2026/01/24

ホームでガード

 有楽町線/副都心線の地下鉄赤塚駅で総長に人身事故が発生して大混乱になったのだ。
この路線って、東武東上線、西武池袋線、東急東横線・みなとみらい線、東急新横浜線・相鉄新横浜線、相鉄本線・いずみ野線といろんなところとつながっているから、どこかでトラブルがあると大変なことになるのだ。
かつ、今回のように東武東上線と並行して走っている場所だと、振り替え輸送で東武東上線の混雑が激化したりととにかく影響が多いんだよね。
はた迷惑な話だ・・・。

よく考えると、東京メトロのほぼすべての駅にはホームドアが設置済み。
でも、南北線以外についてはハーフハイトと言われる一定の高さの可動式のホーム柵があるタイプなので、のr越えようと思えば乗り越えられてしまうんだよね。
他に利用客が多ければ騒ぎになるけど、総長で人がいない時間だと気づかれずに乗り越えられてしまったのだと推測できるよ。
南北線で採用されているフルハイトは、天井までしっかり壁になっていて電車の登場口に合わせて開閉する扉があるタイプ。
でも、これって導入コストが高いので、全く新規に液を作った南北線だと導入で来ても、すでに運航している駅に導入するのは厳しいんだよね。
で、東京メトロで採用されているのは、胸くらいの高さ(1.3m)の可動式ホーム柵で、荷物を電車に引っ掛けたり、つまずいて転んだりみたいな事故は防げるのだ。
でも、柵の上から手を出す、乗り出す、今回のように乗り越えるみたいなリスクは残るんだよね。

日本でホームドアが最初に導入されたのは、1970年の大阪万博に合わせて開通したモノレール(万博記念公園を通っている大阪モノレール)。
その後、やはり大阪万博に合わせて開業した東海道新幹線の熱海駅で導入されたのだ。
熱海駅は「こだま」しか止まらなかったので「ひかり」がかなりの速度で通過していくんだけど、駅の立地上対比路線がとれず、ホームの中に入ってきて危ないので、ということで引っ掛けられないように策が導入されたみたい。
その後、神戸ポートピアの会場だったポートアイランドと三宮を結び神戸新交通ポートアイランド線で導入されたんだけど、これは無人運転の新交通システムなので、安全性確保のために導入されたようなのだ。
いわゆる普通の鉄道で導入されたのは東都高速度交通営団地下鉄(当時)の南北線。
こちらは気合を入れてフルハイトにしたわけだけど、以降順次導入されたのはハーフハイトの可動式ホーム柵になるのだ。
ちなみに、関西に出張でいったとき、はじめてロープが上がってくるタイプのホームドアを大阪環状線で見たけど、あれはさらに導入コストが安いそうだよ。

なんでホームドアの導入にそこまで費用が掛かるかというと、どうも列車の乗降口とホームドアの扉の位置合わせが大変みたい。
確かに、少しずれただけで相当乗りにくいよね・・・。
時々あるけどオーバーランもあるので、自動システムにしようとすると、適切な位置に列車が入ってきた場合だけホームドアが開くようにしないといけないのだ。
これを列車と駅側の設備を連携させてやっているらしいんだけど、それはお金がかかるよね・・・。
なので、ちゃんとした位置に列車が止まったときに駅員さんが主導で開く、という駅もあるみたい。
最近では、列車の外側にQRコードがはってあって、それをホームにあるカメラが認識して位置情報を確認する、なんて方法もあるみたいで、これだと列車側の改修が不要なので、導入コストが下がるみたい。
ホームドア未設置はおそらく地方の、あまり乗降客数の多くない駅だろうから、どうやって安く導入するかが重要になるわけだよね。

上にも少し書いたけど、ホームドアを導入したから安心というわけでもなくて、ホームドアの種類によってリスクは残っているのだ。
一番安全に見えるフルハイトも、ホームと列車の間が開いていると、ホームドアと列車の間に挟まれる人が出てくるというリスクがあるんだよね・・・。
意図的に挟まる人はいないだろうけど、満員電車で列車の中に入り切れなかったとか、酔っ払いがはさまっちゃったとか。
ハーフハイトの場合は、乗り越えられる、柵の上に乗り出すというのが当然あるし、乗降式のロープタイプは下をくぐれてしまう、というリスクもあるのだ。
なので、ホームドアを導入したうえで、残ったリスクを踏まえて必要な対処をしないといけないってことなんだよね。
もちろん、リスクフリーはめちゃめちゃ高コストになるので、あふぉーダブルな範囲でリスクとコストを天秤にかけるわけだけど。
今回に限らず、ハーフハイトのホーム柵を乗り越えた事例はいくつかあるようなので、そのうちもう一工夫入ったホームドアが登場するかも、

2026/01/17

クールじゃなかったランニング

 ボブスレー日本代表がかわいそうなことになっているのだ。
協会の方でルールがよく把握できていなかったらしく、3週間後に迫ったミラノ・コルティナ冬季五輪に出場資格未達で参加できなくなったのだ。
報道に触れているだけだとすごく不思議なのだけど、出たかったのはボブスレー2人乗りの競技なんだけど、新たな国際ルールでは、ボブスレー4人乗りの大会にもきちんと出場してポイントを稼いでおかないと行けなかったらしく、日本チームはそっちに全く参加していなかったのでオリンピックへの出場資格が得られなかったみたい。
他国の選手から「日本は4人乗りに参加してないけど大丈夫?」と指摘されて慌てて調べたらそれが判明し、協会の方で主催側の国際ボブスレー・スケルトン連盟(IBSF)に救済措置を求めたけど却下されたんだとか。

もともと、北京大会までは2人乗り、4人乗りのそれぞれで予選があって、そこで勝ち抜けばよいというシンプルなシステムだったみたい。
それが、今回のミラノ・コルティナ大会から2人乗りと4人乗りの両方の国際大会に出場してポイントを獲得していくシステムに替わったんだって。
これはおととしのIBSFの議会で決定し、その旨日本の協会にも通知があったようなんだけど、そもそもその議会には日本の協会からは参加しておらず、担当者に任せっきりのぜい弱な体制だったので、その担当者が見逃したら「はいそれまでよ」ということだったみたい。

さらにそもそものその根本原因は、ボブスレーが日本国内ではマイナーな競技だということなんだよね。
映画「クールランニング」で知られるようになったけど、実はボブスレーは冬季五輪第1回のシャモニー・モンブラン大会から採用されている伝統的な競技。
日本でも札幌大会、長野大会の時に北海道と長野県にコースが作られたんだけど・・・。
現時点で国内で正式に競技に使える施設はゼロ。
長野は休止中なのでお金があれば再開できるみたいだけど、北海道の移設はすでに廃止されているって。
なので、国内では国際隊顔も開けず、練習もままならない状態。
同じそり競技のリュージュに比べてもボブスレーのそりはお金がかかるし、ますます選手への負担が大きいので競技人口も増えづらいということなのだ。

最初から協会があてにできなくて、選手自らが全部国際ルールの変更なども含めてフォローするような超マイナーなスポーツならまだなんとかなったかもだけど、日本で2回も冬季五輪をしたからか、きちんと国内協会があるんだよね・・・。
そこには人的にも資金的にも十分な体制ではなかったようだけど。
そういう意味ではポテンヒット的に起きてしまった「事故」のような話なんだけど。
さすがに4年に一度しかないオリンピックに出られないというのは選手からしたら辛すぎるよね。
上記のような国内の状況の中で頑張ってきた人たちなわけだし。

では、なぜそんなルール変更をしたのか?
正確な意図はなんとも言えないけど、AI君によると、特定の種目だけでなく、広く国際大会への参加を促すため、と言われているようだよ。
日本でもマイナーなくらいから、世界的にはそこまで競技人口は多くないような気もするけど、だからこそ、大会により多くの選手に出てもらい、経験値を積み、競技レベルの底上げをしたい、ということのよう。
建前はそうでも、ただでさえ遠征費がかさむのに、両方の国際大会にちゃんと出て成績を残さないといけないなんてハードルが高すぎるような・・・。
こういうスポーツの国際ルールは影響力の強い国々の意向が反映されるから、特定の勢力に有利なようにルール亜変更された可能性はぜろじゃないけどね。
特に、欧州各国であればそこまで遠征費用もかからないわけで、国際大会の梯子もなんとかなるよね・・・。
不幸にもこういう形で脚光を集めてしっまったけど、国内でボブスレーをがんばっている選手に支援が集まるようになればよいけど。

2026/01/10

遠くでぐらーり

 先日の鳥取・島根の地震で、改めて「長周期地震動」というのが注目されるようになったのだ。
端的に言えば、字のごとく、周期が長い地震動ということ。
ここでいう地震動の周期というのは、揺れが行って帰ってで最初の状態に戻るまでにかかる時間。
横揺れでも縦揺れでも波である以上は位置がずれっぱなしになるわけではないのだ。
普段「地震だ」って感じている揺れは短周期で数秒以内(震度の基準にしているのは0.2~1秒のゆれ)。
長周期はそれより長いものということだけど、数十秒を越えるもの、分の単位になるものもあるようなのだ。
大きくゆっくり揺れる地震波ということだね。


地震が発生すると様々な周期成分で地震波が発生するんだけど、震源地の近傍で発生後すぐに感じる揺れは短周期のもので、多くの場合減衰も早いのですぐに収まるのだ。
一方、長周期のゆれは短周期のゆれにくらべて感じづらいけど、より遠くまで届き、減衰もしづらい(やわらかい地層の表面波だと増幅されてしまう)という特徴があって、震源地から離れたところで時間差で揺れたりするみたい。
実際、東日本大震災のとき、震源地から比較的離れていた東京都心部のゆれは長周期のゆれで、道路標識や信号がぐわんぐわん揺れたり、高層ビルが共振で揺れて中にいる人が船酔いのような状態になることもあったのだ。
おどろくことに、大阪の構造ビルも揺れてえれべたーが止まっていたりりしたんだって!
短周期のゆれは貞操の建物に大きな影響を及ぼすけど、長周期の場合は構想の建物に影響が出やすく、建築物の固有振動数と重なって共振するとしばらく大きく揺れ続けるのだ。
ちなみに、単純に二次元でぐらぐらするだけではなくて、縦波と横波のミックスなので三次元にねじれのある揺れ方になるらしいよ。

むかしはそこまで構想の建物がなかったのでよかったのだけど、高層建築が増えてきた現代では、この長周期地震波にも対応しないといけない。
でも、ここで問題が!
地震の影響度を測る指標の「震度」は地表面で短周期の地震波の影響を図る指標で、長周期の地震波の揺れの影響にはきれいにマッチしないんだよね。
なので、別の指標が必要だ、ということになって、新たに「長周期地震動階級」というのが作られたのだ。
今回の参院の地震波最大の「階級4」なんだけど、各階級は以下のような感じ。
詳しくは気象庁の解説ページがわかりやすいよ。

【階級1】
(人の体感・行動)室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる。
(室内の状況)ブラインドなど、吊り下げものが大きく揺れる。

【階級2】
(人の体感・行動)室内で大きな揺れを感じ、物に掴まりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。
(室内の状況)キャスター付き什器がわずかに動く。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。

【階級3】
(人の体感・行動)立っていることが困難になる。
(室内の状況)キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
(建物への影響)間仕切壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。

【階級4】
(人の体感・行動)立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。
(室内の状況)キャスター付き什器が大きく動き、転倒するものがある。固定しない家具の大半が移動し、倒れるものもある。
(建物への影響)間仕切壁などにひび割れ・亀裂が多くなる。

ちなみに、2013年に基準を作ってから初めて最大の「階級4」が観測されたのは2016年の熊本地震。
その時は震度6強で、その後も震度が6強や7の時に観測されていたんだけど、今回は震度5強なんだよね。
原理的には、地震の強度が大きい(=マグニチュードが大きい)地震ほど長周期のゆれも強くなるようなので、今回の震度5強で階級4というのは珍しいのかも。
地震波の伝わる地層の硬さや湿度なんかにも影響されるようだから、地理的にたまたま長周期の波が強く出るような感じだったのかもだけど。

2026/01/03

奈良の春日の青芝に

 年末に奈良に行ってきたのだ。
今回は桜井や飛鳥の方を回ったのだけど、最終日は春日大社へ。
そう、鹿の本場だ。
たくさん鹿がいるよね。
さすがにここの鹿は神使だから大事にされているわけだけど、ニホンジカは古来から日本人にとって身近で重要な狩猟対象だったんだよね。

まずは皮革。
日本の武具や馬具に使われる皮革のほとんどは鹿革。
鹿革(ディアスキン)は一般的に軽くて引っ張り強度があり、通気性があってなめらか。
手袋にいいといわれているんだけど、まさに武具にはちょうどよい性質なのかも。
ただし、鹿革の最大の欠点として、なめした後の表皮側に当たる「銀面」がはがれやすい、というのがあるのだ。
なので、革小物に用いると表面がぼろぼろになりやすいのだ。
そういう意味では実用品向きなのかもね。

そして、角(枝角)。
プラスチックがなかったむかしは、適度に硬くて加工しやすく、水でふやけない素材は重要だったわけだよね。
骨や亀の甲羅と並んで動物の角は重要なものだったのだ。
特に、鹿の角は毎年生え変わるので、鹿を狩猟できなくても手に入るのだ。
うまいタイミングで山に入れば拾えるわけだ。
これは利用しやすいよね。
今では装飾品に使うのがメインだと思うけど、縄文時代には釣針とかにも加工して使っていたみたい。

何より大事なのは食肉。
ジビエとして最近よく見かけるようになっているけど、一般に肉食が近畿だった江戸時代も「薬食い」として猪肉(ぼたん)と並んで鹿肉(もみじ)よく食されていたようなのだ。
少し臭みhがあるけど、低カロリー、低資質、高たんぱくで、やわらかい赤身肉でヘム鉄を多く含んでいるのだ。
ジビエとしてはかなり食べやすいので出す店も多いんだよね。
ただし、寄生虫などのもんだいがあるので、決して生で食べてはいけない肉でもあるのだ。

一時期山野部の開発で生息数が多く減ったのだけど、最近はまた増えてきていて、獣害の方が問題になってきているよね。
なので害獣駆除として狩猟される個体が増えて、ジビエで提供される機会も増えたのだ。
鹿は装飾だと思われているけど、実は雑食でなんでも食べるんだよね。
積極的に食べるのが植物性のものがおおいというだけで。
犬歯も発達しているので、かまれると危ないのだ。
ヤギと同じように草でも樹皮でも何でも食べてしまうので、数が増えすぎると山が荒れるのだ。
ここのところ問題になっているクマの問題も、鹿が増えすぎて相対的に熊のえさが減って里に下りてきている、とかいう説もあるくらいだしね。

というわけで、適正な数に抑えたいわけだけど、自然の鹿は管理がむずかしいんだよね。
奈良公園の鹿なんかは鹿せんべい以外エサはあげない、おいかけたりしない、角切りして人との事故を避ける、などなどの保護と管理をしているわけだけど、これは長年神獣として鹿を大事に扱ってきている伝統があるからできることで。
野生の場合は増えすぎたら間引きするしかないんだよなぁ。
鹿は大型動物なのであまり点滴もいないしね。
そういう意味では、せっかきょく狩猟対象になるなら、革や角、肉は最大限有効活用しないとね。

2025/12/27

ショナイの話は内密に

 すでに総理補佐官と特定されているようだけど、官邸幹部が試験として核保有の必要性を述べたとか言って騒がしくなっているのだ。
もともと「オフレコで」ということで話していた際の発言だったのだけど、日テレが、「事の重大性」にかんがみて報道した、っていうことらしい。
このことについて、「オフレコ」の取材とはなんだったのか、こういうことをするメディアは出入禁止にならないのか、など、周辺も盛り上がっているよね。
というわけで、ちょっと「オフレコ」について調べてみたのだ。


「オフレコ」は「off the record」の略で、「記録には残さない」ということ。
公表しないことを前提に話をする、ということなのだ。
双方が事前に合意して成り立つもので、湿原をした方が後から「あれはオフレコで」と言うのはもちろん通じないのだ。
でも、モラルだけの話ではなくて、あらかじめ双方が合意している限りは、口頭の約束であっても民法上は契約に当たるので、明文化されていて秘密保持契約にあたるのだ。
仮に、正式にオフレコである旨の合意がなされていたにもかかわらず勝手に情報を公開し、それに伴って何らかの損害は発生すれば、漏らした方は契約不履行で損害賠償をする責を負うことになるよ。
とはいえ、どちらかが一方的に主張しただけでは成立しないので、そこには留意する必要があるのだ。
失言したから「オフレコ」で、というのは原則認められないわけ。

今回の例はどこまで合意があったかというのはよくわからないけど、政治家まわ周りではむかしから「オフレコ」と言いつつ情報が漏れてくることが多いんだよね。
それも見越して情報を流す手練れもいれば、素直に「オフレコ」というのを信じて口が滑って大変なことになるひともいるのだ。
有名な事例としては、小沢一郎さんが1994年に総理候補として海部俊樹さんを担ごうとしたときに発したと言われる「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」」というのがあるよね。
これはいろんなところで「神輿は軽い方がよい」という感じで使われるようになった迷言なのだ。
「オフレコ」でもなんでもないんだけど、民主党政権時代の復興大臣の松本龍さんが「今の最後の言葉はオフレコです。絶対書いたらその社は終わりだから」と発言してメディから激しい批判を受けたこともあったよね。
こういうのがまぜこぜになっているので、何が「オフレコ」なんだかよくわからなくなってくるけど、最初の事例の小沢発言については漏らした田崎史郎さんが処分されているので、本当に「オフレコ」だったはずなんだよね。
今回も日テレがわざわざ言い訳しているところを見ると、「オフレコ」ということで聞いた話だったはず。
その言い訳が妥当かどうかはかなり賛否量炉なるみたいだけどね・・・。

で、この「オフレコ」報道には規則性もあって、誰が言った発言なのかがなんとなくわかるように報道ぶりで言葉が使い分けられているんだよね。
具体的には、次のような感じ。
 (1)政府首脳=官房長官(まれに総理本人)
 (2)政府高官=官房副長官(官房長官のこともあり)
 (3)首相周辺=総理秘書官など総理のそばにいる人
 (4)政府筋=官房副長官や総理秘書官
 (5)党首脳=党首又は党幹事長
 (6)党幹部=党三役(又は四役)
ちなみに、今回の場合は「政権幹部」というのは総理補佐官だったようなのだ。
なお、各省の場合は、「首脳」=次官級、「幹部」=局長・審議官、「筋」=課長などの実務者、ということらしいよ。

でも、こうしてすでにルールが知られている以上、本当の意味での情報源の秘匿にはなっていないんだよね。
「オフレコ」ということだったので誰が言ったかだいたいわかるけどそこは深く突っ込まない、程度の話で。
ところが、それが問題になった事例もあったのだ。
2009年に事務の官房副長官だった警察出身の漆間巌さんが西松建設事件について、「自民党側は立件できないと思う」と検察捜査の見通しを「オフレコ」で発言したのだ。
報道各社はルールに従って「政府高官が・・・」と報道したのだけど、この件が政治問題化したため、時の河村健夫官房長官はテレビ番組に出演した際、「答え合わせ」として実名を公表したのだ。
その後、漆間副長官は釈明会見をするに至ったよ。

政治家まわりで「オフレコ」報道が多い理由としては、記者クラブ制度があることがあげられるんだよね。
記者クラブ側からの要請で定期的に懇談の場が求められるようなんだけど、ざっくばらんに話しましょう、ということで、その場が「オフレコ」になることが多いのだ。
首相動静なんかを見ていても、特定の汽車からの取材をうけるもののほか、番記者たちとの懇談みたいな日程が入っていることがあるよね。
記者たちとしては、そういう場でぽろっと出てくる非公開情報を狙っているわけ。
別の情報ソースで裏付けが取れれば一気に報道する方向でかじを切るみたい。
さすがに「オフレコ」で拾った情報だけをもって報道するのは信義則違反だからね。
今回はそういう意味では「おきて破り」に当たるのかも。

2025/12/20

自動回復

 水道管の破裂事故なんかでけっこう明るみに出てきたことだけど、バブル時代に大量に施工された建築物・構造物が耐用年数的に限界を迎えつつあるのだ。
架空だから割とすぐに交換・メンテできる電線と違い、地中に埋めてしまっているライフラインの水道管やガス管なんかは劣化が見えづらいんだよね。
さらに、これも素人目にはほぼわからないけど、橋梁やトンネル、高架道路なんかも危険と言われているのだ。
打鍵検査というたたいた時の反響音で中にひびが入っていないかなんかを確認する技術はあって、いまはそこにAI技術も駆使して調べられるようにはなっているけど、直す方はそう簡単にはいかない。
お金もかかるし、その橋なりトンネルなり、道路なりを一定期間止めないといけないし。
非常に大きな問題なのだ。


こういうインフラの老朽化の大きな要因の一つがコンクリートの劣化。
鉄筋コンクリートの場合は内部のの鉄の錆もあるんだけど、現代のコンクリートのばあ、振動などでひびが入ってそこに水がしみこむとどんどん劣化していってしまうのだ。
ところが、二千年前にローマ帝国が築いたコロッセオや水道橋はまだきちんと形をとどめているんだよね。
で、その構造物には当時のコンクリートが使われているのだ!
ローマン・コンクリートと呼ばれているんだけど、現代のコンクリートよりもはるかに長期間の耐用年数になっているんだよね。
すでにこの技術は失われていて、長年謎と言われていたんだけど・・・。

2023年になって、その耐久性の高さの秘密の一つが、ローマン・コンクリートの中に入っているライムクラストという白い消石灰(水酸化カルシウム)のつぶつぶではないか、という説が出たのだ。
コンクリートの中に微小な消石灰が含まれている場合、ひびができて水がしみこんでくると、その場で水と反応するのだ。
その場に非常に強力なアルカリができるんだけど、今度はそのアルカリが空気中の二酸化炭素を取り込んで、石灰(炭酸カルシウム)として再結晶化するのだ。
つまり、ひびができて水がしみこんでくると、そこにいったん強アルカリのどろどろのペースト状のものができて、それが二酸化炭素を捕まえると固まってひび割れをふさぐのだ。
これがローマン・コンクリートの自然回復と呼ばれる現象で、長持ちする大きな要因の一つ。
仕組みが分かっているなら再現できそうだけど、実際はそうもいかないみたいのは少し不思議なんだよね。
配分とか混ぜ方とかそういうそうハウみたいなところで失われているものはありそうだけど。

で、こうして科学的には仕組みが推定できたんだけど、すぐにそれで決まり、というわけにはいかなかったのだ。
古代ローマの偉大な建築家で、当時の建築技術の知識の粋を集めて書き記した「建築十書」の著者でもあるウィトルウィウスさんの存在。
そう、ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図でおなじみのウィトルウィウスさん。
その「建築十書」の中のコンクリートの調整法について、まずは水と消石灰を混ぜてペースト状にして、と書いているらしいのだ。
でも、この方法だとコンクリートの中に粒上の消石灰は残らない!
先に水と混ぜるんじゃなくて、消石灰と生石灰(酸化カルシウム)などの材料と一緒に混ぜる方法でないとダメなのだ。
この混ぜ方をすると、混ぜる過程で消石灰や生石灰が水と反応して発熱するので「熱混合(ホットミキシング)」と言われるんだけど、火山灰中のケイ酸塩がその熱で他のものと反応したりと、コンクリートを強化するほかの作用も出てくるみたい。
また、最初に丁寧に消石灰だけ水と混ぜてペーストにするのと違って、融け残りの消石灰がコンクリートの中に分布する、「よい状態」になるのだ。

で、建築の大家のウィトルウィウスさんとの関係でこうだろうな、と思っていたやり方が否定されてしまう形になっていたのだけど、火山噴火により一夜にして埋もれたポンペイの遺跡を調査する過程で、やっぱり「熱混合」が行われていた証拠が出てきたんだって。
それがつい最近の話。
古代ポンペイの町はいきなり火砕流に襲われて埋もれてしまったので、そこには時間停止された当時の状況が保存されていたのだ。
コンクリートを使う建築現場もあったようで、まさに消石灰と生石灰をまぜてコンクリートを作ろうとしているという状況が埋もれていたというのだ。
なんでウィトルウィウスさんはそのように書いてたのか不明だし、ひょっとしたら現場で適当に作業していて結果的にローマン・コンクリートができていたのかもしれないけど、科学的な推測と考古学的証拠が見事に合致したんだよね。
考古学ってときどきこういう面白い結果が出てくるよね。

そうなると、次の興味はローマン・コンクリートを現代に再現できないか、ということだよね。
で、どうも技術的には再現できるらしい。
ただし、同じコンクリートでも現代のコンクリートとはそもそも別物なので、使い方を変えないといけないんだって。
例えば、ローマン・コンクリートでは薄い壁は作れない、骨組みに生コンを流し込むみたいな広報も取れず、レンガを積み上げて手作業でコンクリートを塗りこめていかなくちゃいけないなどなど。
歴史的建造物の修復には使えそうだけど、大型構造物をローマン・コンクリートで、というのが現代ではなかなか現実的ではないみたいだ。

2025/12/13

ほな、たぬきと違うか

先日、日本橋にある滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」で信楽焼のぬいぐるみをかったのだ。
ふわふわでかわいいやつ。
でも、なんか違和感・・・。
そう、しっぽにしましまがある。
これはたぬきっていうよりアライグマでは?
で、よくよく見ると、よく見る「たぬき顔」なんだけど、それも違うことがわかったのだ。

ちまたにあふえている多くのタヌキのキャラクターがそうなんだけど、目のまわりをアイマスクのような形で覆うんだよね。
よく見る典型例はこのポンタ
目のまわりが「∞」の形で色が変わっているんだよね。
多くの場合は地の色より暗い色になることが多いけど。
でも、実際のタヌキの写真はこちら
そう、目と目の間は地の色なのだ。
暗い色の部分は目の周りから顎の方にU字型に広がっているんだよ。

一方、アライグマはこちら
いわゆる「たぬきのキャラクター」のような感じの模様なんだよね。
鼻筋に線があるので少し違うけど。
でも、世にはびこっている「たぬき」の顔は、むしろアライグマに近いのだ。

簡易的に図示するとこんな感じ。

【タヌキ】
  ∩   ∩ 

 ■■■ ■■■
 ■〇■ ■〇■
 ■■■▽■■■
  ■   ■
   ■■■


【アライグマ】
  △    △
    ■
 ■■■■■■■
 ■〇■■■〇■
  ■■■■■
  ≡ ▽ ≡
 
ちなみに、伝統的な信楽焼たぬきを見てみると、けっこう正しい。 
それと、水木しげる先生も参考にしていた江戸時代の妖怪絵のタヌキを見ても、やはりわりと正しい感じ。
むかしの日本人ってわりとデフォルメするけど、観察眼もするどいんだよなぁ。
タヌキについては実際に狩猟の対象で近くで見る機会もあっただろうしね。
割と身近な動物の一つではあったはずなのだ。

そのほかの分かりやすい特徴としては、タヌキはパンダのような柄で手足が暗い色になっているが、アライグマは全体が地の色。
一方で、タヌキの尾は地の色だが、アライグマの尾にはしま模様あり。
行動的な特徴としては、タヌキはかなり臆病で人を見ると逃げるか、場合によっては気絶するのに対し、アライグマはけっこう攻撃的で下手に近寄るとかみついてきたり、ひっかいてきたりする。
特に、アライグマは狂犬病ウイルスのキャリアであることもあるので要注意なのだ。
アニメのラスカルのせいでかわいいイメージがあるけど、かなり凶暴だよ。

ほかにも、在来種で似たような形態のものとしてはアナグマが、外来種か在来種かよくわからないけどいるものとしてはハクビシンがあるのだ。
東京都がまとめてくれている比較表で見ると、タヌキとアライグマに比べるとそこまで似ていないような気がするけど、基本は遠目で見かけるだけで近寄ってみることは少ないから、誤認もあるかな、というところ。
ハクビシンなんかは名前のとおり真っ白な鼻筋のラインがあるからわかりやすいし、アナグマはのっそりしたフォルムなので全体像が見えれば判断できるかもだけど。

似たような餌を食べているこれらだけど、タヌキだけは圧倒的に肉が臭くて硬くてまずいらしい。
多くの場合「たぬき汁」に使われていたのはアナグマではないかと言われているようだけど、アナグマは脂ものっていてジビエとしておいしいらしいよ。
中国ではハクビシンはわりと高級食材なんだけど、米国ではアライグマの二木はかつて奴隷が食べていたそうで、一段落ちる肉扱いだったのかな?

ちなみに、うちの職場にはハクビシンがいるようなのだ。
2回ほど見かけたことがある。
通った鼻筋でハクビシンであることはほぼ確定。
繁殖もしているのだろうか?