2026/01/10

遠くでぐらーり

 先日の鳥取・島根の地震で、改めて「長周期地震動」というのが注目されるようになったのだ。
端的に言えば、字のごとく、周期が長い地震動ということ。
ここでいう地震動の周期というのは、揺れが行って帰ってで最初の状態に戻るまでにかかる時間。
横揺れでも縦揺れでも波である以上は位置がずれっぱなしになるわけではないのだ。
普段「地震だ」って感じている揺れは短周期で数秒以内(震度の基準にしているのは0.2~1秒のゆれ)。
長周期はそれより長いものということだけど、数十秒を越えるもの、分の単位になるものもあるようなのだ。
大きくゆっくり揺れる地震波ということだね。


地震が発生すると様々な周期成分で地震波が発生するんだけど、震源地の近傍で発生後すぐに感じる揺れは短周期のもので、多くの場合減衰も早いのですぐに収まるのだ。
一方、長周期のゆれは短周期のゆれにくらべて感じづらいけど、より遠くまで届き、減衰もしづらい(やわらかい地層の表面波だと増幅されてしまう)という特徴があって、震源地から離れたところで時間差で揺れたりするみたい。
実際、東日本大震災のとき、震源地から比較的離れていた東京都心部のゆれは長周期のゆれで、道路標識や信号がぐわんぐわん揺れたり、高層ビルが共振で揺れて中にいる人が船酔いのような状態になることもあったのだ。
おどろくことに、大阪の構造ビルも揺れてえれべたーが止まっていたりりしたんだって!
短周期のゆれは貞操の建物に大きな影響を及ぼすけど、長周期の場合は構想の建物に影響が出やすく、建築物の固有振動数と重なって共振するとしばらく大きく揺れ続けるのだ。
ちなみに、単純に二次元でぐらぐらするだけではなくて、縦波と横波のミックスなので三次元にねじれのある揺れ方になるらしいよ。

むかしはそこまで構想の建物がなかったのでよかったのだけど、高層建築が増えてきた現代では、この長周期地震波にも対応しないといけない。
でも、ここで問題が!
地震の影響度を測る指標の「震度」は地表面で短周期の地震波の影響を図る指標で、長周期の地震波の揺れの影響にはきれいにマッチしないんだよね。
なので、別の指標が必要だ、ということになって、新たに「長周期地震動階級」というのが作られたのだ。
今回の参院の地震波最大の「階級4」なんだけど、各階級は以下のような感じ。
詳しくは気象庁の解説ページがわかりやすいよ。

【階級1】
(人の体感・行動)室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる。
(室内の状況)ブラインドなど、吊り下げものが大きく揺れる。

【階級2】
(人の体感・行動)室内で大きな揺れを感じ、物に掴まりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。
(室内の状況)キャスター付き什器がわずかに動く。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。

【階級3】
(人の体感・行動)立っていることが困難になる。
(室内の状況)キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
(建物への影響)間仕切壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。

【階級4】
(人の体感・行動)立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。
(室内の状況)キャスター付き什器が大きく動き、転倒するものがある。固定しない家具の大半が移動し、倒れるものもある。
(建物への影響)間仕切壁などにひび割れ・亀裂が多くなる。

ちなみに、2013年に基準を作ってから初めて最大の「階級4」が観測されたのは2016年の熊本地震。
その時は震度6強で、その後も震度が6強や7の時に観測されていたんだけど、今回は震度5強なんだよね。
原理的には、地震の強度が大きい(=マグニチュードが大きい)地震ほど長周期のゆれも強くなるようなので、今回の震度5強で階級4というのは珍しいのかも。
地震波の伝わる地層の硬さや湿度なんかにも影響されるようだから、地理的にたまたま長周期の波が強く出るような感じだったのかもだけど。

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