かさかさから守れ!
秋から冬にかけて乾燥してくる時期に欠かせないのがリップクリーム。
最近は男性でも使っている人が多いよね。
ボクなんかもわりと乾燥しがち(?)で、すぐにくちびるが切れてしまうので、けっこう使う方なのだ。
いったん切れるとものを食べるたび、口を開けるたびに痛いからね(>o<)
で、今回はこの時期から手放せなくなるリップクリームについて少し調べてみたのだ。
定義は簡単で、くちびるに塗布する軟膏剤を指すのだ。
リップバームと呼ばれることもあるよね。
「軟膏」というのは体の表面に使う薬の外用薬の形態の一種で、湿布のように貼って使うのが硬膏、クリーム状・ゲル状のものを塗って使うのが軟膏なのだ。
リップクリームは塗って使うので軟膏だよ。
タイプも二つあって、スティック状になっていて口紅と同じように塗るタイプと、チューブや容器に入っていて指につけて塗るタイプがあるのだ。
一般に「バーム」と呼ばれるのは指で塗るタイプが多いみたい。
くちびるは皮膚とは違って粘膜が直接露出しているんだよね。
皮膚だと表面にケラチンなどからなる角質層に守られているので乾燥や刺激物に対して抵抗力があるんだけど、粘膜の場合は上皮細胞が直接表面に出てしまっているので乾燥などに弱いのだ。
胃腸などの消化管の端がめくれて外気に触れている状態なんだよね。
消化管の中は粘液なんかで保護されているけど、くちびるはそうはなっていなくて、普段は唾液で湿らせたりするしかできないのだ。
そこで、薄い膜を作って保護するのが主な役割だよ。
最近では、その保護作用だけでなくて、女性用では淡く色や香りをつけたり、グロスのようにつやを出させたりする美容目的にも使われるのだ。
そのほか、口内炎や単純疱疹(口唇ヘルペス)の治療目的で使われるものもあるよ。
リップクリームの主成分となる基剤でよく使われるのはミツロウやワセリン。
ミツロウは天然成分で、ミツバチの巣の主成分。
加熱圧搾したり、熱湯に溶かし出したりして不純物を取り除いて抽出するのだ。
そのままだと黄色っぽいんだけど、精製・漂白することで白くなるんだ。
むかしはろうそくにも使われていたんだけど、ミツロウでろうそくを作るとすすが出にくいということで教会でよく使われていたみたい。
一方のワセリンは化学的に石油から取り出すもので、長鎖の飽和炭化水素が複数種類混ざったもの。
飽和炭化水素は炭素数が少ないと気体だったり、液体(油)だったりするんだけど、炭素数が増えて分子量が大きくなると常温で固体の脂になるのだ。
それを精製したのがワセリンだよ。
精製度が高いものは純白で、劣化してくると徐々に参加されて淡黄色になってくるのだ。
この基剤にメントールや樟脳などの成分が含まれるのだ。
どちらもひんやりとした爽快感を与えるもので、軽い炎症は抑える作用もあるよ。
メントールはいわゆるハッカ臭がする成分で、お菓子から化粧品までいろんなものに使われているよね。
もともとはハッカ油から抽出された成分なのだ。
一方、樟脳(カンファー)は防虫剤のイメージが強いけど、香料としても使用されているのだ。
クスノキの製油成分から抽出されるもので、クスノキの葉や枝を蒸して、水蒸気分流して製油成分を集めるんだよね。
こちらもすーすーした感じの香りが特徴的だよ。
これらに香料なんかを加えたのが一般的な保湿目的のリップクリーム。
最近では、ビタミンが配合されていて抗酸化作用を持たせたり、サリチル酸やアスピリンを加えて抗炎症作用を強めたりしたものもあるのだ。
そういうのが口角炎や口内炎、ひどいくちびるのひび割れなんかに使われるんだよね。
多くのものは「医薬部外品」だけど「薬用」と書いてあるのだ。
特にひどい症状に治療目的で使う医薬品では、ステロイド剤が配合されているものもあるよ。
これはひどい口内炎などに使うみたい。
口内炎はウイルス性や細菌性のものは抗生物質とかで対応できるんだけど、ストレスや偏食などから起こると言われている原因不明のものは治療のしようがないので、ひどくなるとステロイド剤で対症療法をすることがあるのだ。
女性が化粧品的に使う場合には、グリセリンが配合されていてつや出しになったり、顔料が入っていて色をつけたり、香料が入っていて香りをつけたりするのだ。
このほか、酸化チタンや酸化亜鉛などの成分が配合されていて、サンスクリーン剤(日焼け止め)として機能するものもあるのだ。
くちぶりに日焼け止めというと変な感じだけど、メラニン色素が沈着するとくちびるの色が黒ずんでくるので、鮮やかな赤い色を保つためには意味があるみたい。
なかなか奥深いねぇ。
というわけで、単にリップクリームと言っても今ではいろんなものがあるのだ。
用途に応じて使い分けないと。
ボクの場合は単純に保湿だけだから一番シンプルなやつでよいのだけど。
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