慣例により首相が答弁します
参議院でも予算が成立し、国会はいよいよ後半戦に突入!
これからは様々な法案が審議されることになるのだ。
その中でも、特に注目を集めるのが「重要広範議案」と呼ばれるもの。
新聞などの報道でも、その成立の見通しが記事になるのだ。
日本の国会制度は委員会審議制をとっているので、基本的に議案の中身の審議は各委員会に付託して行うのだ。
各委員会への付託は、議院運営委員会によって決定され、付託が決まれば、各委員会で趣旨説明、質疑、採決と続いて、最終的に本会議で採決されるんだ。
委員会ですでに賛否が出ているので、通常本会議においては、その議案を審議した委員会の委員長から、委員会ではこういう議論があって賛否はこうなった、と報告があって、その上で採決されるんだけど、これは「議了処理」と呼ばれるのだ。
なんだか本会議による議決は形式的と言っているような感じだけど。
ただし、たまに本会議の議決の前に討論することもあって、これは議院内の各会派の申し出により、賛成討論や反対討論を述べてから採決に突入することもあるよ。
また、議決の方法も複数あるんだ。
ひとつは、起立を求めるもので、この場合は「賛成多数により可決します」みたいな感じでぱっと見てすぐに賛否がわかるものに限られるよ。
二つ目は、記名投票を行うもので、賛成の場合は白票、反対の場合は青票を投じるよ。
事務総長が議員の名前を読み上げて、一人一人議長の前に札を持っていくのだ。
この場合、「牛歩戦術」がとられることがあるよ。
次に、異議の有無を確認するもので、議長が「御異議ございませんか」と聴いて、議場から「異議なし」と言ってもらうんだけど、基本的にはあらかじめ全会一致であることがわかっている場合にだけ使うのだ。
最後が、押しボタン式投票によるもので、参議院にだけ導入されている、議員席の手元にある賛否のボタンを押して投票を行う方式。
参議院広報を後で見ると各議院がどっちのボタンを押したか確認できるんだけど、間違えて押すこともあるみたい(笑)
一方、入口の段階で本会議で議論することもあるのだ。
それらの議案は「登壇もの」と呼ばれて、担当大臣が本会議においても法案の趣旨説明をして、それに対する質疑を行うのだ。
本会議における質疑の後、委員会に付託されて、より詳細な議論が行われることになるよ。
さらに、「登壇もの」のうち、「重要広範議案」と呼ばれるものもあって、この場合は、趣旨説明質疑で首相に質問することができるとともに、委員会の質疑でも各党一巡の基本的質疑や締めくくり総括質疑で首相に質問できるのだ。
ただし、これは与野党間の申合せによる慣例で、与野党の国会対策委員会が協議して決めるのだ。
「重要広範」に指定されると、本会議でも質疑が入るし、委員会の審議でも十分時間をとって議論することになるので、一般に法案審議に時間がかかるようになるのだ。
なので、内容的にはとても重要であっても、審議時間の関係で与党がいやがって「重要広範」とならないことも・・・。
一般的には4件程度の議案が「重要広範」指定されるんだけど、与野党間の駆け引きでこの数は増減するのだ。
予算が終わってから法案の審議が本格化するわけだけど、「重要広範議案」の場合は首相が答弁するので、当然注目を集めるのだ。
こういうのをあらかじめ知った上で報道を見てみると、国会の仕組みがよくわかっておもしろいよ。
意外に下手なバラエティを見るより、国会中継を見ている方がおもしろいこともあるからね(笑)
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