2011/10/15

ギャンブル必勝法?

ネットで、「二度あることは三度ある」の確率を数学的に解いている記事を見つけたのだ。
なかなか興味深い(笑)
で、気づいたんだけど、意外と確率の話って誤解というか、あやまったイメージをもたれがちなんだよね。
特に顕著に出てくるのは、丁半ばくちとか、ルーレットの赤・黒、ハイ&ローなんかの確率が1/2の「出目」の読み方。
ここまで丁/赤/ハイが続いているから次は逆・・・、なんて発想があるよね。
でも、それこそが誤った認識というか、錯誤なのだ!

この考え方の基本になっているのは、二項分布の正規分布による近似なんだよね。
おそらく、大半の人はそんなこと考えたこともないとは思うけど、直感的に知っている話なのだ。
これは、ある確率pで発生する事象について、十分に大きい例数nで繰り返すと、その期待値はnpになる、というもの。
具体的に言えば、コインの裏表について、1,000回繰り返して投げると、表又は裏が出る期待値はそれぞれ500回程度、ということなんだよね。
もともと1/2の確率なんだから、半分程度になるだろう、という直感と一致するわけ。
すると、片方が多めに出ていると、次はもう一方が出ないとバランスがとれない、という考え方になるのだ。
これが錯誤、誤認のおおもとなんだよね。

実際には、近似式で計算すると、100回繰り返した場合、標準偏差は5になるので、60回以上表又は裏が出る確率は15.87%、65回以上表又は裏が出る確率は0.13%になるんだ!
これが400回繰り返した場合だと、標準偏差は10になるので、210回以上表又は裏が出る確率が15.87%、230回以上表又は裏が出る確率が0.13%ということになるのだ。
さらに、10,000回繰り返すと、標準偏差が500になって、5,500回以上が15.87%、6,500回以上が0.13%だよ。
これは、正規分布表を利用した簡便計算で、標準偏差σの振れ幅に入る確率として計算しているのだ。
1σの範囲を超える確率は15.87%、2σだと2.28%、3σだと0.13%なのだ。
でも、逆に言うと、100回繰り返した場合でも、40~60回の間にはいるのは68.26%で、1/3くらいの確率で10回以上の差がつく、とも言えるんだよね。

もっと小さい数で考えてみると、5回繰り返した場合に3回以上表又は裏が出る確率はなんと1/2!
5回だと全部で32通りのパターンが考えられるんだけど、そのうちの半分の16通りでは片方の目が3回以上出続けるのだ。
これを6回繰り返した場合を考えてみると、全部で64通りのパターン。
そのうち、6回連続になるのが表又は裏で2通り。
1回だけ別の目が出る場合を考えると、どのタイミングで別の目が出ても必ず3回以上連続することになるので、表と裏各6通りで12通り。
出目が4:2になる場合を考えるとそれぞれ9パターンあるので全部で18通り。
出目が均等な場合は対称性を考慮して全部で6通り。
すると、(2+12+18+6)/64=38/64で60%弱の確率となるのだ!
むしろ、6回繰り返すと3回以上続かない方が珍しいというわけ。
ちなみに、6回繰り返して4回以上連続する確率は16/64でなんと1/4なのだ。

こうなると、すでに続けて同じ目が出ているから次は逆、なんて発想は捨てた方がよいよね。
それに、3回連続で同じ目が出てもなんら不思議ではないのだ。
6回繰り返しただけでむしろ3回連続する方が起こりやすいわけだからね。
ボクたちがイメージしているほど、3回連続で同じ目が出るなんていうのは珍しいことではないのだ。
仏の顔も三度までとか言われても、けっこう頻繁に許してもらえなくなるね(笑)

でもでも、もっと重要なのは、いくらその前まで同じ目が出続けていようと、次に表又は裏が出る確率は確実に1/2でしかないということ。
出目の流れなんてはっきり言って関係ないのだ。
前までに出ている出目はすでに確定してしまった事象なので、その確率は考慮に入れる必要はないんだよね。
つまり、その時々の確率だけ考えればよくて、経緯は気にしてはいけないのだ。
全体的に見れば、確かに出目が何回も連続するのは珍しいことでかもしれないけど、それは最初から10回分なりをかける場合(スポーツ振興くじのtotoは全試合の勝敗を1回の投票で予想してかけるけど、そういうイメージ。)の話であって、前にどんな目が出ていようと、次に表又は裏になる確率は変わらないのだから、1回ずつの勝負であれば前のことをすっかり忘れてフレッシュな気持ち(?)で臨むのがよいわけ。

というわけで、上でぐちゃぐちゃ計算していたのは、実はそんなに意識しなくても、といううより、むしろ考えない方がよい話なのだ。
とは言え、まったくの無駄ではないんだよね。
それは本当に表又は裏の出る確率が1/2になっているかということ。
表又は裏が出やすいと、計算上の確率ではなかなか起こらないような事象(例えばずっと同じ目が出続けるなど)がより起こりやすくなるわけ。
ま、賭け事の場合はむしろ「いかさま」を疑った方がよいんだよね。
全体の流れを読むのはむしろいかさまが行われているのか、偶然性の下に行われているのかを見極める上で必要なのだ。
例えば、上の例から行くと、100回の結果で66回以上表又は裏が出ているんだとすると、かなりあやしいことになるよね。
逆に、出目が交互に出続けるのは実はものすごくまれな事象なので、むしろそういう場合はいかさまを疑った方がよいんだよ。
それは明らかに誤った確率の認識に基づいてバランスを考えて出目を細工しているはずだから。
気をつけなはれやっ!

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