奈良の春日の青芝に
年末に奈良に行ってきたのだ。
今回は桜井や飛鳥の方を回ったのだけど、最終日は春日大社へ。
そう、鹿の本場だ。
たくさん鹿がいるよね。
さすがにここの鹿は神使だから大事にされているわけだけど、ニホンジカは古来から日本人にとって身近で重要な狩猟対象だったんだよね。
まずは皮革。
日本の武具や馬具に使われる皮革のほとんどは鹿革。
鹿革(ディアスキン)は一般的に軽くて引っ張り強度があり、通気性があってなめらか。
手袋にいいといわれているんだけど、まさに武具にはちょうどよい性質なのかも。
ただし、鹿革の最大の欠点として、なめした後の表皮側に当たる「銀面」がはがれやすい、というのがあるのだ。
なので、革小物に用いると表面がぼろぼろになりやすいのだ。
そういう意味では実用品向きなのかもね。
そして、角(枝角)。
プラスチックがなかったむかしは、適度に硬くて加工しやすく、水でふやけない素材は重要だったわけだよね。
骨や亀の甲羅と並んで動物の角は重要なものだったのだ。
特に、鹿の角は毎年生え変わるので、鹿を狩猟できなくても手に入るのだ。
うまいタイミングで山に入れば拾えるわけだ。
これは利用しやすいよね。
今では装飾品に使うのがメインだと思うけど、縄文時代には釣針とかにも加工して使っていたみたい。
何より大事なのは食肉。
ジビエとして最近よく見かけるようになっているけど、一般に肉食が近畿だった江戸時代も「薬食い」として猪肉(ぼたん)と並んで鹿肉(もみじ)よく食されていたようなのだ。
少し臭みhがあるけど、低カロリー、低資質、高たんぱくで、やわらかい赤身肉でヘム鉄を多く含んでいるのだ。
ジビエとしてはかなり食べやすいので出す店も多いんだよね。
ただし、寄生虫などのもんだいがあるので、決して生で食べてはいけない肉でもあるのだ。
一時期山野部の開発で生息数が多く減ったのだけど、最近はまた増えてきていて、獣害の方が問題になってきているよね。
なので害獣駆除として狩猟される個体が増えて、ジビエで提供される機会も増えたのだ。
鹿は装飾だと思われているけど、実は雑食でなんでも食べるんだよね。
積極的に食べるのが植物性のものがおおいというだけで。
犬歯も発達しているので、かまれると危ないのだ。
ヤギと同じように草でも樹皮でも何でも食べてしまうので、数が増えすぎると山が荒れるのだ。
ここのところ問題になっているクマの問題も、鹿が増えすぎて相対的に熊のえさが減って里に下りてきている、とかいう説もあるくらいだしね。
というわけで、適正な数に抑えたいわけだけど、自然の鹿は管理がむずかしいんだよね。
奈良公園の鹿なんかは鹿せんべい以外エサはあげない、おいかけたりしない、角切りして人との事故を避ける、などなどの保護と管理をしているわけだけど、これは長年神獣として鹿を大事に扱ってきている伝統があるからできることで。
野生の場合は増えすぎたら間引きするしかないんだよなぁ。
鹿は大型動物なのであまり点滴もいないしね。
そういう意味では、せっかきょく狩猟対象になるなら、革や角、肉は最大限有効活用しないとね。