2018/01/27

危険水域

パリでは連日の雨模様でセーヌ川の水位が上がってきているのだ。
一昨年6月にも同じように水があふれて、床下浸水とかの被害も出ているんだよね。
今回もすでに、橋の下を通る水上バスは運休(水位が上がりすぎて橋の下をくぐれないため)、ルーブル美術館の一部展示室が閉鎖など影響が出ているけど、このまま行くと、過去最大級の水位上昇になりそうなんだとか。
パリのセーヌ河岸は世界遺産にも登録されているんだけど、今はドロ川のようになっているみたいだよ。

セーヌ川はフランス第二位の長さの川で、パリ市内でも大きく蛇行しているのだ。
かつて、パリでは上水道が分かれておらず、両方ともセーヌ川を活用していたんだって・・・。
それで疫病がよく蔓延したというのだけど、古代ローマですでに上下水道の概念があったのに、遅れていたんだね・・・。
ロンドンで当時世界最高と言われた水道システムを見たナポレオンさんが改革を断行し、上水道・下水道を整備し、セーヌ川の水をくまなくても水が使えるようになったのだ!
でも、けっきょくすべての排水はセーヌ川に流れ込む仕組みで、そこは変わっていないみたい。
これが今回の水位上昇の原因でもあると思うんだよね。

東京でも、昭和の時代まではよく神田川が氾濫していたのだ。
台風シーズンになると学習院下(住所は上高田)あたりがよくあふれたんだよね。
当時は下水がそのまま流れ込み、ヘドロの川になっていたのだけど、それがあふれるんだからすごいものだよ・・・。
江戸時代は「神田上水」として飲み水の確保のために整備された川なんだけどね。
神田川は一級河川で国の管理下にあるので、国としても河岸整備などを進め、今では危険水域に到達することはあっても、まずあふれなくなったのだ。

何をしたかというと、一つは河岸の整備でこれは川幅を広げること。
でも、それには用地の問題で限界があるので、同時に進めたのが放水路の確保。
川の水の流れ先を増やしたのだ。
これで増えた水が分散されるわけ。
よく氾濫して荒れるから「荒川」という名前がついている荒川も、放水路であふれることが減ったのだ。
現在のいわゆる「荒川」は放水路で、元の流れは隅田川なんだよ。
赤羽岩淵の当たりから大きく曲がって隅田川になるんだけど、この当たりがよくあふれたので、開削して中側の方に流路を増やしたのだ。
難工事だったようだけど、その感性で東京の洪水がほぼなくなったようだよ。

そして、話は戻って、神田川の秘密はもうひとつあるのだ。
それは地課の調節池。
地下に巨大な空間があって、そこに水をためておくことができるのだ。
一時的に水をプールしておいて、徐々に流すことであふれないようにしているんだ。
有名なのは、中野区・杉並区の環七(環状七号線)下にある、「神田川・環状7号線地下調節池」。
ここは事前申込みで見学できるのだけど、地下秘密基地のようですごいとよく言われるのだ。
それと、神田川と妙正寺川が「落ち合う」新宿区落合にある「妙正寺川落合調節池」。
もともと二つの川が合流する地点で、かつ、土地が低いのでよくあふれた場所なんだよね。
なので、流路を変更してもう少し先で合流するようにするとともに、調節池を設けたのだ。

このように、東京の治水は、いろいろと対策をしているわけ。
パリではどこまで対策をしているんだろう?
ただし、これらの対策には莫大な費用がかかるから、すぐにできるわけじゃないんだけど。
パリもこういう事態が続いたのだから、何か考えなければいけないんじゃないかな。

2018/01/20

パリでも定番

パンとケーキとチーズのおいしい街、パリ。
正直、料理はイタリアの方がおいしいと思うんだよね(笑)
何より、海産物が生臭くないし! でもでも、そんなパリでも、イタリア発祥のデザートである「ティラミス」はかなり定番。
フレンチのレストランでも出るし、カフェにも必ずあるのだ。
そう言えば、パンナコッタもかなり見かけるかも。

そんなティラミスの材料はチーズ! マスカルポーネだよね。
チーズはフランスの方がおいしいと思っていたんだけど、そう言えば、モッツァレッラも含め、熟成させないフレッシュチーズはイタリアのものがおいしいかも・・・。
やっぱり気候とか風土がかんけいしているのかなぁ。
フランスの寒さと乾燥がよいのかも。

で、マスカルポーネとはよく聞くけど、実際はなんだかよくわかっていないんだよね(笑)
調べてみると、生クリームを熱してからクエン酸又は酢酸を加えて固め、布でこして水分(乳清=ホエイ)を除いたものだって。
なんだかどこかで聞いたことあるような・・・、と思っていたら、フランスのデザートの定番でもあるフロマージュ・ブランと作り方が類似しているのだ!
フロマージュ・ブランの場合は、生クリームではなく、より脂肪分の少ない乳(全乳、低脂肪乳又は無脂肪乳)を温め、そこに乳酸菌と少量のレンネット(チーズを凝固させる酵素)を加えて固め、水分を除くのだ。

一般に、クリームチーズは、クリーム又は乳に乳酸菌を加え、発酵させて固めてから、水分を除いて作るのだ。
乳に乳酸菌を加えて発酵させた発酵乳はヨーグルトなんだけど、ヨーグルトの場合は乳酸菌の株がある程度決まっているようだよ。
でも、水分を切ったヨーグルトと、乳で作ったフレッシュ・チーズは非常に似ているのだ、っていうか、ほとんど同じ。
フロマージュ・ブランはヨーグルトと言われてもわからないからね。


マスカルポーネの特徴として、フロマージュ・ブランを含むクリームチーズと異なり、乳酸発酵をさせていないので酸味が少ないのだ。
しかも、乳にレモン汁や酢を加えて作るオランダのカッテージチーズに比べると、もともとの脂肪分が多いので、その「甘み」があるんだよね。
より濃厚なクリームになるのだ。 これが高カロリーの原因なんだけど。

作りたてのマスカルポーネは乳白色。
いわゆるティラミスの色である黄色は、サバイオーネと言われるカスタードの色なのだ。
これは、卵黄に砂糖を加えて泡立て、洋酒を加えて煮詰めたものだよ。
このカスタードとマスカルポーネを混ぜたものを使うのがティラミスなのだ。
一方、マスカルポーネは、古くなると黄色くなってくるんだよね。
これは中に含まれる乳脂肪が酸化されて色がつくため。
古い油が褐色になっていくのと同じだよ。
なので、ティラミスのイメージでマスカルポーネを選んではいけないのだ!

日本では、バブルの時期に「イタ飯」が大流行し、ティラミスも一気にメジャーになったんだよね。
デニーズなどのファミレスでも定番になったし、一気に需要が増えたのだ。
ところが、フレッシュチーズであるマスカルポーネは日持ちがよくないし、そんなに大量に輸入はできなかったのだ・・・。
そこで開発されたのが、植物性油脂から作られた代用品。
「マスカポーネ」だよ。
バターに対するマーガリンの発想だよね。
この代用品は、柔らかくて加工しやすく、かつ、日持ちもするので、カップデザートに使ったりするのにはもってこい。
スーパーやコンビニに並んでいる価格の安いものはこの代用品を使っているかもしれないよ。
本物のマスカルポーネを使ったものと食べ比べてみると面白いかもね。

2018/01/13

臭みに立ち向かう

パリの魚介類はくさい!
スーパーで売っているようなものは当然として、マルシェで氷の上に並べられているようなものもかなりのにおいなのだ・・・。
フランス人はあまり魚の臭みを気にしないのかな?
日本ほど冷蔵・冷凍輸送の体制が整っていないようなので、流通の問題であるのは確かなんだけど。
なので、パリでは家で魚料理を食べる機会は減ってしまうのだ(>_<)
職場の同僚はパリでは魚は食べないとか言っているよ。

実は、真空パックに入って売られているスモークサーモンもそうなんだよね。
日本で売っているものでもくさみが気になって・・・、なんてネットの相談を見たけど、パリで売られているものは多分もっとくさみがあるよ。
一応、パックを開けてそのままでも食べられるみたいなんだけど、推奨は、ドレッシングなどであえてカルパッチョやサラダにすることなのだ。
我が家では、塩漬けイクラとともに鮭親子丼にしたんだけど、わさび醤油でカバーしたのだ。

この魚のくさみの主な原因と言われているのは、トリメチルアミンという物質。
すごく簡単な構造の有機化合物だよ。
低濃度でいわゆる「魚臭」、高濃度ではアンモニアのような悪臭になるのだ。
悪臭防止法の規制対象でもあって、特定悪臭物質に指定されているんだって!
魚の場合、浸透圧を調節するために体内にトリメチルアミン-N-オキシドという物質を持っていて、これが魚の死後に付着している細菌による還元されると、悪臭の原因であるトリメチルアミンが出てくるのだ。
なので、トリメチルアミンは魚の腐敗の進行度によって増えるんだよね。
つまり、鮮度よく流通させないと、くさくなるわけ・・・。

このトリメチルアミンは水によく溶ける物質なので、水で洗えばある程度取り除けるんだけど、魚の切り身をそのまま真水で洗ってしまうと、浸透圧の関係で切り身が水分を吸ってしまい、食感も悪くなるし、味もぼやけたものになるのだ・・・。
そこで、仮に洗う場合は海水程度の塩水を使うのがよいらしいよ。
そうすると切り身は「ぶよぶよ」にはならないのだ。
伝統的には、魚の身から水分を吸い出して「締まった」状態にする方が、身がぷりぷりし、味も濃くなるので、塩水で洗うよりは、塩を振って、水分を吸った塩をぬぐい取る、という方法がとられているよ。
水分と一緒にくさみ成分もぬけるので、塩をして少し閉めると改善するみたい。
ただし、生魚はいいとして、スモークサーモンにはあまり使えないね(笑)

浸透圧を気にせずに水で洗うには、野菜ではやった「50度洗い」という方法もあるのだ。
50度前後(48度~52度)のぬるま湯を用意して洗う、というだけなんだけど。
野菜の場合は、50度前後の水で簡便に表面の殺菌をするとともに、適度な水分を吸収させてしゃっきり、みずみずしくさせるのだ。
でも、これだと魚ではまずいのでは?、と思うんだけど、ちょっと違うみたい。
表面の殺菌でこれ以上くさみ成分が増えないようにするのは効果があるとして、ぬるま湯で洗うのは、「余計な水分を吸わせない」ようにするためなのだ。
逆説的に聞こえるけど。

魚や肉の場合、やってみるとわかるのだけど、ぬるま湯に入れると表面が少し白く、固くなるのだ。
これはタンパク質が熱で変成しているからだよ。
そうすると、水が染みこみにくくなるのだ!
ところが、この程度の熱変性は可逆的なので、ぬるま湯で洗った後によく水分をぬぐい取って乾燥させると、元の色、というか、より鮮やかな発色になるのだ。
50度前後という絶妙な温度設定により、火は通らないんだけど、表面のタンパク質は変性する、というのがポイント。
熱すぎると「たたき」にしたように表面に火が通ってしまうし、ぬるすぎると殺菌できないので要注意。

ドレッシングであえるというのも効果があって、これは「酢」が威力を発揮しているのだ。
柑橘類の果汁でも一緒だよ。
トリメチルアミンは酸性条件下ではトリメチルアンモニウム塩に酸化されるので、くさみがなくなるのだ。
これは純粋に化学的な話。
ヨーグルトにつけるというのも同様の話で、中は乳酸によって酸性になっているので、くさみがなくなるのだ。
焼き魚にレモンをしぼるというのも一理あるわけだね。

ちなみに、トリメチルアミンは熱でも飛ぶので、焼いたり煮たりするとくさみは軽減するよ。
でも、先にくさみを取ってから焼いたり煮たりした方がおいしいわけで。
ちょっと工夫をすればよりおいしく魚が食べられそう。

2018/01/06

「フジコ」はこの配列で

年末年始の旅行中に突如パソコンがうんともすんとも言わなくなったのだorz
午前中に使えていたのに、夜になったら電源が入らない!
で、ネットで調べて応急の対処法を調べてもどうにもならない(ToT)
どうも内部がいかれてしまったみたい。
というわけで、仕方がないので、フランスで新しいものいを購入しようと思ったんだけど・・・。

フランスで売っているパソコンはキーボードの配列が違う!
ものすごく使いにくい。
日本語版も含めて、英字はスタンダードには「QWERTY」配列になっているんだけど、仏語版は「AZERTY」配列という特殊なもの。
これはフランスとベルギーくらいでしか使わないみたい。
なので、わざわざ英国版の「QWERTY」配列のものを探さないといけなんだよね。

このQWERTY配列というのはタイプライターの次代に確立された配列。
英字が三段に配置されていて、一番上の段の左からQ、W、E、R、T、Y、・・・と並んでいるので、「QWERTY」と呼ばれるのだ。
いわゆる見慣れた英字配列だよ。
一方、仏語版の場合、QとA、WとZの位置が入れ変わっているので、同じように一番上の段の左から読むと「AZERTY」になるのだ。
これは仏語の綴りの場合、この配置の方が打ちやすいからなんだって。

AZERTYの場合、数字の入力もめんどうなんだ。
仏語には、英字にアクサンがつくので、そのまま入力するとアクサン付の英字が入力されるようになっていて、数字を打ちたいときにはSHIFTキーとともに押す必要があるんだ。
別にテンキーがあればまだましだけど、かなり違和感があるよね。
でも、普通のQWERTYでアクサン付の英字を打つことに比べたらこの方が楽なのかも・・・。
独語版のQWERTZは、単純にYとZを入れ替えたもの。
これは使用品度の問題で、独語の単語はZを多用するけどYはあまり使わないので、そうなっているんだって。
これならまだましかな、違和感はあるけれど。

このほかに、もっと理論的に英字入力の際の効率性を求めた「Dvorak配列」というのもあるのだ。
これは開発者の名前をとったもの。
理論的にはこの方が指を動かす距離を短くして英語が入力できるそうなんだけど、一般にQWERTYでブラインド・タッチなどを練習することが多いため、いまいち普及しないようなのだ。
また、英字入力にはよいけど、その他言語のことは考慮されていないので、英語以外の言語を使う人にはまったく関係ないしろもの。
特に日本語のローマ字入力の場合には使いにくいみたいだよ。

ちなみに、ネットスラングで出てくる「フジコる」は、QWERTY配列をもとにしたものなのだ。
キーボードの上段と中段を左から交互に押していくと「qawsedrftgyhujikolp」となるんだけど、これがローマ字入力モードだと「qあwせdrftgyふじこlp」となって、「ふじこ」が出てくるんだよね。
もともとは音声にならない悲鳴などを表現するために使われていたんだけど、いつしか、何を言っているか意味がわからない人の言葉に使われるようになり、そこから、意味のわからないことを言う、という意味で「ふじこ」が用いられるようになったのだ。

さらに、キーボードは配列のほかに、キーの数でも分類があるんだって。
欧米式のスタンダードは101キーボード、メインの文字キー47+その他11キーに、テンキー17、ファンクションキー12、その他14が入ったもの。
メインはタイプライター時代からのものだよ。
日本語版はキーの数が増えて106キーボードと呼ばれるのだ。
これは、日本語入力用にキーを増やす必要があったため。
「無変換」、「変換」、「カタカナ・ひらがな」の3つの変換キーに、かな打ち用の「む」と「ろ」を加えたもの。
英字よりかなの方が多いので、キーを増やす必要があるのだ。
ま、今はかな打ちをする人はあんまりいないので、海外でQWERTYの101キーボードを買っても多少使いづらい程度なんだよね。

2017/12/30

ひーひー鍋

フランス人は辛いものが苦手なようで、あんまり辛い料理がないんだよね・・・。
インドカレーを食べても、タイ料理を食べても、かなり辛さがマイルド!
日本のインドカレーやタイ料理も本場に比べれば辛くないんだろうけど、フランスのものは全く辛みがないと言っても過言ではないのだ。
そんな中、フランスで食べられるめちゃくちゃ辛い料理があるんだ。
それは、中国の火鍋。
中華料理は比較的多いんだけど(ベトナムやカンボジアの人がyっている偽中華も多いけど)、その中でも、四川風の火鍋を提供している店がわりとあるんだよね。

火鍋は中国式の鍋料理で、辛いスープに肉や魚介類、野菜を入れ、煮えたところで取り皿にとってたれや薬味をつけて食べるもの。
最近のメジャーは、鍋の真ん中に式があって、2種類のスープが入っているものだよね。
たいていは赤い辛いスープと、白い白湯スープなのだ。
食べているうちに混ざっちゃうんだけど(笑)
ボクがパリで食べたのもこの方式。
でも、スープはいろんな種類が選べて、劇辛、中辛、微辛、タイ式、とんこつ、トマトなどから選べたよ。

火鍋の起源には諸説あって、ひとつは、内モンゴルの 羊肉料理から発達したというもの。
日本でもチェーン展開をしている「小肥羊」はもともと「内蒙古小肥羊餐飲連鎖有限公司」という中国の会社。
辛いスープの中にニンニクやショウガに加え、クコの実や ナツメ、竜眼などの生薬を入れたもの。
「医食同源」もうたっていて、体によい鍋と宣伝しているよ。

もうひとつの起源は、四川省。
フランスはこっちかな?
四川では、船乗りが牛や豚の内臓に塩や山椒を振りかけて鍋にしていたそうで、それが「重慶火鍋」の原型。
新大陸から唐辛子が伝わるまでは、中華山椒のしびれる辛さの料理だったのだ!
 でも、すでに殷の時代から「鼎(かなえ)」に肉とスープを入れて火にかける料理があったようで、鍋料理はあったようなのだ。
辛い味付けになったのがいつか、食べ方としてたれや薬味をつけて食べるようになったのはいつか、ということなんだろうね。

清朝の時代には今の形に発達し、満願全席にも加えられて、豪華なものとなったようなのだ。
庶民は2種類のスープなんて使えないし、生薬系の材料も簡単には手に入らないよね。
もともとはクセの強い羊肉をおいしく食べるための 料理なわけだけど、今では牛や豚も普通に使われるよね。
これもグローバル展開かな?

とりあえず、フランスでどうしても辛いものが食べたい場合は中華が手っ取り早いのだ。
四川系の店だと麻婆豆腐や辛いソースの蒸し鶏なんかもあるしね。
でも、フランスに来てから辛いものをあまり食べないので、辛さにだいぶ弱くなってきた・・・。

2017/12/23

祝日も移動

今上天皇陛下の御退位の準備が着々と進んでいるようなのだ。
その中で、最近話題になっているのが、12月23日の天皇誕生日の今後の扱い。
次に測位される皇太子殿下の誕生日は2月23日なので、天皇誕生日はそちらに移る予定。
で、問題は、12月23日が別の祝日に指定されるのか、平日になるのか、という点。
クリスマス直前という非常にありがたいタイミングの祝日だっただけに関心が高いのだ。

官房長官の会見でも質問が出たようで、そのときの政府の見解は、天皇誕生日は12月23日から2月23日に移るので、そのままだと12月23日は平日となる、というもの。
加えて、今後引き続き12月23日を祝日とするかどうかは広く国民の間での議論が必要、とも付け加えているのだ。
日本は国民性としてあまり休みを取りたがらず、有給休暇の取得率も低いので、現状で祝日・休日は世界でもトップレベルの数なんだよね。
なので、このタイミングでまた祝日を増やすかどうかは議論の必要あり、ということのようなのだ。

官房長官の言っている天皇誕生日の移動というのは、先の通常国会で成立した「天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)」による「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)の改正のことなのだ。
皇室典範特例法の附則第10条が祝日法の一部改正になっているんだ。
祝日法では、第2条で「国民の祝日」を1月のものから順番に列記していて、現在は12月23日の天皇誕生日が最後なのだ。
で、今回の改正では、「春分日」の「春分の日」の前に2月23日の「新」天皇誕生日を挿入し、12月の「旧」天皇誕生日を削ることにしているのだ。
ちなみに、「春分日」と「秋分日」は年によって変わるので、前年2月の「歴要項」の中で確定され、官報で公告されるよ。

で、上記の改正内容から明らかなように、天皇誕生日そのものが2月23日と変わってしまうので、12月23日は平日になってしまうのだ。
仮に、昭和天皇誕生日が「昭和の日」(最初は「みどりの日」)になったように祝日としたい場合は、また祝日法を改正して新しい祝日を法律に追加する必要があるのだ。
で、まだそういう動きはないから、きっと来年1月の通常国会には出てこないはず。
早くて秋の通常国会かな?
ちなみに、皇室典範特例法の附則第10条の施行日は、平成31年5月1日。
あと2年ちょっとあるわけか・・・。
祝日を追加する場合は相当期間の周知期間が必要だけど、そこで問題なく成立すれば、おそらく、平日の12月23日を迎えなくてすむかも。
ちなみに、多くの場合祝日法は議員立法で改正されてきていて、いきなり通常国会出てこないとも限らないのだ。

でも、通常は議員立法だとしても、祝日の話は国会議員の間でしっかり議論が行われるのが通例で、一番最近出来た「山の日」については、平成25年4月に超党派の議員連盟ができて、議論に紆余曲折があり、議員立法の中身がまとまって国会に祝日法改正案が翌平成26年3月28日。
つまり、1年近く議論しているのだ。
このときはどの日を休みの日にするかの議論があったからもめたからそのまま適用はできないけど、それなりに議員立法を出すのにも次官はかかるよね。

そして、法律が国会で可決され、成立したのはその年の5月。
でも、施行は平成28年、つまり今年からで、実際に最初に「山の日」が休みになるまでに成立から2年はかかっているんだよね。
ということは、来年秋の臨時国会に議員立法で祝日法が改正されると、その翌々年の1月1日に施行というのが濃厚と考えられるので、最初に12月23日を祝日にできるのは平成31年!
というわけで、もうすぐにでも動かないと間に合わなさそう。

でも、せっかくなら、12月23日の休みは残してほしいよね。
年末年始の休みをそこから開始できる、ちょうどよい祝日になっているし。
というわけで、国会議員の先生方におかれてはぜひぜひがんばってもらいたいものなのだ(笑)

2017/12/16

後ろから、前から、どうぞ

ボクもニュースで知っているだけなんだけど、最近の小学校の算数の授業では、「かけ算」の順番にうるさいらしいね。
なんでも、「5×2」と「2×5」は意味が違うので、文章題では、答えである「10」を導き出すのに、どちらの計算法を使ったかで○×が変わるんだって!
っていうか、意味不明なんでけど・・・。
自分が小学校のころはどうだったかなぁ?

曰く、その理由は、「かけ算の順番には意味があるから」なんだって。
例えば、「2人にリンゴを5つずつ配る場合、リンゴはいくつ必要か?」という問題があった場合、リンゴ5つのセットが2人分なので、5×2=10にしないとダメなんだって。
2×5では同じ答えになっても×なんだそう。
え!?、って思うよね。

というのも、実際の日常生活では、2人に5つずつリンゴを配る場合、5個のセットを2人に1セットずつ配る場合もあれば、2つとって一人に1つずつ渡すのを5セットやって配る場合もあるよね。
っていうか、けっこう後者のやり方をする場合が多いんじゃないかな?
でも、この後者の場合だと、計算方法は2×5だよね。
だとすると、2×5でも間違いではないはずなのだ!

これは数学的には当たり前で、自然数、整数、有理数(分数で表せるもの)、無理数(平方根や円周率のように無限に小数点以下の数字が続くもの)、複素数(虚数iが入ったもの)に至るまで、足し算(加算)とかけ算(乗算)については、「交換法則」が保存されているのだ。
「交換法則」とかいうと難しそうだけど、ようは、「+」と「×」の前後を入れ替えても答えは同じになる、ということ。
5に2を加えるのも、2に5を加えるのも数学的には同じ。
同様に、5に2をかけるのも、2に5をかけるのも数学的には同じ、なのだ。
「かけ算の順序には意味がある」とか言われも、さっきのように配り方次第ではかけ算の順序が変わることもあるわけで、ほとんど意味がないんじゃないかなぁ、と思うんだよね。

前後を入れ替えても答えが同じになるというのはその後の数学ではけっこう重要なことで、複雑な足し算・かけ算をするときに、計算しやすいように並べ替えたりできるのはこのおかげ。
さらに、中学校に入って文字式が出てくると、a×bとb×aが同じであると理解できないと、(a+b)×(a+b)=a+2ab+bという展開ができなくなるのだ。
下手に「かけ算の順番に意味がある」なんて染みこませちゃうと、ここでa×bとb×aが同じであるということを改めて説明しないといけなくなるんだよね・・・。
かえって面倒なような気もするんだけど。

高等数学になって行列の計算が出てくると、そこではじめて乗算について交換法則が保存されなくなるんだよね。
それを先取りしているんだ!、とか言うのかもしれないけど、多くの人は行列の計算なんてしないわけで・・・。
むしろ、これまでの数学では一般的に成り立ってきた乗算の交換法則が行列では成り立たない、と教えて方がわかりやすいとも思うのだ。
実際に、ボクが教わったときはそうだったし。
ま、行列のかけ算なんてもはやイメージできないんだけど(笑)

それにしても、もうちょっと柔軟に教えられないものなのかなぁ、とは思うよ。
こういう教え方をしちゃうと、型にはまった頭になっちゃって、形式が整ったテストには回答できるけど、現実の課題に算数・数学を応用する力は衰えるような気がするんだよね。
むしろ、さっきのリンゴの例みたいな話をしながら、かけ算の場合は、前後を入れ替えても意味が同じ、というような説明をした方が、子どもたちの興味も引けると思うんだけど。