忘却の彼方に
風の強かった日の翌日。
職場の木の下にまだ少し青いドングリを見つけた。
もうそんな時期か。
まだ猛暑が続いているけど。
子供の時はついつい拾って集めてしまうけど、それを忘れてしばらくたつと、虫が出てくるんだよなぁ。
ゾウムシの仲間だよね。
かなり気持ち悪いのだ(>_<)
そんなドングリは陸生動物にとって非常に重要な食料。
数多くの実がなるし、その実はでんぷん質に富んでいるし。
人間にとってはけっこうあくが強いものもあるのであく抜きがいるけど、イノシシやリス、ネズミなんかだとそのままばりばり。
いま問題になっているクマにとっても重要で、ドングリが気候の影響で不作になると餌を求めて里に下りてくる、と言われているよね。
森の栄養源なのだ。
でも、このドングリっていうのは果実であるわけで、そこから目が出て次の世代の木になるはずのもの。
それがこんなに食べられまくってよいのだろうか?
ところが、どうもこれがドングリの戦略になっているのだ。
かつては自然落下で落ちて、その形状からころころと転がって周りに広がっていく、と考えられていたのだ。
ドングリコロコロの世界だね。
でも、実際には、ドングリの実は乾燥に弱く、その辺に転がっていったものは発芽することはほぼないのだ。
では、どうなっているのか?
そこで重要なのが、ドングリを食べる小動物たち。
ドングリは秋になるので、体温維持のために常にものを食べていないといけない小動物にとっては貴重な貯蔵できる食料になっているんだ。
見つけたら食べるだけでなく、巣に持ち帰ったり、土に埋めて隠したりするのだ。
これが大事。
秋の終わりから冬にかけては貯蔵したドングリを少しずつ食べていくんだけど・・・。
全部を食べきるわけじゃないのだ!
さすがに巣に持ち帰ったものは食べきれない場合を除いて残ることはないけど、いろんな場所に埋めて隠す場合、掘り返されないことがあるのだ。
探し出せないのか、緊急事態用にさらに残してあるのかは不明だけど、土に埋められたまま、食べられないものが残るんだ。
これが発芽して次の世代の木に育つわけ。
大きななgれとしては、イノシシやシカなどの比較的大きな動物が地面に落ちている実を拾って食べる。
このとき、実が転がっている地面は大型動物によって踏み荒らされるので、土の表面が耕されたようになる。
その少し柔らかくなった土の下に、ネズミやリスなどがドングリを貯蔵する。
多くは掘り返して食べられちゃうけど、一部は掘り返されることなく、発芽に至る。
もちろん、虫に卵を産み付けられてしまった実は発芽できないので、こっちは天敵になるのだ。
食用の栗も害虫対策が大変というからね。
でも、動物は虫概要がいまいが食べてしまう、すなわち、虫がいても虫ごと食べてしまうので(タンパク質が増えてかえってよい?)、そこはランダムみたい。
虫フリーで、小動物に土の下に隠されるけど忘れられてしまって、水分や気温の条件がちょうどあったものが次の世代として発芽する、というわけだ。
でも、降格と確かに確率は高くなさそうだから、多くの実をつける必要があるよね。
さらに、この戦略には少し節gな話があるのだ。
ドングリのなるブナやナラは比較的不利植物で、リスやん済みが登場する前からあったらしい。
ということは、このドングリの戦略はかつては小型の爬虫類やネズミの祖先にあたる小型哺乳類などによって担われていた可能性があるらしいよ。
とはいえ、ずっと高温でじめじめしていたから乾燥せずに転がっただけで発芽していた可能性もゼロではないとは思うけど。
0 件のコメント:
コメントを投稿