2026/03/21

へぇ、あんたも「奈花」って言うんだ

 やっと春を感じられるようになってきた今日この頃。
この時期だけ出回る野菜が「菜の花」。
花が咲く直前くらいのつぼみと茎、葉を食べるのだ。
少し苦みがあって、それがよいと言われるんだよね。
メインはおひたしや天ぷらかな。

この野菜として出回っている植物はアブラナ。
その名でも日本在来種のもの。
江戸時代までは重要な灯火燃料であり食用油だった菜種油を得るために栽培されていたんだよね。
米や麦のような国三井外としてはかないr大規模に栽培されていた農作物だよ。
もともとは西アジアから北欧にかけて大麦の畑の近くに生えていた雑草で、その実から油が取れるので、ということで世界に広まったらしい。
日本には弥生時代には入ってきていたみたいだよ。

油を搾るためには実を完熟させて種を取らないといけないのだけど、花が咲くくらい前の、まだ茎や葉が柔らかいうちに摘んでしまうのが野菜として食べている菜の花。
もともとカブ(小松菜や野沢菜などを含む)やダイコンもアブラナ科で菜っ葉ではあるのだ。
アブラナについては、少しの苦み、そして、マスタード系の辛みがあるんだよね。
現在野菜として流通している菜の花はもともと辛みがなく、苦みが抑えられたもの。
むかしはもう少しとんがったもの(苦い、辛い)ものを食べていたかもね。

ちなみに、特に辛みが強いのはからし菜。
この実は和辛子の原料になるのだ。
乾燥した種を粉状に粉砕したのが粉辛子で、これを水や湯で練って作るんだよね。
練りたては目に染みるほど強い方向だけど、ぴりっとしたさわやかさがあるんだよね。
ちなみに西洋のマスタードの原料になるのは近縁種のシロガラシというものだよ。
からし菜は非常に丈夫な植物のようで、川端とかで自生している「菜の花」の多くはからし菜みたい。
中央アジアあたりで辛みの強い原種とアブラナが交雑してできたのがからし菜のようで、こういう交雑種は繁殖力がなくなるか、非常に強くなるかのどちらかなんだよね。
これは後者というわけ。
セイヨウカラシナという呼び名もあるけど、これは日本で伝統的に栽培されてきたからし菜とは別に、明治期以降により脂が多く取れるセイヨウアブラナを持ってくる際に一緒にもってきてしまったからし菜の原種が改めて日本で交雑種を作って帰化植物となったものらしいよ。
ゲノム的には大きな差がないので、生物種としては日本古来のからし菜と明治期以降に帰化植物となったセイヨウカラシナは区別しないようになっているみたい。

話はアブラナにもどるけど、現在菜種油の原料に用いられているのはセイヨウアブラナ。
これはよく見かける菜の花なのだ(花が咲いているときにちょっと目に染みる感じのにおいが出ているのはからし菜の場合が多いよ)。
油はたくさんとれるのだけど、茎がちょっと固いみたいで、野菜として食べるのには不向きみたい。
なので、セイヨウアブラナは油の原料、古来のアブラナは野菜というようなすみわけみたい。
でも、ここにも例外的に当てはまらないやつがいるのだ。
それが「のらぼう菜」。
埼玉なんかで栽培されている菜の花の一種なんだけど、もともとは江戸時代にジャカルタ経由で入ってきたセイヨウアブラナの「闍婆菜(じゃばな)」が徐々に改良されて野菜になったものなんだって。
もともとアブラナは荒れた土地でも育つけど、これは耐寒性も高く、江戸時代の冷害による飢饉のときにも栽培できたので商品作物としてひろまったのだとか。
アブラナの仲間はビタミン類も取れるから、「江戸煩い」こと脚気(=ビタミンB欠乏症)にもちょうどよいんだよね。
なので、のらぼう菜は江戸伝統野菜にもなっているよ。
正式にはセイヨウアブラナは明治期以降に入ってきたことになっているし、茎や葉は固いとされているけど、こういう例外もいるのだ。

というわけで、桜はこれからどんどん咲いていくけど、同時に見て、食べて、菜の花も楽しみたいものなのだ。
最近は1年中手に入る野菜が多いけど、そんな中でも菜の花はほぼほぼ季節限定でプレミア感あるしね。
でも、あんまり食べ方にバリエーションがないんだよなぁ。
おひたし以外にもいろいろと試してみるか。

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