茶をしばけ!
年齢を重ねてくると気になるのが脂肪。
そもそもあまりに脂っこいものは受け付けなくなっては来るけど、やっぱり脂ものはおいしいよね(笑)
揚げ物なんかは無性に食べたくなるときがあるのだ。
でも、若いときならいざ知らず、代謝も下がってくるから、食べた分だけ脂肪を蓄積してしまうのだ・・・orz
で、最近では、脂肪の吸収を抑えるとか、脂肪の燃焼を高めるとかの効果があると言われる特定保健用食品が注目されているよね。
ボクも、有効性には多少の疑問を持ちつつも、自分へのいいわけ程度に摂取しているのだ。
代表的なのは黒烏龍茶。
これは脂肪の吸収を抑制すると言われているよね。
その有効成分と考えられているのはウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)と呼ばれる成分。
メカニズムとして想定されているのは、このOTPPが脂肪を分解するリパーゼという酵素を阻害することで吸収しづらくする、というものだよ。
脂肪は通常トリアシルグリセロールの形で、グリセリンの3つのアルコール性水酸基(-OH)に3つの脂肪酸がくっついている物質なのだ。
リパーゼは、このグリセリンと脂肪酸の間のエステル結合を切り離す作用を持っているんだよ。
実際には、3つとも切り離されるわけではなくて、グリセリンに1つだけ脂肪酸が結合したモノグリセリドと2つの脂肪酸に分解されるんだ。
これが界面活性作用(=油脂を分離させず、水中に細かく分散させる作用)を持つ胆汁酸がにより乳化され(まさにマヨネーズのような状態)、小腸の表面から細胞内に取り込まれるのだ。
乳化されたミセルの状態(中心に脂溶性・疎水性の脂肪酸とモノグリセリドがあって、そのまわりを界面活性剤の胆汁酸が囲んでいる状態)だと、細胞膜(リン脂質二重膜)を通過して細胞内に入り込めるのだ(脂肪のままだと水中で分離しているので、うまく吸収できないよ!)。
で、細胞内で再びモノグリセリドと2つの脂肪酸が結合して脂肪(トリグリセリド)の状態になって血中に取り込まれるのだ。
胆汁酸は、大きな脂肪のかたまりをほぐして小さくしてリパーゼが分解しやすくするとともに、分解した後のモノグリセリドと脂肪酸を小腸の上皮細胞に吸収させるのに役立っているんだけど、OTPPは、脂肪をからめとって、大きなかたまりにしてしまう作用があるのだ。
すると、リパーゼがうまく反応できないので脂肪は分解されないまま排出されることになるんだ。
これで脂肪の吸収が抑制されるわけ。
ちなみに、あまりに多くの脂を食べると下痢することがあるけど、それはリパーゼの分解が追いつかずに脂肪排出されるため。
OTPPはそんな状況を擬似的に作っているんだけど、そのため、場合によってはちょっとおなかがゆるくなる可能性があるよ!
ちなみに、脂っこいモノを食べた後に烏龍茶を飲むと口の中がすっきりするけど、これは口の中の脂肪を大きなかたまりにしてしまって洗い流してくれるからだよ。
中国でフィンガーボウルの中に烏龍茶を入れることがあるのも同じなのだ。
かたまりが大きい方が落としやすいんだよね。
油べっとりの皿洗いに烏龍茶を使うときれいに落ちたりするのかな?
とは言え、唾液中にもリパーゼが含まれるので、時間が経てば口の中の脂肪は適宜分解・吸収されていくので、いつまでも油まみれなわけじゃないけど。
もうひとつメジャーなのは茶カテキン。
こっちは脂肪の代謝を活性化する、と言われているのだ。
さっきのOTPPとは違ってなぜ脂肪代謝が上がるのか、メカニズムはよくわかっていないんだって(>o<)
ただし、カテキンと胆汁酸にの立体構造の違い(カテキンは芳香環なので平面的だけど、胆汁酸は環状飽和脂肪酸なので立体的にうねっている。)がヒントになるんじゃないのかなぁ、とは個人的に思うのだ。
似たような構造の部分があるけど全体として構造が違うことで、酵素を阻害・活性化したりするのはよくあることだからね。
よくわからないながら、脂肪分解酵素を活性化させるとか、胆汁酸の排出を促進するとかいくつか仮説はあるようなのだ。
カテキンというと緑茶が思い浮かぶけど、もちろん烏龍茶にも含まれているのだ。
なので、烏龍茶の場合は、OTPPで吸収を抑えるとともに、カテキンで脂肪の燃焼も活性化することになるよ。
これはすごい!
だったら烏龍茶だけ飲み続ければいいじゃない?、ってことだけど、烏龍茶はカフェインも含んでいるから、飲み過ぎるのもあんまりよくないんだよね。
それに、確かに作用は認められるけど、それがどれくらいインパクトがあるのか、というのも問題なのだ。
多少吸収を抑えたり、燃焼を上げたりしても、実際にはあまり意味がない可能性もあるんだよね・・・。
そういう意味では、気休め程度のものと思って飲むことも大事だよ。
これがあるからいくらでも脂肪を摂っても大丈夫ということではないので、過信は禁物!
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