しゃりしゃり冷た~い
最近はいろんなトッピングのかき氷があるそうで、ちょっとしたブームになっているとか。
九州のシロクマはフルーツをのせて加糖練乳をかけたものだけど、アサイー入りだとか外国テイストのものもでてきているみたい。
テレビで見たけど、山崎ウイスキーをかけて、最後は水割りとして飲む、なんてのも登場したとか。
地方の変わり種としては、ところてんのように酢醤油をかけたものもあるんだってね。
そんなかき氷だけど、日本を代表する夏の涼味なのだ。
でも、よくよく考えてみれば、氷がある程度安価に手に入らないと、かき氷を庶民が食べることはできないんだよね。
実際に、平安時代にすでに氷を削ったもの(削り氷)に甘い汁(甘葛の汁)を書けてものが高貴な人の食べ物として珍重されていたのだ。
枕草子や明月記に出てくるよ。
氷が一般に出回るようになったのは実は明治時代。
アイスクリームを国内で最初に売り出したことでも知られている横浜馬車道の町田房造さんが函館の五稜郭の外堀で作った氷を売る氷点を開いたのが最初。
それまでは「ボストン氷」といって、喜望峰を回ってきた米国産の天然氷を輸入していたとか!
もちろん、国内で冬に凍った氷を氷室に保存して、というのはあったけど、これはあまり流通しなかったんだよね。
この町田さんの天然氷「函館氷」は良質かつ低廉で、庶民でも氷を入手できるようになったんだって。
明治16年(1883年)に東京製氷株式会社ができて、人造氷(製氷機により作った氷)が大量に生産できるようになるんだけど、そのおかげで、明治20年代には、かき氷が大衆的な食べ物となっていて、大森貝塚を発見したエドワード・モリス博士の日記にも、かき氷を食べたという記録が出てくるとか。
この頃にはごりごり回してかき氷を作る氷削機も発明されたようだけど、台鉋で削るのが一般的で、氷削機が普及するのは昭和に入ってからだって。
戦前のかき氷は種類も多くなく、砂糖をふりかけた「雪」、砂糖蜜をかけた「みぞれ」、小豆あんをのせた「金時」くらいで、シンプルなもの。
戦後になると色のついたかき氷シロップが登場し、定番のメロン、イチゴ、レモンが出てきて、ブルーハワイとかマンゴーとか色も風味も増えていったんだよね(笑)
で、ここ最近になって、そこにフルーツ、白玉団子、タピオカなどのトッピングもするようになってきたのだ。
だんだんとパフェに近くなってきたのかな?
似たものにフラッペというのがあるけど、もともとはクラッシュドアいすにリキュールなどの酒類を注いだ飲み物がフラッペで、日本ではほぼかき氷と同義になってしまっているんだって。
洋風テイストを出したいときにフラッペと称するのだ。
かき氷の普及は製氷機の発達によるところが大きいわけだけど、ここ最近は天然氷を使っていることを売りにするものもあるんだよね。
ブランド戦略だけど、実際に質のよい天然氷は、透明度が高く、溶けにくいという性質があるのだ。
これは、ゆっくりと氷の結晶が作られていくので、氷の結晶の粒が大きくなり、かつ、氷の結晶中に空気があまり入っていないため。
急速冷凍で氷を作るとどうしても空気を巻き込んで凍ってしまうので、透明度が低くなってしまうし、小さな氷の結晶の集まりになってしまうので、融けやすくなるんだ。
ま、天然氷でなくても、ゆっくりと冷却していけば似たようなものを作れるんだけど。
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