2026/05/16

電気のセーフティーネット

 職場で懸念事項が出てきたらしいのだ。
それは、電気代の高騰。
どうも、コンペでいわゆる「新電力」が勝ってそこから電気を買っているみたいなんだけど。
そういう会社って自前の発電所を持っていることは少なく、契約やマーケット(卸電力取引所)で調達してくるので、燃料費高騰の影響をもろに受けるんだよね。
で、総低硫黄の値上げになるかもしれない、ってことで心配し始めたわけ。
そういえば、ちょっと前にも新電力の電気料金が高くなりすぎて、みたいな話があったよね。

戦後の電力供給は地域独占体制だったんだよね。
東京電力とか関西電力とか、供給区域ごとに電力会社(一般電気事業者)がいて、独占的に電気の供給を行っていたのだ。
その代わり、その料金の改定は国の認可が必要な規制料金だったのだ。
今の鉄道事業の料金とかと同じだよ。
で、先に電話(電気通信事業)の方が自由化され、電力も一部自由化、全面自由化と規制緩和されてきたのだ。
今では一般家庭も自由化対象範囲なので、いわゆるむかしながらの電力会社だけでなく、新電力と呼ばれる電気の小売事業者からも買えるようになったんだよね。
最近はポイントプログラムや他のライフラインととのセット割とかでいろんなメニューがあるよね。

で、最初期は大口の顧客(需要家)が自由化対象範囲になったのだ。
具体的に言うと、特別高圧受電(20,000V以上)の人たちで、大規模工場や大型公共施設なんか。
配電設備を介さず、自前で受電設備・変電設備を用意して送電線から直接電気を引き込むのだ。
この自由化の時に導入されたセーフティーネットが最終保障供給(ラストリゾート)という概念。
いわゆうる「電力難民」にならないように、必ずどこかからは電気が買えるようにするための措置だよ。
当時は新規参入者(特定規模電気事業者:PPS)が何らかの事由で電気の救急ができなくなった場合、一時的な話であればまだ規制部門では供給独占が残っていた電力会社がバックアップ電力供給というので補填するとともに、もう電気の供給ができない場合(倒産、事業の撤退など)は電力会社があらかじめ用意する最終保障供給という少し割高の料金プランで契約することになっていたんだ。
国が独占を認めるということは、逆に言うと、正当な理由がなければ供給依頼を断ってはいけないといこと(=供給義務)で、まだ規制部門が残っていたので自由化部門も含めて電力会社に責務を持ってもらっていたのだ。

で、自由化範囲が拡大してくと、ちょっと様相が変わってくるよ。
6,000V以上の受電の高圧受電の場合(大型スーパーや百貨店、小規模工場など)は基本的には特別高圧と同じように最終保障供給という形態になっているのだ。
こういう大口の電気の消費者の場合、しっかり電気の供給力を確保した事業者でないと対応できないんだけど、そういう事業者はどうしても数が限られてくるので、最悪どの新電力も対応できなくなる場合も想定する必要性が大きいから。
なお、これはあくまでも次の契約先が見つかるまでの臨時措置という位置づけなので、数か月から1年以内と契約期間が限定されているよ。
一方で、200V以下の低圧や従量電灯と呼ばれる一般家庭や小規模商店向けの場合、新電力にもともと法律上課せられている救急力確保義務の範囲でなんとかなるはずなので、最終保障供給の対象外になっているんだ。
では、どうするかというと、電気事業法の改正法の附則で「当面の間」の経過措置として用意されている特定小売供給というのを使うのだ。
これは自由化前の規制料金とほぼほぼ同じ料金の作り方で算出するもので、旧規制料金とも呼ばれるよ。
燃料需給制度による料金の上り幅に上限があったりして料金が爆上がりすることがない一方、ポイント還元やガス供給とのセット割とかそういうのはないのだ。
最終保障供給はわざと市場価格に比べて割高に設定することで次の契約先を早く見つけるように誘導しているのだけど、こっちは従前と同様に国の認可を受けた料金なので、割高感はなくて、総括原価方式で、電気供給にかかるコストに効率化係数をかけて利益を定率でのせたものだよ。

で、うちの職場はわりと大口の契約なので、新電力との料金値上げの調整が不調で契約が破棄されてしまったりすると、最悪最終保障供給になるかもしれないんだよね。
ボクは担当じゃないんだけど、電気料金の話が好きなので、ちょっと自分で調べてみたのだ。
でも、あまりにも大幅な値上げだと最終保障供給の方がやすくこともあるみたいだから、しばらくそれで泳いで、次の契約先を見つけるのでもいいような気がしてきたな。

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