2026/06/06

お茶じゃダメなんですか!?

 いまさらなような気もするけど、ごはん食も増えて和食傾向が強くなってきた給食の飲み物として牛乳が合わない、ということで、緑茶に変える自治体が出てきたというニュースを見たのだ。
でも、牛乳って必須じゃなかったんだっけ?
前に調べた記憶をたどると、顎口腔職法施行規則という文部科学省令の中で、給食に3つの定義があって、
①完全給食:給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク及びおかずである給食
②捕食給食:完全給食以外の給食で、給食内容がミルク及びおかず等である給食
③ミルク給食:給食内容がミルクのみである給食
となっていて、どれだろうが全部にミルクが入っていることになっているんだよね。
これをもって、給食には牛乳が不可欠、ということだと思っていたのだけど・・・。

元をたどると、戦後日本の「ララ物資」にさかのぼるのだ。
戦後復興のために様々な救援物資が寄せられたわけだけど、子供たちの栄養状況を改善するため、として脱脂粉乳が含まれていたのだ。
正直当時の人の口に合うものではなかったようだけど、コッペパンとともに学校給食に出されて広まっていくのだ。
これは誰に聞いてもそうだけど、おいしくなかったみたいだね。
で、昭和33年ころから、評判のよくない脱脂粉乳に代えて、国産の牛乳を給食に導入するよう方針が打ち出され、今に至る。
その名残がこの省令の定義の中にもあるわけだけど、いまどき主食がない給食とか、牛乳だけの給食とかはないだろうから、基本はフルセットの完全給食のはずだよね。

一方で、省令での定義はそうなんだけど、学校給食法、その施行令と法令全体の枠組みで見るともう少し違う景色が見えてくるのだ。
この定義がどこで出てくるかというと、学校給食を開始するときに都道府県に届け出ることになっているのだけど、その届出にどの種類の給食なのかを書く際のカテゴリーなんだよね。
なので、現代ではおそらく基本は「完全給食」で届出をされるはず。
で、重要なのは、その後の具体的な献立の決め方なのだ。
「完全給食」で登録している以上は牛乳(又はそれに代わるヨーグルト)が入った献立にしなきゃ、というのが今までの考え方だったようだけど、そこをもっと柔軟に考えているらしい。

学校給食については、文部科学省の方で「学校給食摂取基準」というのが示されていて、学齢ごとにどの栄養をどの程度とるのかの目安が決まっているのだ。
それをもとに市区町村の教育委員会で標準献立というのを作り、それを各学校や給食センターでアレンジして献立を組み立てる流れ。
で、牛乳を入れるとタンパク質とカルシウムががっつりとれるのでかなり楽になるのだけど、同じだけ他の食材でこれらの栄養素がとれればよい、という運用で考えているみたい。
とはいえ、総カロリー数が決まっている中、価格制約もあるのでけっこう難しいみたい。
タンパク質は豆腐やその加工品でけっこう補えるとは思うけど、問題はカルシウムだよね。
牛乳ほど効率よくはとれないので、じゃこや小魚を加えるなどの工夫をするらしいけど、月に数日くらい牛乳のない日を作るのがせいいっぱいくらい。
まさかサプリメントの錠剤を出すわけにもいかないだろうしね。

脱脂粉乳はおいしくないとはいうけど、ただ水にといて飲むからおいしくないんだよね。
米国留学中はシリアルにスキムミルク(無脂肪乳)をかけて食べていたけど、そこまでおいしくないという印象はなかったんだよね。
やっぱりいったん水分を飛ばして粉にして、それをもう一度水にとくのでおいしくないのだ。
温めてとかすので、アルマイトの容器に入った脱脂粉乳(温)は表面に膜が張っていたとかいうよね。
お菓子なんかの材料で使われる脱脂粉乳はいわゆる「ミルク感」を出す良い素材で、悪印象はないんだよなぁ。
使い方次第ということだね。

ちなみに、子供たちがたいてい好きなカルピスは、生乳からクリームを除いた無脂肪乳を独特の乳酸菌で発酵させたもの。
脂肪をあえて取り除いているから、乳酸菌発酵の酸味と相まってすっきりした飲み口なんだよね。
この頃はクリームを発酵させた濃厚カルピスも見かけるけど、こっちは確かにねっとりと濃い感じなのだなお、。
取り除いたクリームからは高級バターとして知られるカルピスバターが作られるんだけど、こっちが副産物。
もともとは業務用で使われていたものだそうだよ。

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