は~い解散、解散
東京地裁が宗教法人法に基づき旧統一教会に解散命令を出したのだ。
教会側は東京高裁に即時抗告すると早速会見し、場合によっては最高裁まで争い姿勢のようだけど、いつの間にかそこまで話は進んでいたんだね。
報道されないだけで手続は進んでいたようなのだ。
で、今回の解散命令は昭和26年(1951年)に宗教法人法が制定されてから3件目だそうで。
それほど珍しいことなのだ。
でも、個人的には何で裁判所が?、という疑問もあったので、ちょっと調べてみたよ。
まず、宗教法人法の規程。
第81条で解散命令について規定していて、「裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる」となっているんだけど、今回は都道府県をまたいで活動してる宗教団体である統一教会の所轄庁である文部科学省が地裁(法人登記の場所なので今回は東京地裁)に解散命令を請求したものなのだ。
で、その請求理由は同条第1号の「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」とされているのだ。
刑事事件として検挙されたことはなかったけど、多額の献金の要請や霊感商法などで財産的・精神的被害をもたらしたとする民法上の不法行為を根拠にしている点が注目されているよ。
以前の2件(オウム真理教と明覚寺)については刑事事件を根拠にしているので、さらに一歩踏み出した判断になるからなのだ。
その事前の手続きとして、第78条の2に基づく質問権を7回行使しているんだけど、最初に質問権を行使するときは話題になっていたけど、この質問権というのは、オウム真理教の事件を踏まえて法改正で追加されたものなんだよね。
地下鉄サリン事件というテロ行為を起こして初めて山梨県にあった施設で警察による強制捜査が行われることになるんだけど、坂本弁護士一家失踪事件以来きな臭いことはあったわけで、もう少し情報が取れていれば未然に防ぐこともできたのででは、ということなんだよね。
確かに、当時の教団は相当怪しい活動をしていたので、報告徴収やら質問権行使やらがもっとできていたら、最悪の事件を起こす前に検挙できた可能性はゼロではないのだ。
で、今回、その法改正で追加された質問権が機能したわけなのだ。
行使する前には憲法上は信教の自由が保障されているのでその権利侵害だなんて意見もあったけど、その結果、民事上の不法行為のエビデンスは集まりました、ということなんだよね。
ちなみに、オウム真理教の次に解散命令が出た明覚寺というのは、水子供養にかこつけた霊感商法で詐欺をしていたとして刑事事件になった宗教法人。
もともと本覚寺と名乗っていて、悪名が広まってきたので解明したといういわくつき。
旧統一教会が名称を変えた際にも話題になったのだ。
この時は普通に詐欺罪で警察の捜査が入ったので、質問権の行使などなくてもなんとかなったんだよね。
今回についていうと、刑法犯とまでは言えないような得も言われぬやり口(?)での不当な金集めが問題視され、それが民法上の不法行為に当たるとして、それを根拠に「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をした」という整理になっているんだ。
でも、この民法上の不法行為を「法令に違反して」という宗教法人法の条文の解釈で行けるかどうかは微妙とみている専門家もいて、おそらくもう少し裁判で争うことになるんだよね。
っていうか、最初にオウム真理教が刑法犯で解散命令が出た時も、最終的に最高裁まで争っているのだ。
「法令に違反し」まではよいとしても、「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる」というのが少し大げさな表現であることが理由だよ。
霊感商法で大規模に詐欺行為を働く、というのは「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる」のか、というこおだよね。
ただし、これは最高裁判決が出ているので、オウム真理教は完全アウト。
明覚寺もテロ行為という国家転覆につながるような大それたことはしていないけど悪質な詐欺を継続して働いていたのでアウト、という整理になっているので、少しずつ外縁が明らかになってきているのだ。
今回の例も、民法上の不法行為まで広がるかどうかは今後の司法判断を待つよりほかないよ。
ちなみに、明覚寺と同じように霊感商法でもんだしされた「法の華三法行」についても解散命令を発出すべく検討されたんだけど、それより先に破産してしまったので、宗教法人としては解散になってしまったのだ。
宗教法人法第43条第2項で「宗教法人は、前項の場合のほか、次に掲げる事由によつて解散する」となっていて、その一つとして第3号で「破産手続開始の決定」が規定されているので、破産すると強制的に解散なのだ。
オウム真理教も破産しているけど、あれは宗教法人としての解散命令が出亜後に破産しているのだ。