「れい」の乗り物
お盆シーズン真っ盛り!
この時期は笑点以外のテレビ番組でお線香のCMが入るよね。
町中でもお盆用の提灯や灯籠、お供え物なんかを見かけるようになるよね。
まだまだ日本の風習が残っているんだなぁと思うよ。
仏壇がない家庭も増えてきているんだけどね。
お盆という風習自体は、古代から続く日本の習俗に、道教や仏教が入り交じってできているので、不明な点も多いし、地域ごとにけっこう違うんだけど、共通している認識は、先祖の霊がこの時期に戻ってくるので、きちんとお迎えし、送り返すということ。
地獄の釜のふたが開いてそこから霊が出てくるなんていうこともあるよね。
京都五山の送り火も、長崎の精霊流しも考え方は同じなのだ。
お盆の時期に昆虫などを殺してはいけない(無駄な殺生はしてはいけない)というのも、御先祖様がそういった形態で現世にもどってきているから、という考え方に基づくんだよね。
気づかないところでもけっこう身近なところにあるものなのだ。
で、この時期によく見かけるものと言えば、割り箸などをさして動物に見立てたキュウリとナス。
ともに夏野菜の代表選手なのでこの時期にお供え物に使われることもあるけど、この場合は、御先祖様の霊の乗り物と考えられているのだ。
来るときは足の速いキュウリの馬に乗って、帰りは足はのろく荷物をたくさん積めるナスの牛に乗って、ということらしいよ。
これらは「精霊馬(しょうりょううま)」と言うんだって。
同じ夏野菜と言ってもトマトやピーマンじゃダメなのだ(笑)
某人気漫画ではブロッコリーが出てきたけど・・・。
もともとは水辺に生えるマコモで馬型の人形を作っていて、それが乗り物だったのだ。
すでに推古天皇の時代から熱に先祖の霊をまつる風習があったみたいなんだけど、これに時期的に近かったのが中国から伝わった七夕の風習。
七夕伝説の中では、天の川は天の瓜(キュウリ)からできたものという話があって、七夕にキュウリはつきもののようなのだ。
また、ナスのへたは仏の蓮でできた台座である「うてな」に似ているので、仏事に関連しているんだよね。
こういうのが混ざって、季節の野菜でもあるキュウリとナスが馬型を作るのに使われたようなのだ。
マコモでできた馬なら送り火の時に一緒に燃やせばいいのだけど、キュウリやナスだとそうもいかないよね。
かといって生ゴミで捨てたり、カブトムシのえさにするわけにもいかないし。
多くの場合は、川に流したりしたらしいのだ。
これは精霊流しや灯籠流しと同じで、常世(死後の国)は海の彼方にあるという信仰に基づくんだよね。
でも、送る側のナスはわかるけど、迎える側のキュウリも一緒なのはちょっとおかしんだけどね。
いずれにしても、お盆は先祖の霊を敬慕するよい機会。
御先祖様がいるから自分がいるのであって、自分のルーツに思いをはせるのも大事だよね。
ぐちゃぐちで起源はは不明になってはいるけど、伝統・風習としては残していきたいものなのだ。
お墓参りとかも忘れないようにしないとね。
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