2010/02/27

水は腐る?

よく「水が腐る」というけど、これって食品が腐敗する「腐る」とはちょっと意味合いが違うよね。
食品の場合は、脂肪が酸化したり、タンパク質が分解されたりしていって異臭を放ったり、糖分が酸化されてカルボン酸ができて酸味が出てきたりすることを指すけど、水はもともと元素記号でもHOなので、そんな分解をするわけはないのだ!
でも、なぜか「水は腐る」というし、実際に「腐った」と言われる水は変なにおいや味がするんだよね。
で、それはなぜかなぁ、と疑問に思ったので、少し調べてみたのだ。

端的に答えを言うと、水が腐る、といった場合、その原因は水自身ではなくて、水の中に含まれる不純物によるのだ。
密閉された容器に入っていない場合、空中からほこりなどが落ちてはいるし、いつのまにかアメンボがいたりするよね。
夏にはボウフラがわくこともあるのだ!
けっこう風に運ばれていろんなものが混入しているようで、水の中に不純物が増えていくというわけ。

その不純物の中に有機物が含まれていると、それが分解されて異臭・異味の原因となるのだ。
当然、有機物の分解が行われているので、そこにはバクテリアやカビなどの雑菌が繁殖しているわけで、そういう水を飲むとバクテリアやカビの毒素でおなかを壊したりもしてしまうのだ。
そういう細菌だけでなく、アオコといわれるらん藻が繁殖して水の色が緑色になることもあるのだ。
水が循環しない溜池などではよく発生するアオコだけど、水の表面がらん藻に覆われることで水中に日光が届かず、そのために水中に生息している緑藻や水草が光合成できなくなって水中の酸素が欠乏し、多くの生物が死滅するのだ。
そうするとそれらが分解されて異臭が出てくるわけ。
さらに、アオコの種類によっては独特の臭みを持つ物質を水中に放出するし、毒素を出すものもあるので、水の品質は格段に落ちてしまうのだ・・・。

これを防ぐためにも、公園にあるような大きな池では、水を循環させるように噴水などの装置があったり、用水路から水を流入させたりして溶存酸素を増やしてそういう事態が起こらないように気をつけているんだ。
また、洗剤などが含まれた生活排水が流入すると、その中に含まれる有機リンやカリウムが栄養源となってアオコが繁殖しやすくなるので、下水処理も重要なんだよね。
都心でどぶ川やヘドロ沼が減ったのもそういう努力が実ったのだ。
琵琶湖くらい大きいとなかなかその努力は実らないけど、むかしに比べたらかなり水質はよくなっているそうだよ。

でも、そういう開放系の水だけでなく、街中でネコよけ(?)に置かれているペットボトルに入った水も「腐っている」ことがあるよね。
上の話からすると、新たに浮遊物が落下して不純物が混入することはないので、「腐る」ことはないような気がするんだけど、そんな甘いものではないんだよね(笑)
水道水の場合、上水道の浄水では、沈殿・濾過、オゾン処理(オゾンにより化学物質を分解除去する。)、活性炭吸着処理(有機物などを活性炭が吸着除去する。)などをして水質を保っているんだけど、それでも微量ながら不純物は残っているのだ。
かつては東京の金町浄水場や大阪の淀橋浄水場の水道水はくさいと言われたけど、それは水道水中に含まれる不純物に由来しているんだよね。
水道水にはカルキ(次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウム)が加えられていて、その強い酸化力で殺菌されているんだけど、カルキは煮沸で簡単に除去されるし、普通にそのまま放置しておいても徐々に抜けていくので、その殺菌力は持続しないのだ。
なので、そのまま水道水を放っておくと、不純物として含まれている有機物が分解され、結果、水が腐るという事態も発生するわけ。
特に水道水の場合は蛇口から出るときに細菌にふれる可能性が高いので、その後密閉容器に入れてもムダなのだ!
湯冷ましなんかはカルキが完全に抜けているので特に危険だよ。

一方、ペットボトルに入れて売られている天然水などは、目の細かいフィルターを通したりすることで雑菌を可能な限り除去しているのだ。
家庭用の浄水器も同じような原理だよ(家庭用浄水器はイオン交換カラムで水道水中の塩素を除いたりもしているのだ。)。
これによって、開けない限りは腐ることはほぼないのだ。
時々異物混入が問題になるけど、あれはペットボトルにつめる際の不手際だよね。

さらに純度が高いのは注射薬や点滴に使われる医療用の精製水。
これは完全に雑菌を除去した状態が求められているので、蒸留・濾過に加えてイオン交換などを駆使して無味・無臭の本来の水の状態にもってきているのだ。
それでも不純物としてのイオンなどは含まれているんだよね。
さらに精製を進めると化学実験に使う純粋になるけど、こうなると純度は99.999・・・%となるのだ。
IC工場のクリーンルームでチップの洗浄に使われる超純粋になると、小数点以下に9が10個以上も続くような純度だよ!
こうなると「腐る」なんてことは絶対にないのだ。

というわけで、「水が腐る」というのは水の中に含まれる不純物の問題なので、それをどう評価するか、というだけの話なんだよね。
自分でも蒸留とかして純度を高めることはできるけど、要は水道水の中にも「腐る」原因になる不純物はどうしても含まれるので、そのリスクを承知した上で取り扱う、というのが正しい姿勢のような気がするよ。
できるだけ腐らないように気をつけつつも、腐ること前提で取扱に注意するしかないのだ。

2010/02/20

滑り滑れば

冬季五輪真っ盛りだねぇ。
普段はフィギュアスケートくらいしか話題にならないけど、さすがにオリンピックだと他の競技も注目を集めているよね。
欧州では常にスキー競技は人気があるようだけど。

そんな中、ボクが気になるのはスキーやスケートの滑る原理。
長野五輪の時は、よく滑るようにとスケートリンクに特殊な氷を敷きつめていたけど、「滑る」というのは冬季五輪の競技の大きなキーワードだからね。
スピードスケートもスケート靴の刃(ブレード)の技術開発でけっこうタイムが変わってくるらしいし、スキーも板の材質・形状やワックスとの相性なんかでかなり違うらしいのだ。
というわけで、今回はそもそもの「滑る」原理を調べてみたよ。

ところが、ちょっと調べただけですぐわかるのは、スキーにしろ、スケートにしろ、一般的な説明はあっても、きちんと科学的には証明されていないようだ、ということ。
スピードが上がるとかきれいにターンできるとかの現象面が重要だから、そういった技術は向上していっても、なかなか原理的な部分を詳しく調べようとしないのかもね。
今はどうも経験則的にトライ&エラーで試しながら技術を向上させているようなのだ。
確かに、原理がわかってもなかなかそれが技術に結びつくわけでもないんだけどね。
とは言え、一般論としてわかっているのは、どちらも接触面に液体の水ができて、それで滑っているということ。

雪や氷の上では、タイヤだと滑ってしまってうまく前に進めないよね。
これは、タイヤの場合は、タイヤと地面との間の摩擦力を利用してタイヤの回転運動を直線的な前進運動にしているのだ。
タイヤの接地点が地面の上で滑ってしまうといわゆる「上滑り」になってしまって、前に進まないというわけ。
つまり、このときに重要なのは静止摩擦力で、タイヤ自体は地面の上を滑ってはいけないのだ!
摩擦が大きければ大きいほど回転力が推進力に効率的に変換されるのだ。

一方、逆にうまく滑ることで逆にそれを推進に使ってしまおうというのがスキー。
スキーの場合、ある程度面積のある板で接地しているわけだけど、それが地面の上で滑ることが重要なのだ。
よく言われるのが、スキー板が雪上を滑る際、その摩擦熱で表面の雪がとけて水になり、薄い水の膜ができて、その上を滑っていく、というもの。
自動車がぬれた路上で滑るハイドロプレーニング現象と同じようなイメージだよ。
このときは、静止摩擦ではなくて動摩擦で、摩擦が小さければ小さいほどよく滑るのだ。
なので、スキーの場合はよく滑るようにワックスを塗ったりして摩擦を小さくし、、タイヤの場合は滑らないようにタイヤの表面に溝を彫って摩擦を大きくするのだ。
ちなみに、ワックスは水をはじくので、「ぬれ」による摩擦の増加を防ぐのだ。
板の表面にべったり水がついてしまうと、水の粘性の分だけ摩擦が増してしまうんだけど、表面に水が付着しなければそれが防げるのだ。

接地面が少ないとスキー板が雪の中に埋まってしまうので、スキー板は細く長く作られているのだ。
こうすると、体重が分散されて雪面にかかるんだよね。
埋まらないようにするためにはかんじきのように面積を稼げばいいんだけど、スキー板のように細長くすると方向性が出てきて、直進性がよくなるのだ。
スキージャンプなんかは滑ってスピードも出るし、滑空時にも翼の役割をするので長いスキー板が使われるよね。
でも、実際には雪面は平らではなく、でこぼこしているので、小回りがきく必要もあるのだ。
そのためにモーグルの場合は小ぶりの板で、しかも、板自体に柔軟性があってこぶなどを飛び越えた後の衝撃を吸収するようになっているみたい。
ただ滑ればいいってもんじゃないんだよね。

これに対して、スケートは氷の上に溝を掘りながら滑っていくんだけど、そのとき、摩擦熱で溝に液体の水がたまり、それが潤滑油になって摩擦を小さくしているのだ。
固くなった窓サッシに油をさすとよく動くようになるのと同じ原理。
スキーは水の膜の上を滑るイメージだけど、こちらはあくまでも溝の中を滑るので、接地面は少ない方が摩擦が少ないのだ。
スキーと同じように使用目的でいろんな形があって、主要なのはフィギュア、スピードスケート、アイスホッケーの3種類。
フィギュア用はブレードもこぶりで、つま先にトウピックと呼ばれるギザギザのひっかける部分があるのだ。
ジャンプの時はここをひっかけるんだよね。
スピードスケート用は長いブレードでスピードが出るようになっているのだ。
アイスホッケー用は小回りがきかないと行けないので、ブレードは短いんだよ。

実は、カーリングも同じような話で、あれはストーンと呼ばれるとってのついた石を氷の上で転がしていかに正確に目的地点まで滑らせるか、という競技だけど、ここでも滑りが重要なのだ。
カーリングのストーンを誘導する際、一生懸命にブラシで氷をこするんだよね。
そうすることで、摩擦年で氷がとけ、でこぼこな氷の表面がなめらかになり、よく滑るようになるのだ。
さらに、こすったところだけが滑りやすくなるので、自然とストーンはこすった部分の上を滑っていくことになるわけ。
これで進行方向の修正なんかもできるようになるんだ。
で、ある程度行ったところでこするのをやめると、そこから急に摩擦が強くなるので、今度はブレーキがかかるというわけ。
つまり、滑りやすい「道」を作ってやって、その上でうまくストーンを誘導するのだ。

というわけで、いずれもキーワードは水と摩擦なんだよね。
でも、それぞれ滑り方に特徴があるのだ。
スキーの雪面はどうにもできないけど、スケートのリンクの氷は結晶を大きくして方向性をそろえることで「よく滑る」高速リンクを作ることができるので、そういった面で改良できたりもするんだ。
滑るだけと思っても、なかなか奥が深いのだ。

2010/02/13

回収して修理!

ここのところ「リコール」が話題になっているねぇ。
もちろん、地方自治体の首長の辞職を求める解職請求のリコールじゃないよ(笑)
今回話題になっているのは欠陥があったり、重大な問題がある製品を回収する仕組みの方なのだ。

このいわゆる「リコール」には2種類あって、法令に基づいて行われるものと、企業の自主的な判断で行われるものがあるのだ。
リコールした場合、欠陥や不具合、問題となる事項を公表した上で製品を回収し、修理や交換、返金をしなくちゃいけないので、企業側にはかなりの負担となるんだけど、企業イメージを悪化させないようにするために行われることが多いのだ。
早めに対応することで誠意をもって対応しているイメージができるし、被害の拡大も防げるわけ。
どのみち、製造物責任法(PL法)上の責務は生じているので、なんらかの対応は追って必要なのだ。
後手後手に回るとダメージも大きいし、ろくなことがないんだよね・・・。
なので、企業側にもそういう欠陥・不具合を隠そうとするインセンティブだけでなく、早めに対応してしまおうというインセンティブも働くのだ。

法令に基づくリコールにも2種類あって、ひとつは今回話題になっている自動車関係のものと、その他の一般のものがあるのだ。
自動車の方は、原動機付自転車なども含めて原動機(エンジン)のついた車両を対象とするもので、道路運送車両法第63条の3に基づく制度。
自動車はもともと保安基準に適合してものだけが公道を走ることができるんだけど、そのために車検の制度があって、ナンバープレートがないと公道を走れないし、定期的に車検の制度に出さないといけないのだ。
でも、その保安基準に適合していないことが発覚した場合や適合しなくなるそれがあることが判明した場合、事前に国土交通大臣に届出をした上で、無償で自動車を回収し、修理を行わなければならないのだ。
これが一番厳しいリコール。

保安基準は適合しているとしても、安全上や公害の防止上放置しておくのがよくない、と判断された場合、やっぱり国土交通大臣に届出をした上で、無償で回収・修理を行うこともあるのだ。
この場合は「改善措置」と呼ばれるんだけど、リコールほど重大でなくても看過できないような欠陥・不具合が判明した際にとられるよ。
さらに軽微な、品質の改善などの目的で無償で修理などを行うことがあって、これは「サービスキャンペーン」と呼ばれるんだ。
改善措置の場合は放っておいたとしてもその対象となる自動車は保安基準上は問題ないので走り続けることはできるんだけど、リコール対象の場合は保安基準適合に問題があるのでそうもいかず、まさに徹底的に回収・修理しないといけないんだよね。
これは企業的には経済的にも企業イメージ的にも相当のダメージになるので、「リコール隠し」が行われて、「改善措置」や「サービスキャンペーン」のフリをすることがあるんだ。

その他の製品の場合は消費生活用製品安全法第39条に基づいて回収されることがあるのだ。
過去に実際に行われたのはパナソニック(ナショナル)の石油ストーブとパロマの湯沸かし器の例だよ。
こちらは消費者保護の観点から、消費者の身体又は生命に危害が発生するのを防止する目的での措置。
自動車の場合、乗っている人(消費者)だけでなく、その周囲にいる人(他の自動車や歩行者などなど)のことも考慮されていて、これとは少し考え方が違うのだ。
交通全体の安全を見ているので、もう少し幅広いんだよね。
で、こっちの制度の場合、所管の経済産業大臣が回収命令を出し、その旨を公表するというスキームになっていて、企業側が公表して行うという自動車の制度とまた異なっているんだよね。
むしろ、企業側が自主的にやらない場合に強制的に回収を命じることになるので、適用例は少ないのだ。

自動車もそうなんだけど、これらのリコール制度の対象は国内で製造されたものだけでなく、輸入されたものも同じ。
輸入品の場合は輸入し、販売した代理店がこのリコールの責務を負うことになるよ。
自動車の場合はまだよいんだけど、一般商品の場合は海外製とかだとそもそも海外の製造企業側から情報が得られなかったりして、手こずることが多いのだ。
ある国の場合、製造過程には問題ない、流通過程の問題だ、なんて主張するしね。

このほか、医薬品や食料品の回収もあるよね。
あまりリコールとは呼ばないけど。
医薬品の場合は薬事法、食料品の場合は食品衛生法で規制の枠組みがあるけど、入っていてはいけないものが入っていたりした場合に回収されるのだ。
つい最近も冷凍食品に農薬が混入していたりとかの事件があったよね。
こんにゃくゼリーのように食べる際の安全上に問題がある場合に回収される場合はむしろPL法の世界で、事前にそういうリスクがあることを言っておかないことが悪い、ということになるんだよね。

というわけで、にわかにクローズアップされているリコールの問題だけど、実はいろんなところで同じような枠組みがあるんだねぇ。
自分の身を守ることにもなるので、ある程度は知っておいた方がよさそうなのだ!
この頃は安かろう悪かろうの商品がはびこっているようだからね・・・(>_<)

2010/02/06

今年もしっかり予習しよう♪

去年の今ごろも予習をしていたけど(笑)、今年も来週のバレンタインデーに備えてチョコレートについて予習をしておくのだ!
だからと言って何があるわけじゃないんだけど・・・。
こういう機会でもないとよくわからないまま過ごしてしまうしね。
というわけで、まだまだ奥が深いチョコレートについて調査をしたのだ。

チョコレートの主原料であるカカオは中南米の原産で、紀元前から中央アメリカの文明では薬用や滋養強壮に飲まれてきたのだ。
このころは単純に乾燥させたカカオ豆を粉砕して粉にし、お湯にといただけのもの。
そのままではかなり苦いので、タバコと同じような嗜好品という扱いだったみたい。
コロンブスさんによって米大陸が「発見」されると、じゃがいもやトマト、トウモロコシのような新大陸野菜、唐辛子のような香辛料、タバコの葉のような嗜好品とともに欧州はスペインに伝わったのだ。
ここで西洋にカカオが伝わったわけ。

これが16世紀で、最初は現地と同じように苦いまま飲まれていたらしいんだけど、しばらくすると、メキシコにいた宣教師によって砂糖を入れて飲みやすくする工夫が考案されたのだ。
これでかなり飲みやすくなったわけだけど、スペインが中南米を征服してカカオが手に入りやすくなるとスペイン国内で爆発的に普及したようなのだ。
王族・貴族だけでなく、庶民の間にも広まっていったみたい。
でも、このころはスペインから門外不出(?)になっていて、今ではチョコレートで有名なフランスやベルギー、オーストリアには伝わっていなかったのだ!

転機はフランス王ルイ13世がスペイン王家から王女を后として迎え入れたこと。
嫁いできたアナ・マリーア・マウリシアさんは大のチョコレート好きで、チョコレートを飲む道具とチョコレート職人(ショコラティエ)をフランスにもたらしたのだ。
当時の欧州では各国の王族は婚姻関係を結んでいたので、これを皮切りに欧州の王族・貴族などの上流階級の間でチョコレートが広まっていったそうだよ。

19世紀になると、オランダのバンホーテンさんがチョコレートを粉末にする特許を取得するのだ。
これはチョコレートをココアパウダーとカカオバターに効率的に分離する技術。
ココアのバンホーテンはここで生まれたんだよ!
で、それまでのチョコレートは生のカカオを粉末にしてお湯でといたもので水がないと濃厚すぎて飲めないようなものだったらしいんだけど、この発明のおかげでぐんと飲みやすくなったのだ。
これが現在のホットチョコレートだよ。

さらに、19世紀も中盤にさしかかると、英国で固形の食べるチョコレートが発明されたのだ。
これは砂糖しか入っていなくてまだまだ苦く、普及しなかったらしいんだけど(カカオ85%以上のチョコレートを思い浮かべればわかるよね。)、スイスで粉乳を混ぜたミルクチョコレートができると、かなり今のチョコレートに近いものとなったのだ。
当時は舌触りがざらざらしたものだったらしいけど、なめらかにする工夫がなされ、今のチョコレートの原型ができたのだ。

ここから今のようなバリエーション豊かなチョコレート文化が花開くんだけど、チョコレートに生クリームや洋酒、果物由来の香料などを混ぜてよりなめらかに、やわらかくしたのが生チョコレート(チョコレートガナッシュ)。
一口大のガナッシュをクーベルチュールと言われる製菓用のチョコレートでコーティングするとフランス名物のボンボンショコラになるのだ。
ボンボン菓子は殻でナッツやフルーツを包むお菓子のことで、砂糖の殻でウイスキーを包んだウイスキーボンボンが日本ではメジャーだよね。
チョコレートで包んでいるのでボンボンショコラなのだ。

一方、ナッツなどを砕いて砂糖と混ぜ、カラメル化させたものがプラリネ。
米国ではそのまま固めてキャラメルのように食べるけど、欧州ではこれをチョコレートでコーティングして食べたり、ケーキの飾りにしていたのだ。
で、いつしかチョコレートコーティングのものがメジャーとなり、ベルギーやドイツで売られているチョコレートプラリネになったわけ。
今ではナッツでなくてもプラリネと言うことがあるけど、本来的にはヘーゼルナッツとかを包んであるものがプラリネなのだ。
ちなみに、最初にプラリネをチョコレートでコーティングしてプラリンを作り出したのが、ベルギーの名店・ノイハウスなんだって。

オーストリアのホテル・ザッハでは濃厚なチョコレートをたっぷり使いながら、あんずジャムの酸味でさわやかを加えたザッハトルテが考案され、チョコレートケーキの王様となるのだ。
もともと門外不出の味とされたんだけど、ホテル・ザッハが経営難に陥ったとき、ウィーン王室御用達だったケーキ店のデメルからお嫁さんをもらい、財政援助をしてもらう際、レシピが流出。
ここからザッハトルテの商標をめぐるホテル・ザッハとデメルの「甘い戦争」が始まったのだ。
それにしても、商標をめぐって争いが起きるほどすでにザッハトルテのブランド力はすごかったということだよね。

こうして欧州では上流階級を中心にいろんなチョコレート菓子が作られていくことになったのだ。
日本ではついこの間まで普通のお菓子として売っているチョコレートが主流だったけど、海外のおしゃれなチョコレートが多く入ってくるようになってかなり様相が変わってきたよね。
もはや進駐軍にギブミーチョコレートといって甘くてくどいむかしながらのハーシーズの板チョコをもらう時代ではないのだ!
数十年前からそうだけど(笑)

2010/01/30

麺と歯ごたえ

昨日夕食にパスタを食べたんだけど、超アルデンテだったのだ!
っていうか、固ゆでを通り越して普通に芯が残っている感じ・・・(>_<)
確かに日本ではアルデンテが好まれると言うけど、口の中でぼきぼきと折れる感触があるのはまずいよね(笑)

アルデンテはイタリア語で「al dente」(歯に・・・)という意味。
かんだときにかすかに歯に残った芯が当たるくらいのかみごたえという少しかためのゆで加減で、理想的なゆで加減とされるのだ。
スパゲティでもペンネでもラザニアでも、乾麺(?)になっているパスタには共通だし、お米を使ったリゾットでもかすかに芯が残るくらいのアルデンテがよいと言われるのだ。
でも、どうもそれって日本が過剰にそう思っているだけで、本場のイタリアではそんなにこだわっていないらしいのだ。
乾麺を食べることが多い南イタリアではそれなりに認知されているようだけど、そもそも生麺を食べることが多い北イタリアではあまり一般的でないらしいよ。
ソフト麺のように柔らかくゆでてしまう米国は別としても、欧州でも通常は「固めで」と頼まない限りはアルデンテでは出て来ないらしいのだ。
豚骨ラーメンなんかでは麺の固さを選べるけど、それと同じで本来は個人の好みで好きなゆで加減にすればよいのだ。

よくアルデンテの状態というのは(スパゲティの場合)髪の毛の細さほどの芯が残ってて、それがぷつんという独特のゆで加減になるというのだけど、これは本来ゆであげた時点での話。
パスタの場合はゆでた後に水でしめたりしないので、通常はそこからさらに余熱で火が通っていくのだ。
すると、ソースとからめて食卓に上るころにはその芯の部分にも火が通っているような状態になるはず。
逆に言うと、芯がなくなるまでゆでてしまうと食べるころにはすこし伸びている状態になるので、早めにあげておいて余熱で最後まで火を通す、というのがもともとのはずなのだ。

かつての日本では、スパゲティと言えばトマトケチャップで炒めたナポリタンが主流で、その場合はゆであげた後にさらに火を通すのでそもそもアルデンテなんて概念はなかったんだよね。
ところが、俳優から映画監督になった伊丹十三さんが海外では固めにゆでた「アルデンテ」という歯ごたえのある状態のパスタを食べる、とエッセイで紹介したころから、そういう「本場志向」が出てきたみたい。
で、今となっては、ファミリーレストランでもアルデンテと言って固めにゆでたパスタが出てくるようになったんだよね。
その結果、日本がアルデンテ大国になってしまったのだ。
本来は好きな固さにゆでて出してもらうのがよいんだろうけど、お店の側としては一定のゆで加減で統一した方が品質管理をしやすいので、アルデンテということで早めのタイミングでゆであげる、ということでマニュアルを作っていったんだろうね。

日本人が麺の固さにこだわるのは何も舶来のパスタだけでなく、そばやうどんでも同様。
のどごしを楽しむと言われるそばではそれほどでもないけど、うどんはそれこそ「コシ」ということでかなりのこだわりがあるよね。
よく言われるのは、讃岐うどん系のしっかりとコシのあるうどんがよいとか、関西風のやわらかいうどんがよいとかだよね。
めずらしいものでは、まったくコシが存在しないくらいまでしっかりゆでた伊勢うどんや、生麺を味噌味の出しで煮てしまう名古屋のみそ煮込みうどんなんてのもあるよ。
みそ煮込みうどんの老舗ではうどんに芯が残った状態で出てくるって話はわりと有名だよね(通称「アルデンテ」と呼ばれているのだ。)。

いわゆるうどんのコシはうどんをゆであげてから、冷水でしめることによって出てくるのだ。
コシと言われる弾力性の正体はうどんの中に含まれるタンパク質のグルテンと言われるけど、これはうどんの生地を練るときにこねればこねるほど弾力がますみたい。
讃岐うどんでは足で踏んでしっかりと生地を打つというよね。
たぶん、グルテンが全体に分散した方が弾力性が出るのだ。

でも、タンパク質は熱で変性していくので、ゆですぎるとかえって弾力が失われるわけ。
一方、うどんの主成分である小麦粉のデンプンはゆでることで糊化(こか)していわゆる麺の形状になるわけで、ちょうどよいゆで加減で抑える必要があるんだよね。
デンプンが糊化するとぬめりが出てくるし、余熱でそれ以上火が通らないようにゆであげた後に水でしめるのだ。
そうすることでコシのあるうどんができあがるわけ。
温うどんの場合は、それを再度新しいお湯で温めてからつゆに入れるんだけど、これを「湯だめ」というんだよね。
うどんをゆでるのはけっこう時間がかかるんだけど、湯だめにしておくことでさっと提供することができるのだ。

これに対し、水でしめないでゆであげた状態そのままで食べるのが釜揚げ。
これは時間の経過とともに余熱で火が通っていってしまってどんどんのびていくので、その場でさっと食べることが必要なのだ。
でも、釜揚げの場合はゆでたてのもちもちした食感が楽しめるということで人気があるんだよね。
水でしめるとそのもちもちした食感がコシに変わるのだ。

そんな麺の固さにはもともとこだわる日本人なので、ラーメンなんかだとゆで加減を気にするんだけど、パスタだけはアルデンテ一本槍なんだよね。
ま、これもそのうちゆで加減を選ぶのがスタンダードになるのかもしれないけど。
きっと、パスタでも種類やソースによって、固めがよいもの、むしろやわらかいものがよいものなんかがあるはずだからね。

2010/01/23

動く大地

最近の研究で、マダガスカル島にいるほ乳類はアフリカ大陸から漂流して流れ着いたものの子孫であることがわかってきているのだ。
現在の海流だとむしろ島から大陸に行く方向に流れているんだけど、かつては大陸も島ももっと南の位置にあって、海流も大陸から島に流れる方向だったことがわかったとか。
スパコンを使ったシミュレータで過去の地形と海流を予測した結果だそうだよ。

で、ここで気になったのが「むかしはもっと南の位置にあった」という部分。
これって古生物の話だとよく出てきて、オーストラリア大陸は早い時期に他の大陸から離れたので独自に有袋類が繁栄したとか、日本海はかつて湖だったので大陸からナウマン象がわたってきたとか、そういう話はよく聞くよね。
今や常識となりつつある「大陸移動説」、プレートテクトニクスだけど、実はこの説はけっこうつい最近になって認められてきたものなんだよ。
よくよく考えれば、自分の足下の大地が日々わずかに動いているっていうんだから、なかなか信じづらいよね。

このプレートテクトニクスが最初に想定されたのは第一次世界大戦後のドイツ。
ヴェーゲナーさんという人が、アフリカ大陸の西側のくぼみと南アメリカ大陸の東側のでっぱりがうまいことかみ合うんじゃないか?、と妄想したことに始まるのだ。
そこで出てきたのが、もともとは世界はパンゲアと呼ばれるひとつの超大陸で、それが分裂していろんな方向に動いていって今の形になっていったとするもの。
もともと古生物の世界では化石の分布からアフリカと南米の間で何らかの動植物の交流があるっぽいことがわかっていた、というのもこの発想が出てきた背景だよ。

でも、当時は固いはずの大地が動くなんて想定しづらいし、大陸が動く原動力も潮汐力や地球の自転による遠心力に求めていたので、いまいち信憑性が低く、あまり振り返られることがなかったんだよね(>_<)
ところが、地球の内部構造が徐々にわかってきて、数kmの厚さの固い近くの下には流動的なマントルがあって、そこでは対流があるらしい、ということがわかってくると、そのマントルの上を近くが滑るように移動しているのではないか、ということで見直されてきたのだ。
さらに、海洋学の分野で、海嶺で新しい物質が内部からわき上がってきて海底は徐々に拡大していき、海溝では逆に押し出された物質が内部に沈み込んでいく、という海洋底拡大説が出てくると、大陸の移動も同じように起きているんじゃないか、とプレートテクトニクスの現在の考え方がまとまっていったのだ。
それが1960年代だよ。
つまりは、まだ50年そこそこの話なのだ!

その後さらに証拠は積み上がっていって、岩石に残された古地磁気を比較することで、大陸の移動がどうなっていたのがわかるようになっていたのだ。
地球は長い時間で見ると古代と比べて地軸がずれて傾きが変わっているんだけど、それによって地磁気の方向も変わっているのだ。
岩石の中には微弱ながら古代の地磁気が記憶されているんだけど、その磁北の方向を比較することで古代の北極点はどのあたりにあって、どのように大陸が移動していったかの目安がつけられるということなのだ。
今ではGPSを使った衛星測位と電子基準点の組み合わせで、年間数mm~数cmという大地の動きを精確に観測することもできているよ。

大陸や海洋が動くときの単位がプレートで、プレートが「1枚岩」でなく、いくつかに分かれているからこそ地形が変わっていくのだ。
プレートとプレートの境界では、軽い(比重の小さい)大陸プレートの下に重い(比重の大きい)海洋プレートが沈み込んだり、プレート同士が衝突してその部分が盛り上がったり、プレートがすれ違って巨大な横ずれ断層ができたりしているのだ。
日本海溝は太平洋プレートが北アメリカプレートの下に沈み込んでいる位置にあるんだよ。
太平洋プレートは西に動いているんだけど、そのせいでハワイは徐々に日本に近づいているのだ。
でも、日本の手前で日本海溝に沈んでしまうんだよね・・・。

一方、ヒマラヤ山脈はインドプレートとアジアプレートが衝突して盛り上がったところで、今でもちょっとずつ高くなっているんだよ。
カリフォルニアの西部から何部にかけての巨大なサンアンドレアス断層は太平洋プレートと北アメリカプレートの境界で、ここでは沈み込みや衝突はなく、すれ違いにより大きな横ずれ断層になっているんだ。
地上だとそんなに多くないけど、海底にはけっこうあるみたい。

このプレートが沈み込んだり、衝突したり、すれ違ったりするところには、プレート間の摩擦でゆがみやたわみが蓄積されてしまうんだよね。
それが閾値までたまって一気に開放されると大きな地震が起こるのだ・・・。
地震多発地域はだいたいプレートの境界にあるんだよね。
日本でもリスクが高いと言われている伊豆半島近辺は、太平洋プレート、北アメリカプレート、フィリピン海プレートの3つのプレートがひしめく(?)位置で、そのせいで富士山は盛り上がっているんだけど(伊豆半島はフィリピン海プレートにのっていて、それが本州に食い込んでいるのだ!)、それだけゆがみやたわみもたまりやすいのだ。
そのエネルギーが活火山である富士山の噴火として放出されるか、大きな地震となって放出されるかのリスクがあるんだよね。
富士山の火山活動は現時点ではそんなに活発でないので、地震が心配されているんだ。
というわけで、大きな話で超長期のタイムスパンのような話でありつつ、地震というわりと身近なところにも関わっている話なのだ。

2010/01/16

カゼとお風呂

今回久しぶりにカゼをひいたのだ・・・(>_<)
普段あまり病気をしないから、たまにかかるとつらいねぇ。
ボクの場合、冬に寒くなって、かつ、つかれがたまったころにかかることが多くて、節々が痛くなり、寒気がしてから発熱するのだ。
たいていは1~2日安静にしていれば治るんだけど。

で、カゼをひいたときに気になるのはお風呂。
ボクの場合は発熱して汗をかくことも多いのでできればさっぱりしたいんだけど、通説では入っちゃダメと言われるよね。
さすがに高熱でうなされているときはそれどころじゃないけど(笑)
でもでも、最近は病院でも、熱がなければお風呂に入っていい、と指導しているようなんだ。

カゼをひいたときにお風呂に入ることの問題点はいくつかあって、ひとつはなんと言っても湯冷め。
もともとカゼの原因になるくらいで、これはよくないのだ。
次に問題なのは熱すぎるお風呂に入ること。
これは湯冷めしやすいだけじゃなく、かえって体が疲れてしまうのでダメなのだ。
お風呂って意外と体力を消耗するんだよね。
なので、カゼをひいたときにお風呂に入るときは、脱衣室と浴室をよくあたためておいた上で、少し温めのお風呂にさっと入って、すぐに寝間着を着て寝るのがよいのだ。

逆にお風呂に入るメリットも多くて、湿度が高い空間なのでのどによいのだ。
さらに、適度にあたたまると新陳代謝がよくなって、免疫力も高まるよ。
そして、さっぱりするとともにリラックスもできるのでぐっすり眠れるのだ。
このとき重要なのは、ここでのお風呂は浴槽に入ることが想定されていること。
シャワーだけだと湯冷めもしやすいし、体が芯まであたたまるってことはあまりないからね。
ただ、西洋ではカゼの時に熱いシャワーをさっと浴びて寝てしまう、という民間療法もあるようだけど。

というわけで、そのときの症状に応じて入ればよいのだ。
のどが痛くて、くらいだったら入ることでむしろのどがうるおってよいけど、高熱で体力を消耗してふらふらしているときに入るのは完全にNGなのだ。
というわけで、ボクは熱でふらふらだった1日目は避けたけど、症状が緩和した2日目はお風呂に入ってすっきりしたのだ。