもあるみたい。
煙がないと風情がなくなるような気もするけど。

ちなみに、現在は実際に除虫菊を乾燥・粉末化したものを使っているのではなく、化学的に合成した類似物質を混ぜ込んでいるんだって。
戦前は瀬戸内地方が除虫菊の一大生産地で、花が咲く初夏にもなるときれいな白い花であふれていたそうだよ。
もともと観賞用で入ってきただけあって、花もきれいなのだ♪
今でも広島の因島には観光用の花畑があるみたい。
たぶん、この花畑なら蚊に刺されないんだよね(笑)

2015/06/20

すーすー系

職場の新人君が、ときどきオリジナルドリンクを持ってくるのだ。
中身は、レモンスライスとミントを水に入れたもの。
ほのかな酸味とミントの風味でさっぱりするんだって。
近頃の若者はしゃれおつなものを飲むんだねぇ、と関心。

ミントの葉には揮発性油のメントールが多量に含まれていて、そのすーすーする感じが爽快感や清涼感を与えるのだ。
それで食べ物・飲み物に入れられたり、シャンプーや歯磨き粉に使われたりするのだ。
この精油成分の了でミントは大きく2つに分かれるんだって。
すなわち、ペパーミントとスペアミント。
そういえば、アイスやガムのフレーバーでペパーミントだったり、スペアミントだったりするけど、そういうことだったのか!

ペパーミントはメントールが多めで香りも強いのだ。
なので、生のままの葉っぱを飾りに使うというよりも、精油成分を水蒸気蒸留で抽出して、香料として使うことが多いみたい。
例えば、アイスやガム、キャンディーなど。
我が国のハッカ油なんかに使われるニホンハッカもこのペパーミントの一種。
ちなみに、水蒸気蒸留をするときは、釜の中に隙間なくミントの葉っぱを充填して、そこに高圧水蒸気を吹き込むことで抽出する方法。
ミントの「フィルター」をくぐった水蒸気を冷却すると、水の上に少し精油成分が浮いていて、それを集めるのだ。

スペアミントはメントールは少なめだけど、代わりにカルボンという甘い香り成分を持つのだ。
こっちはすーすー感もマイルドで、甘い香りもあるので、生のままの葉っぱを使うこともあるのだ。
こじゃれたお菓子についてくるミントの葉っぱはたいていこっちだよ。
もちろん、精油成分を抽出して使うこともあって、甘い香りのもとのカルボンも精油に含まれるので、そこにペパーミントとはまた違った需要があるのだ。
ガムの中でもすーすー感が弱いのはスペアミント系であることが多いよ。
ボクはあんまりすーすーするのが好きではないので、スペアミントの方がよいのだ。
ただし、葉っぱのまま飾るのはスペアミントの方がよいわけだけど、モヒートのようなカクテルに使うにはそれだとミント感が弱いので、ペパーミントが基本みたい。
もちろん、モヒートにはそれこそ無数にレシピがあるので、あまり清涼感が出すぎないようにスペアミントを使う場合もあるんだけど。

このミント、繁殖力が強いことでも知られているのだ。
ミントは水さえあればすぐに種が発芽し、なおかつ、地下茎で栄養繁殖もするので、一度生えると他の植物を押しのけてはびこってしまうのだ・・・。
下手に家庭菜園で植えると、他のハーブを全て押さえ込んでミントだけになってしまうので、個別に育てないと大変なことになるんだって。
匿名掲示板でも、「いやがらせ」として大事に育てている花壇にミントを混ぜるというのがあるけど、植物テロになるくらいの破壊力なのだ。
しかも、ミントに含まれるメントールには防虫効果もあるので、虫にも強く、仮に虫がついても地上部を切り取ってしまえばまたすぐに地下茎から新しい芽が出てくるんだって。
ハーブとして使い道はあるけど、そこらの雑草よりはるかに生命力旺盛なので注意が必要だよ。

2015/06/13

ダメ!ゼッタイ!!

厚生労働省が「改めて」豚レバーの生食を禁止して話題になっているけど、正直「えっ!?」って思ったんだよね。
だって、もともと豚肉は生食しないでしょ。
豚肉を食べるときはよく加熱して、っていうのは一般常識だよね。
飲食店が赤みが残るレアな状態で豚肉料理を出したらそれこそ問題になると思うけど・・・。
でも、どうも世間一般では、「レバー」は別扱いみたい(>o<)
特に牛のレバーの生食ができなくなってから需要が高まっていた(?)ようなので、駆け込み需要とか、嘆く声とか、よくわからないものが報道されているのだ。

豚肉(イノシシ肉)は古くから食肉として扱われてきていて、日本でも弥生時代の遺跡からイノシシと骨とおぼしきものが出土したりしているらしいのだ。
その後仏教政策で肉食が禁止されるので、しばらく豚肉食習慣は表に出てこなかったんだけど、江戸時代にはももんじ屋などで他の獣肉とともにイノシシが食されていたのだ。
全国的に広まったのは明治維新以降で、牛肉よりくせがなく、安価なことから、関東では「肉」と言えば一義的に豚肉を指すまでに広まっているのだ。

でも、この現代の豚肉食習慣では加熱調理が必須とされているよね。
これはブタが保有している病原体の関係なのだ。
トキソプラズマのような原虫もあるんだけど、特に問題と考えられているのはE型肝炎。
これはウイルス性肝炎を引き起こすもので、シカやトナカイの肉も同様なので、必ず加熱して食べる必要があるんだ。
また、屠畜流通段階で食中毒原因菌汚染の可能性も指摘されているのだ。
もともとは生食が可能とされている牛肉と違って、加熱調理を前提としている豚肉の場合は諸中毒原因菌フリーで流通させる仕組みがないのだ。

市場には特定病原菌に感染していない「SPFポーク」というのもあるけど、これは、日本SPFブタ境界が規制している5つの病気(マイコプラズマ肺炎、トキソプラズマ感染症、萎縮性鼻炎、豚赤痢 、オーエスキー病/ブタヘルペス)に感染していないということなので、E型肝炎は別なのだ。
なおかつ、流通経路としては一般の豚肉と基本は同じなので、食中毒のリスクは変わらないんだよね。
特に今般の生肉食規制は、O157をはじめとする食中毒病原菌汚染から来ているので、SPFポークだからいいということにはならないんだよね。
そして、E型肝炎のリスクがある以上、牛の生レバーよりたちが悪いのだ(>o<)

最近はSPFポークだからと、たたきにしたり、レアな焼き加減で出したりするような飲食店もあるようだけど、実はリスクは残っているんだね。
「SPF」という言葉を過信してはいけないということなのだ。
きっと生レバーとか、レアな豚肉にはそれなりの魅力があるんだろうけど、それこそ伝統的に豚肉を加熱しておいしく食べる調理法は山ほどあるわけで、正直リスクを冒してまで生食する必要はないんじゃないかと思うんだよね。
それもこれも全部承知で、オウンリスクで食べるんだというのなら仕方がないのかもしれないけど、あまりリスクを認識していないままに食べているのだけはやめた方がよいのだ。

ちなみに、実は豚肉の脂肪は馬肉と同じくらい融点が低いので、いわゆる「口の中でとろける」食感があるはずなんだよね。
牛刺しよりも馬刺しがメジャーなのは脂肪の融点の低さのおかげで、ちょうど体温で脂肪が融けるので口当たりがよいのだ。
牛肉の場合は若干融点が高いので、多少温めた状態がおいしく感じるんだよね。
その点しゃぶしゃぶはよい調理法ということになるのだ。
豚肉も性質的にはそうなんだけど、生食はやめた方がよいので、これが生かし切れていないのか、残念だなぁ、と思っていたら、そうでもないみたい。

そう、ハムやソーセージなどの加工食品にしたときに真価が発揮されるのだ!
ハムやソーセージは、塩蔵、乾燥、燻蒸などで加工しているわけだけど、これらは温めずに食べてもけっこうおいしいのだ!
特に生ハムなんかはそうだよね。
牛肉の生ハムがないのはもともと生で食べられるから、という以上に、脂肪の融点の関係で口の中でとろけないからなのだ!
むしろビーフジャーキーにしてしまうわけ。
なので、何も生食せずとも、生ハムという形で豚肉の底力は感じることができるのだ。

2015/06/06

金はカジノの回りもの

国会議員の間で統合型リゾート(IR)に関する議論が行われているのだ。
できれば2020年の東京五輪に間に合わせて、外国人観光客を呼び込んで、お金を落としていってもらいたいんだよね。
一方で、国内にそういう施設ができると治安が悪くなるとか、ギャンブルに入れ込みすぎて破滅する人が出てくるとかの負の側面も指摘されていて、全体としてはイケイケ派と慎重派が主張をぶつけ合っているんだよね。
確かに、おとなり韓国のカジノは原則外国人のみを対象としていたんだけど、一部で韓国人に開放したら、身を崩す人が続出したという悪事例もよく紹介されているのだ・・・。

で、テレビでその話を見ていたとき、ある慎重派の人が言ったことが気になったのだ。
それは、「カジノは所詮プレーヤーの金を集めて再配分しているだけで、そこからは胴元の取り分が引かれるんだから期待値としては損をするだけ」という話。
カジノと言われると胴元とプレーヤーの勝負のような気もするんだけど、どうなんだろう?
というわけで、少し調べてみたのだ。

このような主張がもっともよく当てはまるのは、国内でも認められている公営ギャンブル(競馬、競輪、競艇、オートレース)や宝くじ・totoくじ。
これは投票券・くじの売り上げをプールし、そこから胴元の取り分を引いたものを再配分するのだ。
これを控除率と言っていて、宝くじやサッカーくじではだいたい50%、公営ギャンブルでは25%くらいなのだ。
これらの場合はあらかじめ胴元の取り分をさっ引いて再配分するので、胴元は確実にもうけられるのだ。
逆に言うと、競馬の場合は馬券の総売上の25%は日本中央競馬会又は地方公共団体の収益になるのだ。
ただし、実際には事業実施コストも発生しているので、まるまるもうけというわけではないよ。
宝くじの場合は半分は収益になるんだけど、そのうちの一部は公益的な事業に使われることになっているんだよね。
最近では復興宝くじがまさにそうだけど、街中でも公園の遊具やベンチに宝くじの収益で買ったものだ、なんて書いてあるよね。

これこそが公的に認められた賭博である所以で、社会福祉の向上に資するから例外的に賭博行為が認められるし、その胴元は当然のことながら悪い儲け方をしない公的な主体に限られることとなるのだ!
日本でもむかしから富くじやら勧進相撲というのがあったけど、それと同じなんだよね。
寺社の建て替えや改修の費用を捻出するのにギャンブルの売り上げを利用するものだったわけだけど、それと同じようなものだよね。
江戸時代も勝手に富くじをするのはやはり禁止されていたのだ!

逆に、胴元の側も少しリスクを負うものがあるんだよね。
それがポーカーやパチンコ、丁半ばくちなど。
基本的には賭場への参加料として寺銭やらハウスエッジというものを胴元にとられるので、その分は確実に胴元のもうけになるんだけど、それ以外は原則としては偶然性に左右されるので、プレーヤーが勝ち続けて胴元が損することもあり得るんだよね。
でも、実際はそんなに損をしないからこそカジノや賭場の胴元は成り立つのだ。
何もいかさまをしているわけじゃないよ。

というのも、大勢の人が何度も何度もギャンブルに興じる場合、それこそ無限回に近い回数で行われることになるのだ。
すると、確率・統計論的には「大数の法則」が働いて、当たりの目もはずれの目も出る確率は限りなく期待値に近づいていくんだよね。
ルーレットの赤黒で言えば、多く回せば回すほど、赤と黒の出る確率は1/2に近づいていくんだ。
このため、適切に倍率が設定されている限りは、胴元が大きな損をする確率はゼロに近づくわけ。
とにかく数をこなすことが重要で、そのために海外のカジノでは太い客に特典をつけて、ホテルに無料で泊まれたり、レストランで無料に食事できたりするよう便宜を図ることもあるみたい。

さらに、カジノのギャンブルでも、ルーレットは先に紹介した公営ギャンブルや宝くじに近いところがあるのだ。
ルーレットでは、盤が赤と黒に分けて1~36の数字がふってあって、どの数字のタマが落ちるかを賭けるわけ。
で、一点がけなら36倍、赤黒なら2倍とかけ方によって倍率が変わっていて、これは当たる確率の逆数に設定されているのだ。
ところが、実はルーレットには0や00といった数字もあって、この場合は胴元の総取りなんだよね。
なので、本当は1/36で当たるんじゃなくて、1/38で当たるのだ。
この差の分だけ胴元が有利だし、プレーヤーが得られる報酬の期待値は下がっているというわけ。
プレーヤーから参加費用をとらずとも、ルーレットに参加してもらえれば胴元はもうけることが可能なんだ。

パチンコやスロットマシーンの場合は、そもそも当たりの出る確率を調節できるんだよね。
いわゆる「出玉調整」というやつ。
でも、あんまり当たらないとやる人がいなくなるので、適度にしておくことが大事なんだけど。
よくあるのは、大当たりは多少でやすくするけど、小当たりを抑えるというもの。
人間は不思議なもので、ちょろちょろ小当たりで稼ぐより、一発逆転の大当たりにかけたいものなのだ。
パチンコなんかはあまりにも射幸心を煽らないように、一定の制限があるみたいだけどね。
とは言え、これも確率の世界の話なので、やっぱり数をこなすことが重要で、まずはプレーヤーに魅力的に映るような設定が必要なのだ。

というわけで、調べてみると確かに期待値だけで見るとプレーヤーが損しているだけなんだよね。
胴元の取り分を除いて少なくなった分を取り合っているのだ・・・。
なんか、そう考えると悲しいね。
ま、ボクはもともとあんまりギャンブルには興味ないけど。

2015/05/30

今から年末を見越して緊急輸入

今年度も昨年度に引き続いてバターの緊急輸入が決まったのだ!
去年なんかはスーパーでバターの品切れが続出したよね。
今年も品薄状態が続いていたようだけど、いよいよクリスマスの大規模需要に向けてかなりの不足が出そうなので、農林水産省が緊急輸入を決めたようなのだ。
って、なんでそんなことになるのか、ちょっと調べてみたよ。

乳製品の中でも貯蔵性の高いバターと脱脂粉乳が対象なんだけど、国内の酪農を守るために高い関税率が設定されているようなのだ。
でも、バターなんかは国内生産量では国内需要を満たせないので、国で一元的に輸入する枠と、民間が一定量の枠内で低関税で輸入する枠を組み合わせて輸入しているのだ。
「緊急輸入」というのはその枠を超えて輸入するということ。
一義的には国内の生産業者に安定供給に努めるよう要請をするんだけど、これがなかなかうまくいかないんだよね。

原因は、原料となる生乳(せいにゅう)の不足。
「生乳」というのは乳牛から搾り取った「乳」そのもののことで、これを原料に、牛乳や生クリーム、ヨーグルト、チーズ、バターなどなどの乳製品が作られるのだ。
国内では、酪農家を含む農家の高齢化が進むとともに、円安の影響もあってえさ代や燃料費が高騰して、廃業する酪農家が増えているのだ(>o<)
加えて、国内の牛乳の消費減もあって、平成18年度から生産調整として乳牛の数が減らされているのだ・・・。
そのせいで生乳の生産量が減り、慢性的にバターが不足するようになってきているんだ。
ここにきて、輸入元の海外で悪天候などにより生産量が減ると、一気に店頭から消える、という事態につながるみたい。

特に、バターは生乳生産量の減に過敏に反応するのだ。
というのも、生乳の振り分けは、貯蔵性の低い牛乳や生クリームが優先され、貯蔵性の高いバターと脱脂粉乳は後回しにされるため。
他の乳製品が先取りで、残った分でバターや脱脂粉乳を作るという「調整弁」的な加工品になってしまっているのだ。
しかも、牛乳や生クリームに加工した方が高く売れることもあって、生乳生産側としても、積極的にバターや脱脂粉乳に回そうとはしないのだ。
そのため、ただでさえ生乳が不足していても、牛乳は生産過剰でバターが不足みたいなことが起こっているようなんだよね。
まさに、構造的な変革がない限り、バター不足はいつでも起こり得るような状況になっているのだ!

しかも、緊急輸入されるバターの多くは業務用。
なので、一般家庭にすぐに回ってくるわけではないんだ。
国内のバター生産の割合を家庭用バターに多めに振り分け、輸入したバターを業務用に回すわけ。
なので、輸入してからしばらくたたないと一般家庭にはバターが回ってこないのだ(生産から流通まで4週間ほどかかるそうなので、1ヶ月のタイムラグが発生するのだ。)。
しかも、完全に生乳が不足している場合はバターの生産自体が滞るので、そもそも家庭用バターは増えないんだよね・・・。
というわけで、今回のように近い将来の需要増を見込んであらかじめ輸入を決めておかないと大変なことになるというわけなのだ。
もう農林水産省としても例年のことになりつつあるので、予測になれてきているのかもしれないけど。

そして、輸入するにしても、現在はバターの国際価格が不安定なんだとか。
中国での消費増の影響で、バターの価格は乱高下するようなのだ。
なので、緊急輸入みたいに踏み切ると、足下を見られて高く売りつけられるおそれも。
それと、海外でも需要が伸びるシーズンがあるので、その前に買わないと高いだけじゃなくて手に入らなくなるのだ。
そういうこともあって、完全に輸入に頼るのも危なくて、国内生産量を維持しておく必要もあるんだよね。
なかなか複雑な問題なのだ。

2015/05/23

砂山からお宝

淡路島の石材メーカーの資材置き場の砂山から、銅鐸が7点見つかったのだ!
銅鐸の中でもかなり初期のもので、国宝級なんて報道もあったほど。
これまで出土例が多くないタイプのものもあるんだって。
今はもともとその砂山の砂がどこから運び込まれたものか=どこに埋まっていたものかの特定が進められているみたい。
どうも、淡路島内部みたいなんだけど。

銅鐸は言わずと知れた青銅器で、古代の祭祀に使われたものと考えられているけど、実際にどう使われていたかとかは推測の域を出ないんだよね。
昔のものだから確定はできないにしても、よくわからない部分が多いのだ。
紀元前2世紀から期限2世紀くらいの弥生時代に作られていたもので、これは年代特定ができるので確かなのだ。
ただ、それも村はずれの丘陵の麓だとか、丘の頂上のすぐ下とかの比較的浅いところに埋められているのかもわからないんだって(埋めた理由すら明らかでないのだ。)。
銅鐸表面の文様は豊作を願うような図柄だったりするので、そういう祈願・祈祷に使ったんだろうと予想されるんだよね。
でも、祭祀道具としても、埋めたのがなぜか、明確にわからないのだ。

由来もよくわからなくて、銅鐸というものは日本でだけ出土しているのだ。
しかも、西日本地域のみで、出土する場所も偏っているんだよね。
今見つかっているのは、関西圏で兵庫、滋賀、和歌山、中国・四国では島根、徳島。
やはり古代に栄えていた九州ではほとんど出土例がなく、嵯峨野吉野ヶ里遺跡で見つかったくらいみたい。
逆に、同じく祭祀に使われていたと考えられる銅矛は、これらの銅鐸出土地域では少なく、九州や東海地方で多いんだって。
かっつては、銅鐸文化圏と銅矛文化圏があったんだったいう説も唱えられていたんだけど、排他的ではないことがわかってきたので、最近はそこまできっちり文化圏として分けていたとは考えられていないみたい。
好みの違いなのかな?
醤油の色の薄い・濃い、出汁はコンブ・カツオみたいな。

考古学的には、銅鐸は中国大陸にあった「鈴(れい)」が半島経由に日本に伝わり、独自の発展をした、というのが定説みたい。
一方で、半島を経由せずに直接伝わった可能性もあるみたい。
これは、経由地であるはずの朝鮮半島に、鈴と銅鐸をつなぐようなものが見つからないため。
ミッシングリンクなんだよね。
物理的に通過しただけで、文化としては根付かなかったのかもしれないけど。
或いは、何かあるけど見つかっていない、気づかれていないのかもだけど。

今回淡路島で見つかったような銅鐸は小型で、これが時代を下ると大きくなっていくのだ。
しかも、小さい銅鐸には「舌(ぜつ)」というものが中にぶら下がっていて、振ると音が鳴るようになっていたと考えられているのだ。
すなわち、「ベル」のようになっていたんだよね。
ところが、大型化していくうちになくなっていくのだ・・・。
もっとも、巨大なものだと1mを超えるから、もはや振ることはできないけど。
で、音を鳴らすものから見るもの・飾るものに変わったようなのだ。祭祀に使っていた道具がシンボル化されていったということなのかな。

上に書いたように、銅鐸は比較的浅いところに埋まっているので、古い時代にも出土記録があるのだ。
もっとも古いのは天智天皇の時代というから飛鳥時代。
お寺を建立するのに掘り返したら出てきた、というのが「扶桑略記」に出てくるんだって。
正史では「続日本紀」に出てくる8世紀初めの記述があるよ。
いずれにしても、すでに500年以上だっているので、「なんだこれ?」という感じで、その時点でどういうものだったのかは忘れられていたようなのだ・・・。
古代の謎だねぇ。

2015/05/16

隠して、時々公開

長野県の善光寺で御開帳が行われているのだ。
善光寺の御本尊は絶対秘仏とされていて、決して公開されないんだよね。
で、そのために「前立本尊」というのがあって、それが代わりに公開されるシステムのだ。
でも、この前立本尊も数えで7年に1回(公開の年を1年目と数えるので6年に1回)しか公開されないんだ。
今年はその年に当たっていて、GWにはかなりの人出があったみたい。

秘仏というは文字どおり「秘された仏」で、通常公開されていない仏像を指すのだ。
仏像は本来的には信仰の対象として作られているはずなので隠すのはおかしいような気もするんだけど、日本ではけっこうあるんだよね。
東アジアでも日本が顕著なんだとか。
どうも、神道の影響があるんじゃないかと考えられているんだよね。

古代の神道では、山、川、海、巨岩、巨木・・・などの自然物に神が宿るという考えで、その自然物自体が御神体だったんだよね。
奈良県にある大神(おおみわ)神社なんかはその典型例で、三輪山自体が神が宿る御神体で、そこに拝殿が設けられているんだよね。
その後、「神の依り代」という概念が出てきて、神は物理的形状を持たない精神体のような存在で、その神と対話を図るには具体の形をとっていただく必要があるので、依り代に降りていただく、という考えが出てくるのだ。
おそらく、古代信仰では様々な自然現象を説明する上でいろんな神性を想定していたんだけど、必ずしも自然物だけが対象じゃないので、太陽や風、雨などの自然現象を神と結びつけるときには、何か代わりになるものが必要だったのだ。
これがいわゆる御神体というたつで、一般的には鏡や石、剣、玉などなのだ。
でも、飛鳥時代に仏教が伝来すると、仏像というものが日本に伝わって、そのアナロジーで神像というのが作られ始めて、そういった像が御神体になっている場合もあるよ。

こうした御神体をまつる神社の場合は、御神体を雨風から守るための本殿というのがあって、その手前に参拝者がお参りする拝殿が作られるのだ。
この本殿は神の領域で非常に神聖な場所なので、通常は人の立ち入りは禁止で、中ものぞけないようにしているんだよね。
多くの神社では今でも御神体を公開していないのだ。
そして、神仏混淆という日本独自の文化の中で、この非公開の御神体という考え方が、本尊である仏像にも適用されていくのだ。
仏教はもともとは偶像崇拝が禁止だから、仏像に仏性があっちゃまずいんだけど、このあたりが日本の神仏混淆のすごいところなんだよね。

そんなわけで、日本の寺院では少なくない数で秘仏とされている仏像があるのだ。
東京でも、隅田川から引き上げられたという伝説がある浅草寺の御本尊は絶対秘仏で、決して公開されないのだ。
不定期で善光寺のように前立本尊が公開されることはあるんだけどね。
数年前に御開帳があったときはものすごい盛り上がりで、普段は解放されていない伝法院庭園なんかも見られたんだよね。
一方で、法隆寺の救世(ぐぜ)観音など毎年決まった時期に公開されるようなものもあって、同様に秘仏と言っても公開の頻度には差があるのだ。

でも、真言宗の大本山、高野山金剛峯寺の金堂の本尊だった阿閦(あしゅく)如来は、戦前に火事で焼失してしまったんだけど、絶対の秘仏として完全に非公開にされていたため、写真も残っておらず、今となってはどういうものだったかもわからないんだって・・・。
とは言え、そこまで隠されると見たくなるのが人間の性でもあって、途中で天皇や貴族、大名などの有力者の命によりどんなものか改められたなんて話も多いんだよね。
半ば都市伝説化しているけど、法隆寺の救世観音は、岡倉天心さんが米国人のフェノロサさんと一緒に寺僧が止めるのも聞かずに数百年ぶりに表に出した、なんて言われているんだよね。
それ以降、定期的に公開されるようになったのだ。
一度出しちゃったら神秘性が薄れるのかな?