2017/11/25

信じても救われないことはある

フランスに来てからびっくりしたことがあるのだ!
それは、普通の街中の薬局で堂々と「ホメオパシー」という字を見ること。
なんと、フランスでは、一般的な「レメディ」は市販されていて、薬局によってはホメオパシー相談なるものまであるらしいのだ・・・。
日本ではすでに「ホメオパシーには科学的根拠はなく、プラセボ(偽薬)以上の効果はない」と日本学術会議、日本医師会、日本医学会などが見解を出しているので、信じられない光景なんだよね。
どうも、フランス社会にはかなり受け入れられているものらしい。

ホメオパシーというのは、18世紀末から19世紀初期にかけてドイツのハーネマン医師が提唱した代替医療のひとつ。
欧州では一時期非常にはやって、英国でも保険適用になっていた時期もあるんだけど、公式に
「科学的根拠がない」という調査結果が公表され、それも終焉を迎えようとしているのだ。
ところが、フランスではまだ保険適用もあるし、なんと、医師が処方箋にホメオパシーにおける基本的な錠剤である「レメディ」を処方することすらあるというのだ・・・。
なんと時代錯誤な。
日本にもあやしい民間療法や健康食品で詐欺まがいの事件があるから人のことは言えないけど、そこまで社会に浸透しているというのは本当に衝撃的だよ。

ホメオパシーの基本的な概念は、「病気は症状を起こす原因のもの」を使って病気や症状を治療するというもの。
少量の原因物資によって本来体に備わっている抵抗力が上がり、病気や症状が治る、ということなのだ。
具体的には、原因物質を極度に希釈し、その希釈液を砂糖玉に染みこませるのだ。
その希釈液の染みこんだ砂糖玉が「レメディ」で、これを服用することで、ごく少量の原因物質を体内に取り込み、「ならす」ということになるんだよね。

これだけ聞くと、現在わりとメジャーになったアレルギーの「減感作療法」に似ているんだよね。
花粉症を治すのに微量のスギ花粉に触れるようにして徐々に「ならし」、アレルギー症状がでなくなるようにする、とか。
これも危険性が指摘されていて、アナフィラキシー・ショックが出かねないし、全員に有効な方法でもないので、懐疑的に見ている人も多いよね。
でも、レメディについて言えば、安全性の面でははるかに上なのだ。
だって、希釈度合いが大きすぎて、もとの原因物質はほぼ含まれていないから(笑)

通常使われているレメディの場合、希釈度は10の60乗と言われているんだよね。
例えば、食塩(NaCL)の場合、分子量が23+35.5=58.5なので、1モルで約60gなのだ。
1モルは、アボガドロ定数なので、6.02×10の23乗。
つまり、1Lの水に食塩を1モル溶かした、約6%の食塩水の中には、6.02×10の23乗個の食塩分子が存在しているわけ。
ところが、これは10の60乗まで希釈するので、多く見積もっても、希釈された液中に存在する食塩分子の個数の期待値は10の36乗分の1個!
つまり、ゼロと見なしてよいわけ。
これはもうただの水なので、「減感作療法」で問題になるような問題は生じ得ないのだ(笑)

では、ホメオパシーを信奉している人はどう考えているかというと、例え原因物質が含まれていなくても、希釈の過程で原因物質の「型(パターン)」、「オーラ」、「波動」といったものが水の中に「記憶」されていて、それによって体の抵抗力が高まる、とかなんとか言うらしいんだよね・・・。
「水の記憶」まで出てきちゃったもう大変。
似非科学は相互に引き合ってしまうんだねぇ。
根拠がないのに互いに見た目上の「根拠」になってしまうのだ(>_<)

ちなみに、レメディを服用してまったく効果がないかというとそういうわけでもないのだ。
世の中には「プラセボ効果」というのがあって、偽薬であっても信じて服用していると、効果が見られるんだよね。
これはまさに「病は気から」というか、心理的な効果で本当に抵抗力が高まっていると考えられているけど、その効果はあるわけ。
でも、それ以上には効果がないというのが科学者の見解であって、であれば、レメディなどと言わず、普通に砂糖玉だけ服用すれば済む話。
さらに、こういう代替療法が悪質なのは、正規の、科学的根拠に基づく現代医療を受ける機会を結果として喪失していまう、ということなんだ。

山口で起きた悲しい事件として、新生児に与えられるべきビタミンKシロップが与えられず、代わりにレメディが与えられていたのでビタミンK欠乏症で赤ちゃんがなくなってしまうというものがあったのだ(山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故)。
これをきっかけに、日本学術会議や日本医師会・日本医学会が公式に見解を出すことになったのだけど、これは目も当てられない惨事だよね・・・。
でも、ここまでホメオパシーが社会に浸透してしまっているフランスでは、こういうことが影で怒っているんじゃないかと心配になるよ。

2017/11/18

千葉来た!

新たに「千葉時代(チバニアン)」が生まれそうなのだ!
これは、千葉県市原市で発見された地層で、地球の地磁気が逆転した痕跡が明確に残っていることから、国立極地研究所ほかが申請していたものが通りそう、とううことみたい。
イタリアからは、イオニア海近くの地層をもとに「イオニアン」という名称が申請されているらしいんだけど、日本の方が証拠が決定的なものだそうで、一次審査では有利だったんだって。
こうなると、地質学に「チバ」の名前が残ることになるよ。

地磁気が逆転するなんてすごいことだけど、過去360万年の間に11回起こっているとわかっていて、その最後が約77万年前。
で、その痕跡が千葉で見つかったというのだ。
その地層の中で見つかった鉱石などでそれがわかるんだって。
ちなみに、国際地質学連合に各時代の境界となる代表的な地層として「国際標準模式地」に選ばれると、地質年代の命名権が獲得できるとともに、その地層の場所にそれを示す「黄金の杭」が打たれるらしいよ。
観光資源になるかも。

この時代は、中期更新世と呼ばれる時代で、78万1000年~12万6000年前までの期間。
当時は気候が温暖で、海水面が高かったので、まだ日本列島が大陸と地続きで日本海が大きな湖だったころ。
千葉を含む関東平野にはかなり海が入り込んでいたみたいだよ。
東京23区なんかはほとんど海なんじゃないかな?

中期更新世のはじめの頃は原人(ホモ・エレクトゥス)の時代。
その後ネアンデルタール人が出てきて、中頃から現生人類(ホモ・サピエンス)も現れてくるのだ。
原人やネアンデルタール人は更新世の末期にはいなくなって、現生人類の世界になったみたい。
当時はいろんなヒト属が共存していたんだね。
やりとりとかはあったんだろうか?

動物の世界では、まだ巨大ほ乳類が跋扈している頃。
更新世末期から次の完新世にかけて大型ほ乳類が次々と絶滅して言ってしまうんだけど、これは更新世の後記に寒冷期に入ったためと考えられているよ。
大型のほ乳類は燃費が悪いので、寒い時代を生き残れなかった、ということなのだ。
でも、この時代の中頃には現生人類はすでに出てきているので、ギャートルズのように、マンモスを狩っていたいたかもしれないんだよね。
巨大ナマケモノのメガテリウムも狩りの対象だったようなのだ。

すでに恐竜はいない時代だけど、現生人類が現れる一方でまだ他のヒト属がいたり、大型ほ乳類が消えていったりと大きな変革の時だったんだね。
そんな時代の名前が「千葉時代」になるかもというのはなんかうれしいのだ。
それと、こういう機会があると調べて勉強になるから、いいよね。
教科書とかでも取り上げるのかな?

2017/11/11

江戸の味

米国に留学しているときはさほど恋しくならなかったのだけど、パリに来てからはアジア料理が無性に食べたくなるんだよね・・・。
やっぱりフレンチの味付けはしつこいから?
もちろん、東京ほど選択肢はないんだけど中華やベトナム料理、タイ料理、そして、「エセ」も含めて日本料理があるのだ。
ところが、ちゃんとして日本料理の店に行かないと、ただ単に醤油で味付けただけの料理が出てくるんだよね(>_<)

でもでも、ちょっと調べてみると、実は江戸時代だとそんな感じだったようなのだ。
料理屋では鰹節や昆布から出汁をとっていたみたいなんだけど、庶民には高級品なのでそんなものは使えず、基本の味付けは味噌と醤油。
江戸の豆腐料理として有名な八杯豆腐というのは、水・酒・醤油を6:1:1の割合で混ぜた煮汁で豆腐を煮たもの。
っていうか、出汁が入っていないんだよね。
で、この作り方をそのまま再現するとそんなにおいしくないのだ。

江戸時代の初期には味噌を造るときの副産物(味噌の上澄み液)である「たまり」が使われていたんだよね。
とろみが少しあって、色が濃く濁っているもの。
味噌の副産物なので「本格醸造醤油」とは違って原料はほぼ大豆のみで、けっこう塩気があるものだったようなのだ。
香りは本格醸造醤油の方がいいらしいよ。
ただ、味噌の上澄みなので、アミノ酸などのうまみ成分はしっかりあって、これが料理に調味料として使われていったようなのだ。

江戸の人口が増えてくると、たまり醤油だけでは足りなくなって、酒蔵の設備を使って醸造醤油が作られるようになったみたい。
関東の穀倉地帯で、水運も便利だった千葉で発達したのだ!
なので、野田なんかがまさにそうだよ。
このとき、原料に小麦が使われるようになり、澄んだ、薫り高い醤油が得られるようになったのだ。
関東式なので濃い口醤油で、色はたまりと同じくらい黒いものだよ。

で、江戸時代の料理と言えば、基本は味噌か醤油か塩で辛めにあじつけて、ごはんが進むようになっているのだ。
庶民はたくさんおかずを食べられないので、料理があっても何か一品、漬け物だけの時も、なんて感じ。
めざしであってもそんなに頻繁には食べられなくて、主なタンパク源は納豆や豆腐だったようなのだ。
で、さっきの八杯豆腐のようなおかずや、厚揚げを焼いたものなんかが食卓に並ぶわけ。

でも、ただ塩辛いだけではないんだよ。
納豆も漬け物もそうだけど、発酵の過程でそこにうまみ成分がちゃんとできているのだ。
江戸時代の味噌汁は出汁をとっていないのだけど、アサリの味噌汁だとアサリからうまみが出るし、人気だったと言われる納豆汁(すりつぶした納豆を入れる)も納豆のうまみが出るのだ。
さらに、江戸名物の佃煮なんかは、酒と醤油で煮るだけだけど、素材の方から出汁が出るので、しょっぱいけどうまみがあるものだったのだ。
こうして、現代にもつながるうまみ文化を享受していたわけ。
海外のエセ日本料理のようにただたんに醤油でいろと塩味がついているだけではないよ(笑)

さらに、現在使われているような醤油は大正年間になってから科学的手法も取り入れて大量生産されるようになったもの。
それまでの手工業で作られていた醤油は少し違うのだ。
今でも手作り醤油なんてのがあるけど、うまみが多いというよね。
なので、醤油自体がうまみをより多く持っていた可能性もあるのだ。
なので、出汁が入っていなくても、そこそこのうまみはあったはず。

とはいえ、やはり江戸時代の庶民料理はそこまでおいしいものじゃなかったみたい。
池波正太郎さんの小説にはおいしそうな江戸料理がたくさん出てくるけど、現代人が食べたらおいしいとかじるかどうかは微妙なのだ・・・。
しかも、現在手に入る材料でそのまま作っても味は再現できないんだよね。
醤油や味噌も違うし、豆腐なんかも江戸時代はもっと固い木綿豆腐だったはず。
なので、一般人には、江戸時代の料理の再現というのはなかなか難しくて、味の評価もしづらいんだよね。

2017/11/04

オトナ用の白い粉

大人用の粉ミルクがはやっているんだそうだよ。
赤ちゃんの完全栄養食なので、きっと栄養満点で体にいいだろうと段階の世代で粉ミルクを摂取する人が増えてきて、そこに目をつけたメーカーが改めて大人用のものを発売し始めたみたい。
団塊の世代だと、ララ物資の苦い思い出があるので脱脂粉乳を嫌うんだけど、それ以降の世代だとそういうこともないみたい。
むしろ、赤ちゃんが飲んでも大丈夫なものだと安心と感じているらしいのだ。

ところが、乳幼児用の粉ミルクは、赤ちゃんにとっては完全栄養食になっているんだけど、大人に対しては必ずしもそうではないんだよね。
例えば、赤ちゃんはミルクしか飲まないので、乳脂肪分が多く、カロリーが高くなるようになっているのだ。
必要な栄養素も赤ちゃんと大人では違うので、そのまま飲めばいいってものじゃないみたい。
さらに、牛乳だとおなかがゆるくなるから、と粉ミルクにする人がいるみたいんだけど、乳幼児用粉ミルクには乳糖がたっぷりと入っているので、乳糖不耐症の人がそのまま飲むとやはりおなかがゆるくなるのだ・・・。

なので、現在市販されている大人用の粉ミルクは、成分調整がしてあって、ビタミンが多く入っていたり、高齢者向けにはカルシウムが多く入っていたりと、製品ごとに特徴があるみたい。
よく成分表示を見て、自分にとってはどれがいいかを選ぶ必要があるようだよ。
中には脂肪が多かったりするのもあるから、注意しないといけないんだよね。
とりあえず、乳幼児用をそのまま使うのはダメだというのは基本なんだけど。

そして、もっと一般的な注意点として、粉ミルクはできるだけ水道水を使うのがよいようなのだ!
というのも、水道水のミネラル分を踏まえて成分調整されているので、ミネラル・ウォーターをへたに使うとミネラル分が多すぎたりする可能性があるんだって!
特に欧州系の硬水には要注意だね。
そして、赤ちゃんにあげるときも、よく人肌に冷ますと言うけど、70度の高温のお湯で溶かす必要があるみたい。
一昔前は、もっと低い温度、40~60度で溶かすこととされていたようなんだけど、粉ミルクにどうしてもコンタミしてしまう雑菌が繁殖するおそれがあるので、雑菌が死滅する70度にして、それを冷ます必要があるのだとか。
世界保健機関(WHO)からもそう推奨されているんだそうだよ。
ほ乳瓶の殺菌も大事だけど、ミルクの調整温度にも気をつけないといけないのだ・・・。
ま、大人が使う場合はそこまで神経質にならなくても大丈夫かもしれないけどね。

もともと粉ミルクは、生乳のままでは保存性が低く、かつ、液体でかさばるので、保存性が高く、容易に移送できるもの、として発達してきたのだ。
ほ乳類であれば、どの動物も母乳で育つのが基本なので、栄養に富んでいるのは確かなんだよね。
でも、腐敗も早いので、古来より、バターやチーズ、乳酒などの各種加工品が作られてきたのだ。
その中でも、最も保存性が高く、移送が容易なのが粉ミルクだよ。
しかも、水分がほとんどないので、乾燥した状態であれば、雑菌の繁殖の可能性も低いのだ。
戦後日本にララ物資で脱脂粉乳が大量に持ち込まれたのも、運ぶのが容易で栄養が豊富だからなんだよ。

工業的には、殺菌、均一化(ホモジナイズ=乳脂肪の粒の大きさをそろえる)をしてから、濃縮し、その濃縮した乳を噴霧しながら乾燥させるのだ。
そうすると、パウダー状の顆粒ができるんだよ。
そのままだと水に溶けづらい場合があるので、ほんの少しだけ湿り気を与えて、乾燥直後の粉末を顆粒状にすることもあるのだ。
殺菌する前に乳脂肪を取り除いているのが脱脂粉乳。
濃縮・噴霧乾燥する前に、乳糖を除いたり、逆にビタミンやミネラルなどの栄養素を足したりして成分調整も行われるのだ。

つまり、この過程で赤ちゃん用と大人用がわかれるんだね。
でも、足すものが変わるだけだから、実は大人用粉ミルクの製造ラインを作るのはそんなに大変じゃないのかも。
だからこそいろんな会社が乗り出してきているのかもね。
少子化だし、次のターゲットは大人だ!

2017/10/28

赤い香辛料

先日、ハンガリー料理を食べる機会があったのだ。
ちゃんとしたレストランじゃなくて、レセプションに並んでいた料理なんだけど。
でも、どの料理もみんな赤いような・・・。
それもそのはずで、ハンガリー料理の特徴は、香辛料のパプリカを多用することなんだって!

日本ではパプリカというと大きくて肉厚のピーマンを思い浮かべるけど、その野菜のパプリカと、香辛料に使うパプリカは別なんだとか。
もう少し小さいもので、鮮やかな赤い色をしているものを、乾燥させ、粉末にしているようなのだ。
日本ではパプリカ・パウダーというとまったく辛みがないけど、いろんな料理に多用するハンガリーにおいては、少し絡みのあるパプリカも存在するみたい。
日本で言うシシトウみたいな?

ちなみに、野菜のパプリカも、香辛料のパプリカも、ハンガリーで品種改良されたものなんだそうだよ。
スペインが新大陸から持ち帰った唐辛子やピーマンを改良したのだ。
「パプリカ」というのもハンガリー語から来ているんだって!
知らなかった。
ハンガリーの研究者により、パプリカには大量のビタミンCが含まれていることが発見され、そのビタミンCを抽出した功績でハンガリーの研究者、セント=ジェルジ・アルベルト博士が医学・生理学賞を受賞しているのだ。
そこかたパプリカ人気が高まって、料理にも積極的に取り入れられるようになったとか。

ハンガリーの名物というと、パプリカの入ったシチューのグヤーシュ。
でも、ハンガリーでは味噌汁のような扱いで、他国のシチューと違ってメインという位置づけにはないみたい。
でも、毎日のように飲むスープがもうパプリカ入りなんだよね。
どれだけ好きなんだか。

パプリカの色素は主にカプサンチンと呼ばれるエステル(脂肪酸とアルコールが脱水結合したもの)。
これは油によく溶ける性質があるので、パプリカを使う場合は、油があると色が鮮やかになるのだ。
また、この色素は熱に安定なので、焼いたり煮たりしても大丈夫。
天然色素だし、赤やオレンジは食品に彩りを与えるから、けっこう添加物としても使われているよ。
ソーセージとかハムとかの加工肉も赤みを増すために入れたりするのだ。
風味も加わるし、その方がおいしく見えるからね。

新大陸の野菜が食文化に深く食い込んでいるのは、イタリアやスペインのトマト、イギリスやドイツのジャガイモなんかが有名だけど、パプリカも中欧にはけっこう食い込んでいるんだねぇ。
中欧の料理はあまり食べる機会がないので気づかなかったよ。
他にも探してみると、もっとおもしろい発見があるかも。
それにしても、中世のころのこのあたりの人たちは一体何を食べていたんだろう?
きっと色味も風味もよくないものだったから、パプリカがはやったんだろうね。

2017/10/21

フライには・・・

先輩がパリに出張に来ていたので、一緒にカフェレストランで食事をしたんだよね。
で、まったくフレンチじゃないんだけど、ついつい気になっていた「フィッシュ&チップス」を頼んでしまったのだ(笑)
フランスのやつはフライドポテトとタルタルソースがおいしいから!
実際、イギリスのより洗練されている気がする。
この白身魚のフライには、レモン汁や酢、タルタルソースが合うよね。
でも、どうしても、日本式のソースも恋しくなるのだ。

米国にいたときは、スター・ソースという揚げ物用のソースがあって、見た目は日本のウスターソースそのものなんだけど、ものすごく酸っぱい!
欧米ではフライは酸味で食べるみたい。
日本式のちょっと甘めのソースがいいんだよなぁ。
もちろん、自宅でフライの時は中濃ソースさ。

いわゆる「ソース」の発祥はイギリスのウスター・シャー。
19世紀初頭に、とありう主婦が、食材のあまりと調味料を一緒に入れて保存していたら、ソースが出来ていたんだって。
って、どれだけ保存していたんだろう・・・。
現代の冷蔵庫の奥地にあるミイラ食品のようだね・・・。
それはそれとして、工業的に作られ始めたのは19世紀前半。
インドのソースの作り方が伝えられ、イギリス式に改良して、ちょっとスパイスのきいた黒いソースが作られるようになったのだ。
これがウスターソースのはじめ。

イギリスのウスターソースのレシピでは、モルトビネガーに漬けて発酵させたタマネギ、ニンニクに、タマリンド、アンチョビなどを加え、そこに各種香辛料を入れたもの。
日本ではアンチョビは入れず、スパイスも抑えめ。
イギリスのソースはフライにどばどばかけるものではなくて、シチューやスープに数滴垂らして隠し味に使うものだとか。
コクを加えるということかな。

日本にこのウスターソースが伝わったのは明治になってから。
当初は受け入れられなかったものの、日本人の舌に合わせたものが開発され、徐々に広まっていったみたい。
戦後になると、粘度を高めてとろっとさせた「とんかうソース」が出回るようになり、定番になっていくのだ。
中濃ソースはウスターソースととんかつソースの間で、どちらにもいける、ということで更に後になって開発されたみたい。
俗に、東日本ではブルドックの中濃ソースが好まれ、西日本では、カゴメやイカリのとんかつソースが好まれると言われているのだ。
もちろん、広島はオタフクソースじゃけん!

現在では、日本農林規格(JAS)で分類がきちんとされていて、粘度が0.2パスカル秒未満のものがウスターソース、0.2~1.9パスカル秒の間のものが中濃ソース、2.0パスカル秒以上のものが濃厚ソースとなっているんだ。
濃厚ソースというのがいわゆるとんかつソースだよ。
デンプンを加えて粘度を高めているのだ。
このほか、個別にお好み焼きソース、焼きそばソース、たこ焼きソース、どろソースなど用途別のソースが生み出されたそうだよ。

しかしながら、歴史を見ると、世界的にも出てきたのはほんと200年ほど前で、それがけこうすぐに日本にも来ているんだね。
でも、一般家庭に常備されるようになるのは戦後からというのもまたおどろきなのだ。
当初は洋食屋さんのものということだったのかな?
今ではソース味のものは「和」という感じだけどね。

2017/10/14

混ぜるな、危険?

この前はじめて知ったんだけど、コンビニやスーパのレシートでもらう感熱紙は、リサイクルに回しちゃいけないんだって。
古紙回収の注意書きにも、感熱紙やのりのついた紙、防水加工された紙(紙皿、紙コップなど)、印画紙などなどは、「禁忌品」とされているのだ。
普通にもらったレシートは紙の資源ゴミに混ぜていたんだけど、実は混ぜちゃいけなかったのだ!
普通に燃えるゴミにしないといけないみたい。

感熱紙は、印刷面に特殊な物質が塗布してあって、独特の光沢をもっているのだ。
熱をかけたところだけ変色して、それが字として浮き上がるようになっているんだよね。
インクカートリッジやトナーがいらないので、印刷機が小型化できるのだ。
スーパーのレジでいちいちインクの交換とかは大変だよね。
感熱紙ならロールだけを交換すればよいのだ。
また、熱源だけなので、インク詰まりとかそういうトラブルも少ないよ。

表面に塗布された物質の熱による発色を使っている関係で、長期間保存すると劣化してきて、使えなくなるのだ。
基本的には冷暗所で保管し、消費期限内に使わないとダメみたい。
劣化したものは黄ばんでくるみたいだよ。
そして、感熱紙の印字は、時間が経つと薄れてきたり、全体が黒くなってきたりして、不鮮明になるのだ。
財布にレシートをためる人なら、古くなって何が書いてあるかわからなくなった、黄ばんだレシートを見たことがあるはず(笑)

かつては、ファックスやワープロによく使われていたんだよね。
やっぱりインクやトナーを使うと小型化できないから。
でも、印刷した紙の耐久度の問題もあるし、最近は小型のプリンタも技術的に可能になったので、減ってきているみたい。
見たらもうその場ですぐ捨てるような用途のものであればよいのだけど、長期間保存しておくための印刷には向かないんだよね・・・。
所得税の確定申告にはレシートを貼り付ける必要があるけど、あれはせいぜい2年持てばよいから。

感熱紙に印字を行うプリンタは、熱源を使うプリンタということでサーマルプリンタと呼ばれるのだ。
一方で、インクリボンを使用して、熱をかけてそのインクリボンの塗料を紙に転写する熱転写プリンタもサーマルプリンタに分類されるんだって。
ようは、熱を使って印字するプリンタということなのだ。
ちなみに、感熱紙プリンタは、熱源があるヘッドを直接紙に当てるので、ダイレクト・サーマルプリンタという言い方もするらしいよ。
簡単な形状で小型軽量化しやすく、コストも安いので、レジスターみたいな機械に向いているんだよね。

感熱紙って何かにイメージが似ているな、と思っていたんだけど、これって「あぶり出し」なんだよね。
紙にミカンの汁で絵や文字を書いて乾かした後、火であぶって熱を加えると茶色い絵や文字が浮かび上がってくるのだ。
まさに、熱で発色しているわけ。
紙の全面にミカンの汁を塗っておいて、温めた金属の棒で絵や文字を書けば、感熱紙と同じ原理なのだ(笑)
ミカンの汁を塗ったところは、何も塗っていないところに比べて発火点が低くなるので、より低い温度で焦げるんだって。
なので、何も塗っていないところは焦げず、塗ったところだけ焦げるような熱をかけてやると、あぶり出しになるのだ。
もともと感熱紙プリンタは米国で開発されたみたいだけど、日本にも同じような原理は庶民の遊びの中にあったわけだね。