重ねて重ねて
また、日本人が狂喜乱舞する祭り、「ヤマザキ春のパンまつり」が始まったのだ!
しばらくはお昼ごはんはパンだなぁ(笑)
ま、その方が手っ取り早いし、いつでも食べられるからよいのだけど。
で、その中でもついつい買ってしまうのがアップルパイなんだよね。
いわゆるケーキのアップルパイとは違って、パン・オ・ショコラのチョコレート部分がアップル・フィリングになった感じのものだけど。
パイの醍醐味と言えばそのさくさく感。
ぼろぼろとカスが落ちるので食べるのが大変だけど、やめられないぜ♪
このさくさく感を生み出しているのが、パイ生地に大量に含まれているバターやマーガリンなどの油脂。
手がべとべとになるわけだ・・・。
このせいで普通のパンよりカロリーが高めなんだよね。
パイ生地は、小麦粉と卵、水を練って、その上にバターを薄くのばして重ね、それを折りたたんでは伸ばし、折りたたんでは伸ばし、と作っていくのだ。
これにより、パイ生地の断面を見ると、小麦粉の生地の層とバターなどの脂の層が交互に並んでいる状態になるわけ。
これが焼成されるとき、生地と生地の間のバターが融け、沸騰し、そこに隙間ができるわけ。
これがさくさく感の正体で、生地がぽろぽろとはがれるのもこのため。
極薄の生地が重なっている状態に焼き上がるんだよね。
パンの場合は、生地の中に気泡が分散している、スポンジ状態に焼き上がっているんだよね。
これがふわふわ感を生み出しているのだ。
発酵パンの場合は、パン記事中でイーストが発酵反応を起こしたとき出てくる炭酸ガスで気泡ができ、ベーキングパウダーを使う場合は、熱で炭酸水素ナトリウムが分解されて炭酸ガスが発生して気泡になるのだ。
これにより気泡が三次元的に分散して、スポンジ状の構造になるんだ。
クロワッサンやデニッシュはその組み合わせで、パン生地のバターやマーガリンを重ねて折りたたんでいくのだ。
やっぱり多層構造になって、そのうち脂の層が融けて隙間ができるんだ。
ただし、パン生地を使っているので、極薄の生地自体がふわふわしていて、あの独特のしっとり間が出るみたい。
このバターを重ねて織り込んでいくところがミソなんだけど、これが難しいんだよね・・・。
というのも、折りたたんでいるうちにバターが融けてしまうと生地となじんでしまうのでさっくり感がだせなくなるのだ。
かといって、融けていない状態だとそれなりにかたいわけで、それをきれいに伸ばしていくのはコツがいるよ。
最後の方はものすごく薄いバターの層ができていて、手の表面の温度で融けかねないので、手を氷水で冷やしながら作業する、なんてこともあるようなのだ。
生地を折りたためば折りたたむほどさくさく感が出るんだけど、折りたたむ回数を増やすとそういう問題が出てくるわけ。
機械だったら冷やしながらローラーで伸ばしていくんだろうけどね。
ちなみに、折りたたむ以外のパイもあるのだ。
一般にアメリカン・パイと言われるもので、小麦粉とバターを均一にまぶし、塩水で生地にまとめたもの。
クッキーのようなさくさくした焼き上がりになるのだ。
アメリカのチェリーパイやパンプキンパイの底にしかれている部分だよ。
バターを切るようにして小麦粉とまぶしていくんだけど、これはこれでけっこう大変なんだよね。
おいしいものを食べるには手間暇が大事ということかな?
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