2014/01/11

内側からぬくもりを

年が明けてますます寒くなってきた!
例年関東では1~2ガツに雪が降るけど、やっぱり寒さのピークは年が明けてからなんだろうね。
で、この時期活躍するのがユニクロのヒートテックを始めとしたあったかインナー♪
生地は薄いけど、確かにあたたかい。
セーターやダウンだとどうしても厚みがあって、さらに重ね着すると雪だるまのように着ぶくれしてしまうけど、これがあるとそこまでいかなくて動きやすいのだ。

これらは吸湿発熱素材と呼ばれる特殊な化学繊維でできていて、ユニクロのヒートテックの場合は、ポリエステル、アクリル、レーヨン、ポリウレタンの混紡。
東レが開発した繊維が使われているみたい。
複数の繊維が混ざっているので染色ムラが大きな課題だったようで、それが解決されて今のような多彩なカラーバリエーションができたとか。
あたたかいという快適性だけでなく、ファッション性が犠牲になっていなかったというのが成功のもとかな?

いろんな繊維メーカーが作っているけど、吸湿発熱素材の特長は3つ。
一つ目は、繊維中に空気を多く取り込み断熱層を作ることで実現している保温効果。
これはセーターやダウンと同じで、空気は熱伝導率が低いので、外気と体の間に空気が挟まると断熱効果が高いのだ。
セーターだと大きな目の編み込み、ダウンだと羽毛の起毛によって空気をとりこんでいるわけだけど、ヒートテックの場合は中空の糸が使われていたりするらしいよ。

二つ目は、少し奇異に感じるけど、ドライ効果。
汗を素早く吸収し、表面積の大きな繊維ですぐに拡散させるのだ。
これは夏に売られているシルキードライなんかも同じだよね。
冬に体が冷える原因としてるのは、重ね着をして動くと最初は暑いくらいなんだけど、その後汗をかくとそこから気化熱で体温を奪われて体が冷えていくというもの。
冬山登山でももっとも危険視されることでもあるのだ。
これを防ぐため、汗は素早く吸収し、体表から気化熱が奪われないようにしているというわけ。
フリースなんかだと密な編み込みで風を通さずあたたかいけど、まったく汗を吸わないから、いったん汗をかいてしまうと着心地が悪くなり、しまいには体が冷えてしまうんだよね・・・。

三つ目が最大の特長である発熱効果。
体から出る水蒸気を繊維が吸着するときに発熱するそうなのだ。
水蒸気の運動エネルギーが繊維へ吸着したときに熱エネルギーに変換される、とかいうと熱交換器的な機能を想定してしまうけど、なんのことはない、水蒸気の凝縮熱のことを言っているのだ。
水が蒸発するときに熱を奪っていく気化熱の逆で、水蒸気が凝縮して水滴になるときに発熱するのだ。
その熱量は2,258kJ/kg(539.4kcal/kg)くらい。
体からは何もしてなくても毎日約800mlほどの水蒸気が発散されているらしいので、すべてが捕捉されると1,806.4kJ(431.5kcal)だから、うどん一杯分くらいの熱量を再利用できたことになるね。

問題はここから。
体から出た水蒸気を繊維が吸着して発熱するのはよいのだけど、その繊維に吸着された水分が外に蒸発していくときには今度は気化熱を奪っていくので、本来的にはエネルギー保存の法則で熱収支はゼロのはずなんだよね。
それなのにあたたかく感じているのは、水分が蒸発していくのは布地の外側、空気の断熱層の向こう側だから。
布地の表と裏で温度差が生じているのだ。
ちなみに、ある程度水分が蒸発していかないと吸湿効果も低くなるので、あったかインナーの外側にはある程度空気の出入りがあるようにするとよいのだ。
ということは、フリースとの組み合わせはあまりおすすめではない?

この保温・発熱効果をさらに高めるために、繊維の伸縮性にも工夫があるんだよね。
体にしっかりフィットさせることで、体から出る水蒸気を素早く吸着して発熱するとともに、体表に近い位置で発熱することができるのだ。
インナーが体にフィットしていればしているほど、その外側の衣服との間には隙間もできるので、さっきの風通しの問題もある程度解決できるというわけ。
なおかつ、ごわごわせず動きやすいというおまけつき。
よく考えられて作られているんだねぇ。

ちなみに、吸湿発熱効果はどんな繊維にもあるもので、それを強化した素材ということみたい。
綿の肌着が着心地がよくてあたたかいのは、天然に保温、速乾、発熱のバランスがとれているからなんだろうね。
とにもかくにも、寒いのが苦手なボクにはありがたいものができたよ。
これからしばらく恩恵にあずかりますか(^o^)/

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