火山でこわいのは溶岩だけじゃない!
霧島の新燃岳の噴火が報道されているけど、これは大変な事態になってきたのだ。
降灰だけでも相当な被害が出ているようだけど、今心配されているのは火砕流。
雲仙普賢岳の噴火でそのおそろしさの認知度が一気に高まったよね。
あっという間に市街が壊滅状態に追い込まれるのだ(>o<)
でも、なんとなくおそろしいものだとわかっていても、実はどういうものかがよくわからないので、ちょっと調べてみることにしたんだ。
端的に言うと、火砕流というのは、火山から噴出される固形の火山砕屑物と火山ガスが一体化して流れ出るもののこと(ちなみにガスがほとんどだと火砕サージと言うそうだよ。)。
火山砕屑物というのは、表面で固まっていた溶岩が砕けたものや溶岩が噴火の爆発で外気に触れたときに急激に冷やされて固まって砕けたものなどで、冷えて固まっているとは言えまだまだ高温なのだ!
これが火山ガスと混ざって流れてくるわけだけど、空気より重いので地をはうように広がっていくんだ。
しかも、期待と混ざっていてほとんど摩擦なく広がっていくので、ものすごく高速で流れて来るのだ。
この熱と高速の流れが火砕流の被害を甚大にしている原因なんだ!
雲仙普賢岳の噴火の時には家や森が一気に押し流され、破壊される映像が流れていたけど、まさにそういうことが霧島でも起きようとしているということなのだ・・・。
これはおそろしいよね。
火山の被害では、どうしても浅間山や三原山の噴火のように溶岩が直接流れ出てくるものを想像しがちだけど、実は溶岩はどろっとしているので摩擦でそんなに早く流れないのだ。
山崩れの土石流や表面だけが崩落して流れる雪崩は火砕流と同じようにものすごい早さだからよけたりすることはできないけど、溶岩はじわじわと焼きながら浸食してくる感じなんだよね。
ハワイのキラウエアみたいに玄武岩質でさらさらの溶岩だと、そもそも大きく噴火することもなく、こんこんと(?)溶岩がわき出して海に流れていくんだよね。
一方、流紋岩のように粘性が高いと流れ出ることはなく、噴火口から押し出される感じで溶岩ドームが形成され、それが耐えきれなくなると一気に爆発するのだ。
このとき流れ出るのは溶岩流ではなくて火砕流だよ。
中間の粘性の安山岩だと、溶岩が適度に流れ出るので、溶岩流が出てくるんだ。
浅間山の「鬼押出し」なんかはその溶岩流が流れて固まった跡だよね。
火砕流が発生するときは、いくつかパターンがあるんだ。
今回の霧島のように、溶岩ドームが先にできて、それが爆発的に砕けたときに一気に火砕流が流れ出すのだ。
このときは山の地形に影響されて流れやすいところに流れていくよ。
雲仙普賢岳のケースがまさにこれ。
粘性が高く、中に多くのガスを含んでいるマグマが地表付近で圧力が軽減されて一気に爆発・発砲するときも大規模な火砕流が起きるのだ。
地中深いところでは圧力が高いのでガスがマグマの中に閉じこめられているんだけど、地表付近でそれが気圧程度になると一気にガスが発砲して、爆発するわけ。
この場合はほぼ全方向に火砕流が発生するのだ!
噴火した後、マグマがなくなって空洞になった部分がつぶれて窪地になってカルデラが形成されるのが特徴で、阿蘇山なんかはこのタイプの火砕流が発生していたみたい。
火砕流の後に冷えてできたのがシラス台地だって。
イタリアのヴェスヴィオ火山のようなタイプだと、ガスと個体物が混同している噴煙柱が立ち上っていくんだけど、自重に耐えきれず上昇できなくなって倒れたときにそれが火砕流となって流れ出すんだって。
この場合はまさに倒れたところにだけ火砕流が発せするわけだけど、その流れる方向は風とかの影響を受けるわけで、予測しづらいんだよね。
ポンペイの都市はこの火砕流で地中に埋もれたんだよ。
火砕流中の固体成分でだいぶ流れ方や流れた後の被害も変わるんだけど、火山ガスの影響もあるのだ。
水蒸気が多い場合は熱以外にそんなに影響がないけど、硫化水素のような有毒ガスが多いと、火砕流が流れた地域のまわりの動植物にも影響が出るのだ。
カルデラが形成されて火山ガスがそこに残ってしまうともはや生息不可能地域になるし、直接の被害だけでなくてそういう間接的な被害も無視できないんだ。
火砕流はわりとさらさらで、高速で広い地域に流れ出していくので、その被害範囲も広くなることが多く、大きく動植物の生息環境を変えてしまうおそろしいものなんだ(>o<)
というわけで、ちょっと調べてみただけでもそのおそろしさは増ばかり!
ポンペイが一瞬にして滅んだ原因とか言われるとその被害の大きさがよくわかるよね。
そういう目で霧島の状況を見ることも大切かも。
雲仙の被害も復興にものすごく時間がかかったからね。
今回はそんなことにならなければよいんだけど・・・。
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