2026/03/14

海の要衝

 イランと米国のいざこざで大変なことになっているのだ。
もともと危惧されていたことだけど、シーレーンの要衝、ホルムズ海峡が封鎖され中東の石油の輸出ルートの大動脈がたたれた!
さっそく国内でもガソリン価格が上がっているけど、石油関連製品は無数にあるし、物流にも影響が大だから、生活全般に影響が出そうだよね。
まさに、令和のオイルショックになりそう・・・。

航空機が発達して久しいとはいえ、地上には国境線もあれば山や谷もあるので、大量の物資輸送においては海上輸送が極めて重要なのだ。
陸の道と違って必ずしも同じところを通る必要はないけど、深さや潮の流れ、陸との距離などなどからだいたい通るルートは決まってくるんだよね。
これが「シーレーン」。
で、今回のホルムズ海峡もそうなんだけど、そういうシーレーンの中で、迂回できない、或いは、迂回できるにしてもものすごく遠回りになるところが「チョークポイント」と呼ばれるのだ。

で、世界的なシーレーンのチョークポイントは4つあって、①スエズ運河、②パナマ運河、③マラッカ海峡、及び、④ホルムズ海峡だよ。
①と②は本来陸続きだったところを船でショートカットできるように作られた運河だよね。
二次元的な地図で考えると一番細くなっているところを開削して海と海をつなげばいいけだけど・・・。
実際にはくびれていると言っても相当な距離があるし、つなぐ海の間に高低差があるので、そううまくはいかないのだ。
特に問題なのがパナマ運河。
最高地点が海抜26mのガトゥン湖なので、そのまま船は通行できず、閘門で仕切って船の水位を上下させて移動する必要があるのだ。
なので、移動にはけっこう時間がかかるよ。
さすがに南米大陸をぐるっと回りこむよりは早いわけだけど。


③と④は原油の輸送上重要なので「オイルロード」とも言われるのだ。
マラッカ海峡はインド洋と太平洋を結ぶ海路の要衝で、昔から重要な航路だったんだよね。
で、海賊も出るのだ。
昔の話ではなく、今も。
そのために周辺国で海賊対策をしていて、日本も海上保安庁が積極的に連携・協力しているのだ。
太平洋戦争の時はシーレーンが封鎖されてげにゅが手に入りづらくなったこともあり、帝国軍はまずはここを狙ったくらい。
なんとかマレー周辺を抑えて原油を確保、それで継戦するという作戦だったんだよね。
日中戦争から始まったはずなのに最前線が東南アジアに移っていくのはそういうわけなのだ。

で、今回のホルムズ海峡。
ペルシア湾とオマーン湾をつなぐところで、アラビア半島の右上に位置するUAEやオマーンがあるところが飛び出るような形になっているので海がくびれているのだ。
でも、深さが十分にあって並穏やかでタンカーも通れるというすばらしい海路。
アラビア半島で産出した原油を海路で運ぼうとすると紅海側の西ルートで行くか、ホルムズ海峡をとおる東ルートで行くかの2ルートあるはずだけど・・・。
このうち、西ルートは基本はサウジアラビア沿岸。
ここから運び出すこともできるのだけど、問題は油田の位置なのだ。
主要な産油国として知られるクウェートやカタール、バーレーンがアラビア半島東部にあることからもわかるとおり、油田は主に東側に偏在しているんだよね。
なので、紅海から運び出す場合は地上のパイプラインで西側に運ばないといけないんだけど、ここの容量に限界があるので、ホルムズ海峡の影響はカバーしきれないわけ(>_<)

これがまさに問題の根幹なんだよね。
海峡を封鎖するくらいだからイランを通って陸路でパイプラインを敷設するわけにもいかないし。
すでに機雷まで巻かれているので、戦争が終わっても後始末があるのだ。
かつて海上自衛隊の掃海艇がペルシア湾に派遣されたけど、そういう国際協力も今後求められるはずなんだよね。
どうもイランは死に物狂い、というか、死なばもろともというか、自国経済が壊滅してもホルムズ海峡を封鎖して世界の経済を止める、と息巻いているようだから、どうなることやら。
ちなみに、米国は国内でも石油が出るし、この前ベネズエラの石油も抑えたからわりと余裕あるんだよね・・・。
欧州も十分あ良とは言えないけど北海油田のような海底油田があるし。
きついのは東寄りのアジア諸国なんだよなぁ。

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