ほな、たぬきと違うか
先日、日本橋にある滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」で信楽焼のぬいぐるみをかったのだ。
ふわふわでかわいいやつ。
でも、なんか違和感・・・。
そう、しっぽにしましまがある。
これはたぬきっていうよりアライグマでは?
で、よくよく見ると、よく見る「たぬき顔」なんだけど、それも違うことがわかったのだ。
ちまたにあふえている多くのタヌキのキャラクターがそうなんだけど、目のまわりをアイマスクのような形で覆うんだよね。
よく見る典型例はこのポンタ。
目のまわりが「∞」の形で色が変わっているんだよね。
多くの場合は地の色より暗い色になることが多いけど。
でも、実際のタヌキの写真はこちら。
そう、目と目の間は地の色なのだ。
暗い色の部分は目の周りから顎の方にU字型に広がっているんだよ。
一方、アライグマはこちら。
いわゆる「たぬきのキャラクター」のような感じの模様なんだよね。
鼻筋に線があるので少し違うけど。
でも、世にはびこっている「たぬき」の顔は、むしろアライグマに近いのだ。
簡易的に図示するとこんな感じ。
【タヌキ】
∩ ∩
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【アライグマ】
△ △
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■〇■■■〇■
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≡ ▽ ≡
ちなみに、伝統的な信楽焼たぬきを見てみると、けっこう正しい。
それと、水木しげる先生も参考にしていた江戸時代の妖怪絵のタヌキを見ても、やはりわりと正しい感じ。
むかしの日本人ってわりとデフォルメするけど、観察眼もするどいんだよなぁ。
タヌキについては実際に狩猟の対象で近くで見る機会もあっただろうしね。
割と身近な動物の一つではあったはずなのだ。
そのほかの分かりやすい特徴としては、タヌキはパンダのような柄で手足が暗い色になっているが、アライグマは全体が地の色。
一方で、タヌキの尾は地の色だが、アライグマの尾にはしま模様あり。
行動的な特徴としては、タヌキはかなり臆病で人を見ると逃げるか、場合によっては気絶するのに対し、アライグマはけっこう攻撃的で下手に近寄るとかみついてきたり、ひっかいてきたりする。
特に、アライグマは狂犬病ウイルスのキャリアであることもあるので要注意なのだ。
アニメのラスカルのせいでかわいいイメージがあるけど、かなり凶暴だよ。
ほかにも、在来種で似たような形態のものとしてはアナグマが、外来種か在来種かよくわからないけどいるものとしてはハクビシンがあるのだ。
東京都がまとめてくれている比較表で見ると、タヌキとアライグマに比べるとそこまで似ていないような気がするけど、基本は遠目で見かけるだけで近寄ってみることは少ないから、誤認もあるかな、というところ。
ハクビシンなんかは名前のとおり真っ白な鼻筋のラインがあるからわかりやすいし、アナグマはのっそりしたフォルムなので全体像が見えれば判断できるかもだけど。
似たような餌を食べているこれらだけど、タヌキだけは圧倒的に肉が臭くて硬くてまずいらしい。
多くの場合「たぬき汁」に使われていたのはアナグマではないかと言われているようだけど、アナグマは脂ものっていてジビエとしておいしいらしいよ。
中国ではハクビシンはわりと高級食材なんだけど、米国ではアライグマの二木はかつて奴隷が食べていたそうで、一段落ちる肉扱いだったのかな?
ちなみに、うちの職場にはハクビシンがいるようなのだ。
2回ほど見かけたことがある。
通った鼻筋でハクビシンであることはほぼ確定。
繁殖もしているのだろうか?