リスクを取ってうまさを追求する?
夏場に雨が多かったので、今年はマツタケが豊作なんだって。
で、全く同じ理由で、毒キノコも豊作。
例年、キノコ狩りであやまって毒キノコを食べて、というニュースが出るけど、今年は増えるかもしれないと言われているのだ。
で、毒キノコ誤食事案でもっとも多いのはツキヨタケ。
茶色い、キノコっぽいキノコなんだけど、見た目がシイタケやヒラタケに似ていて、いかにも食べられそうなんだよね。
でも、このキノコにはイルジンという毒成分が含まれていて、かなり激しめの下痢や嘔吐の症状が出るのだ。
死亡例の報告は少ないらしいけど、なかなかきつそうだよね。
で、ツキヨタケはまさに見間違いで食べてしまいそうになる、一見なんの変哲もないキノコだけど、見た目から明らかに毒キノコ然としているのもいるのだ。
その代表例は紅テングタケ。
白い斑点のある赤いかさ。
まさに絵にかいたような毒キノコ(笑)
見てすぐに毒っぽいなと分かるので間違って食べることはまずないけど、なぜか食べる人がいるのだ。
それは・・・。
おいしいらしい!
ベニテングタケの毒成分のひとつ、イボテン酸はアミノ酸の一種で、強いうまみを示すそうなのだ。
生体内ではグラミンさん受容体やアスパラギン酸受容体に作用するようだけど、コンブのうまみの主成分がグルタミン酸なので、まさに味蕾においても同じように作用するようなのだ。
カエンタケやツキヨタケ、ドクツルタケのような食べたら死ぬようなはがしい毒ではないこともあり、このうまみのために少量食べようとする勢力がいるらしい。
で、食べ過ぎちゃうと中毒症状が出るのだ。
それとは別に、似てから塩漬けにすると毒をかなり弱められるので、食糧難の時には食べていた、という地域もあるみたい。
ベニテングタケには、イボテン酸の代謝物(脱炭酸)で、やはり毒成分のムッシモールというのも含まれていて、この二つが複雑に絡み合って中毒症状を起こすのだ。
イボテン酸は血液脳関門(非常に密な血管内皮細胞の壁にy理限られた化合物しか脳内に侵入できない)を越えられないので、末端のアスパラギン酸受容体に作用するんだけど、これは興奮作用を起こすもの。
興奮、せん妄、けいれんなどにつながるのだ。
一方で、炭酸がとれたムッシモールは血液脳関門を越えて脳内に侵入できるんだけど、脳の中ではγアミノ酪酸(GABA)受容体に作用するのだ。
こっちは抑制系で、眠気、不快感、めまいなどが起こるよ。
で、この二つが同時に起こってしまうのだけど、成人ではムッシモールの方の抑制系の症状が強く出て、子供ではイボテン酸の興奮系の症状が強く出ると胃荒れているよ。
頭はもうろうとしてくるけど肉体は興奮状態にあるという不思議な状況になるわけだけど、この特性から、古代からシャーマニズムの儀式に使われたりしていたらしい。
則子宮の毒ではないというのがポイントだね。
さらに、ベニテングタケにはムスカリンという毒成分も含まれているのだ。
これはアセチルコリン受容体に作用するのだけど、やはり血液脳関門を越えられないので、末梢で興奮状態を引き起こすのだ。
副交感神経が刺激されて、発汗、縮瞳、血圧上昇などの症状が出てくるのだけど、心臓発作や呼吸困難につながるので危ない奴なのだ。
オウム真理教の地下鉄サリン事件でつくぁれた神経毒ガスのサリンは同じ作用を持つものだけど、ひどいとああいう状況にもなりかねないわけだ。
ベニテングタケの場合は微量にしか含まれないので、こっちの症状がメインになることはないようだけど。
というわけで、こうやって調べてみると、本当においしいならちょttくらいかじってみても、という気になってしまうな(笑)
でも、うまみ成分はあるがそこまで強くない、とかいう報告もあるようなので、あえてリスクはとらなくても、という気もする。
今はマイタケのようなうまみ成分(グアニル酸)が強いキノコがスーパーで売ってるしね。
ちなみに、天然のマイタケは、見つけると米を踊って喜ぶほどおいしい、というところから来ているらしいから、うまいキノコならそっちがノーリスク・ハイリターンだ。
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