2026/05/02

おこめパワー

 江戸末期から明治くらいにかけての白黒写真っておもしろいよね。
新選組副長の土方歳三がめちゃくちゃ男前だったり。
芸者さん(花魁?)の写真を見ても今に通じるような美人がいるのだ。
で、そんな中で特に目を引くのが、飛脚や大工などの体を使う人たちの体つき。
背は高くなさそうだけど、ものすっごくマッチョなのだ。
筋肉隆々で、ふんどし一丁だったりするので、そのままボディビル大会みたい(笑)
でも、江戸時代って肉はほとんど食べないし、魚もたまに食べる程度、とにかくお米をひたすら食べているイメージがあるんだけど・・・。

調べてみると、現代人と比べてしっかりタンパク質は獲れていたようなのだ。
江戸時代の人たちは1日平均で3~5合のお米を食べていて(塩辛いおかzで大量のごはんを食べるスタイル)、白米を食べていた江戸市中で見ても、お米からのタンパク質だけでけっこうあるのだ。
炊きあがった白米100gあたりに含まれるたんぱく質は2.8gくらい。
1合は炊き上がりで330gになるから、28~46gくらい。
それに大豆加工品(みそ、しょうゆ、豆腐、納豆などなど)を加えると、下手な現代人よりきちんととれている計算になるよね。
農村部だと玄米になって、さらに「かて飯」と言って麦や豆などを一緒に炊き込むのだけど、その場合はもう少しタンパク質量が増えるのだ。
百姓仕事もほぼほぼ人力でやっていたから、そちらもかなりのマッチョだったわけだ。

加えて、このころは油は貴重なものだし、とにかく体を動かしてカロリーも消費しているので、一般にはあまり脂肪はついていないのだ。
むしろ、太っているのはお金持ちの証拠、みたいな。
なので、余計に筋肉が浮き出るわけだよね。
ナチュラルに生活しているだけで、筋トレして、糖質とタンパク質をたっぷりとって、脂肪は少なめで、とボディビルダーのような感じなのだ。
そりゃあマッチョになるか。

地域の米の生産力を表す単位が「石高」だけど、1石は10斗=100升=1,000合で、人が1年で消費する米の量というイメージなのだ。
この計算の場合、1日3合計算で360日分として1,080合ということだよ。
加賀100万石というのは、100万人分の年間米消費量を生産できるという意味。
当時は貨幣機材も進んでいるけど、米本位の経済なので大事な指標なのだ。
ただし、実質石高と名目石高というのがあって、実際には米以外の農作物(=そばや麦など)もあるので、実質的な食料生産能力はより大きくなる場合うもあるし、気候や水利の関係で水田の広さに比べて米の収量が低いところもあって生産力が実はそんなに高くない場合もあるんだよね。
そういうのが実質石高というもの。
でも、大名・旗本としての役割を振られるときはあくまでも名目石高で課されるので、余裕でこなせるところと、赤を出しながらなんとかやるところと地域差があったようなのだ。

この「石高」というのは基本は取りに連動していて、拝領地の生産力を表すもの。
そうではなくて、俸禄として米の現物支給を受けている場合(御家人など)は、別の指標で給与を表していたんだよね。
それが「〇俵〇人扶持」というもの。
時代劇に出てくる町方の同心とか与力はまさにそういう給与形態なのだ。
「俵」は字のとおり「たわら」なんだけど、これもやはり1年間に一人の人間が消費する米の量を表しているのだ。
各藩で換算は違うようだけど、幕府の場合、御天領は「四公六民」なので、1石当たり4斗の税収(年貢米)があり、それを精米すると3斗5升になって、それが蔵米(税収として入ってきた現物の米)の1俵になるんだって。
一人扶持というのはこの蔵米5俵のことなので、知行地としては5石に相当するのだ。
全体を換算すると、知行取り100石=蔵米100俵=現米35石=20人扶持=35両ということだよ。
最初に出てくる「石」は生産力の方の単位の「石」で3つ目に出てくる「石」は単純に米の量の単位の「石」(「合」の千倍)というのがややこしいのだ。
給与として支払われる方は現物換算なんだよね。

これで単純に計算すると、将軍直轄の天領は約400万石なので、80万人扶持ということになるよね。
実際には御家人は2万人弱で、知行地を渡している旗本はこれとは別に300万石ほどの石高を持っていたんだよね。
そうすると、78万人扶持=78万両くらいの規模が江戸幕府の裁量経費として使えることになるけど、1両は10万円くらいの価値だから、780億円ほどということかな。
国家財政規模としてはかなりこころもとないけど、各藩は独自に地方自治をしていたし、大規模な土木工事などは大名に普請させていたりしていたわけだからこんなものなんだろうか?

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