もはや伝統芸の域か?
東南アジアでは、ベトナムの反中デモだけでなく、タイのクーデターも大きな騒ぎになっているのだ。
日本企業も脱中国を進めて東南アジアに生産拠点を移し始めているけど、なかなか政治的に安定しないものだねぇ。
日本がそれだけ平和ぼけするくらい平和なのかもしれないけど。
とにもかくにも、世界では暴力を伴う政治的な動きがけっこうあるのだ。
クーデターは、もともとフランス語のcoup d'Etatで、「国家への一撃」といった意味なんだって。
「革命」は、社会制度と支配的なイデオロギーの政治的転換だそうで、例えば、フランス革命のように絶対王政から共和制に大変革が起こったり、米国独立のように、植民地支配からの脱却だったりするのだ。
主に政治システムの大転換を伴うものを指すそうだよ。
似たもの「反乱」があるけど、これは統治機構に対して暴力をもって政治的反抗をするもので、これが革命のきっかけになることもあるのだ。
インドの独立はもともと反乱から始まっているしね。
これらに対し、クーデターの場合は、支配階級内部での権力闘争の中で発生する政治的な暴力の使用に分類されるのだ。
政権の中の反主流派が軍と結託して政治機能を停止させ、国を乗っ取るみたいな。
国のNo.2がクーデターを起こして政権を執る、というのもこれだよ。
テロリズムというのもあるけど、これは政治的な目的に従って計画的に暴力行為を行うもので、概念は広いみたい。
国家転覆のためにやるようなのもあるし、国家の政策に対する報復措置のようなもあるし。
宗教的なものもからむから複雑だよ。
これが大きな政治的なうねりになってくると「反乱」につながっていくのかな?
それと、「内戦」という場合は、単一国家の中で民族や宗教の違いによる対立で武力紛争が起こること。
英語では「反乱」も「内乱」も同じく「rebellion」で、「内戦」は「civil war」というのが通例だけど、実は「内戦」と「内乱」との違いは明確ではないんだよね。
ある程度継続的に紛争状態にあると「内戦」と呼ぶ場合が多いのかな?
タイの場合は、農村部から絶大な支持を得ているタクシン派と、それに反発する都市部に支持を得ている反タクシン派の政治的主導権に関する争いに起因しているみたい。
1932年に立憲君主制に移行して以来、もう19回目のクーデターだとか・・・。
政治でもめて行き詰まると軍が介入し、いったんちゃらにして新しい政権をスタートさせる、という流れになっているらしく、クーデターを起こした軍は、タイ国王にクーデターを認めるようお願いに行く伝統もあるんだって。
一応形的には、国家的省庁である国王が国の行く末を案じて仲介に入った、という体裁にもなるのだ。
ついこの間もタイではクーデターがあって、まさに当時のタクシン首相は外遊先から帰国できなくなってしまったわけだけど、クーデターによる政権交代後、普通に選挙をしたら、またタクシン派が勝ってしまったらしいのだ・・・。
どうしても農村部の方が票が多いから、従来の選挙システムでやるとそうなってしまうみたい。
それでタクシン派の首相が何台か就任し、そのたびに反タクシン派から糾弾され、スキャンダルなどの理由で政権を追われていったみたい(料理番組に出演してギャラをもらったことが首相の兼業規定に違反する、とかいう言いがかりに近いものも。)。
で、現在はタクシン元首相の妹に当たるインラックさんが首相になっていたわけだけど、やっぱり不満がたまってまたクーデター(>o<)
タイの場合、憲法裁判所は上院により判事が選ばれるんだけど、この上院はどちらかというと都市部より。
なので、現政権にタイする不利な判決ばかり出すそうで。
今回も首相を免職にしたり、タクシン派の優勢な下院の選挙は憲法違反で無効だとしたり、反タクシン派の思惑どおりに動いているみたい。
とりあえず現在は軍部が治安維持をしている状態だけど、また新しい憲法ができて、新政権が発足するようなのだ。
で、このまままた前と同じような選挙システムにするとタクシン派が郵政になってしまうので、そこをどうするかが鍵みたい。
タイでは軍事政変はよくあって国民も慣れっこだし、何より、最近はほとんど流血騒ぎもない、極めて穏当な(?)クーデターなので、タイ国民もそんなに心配はしていないみたいだけど、早く安定してほしいよねぇ。
タイは日本にとっても重要な国だし、東南アジアでも枢要な国だから。
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