2013/12/28

大追跡

今年もサンタさんが世界中を飛び回る様子がネットで流れたのだ。
これは、北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command)こと、通称NORADが毎年恒例でやっているイベントなんだよね。
これまで、googleやmicrosoftが協力して、地図情報にサンタさんの位置情報を貼り付け、そこに画像や動画を配置して、今世界のどこを回っているかを視覚化しているんだ。
眺めているだけでも楽しいよ。
今年は去年と同じくmicrosoftの協力でやっていて、googleは独自に追跡サイトを立ち上げているみたい。
12月いっぱい追跡の様子は公開されるのだ。

NORADは米国とカナダが共同で運営している軍事組織で、もともとは人工衛星、核ミサイル、戦略爆撃機などの上空~宇宙の監視を行っているもの。
冷戦下には米空軍に中央防衛航空軍基地(CONAD)というのがあって、そこでソ連からの核ミサイルや爆撃機の上空監視をレーダーで行っていたのだ。
1956年の米加合同軍事会議で、北米大陸上空を両国協働で監視することに合意が得られ、1957年に米国統合参謀本部で了承されて発足したのだ。
その後、アイゼンハワー政権下で実際に人工衛星が打ち上げられるようになると宇宙の監視も加わって、さらに、最近の重要な任務としては、宇宙デブリの監視もあるのだ。

時々国際宇宙ステーションにデブリがかすったなんてニュースがあるけど、宇宙デブリは地球のまわりを音速の何倍もの早さで回っているので、人工衛星などにぶつかると人工衛星を破壊してしまうのだ!
通信・放送衛星、気象衛星のような生活に関わる衛星もあるし、軍事衛星もあるから、衝突が起きないように避けないといけないんだよね。
しかも、衝突が起きて人工衛星が破壊されると、またそれがデブリになるので、大変なのだ(>o<)
中国が2007年に衛星破壊実験をしてデブリを増やしたことが各国から非難されたけど、今や宇宙はゴミにあふれていて、よけるのが大変なんだそうだよ。
それを監視しているのが米空軍で整備している宇宙フェンスというレーダー群で、その情報を各国に提供し、デブリと人工衛星の衝突が起きないようにしているのだ。
もちろん、軍事機密情報は秘匿した上で、情報提供しているんだけどね。

そんなNORADが一般に知られているのが、毎年クリスマスに行っている「NORAD Tracks SANTA」というもの。
NORADの対空レーダーがサンタさんの位置を補足し、今どの辺にいるのかを公開するともに、スクランブルをかけて航空機で追跡しているというのだ(笑)
もともとはそういう情報だけだったんだけど、インターネットの普及で視覚化されるようになったんだよね。
そのおかげで米国内のみならず、斉会中で認識されるようになったのだ。
こういうお茶目なところがあるのが米軍の余裕かな?

もともとは、冷戦下の1955年のCONADで始まったものなんだって。
コロラド州にあるスーパーのシアーズが、子供向けに「サンタ・ホットライン」というのを開設したらしいんだけど、電話番号を間違えて記載していたらしいのだ・・・。
しかも、その番号はCONADの司令長官へのホットラインの番号!
子供から当時の司令長官のシャウプ大佐に「サンタはどこにいるの?」との問い合わせに、「レーダーで調べた結果、サンタが北極から南に向かった形跡がある」と回答して以来、60年近くも続けているのだ。
で、実際に「追跡」してみると、24時間で世界中を駆け回るので、新幹線のおよそ100倍くらいのスピードで飛び回っているみたい(日本地域での移動速度からの推測)。
それでも戸別訪問はできなくて、空中からプレゼントをまく感じだけど(笑)

それにしても、カナダと共同運営になったNORADでも引き継いだのがすごいよね。
カナダもノリがよいことで。
今では人口精製なんかも活用して、サンタさんを24時間ばっちり追跡するのだ。
追跡結果をもとに、自分の家にはいつくらいに来たのかを検証しよう♪

2013/12/21

ぴりりとさっぱり

夕ごはんのおかずにマグロの赤身の刺身を買っていたんだけど、ついつい食べ忘れちゃったんだよね。
仕方がないので、翌日に漬け丼にしていただいたのだ。
付け汁に少しショウガを入れると、臭みもなくなるし、アクセントにもなるよね。
おいしくいただいたのだ。

よくよく考えてみると、日本の食卓にはよくショウガがあるよね。
薬味として冷や奴や刺身に使うだけでなく、豚肉のショウガ焼きなんてのもあるし。
煮魚や焼き魚にははじかみショウガがついてくるよ。
お寿司にはショウガの甘酢漬けのガリがつきもので、牛丼や焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、豚骨ラーメンには紅ショウガ。
甘酒に少しショウガを入れることもあるのだ。
この場合、ショウガは臭み消しや、辛みのアクセント、殺菌作用なんかが期待されて使われているんだよね。

お寿司のガリは、ショウガを薄切りにしたものを甘酢に漬けたもので、食感ががりがりするから、或いは、ショウガを薄切りにするときにがりがり音がするから、という理由で、寿司業界の符牒としてそう呼ばれるようになったのだ。
醤油をムラサキ、お茶をアガリというのと同じ。
でも、ガリはショウガの甘酢漬けということはほとんどなくなっていて、ほとんど一般名詞化しているよね。
それだけ浸透しているのだ。

もともとは生魚を使った寿司を食べるに当たって、口の中に残る生臭さを解消するとともに、その殺菌作用で食中毒を防ぐ役割があったのだ。
通の人はガリでネタに醤油を塗って食べたりもするよね。
普通の人でも、ネタとネタの間にガリを挟むと、前のネタの味が残らないので、それぞれをおいしく食べられるのだ。
特に、脂ののった青魚やトロなんかを食べた後は、ガリを挟むとさっぱりするよね。
お寿司屋さんで熱いお茶が出るのも、それで口の中に残る魚臭のもとの不飽和脂肪酸を洗い流すためで、むかしからお寿司をおいしく食べる工夫が続けられてきたということなのだ!

一般にガリはうすいピンク色だけど、これは着色しているのではなくて、ショウガの中に含まれるアントシアニン系の色素がお酢に反応して色づいているため。
新ショウガの甘酢漬けも薄いピンク色だよね。
収穫してからしばらく保存・乾燥させているひねショウガを使うと、その色素が少なくなっているのであまり色がつかないのだ。
黄色いガリはひねショウガを使ったものだよ。
ただし、スーパーで売っているようなお寿司についている工業的に作っているガリはおいしく見えるように着色している場合もあるよ。

一方、赤い色が鮮やかな紅ショウガ。
こちらはショウガをまるごと梅酢に漬け、その後細切りにするんだって。
漬けるときに紫蘇を一緒に加えると真っ赤になるのだ(赤い梅干しと同じ。)。
これが本来の色なんだけど、市販品の多くは、細切りにしてから酢と着色料の入った調味液につけたものなんだそうだよ。
無着色をうたっている紅ショウガもほんのり赤いのは、ガリと同じでショウガ中に含まれるアントシアニン系色素によるもの。
やっぱり紅ショウガだから、赤くないととは思うんだけど、着色料はちょっとね、という声が大きいのか、最近は色がおとなしめのものが増えてきたような・・・。

日本で栽培されているショウガは3種類で、大中小の3つ。
小ショウガは名前のとおり小さいもので、谷中ショウガとして生で食べたり、やはじかみなんかに使ったりするもの。
葉と茎がついた形で八百屋さんに並ぶものだよ。
早生で辛みが強いのが特長なのだ。
一方、大ショウガは一株が1kgくらいにもなうようなもの。
手のひらのような大きなショウガの塊根がそれなのだ。
主に貯蔵されてひねショウガになり、根ショウガとして店頭に並ぶよ。
おろしショウガにしたり、漬け物にするのはこれが多いみたい。
大きくなるのに時間がかかるので、晩生なのだ。
間の中ショウガは中生から晩生で、大ショウガに比べて小ぶりで、辛みが強いのだ。
また、貯蔵しておくと繊維質が形成されてかたくなるので、貯蔵せずに加工品や漬け物に使われるんだそうだよ。

小ショウガを貯蔵せずに食べるのが新ショウガ。
ショウガ自体の色も白~薄いピンクで、鮮烈な辛さがあるのだ。
大ショウガを貯蔵したものがひねショウガで、色もショウガらしい黄土色になり、繊維質ができていわゆるショウガらしいショウガになるよ。
通常は2ヶ月くらい貯蔵して、水分を飛ばし、長期保存できるようにしているのだ。
水分が飛ぶので辛みも強くなるよ。
中ショウガは薄めの黄土色のもので、あまりかたくない状態で使ってしまうのだ。
八百屋さんとかではあんまり見かけないけど、水分が多めで色が薄めのショウガあれば中ショウガかも。

自宅でガリや紅ショウガを作る場合は、どのショウガを使うか気をつけないといけないのだ。
ガリを作るなら、新ショウガを薄くスライスして甘酢に漬けるのがベスト。
紅ショウガなら、根ショウガを買ってきて、塩漬けしてから梅酢に漬け直して作るのだ。
紅ショウガだと大変だけど、ガリくらいなら作れそうな気も・・・。
でも、漬け物って意外と作るのが大変なんだよね。
駆った方が安くておいしいことも多いし(笑)

2013/12/14

転げ回る草のように

ナショナル・グラフィックスの写真記事を見て知ったんだけど、西部劇とかでよく見かけるころころと転がっていく草の塊は、「回転草(tumble weed:転がる雑草)」というものらしいのだ。
てっきり積んでおいた干し草の山が一部崩れて転げ回っていると思っていたんだけど、あれはああいう生態のようなのだ。
不思議なものだよね。
でも、転げ回るのにも理由があるみたい。

「回転草」は、オカヒジキ属の植物で、日本でもときどき食べられるオカヒジキの仲間。
西部劇でおなじみだけど、実は150年ほど前にロシアから飼料用の草と一緒にタネが米大陸に運ばれてきて、繁殖したみたい。
もともとはウラル山脈東部の草原を転げ回っていた草なんだって。
なんとなく、米国西部のフロンティアのイメージがつきまとうけど、本来は騎馬民族が馬を駆っている間を一緒に転がっていたのかも。
1870年又は1874年に米国に来たと考えられていて、最初に発見されたのはサウスダコタ州とのこと。
そこから一気に広がったらしいよ。

その広がった何よりの理由はその繁殖力の高さ。
もともとユーラシア大陸の乾燥した草原のステップ気候で生きてきた植物なので、北米の乾燥した気候にも適応できたのだ。
しかも、最低気温が零度を越えれば発芽し、少しでも土が軟らかくなっていれば根を下ろし、ちょっとでも水分があれば成長するんだって。
回転草の吸水力は目を見張るものがあって、これが生えてしまうと周りの植物から水を奪ってしまうのだとか。
小麦畑の近くに来ようものなら小麦の生育に悪影響が出るのだ(>o<)

回転草には小さなとげとげがあって、もとはこれが葉なんだって。
で、そのとげの中に小さな花をつけ、実をつけるのだ。
1年草なので秋口になると枯れて茶色くなるんだけど、タネの準備が整うと目元からぽっきりと折れて、米国の秋によく吹く強風にあおられて転がっていくのだ。
このとき、ただ転がるだけでなくて、転がりながらあちらこちらにタネをまいていくんだ。
鳥に実を食べさせてタネを運んでもらったり、グライダーやパラシュートのように風を使ってタネを遠くまで運んだりする植物はあるけど、これは自ら転がりながらタネをまいていくのだ。
数kmころがることもあるようで、相当遠くまで運べるよね。
広い米大陸にはびこるわけだ・・・。

家畜の飼料になるかもしれないとカンザス州などでは栽培も試みられているんだけど、どうもうまくいかないみたい。
むしろ、転がってくる草の塊で民家が埋もれることになったり、非常に乾燥したよく燃える塊なので火事のもとになったりと、けっこう迷惑な存在なのだ。
場合によっては軽自動車くらいの大きさになるものもあるそうで、そんなのが転がってきたら大変だよね。
動画サイトには巨大な回転草におそわれそうになる(?)自動車なんてのもあるみたい。
西部劇のように小さいのがピューと風に吹かれてころがっているだけならよいけど。

で、これをなんとかしようと、米国農商務省では、もともとの生育地のロシア、ウズベキスタン、トルコの研究なんかと協力して、原産地でこの回転草をえさとしていたダニ、ゾウムシ、ガ、菌類などで駆逐できないか研究しているようなのだ。
ただし、この回転草の天敵もやっぱり外来種になるので、野外に放つようなことはしていないのだ。
日本でも食用ガエルとしてのウシガエルのえさとしてアメリカザリガニが導入されたけど、在来種を駆逐する勢いで広がったことなんかがあるしね。
米国政府も根絶やしにしたいわけじゃなくて、被害を小さくしたいということのようなので、なかなか難しいかもしれないのだ。

それにしても、西部劇で見かけたあのころころ転がるやつがそんなものだったなんて!
ボクも米国には1年ほどいたけど、東側だから知らなかったよ。
一度荒野を転げ回る回転草を見てみたかったなぁ。
もちろん、日本に持ってくる気はないけどね(笑)

2013/12/07

Eがいいらしい

寒さと乾燥が本格的になってきた!
指先がかさかさになって、ハンドクリームが欠かせない季節だよ・・・。
気温が低くなるとどうしても手を洗ったりするのにお湯を使うんだけど、どうすると、皮膚の表面の油脂分を余計に洗い流してしまうので、適度な油脂が確保できずにかさかさになるのだ。
原因はわかっていても、この時期に冷水を使うのはためらわれるよね。

しかも、冷水を使うともっと気になるのは、あかぎれ。
皮膚の表面が角質化して、さけたところから血がにじむのだ。
これは、しもやけの状態になっている手足が、乾燥により皮膚表面がかさかさに硬くなると、ぱっくり割れて細かい傷になってしまうのだ(>o<)
ひびが入り始めた状態が「ひびわれ」で、皮下に達して血が出るとあかぎれなのだ。
で、これを防ぐには、手の保湿を大事にするとともに、まずはしもやけを防止することだよね。

しもやけは、体の末梢が寒さによって血行不良になり起こる炎症で、手足のほか、ほほ、鼻先、耳たぶなんかもなることがあるよ。
ジンジンと脈動に応じてむずがゆい、或いは、痛い、熱いと感じるのだ。
寒さによって熱傷様の炎症が起こるので「しもやけ」と言うんだよね。
てっきり寒ければ寒いほどなりやすいかと思いきや、一番しもやけになりやすいのは、気温が5度前後で、昼夜の温度差が大きい時期なんだとか。
ということは、秋から冬に変わるこの時期や、春先のまだ寒い時期ということだよね。
雪がしんしんと降るような寒い時期は思ったより多くないようなのだ。

手足をぬれたまま放っておくと気化熱により皮膚表面の温度が下がるので、しもやけをおこしやすくなるのだ。
水で濡れたらすぐふくのは当然なんだけど、靴の中に「あたたかくなる中敷き」みたいのを入れておいて、靴の中が暖まって足が汗をかいたとき、すぐに靴下を交換しないとその汗が気化熱で足先を冷やしていくこともあるのだ。
もともと汗をかきやすい人や、代謝が高い子供は気をつけないといけないんだよ。
先が細っている靴だと、もともと血行不良になりやすいので、これも気をつけないといけないのだ。

血行不良でしもやけが起こることはわかっているんだけど、なんで炎症になるかはあまりはっきりしたことが書かれていないのだ。
でも、5度前後の気温で寒暖差が激しい時期に起こりやすいこと、しもやけの予防にはビタミンE(酢酸トコフェロール)が効果的であることが知られていることを考え合わせると、おそらく、活性酸素が悪さをしていると考えられるんだよね。
血行が悪くなったところに急激に血流が再開すると、そこで活性酸素(フリーラジカル)が生まれて、炎症を誘発すると言われているのだ。
「床ずれ」も同様で、ずっと同じ姿勢で寝ていて血行が悪くなったところで、体位が変わって血行が回復すると、そこで炎症が発生するのだ。
やっぱりビタミンEが効くと言われているよ。
ビタミンEは抗酸化剤なので、発生した活性酸素とさっと反応して消してくれるのだ。

しもやけの場合も寒さにより血管が収縮し、血行が悪くなった状態であたたかい場所に入ると血液が急に流れ込んできて、活性酸素が発生している可能性があるのだ。
そのままにしておくと、その場に活性酸素がとどまって、まわりに悪さをするので、この活性酸素を消すか、血流中に散らす必要があるのだ。、
ひどいしもやけの治療だと、お湯と冷水を用意して、ゆっくりと交互に手をつけていくんだよね。
これをやると、血管が収縮・拡張をゆっくり繰り返し、血行が改善するんだよね。
しもやけの場合は、血流は一時的に回復するんだけど血行は悪いままなので、そこに血液が滞りがちなのだ。
これをきちんと流してやることが大事なわけ。

というわけで、この季節はビタミンEを摂取するように心がけて、手足の保湿に気をつけ、ぬれたまま放っておかないようにすることが大事なのだ。
それと、血行不良が原因だから、手をもんだりして軽くマッサージしながら血行をよくしてあげるのも大事だよね。
シャワーで済ませず、ゆっくり浴槽につかると全身の血行もよくなるから、そういうところにも気をつけないと。

2013/11/30

放るもんちゃうで!

この季節になってくると宴会メニューでよく出てくるのがもつ鍋。
BSE問題の時に一時下火になったけど、まだまだ根強い人気があるのか、もつ鍋の店は消えないのだ。
一時期はやったけどすぐに姿を消してしまったジンギスカンとは違うね・・・。
肉なのに安価だし、あたたまるし、居酒屋の宴会にはちょうどよいのかも。

「もつ」は、一般に内臓肉のことで、小腸・大腸や、胃、肝臓、心臓、横隔膜なんかがメジャーだよね。
タン(舌)やテールも含めることがあるので、日本畜産副産物協会というところでは、鳥獣肉のうち、正肉を除いた部分の可食部で、臓物や舌、皮、尾、血液などをまとめて「畜産副産物」として定義しているよ。
なんか内臓の名前がそのまま出てくるとあれだけど、ミノ、ハチノス、レバー、ハツ、ハラミなんて言われると焼き肉が食べたくなるよね(笑)
現代ではもつ鍋だけじゃなく、いわゆるホルモン料理がかなり市民権を得て、国民の間に広まっているのだ。

牛肉なんかだと正肉は枝肉としてつるしておいて熟成してから食べるんだけど、内臓部分はいたみが早いのですぐダメになってしまうのだ。
ブタやトリのようなすぐに正肉として流通させるものでも、内臓部分はやはり腐りやすいので、むかしは捨てていたんだよね。
なので、と殺場で手に入れてすぐに下処理をする必要があったのだ。
このため、あまり一般には流通せず、一部の人(主に在日系の肉体労働者と言われているよ。)の食べ物とみなされていたんだ。
ただし、流通経路に乗らずにと殺場からそのまま持ってくるため、極めて安価に入手でき、きちんと処理して臭みを抜けばおいしいので、食べている人の間ではソウルフード的になっていったみたい。
実際、中華料理では普通に内臓肉も使うし、欧州でもイタリアなんかでは内臓肉の料理でメジャーなものがあるよね(トリッパとか。)。

日本でも古代から食べていないわけではなかったんだけど、広く普及するまでには至っていなかったのだ。
明治になって肉食が一般化していっても、内臓肉は安いけど独特のにおいがあるし、外見も悪いので避けられる傾向にあったらしいのだ。
それが、終戦後になって、安いという理由で大衆酒場でもつ煮込みやどて煮などの料理として親しまれるようになったのだ。
もともと焼き鳥の代用品としてもつ焼きなんかもあって、もつ料理がちょっと一般化してくるんだよね。
関西のおでん(関東炊き)に使われるすじ肉も本来は食材として不適格とされてきたものなんだけど、長時間煮込んで柔らかくするとおいしく食べられるので、使われるようになったのだ(ただし、煮ている間にすごいにおいがするよ・・・。)。

一気にもつが食材として広まったのはもつ鍋ブームから。
関東ではもつの味噌煮込み、関西ではどて煮がもつの煮込み料理として親しまれていたんだけど、にんにくをきかせた醤油ベースのスープでニラやキャベツと一緒にもつを煮込んだ鍋が博多からやってきたのだ!
安くておいしい、と一気に広まっていったんだよね。
これに続いて、焼き肉でも、従来はカルビやロースが中心だったのが、ホルモンも注目されるようになり、ミノやレバーだけでなく、ハラミとかタンなどもよく食べられるようになったのだ。
で、こうして一度食べる習慣がつくと、他の場面でも登場するようになるんだよね。
それまで日本ではあまり任期がなかった欧米の内臓肉料理も普通に食べられるようになるんだよね。

もつと言えば、広く「ホルモン」という言葉は「放るもん(=本来捨てるもの)」から来ているという言説が流布しているよね。
でも、どうもこれは正しくないようで、もともとは、「栄養満点な料理」という意味で、本来のホルモンの意味をひっかけていたようなのだ。
そのときの「ホルモン料理」というのは、内臓肉の料理だけでなく、卵、納豆、山芋なども含め、精力を増強する料理ということだったみたい。
「ホルモンがみなぎっている」という言い方のホルモンに近いわけ。

今でももつにはコラーゲンがたっぷり含まれているので美容によい、なんて言われるけど、これはちょっと微妙なんだよね。
確かに大量のコラーゲンは含んでいるけど、経口で摂取した場合、しっかりアミノ酸まで分解されてから吸収されるので、別にコラーゲンとして摂取されるわけではないのだ。
一般に内臓肉系は消化があまりよくなく(よくかまないと飲み込めないしね)、プリン体も多いので、生活習慣病には悪影響があるとの意見も・・・。
肉食獣が獲物を仕留めたときに真っ先に内臓を食べるので、そういう「栄養満点」的なイメージがあるんだろうけど、それはその場で生で食べる場合。
内臓に栄養があるのはそこに大量の血が通っているからで、血液にはビタミンや糖分、脂肪など栄養素がたっぷり入っているのだ。
でも、処理した内臓肉だと、そういうわけにもいかないんだよね。

別に栄養価が低いとかいうわけじゃないけど、いわゆる普通の正肉に比べて格段によい、というものではないのだ。
腸や肝臓なんかだと脂肪分も多いし、それを理解した上で食べる必要があるんだよね。
何はともあれ、おいしく食べられればよいのだけど(笑)
今では甲州もつ煮とか、B級グルメとしても広がりを見せてきているから、さらにおいしいもつ料理を食べる機会は増えるかもね。

2013/11/23

ふところもあたたまる

11月になって一気に寒さも増してきた気がするなぁ。
昼間はまだ日差しがあるとあたたかいんだけど、朝晩が冷え込むよね・・・。
こういう時期にほしくなるのはあたたかい缶コーヒー!
寒さでかじかんだ手がじわじわ、ほわほわとあたたまるのだ♪
でも、それでも足りないときは、もう使い捨てカイロしかないね。
一生懸命もんで、発熱させるのだ。

「かいろ」は「懐炉」で、もともとはふところに入れておく暖房器具。
古くは「温石(おんじゃく)」と言ってあたためた石を入れたらしいけど(懐石料理の懐石なのだ。)、江戸時代に入ると、印籠くらいの大きさの通気孔の空いた金属容器の中に木炭末と灰を入れて、ゆっくりと燃焼させるタイプの懐炉が出たのだ。
懐の中で燃やしているからまさに「懐炉」だね。
この灰式懐炉にはなすの茎や麻殻の灰なんかが使われたんだけど、桐の灰もメジャーだったのだ。
使い捨てカイロのメーカーでもある桐灰の名前はここから来ているみたい。
今でもカメラレンズの結露防止用に使われていて、現役の器具なんだって。

対象になって出てくるのが白金触媒式懐炉。
金属容器の中で白金触媒による炭化水素燃料の酸化発熱を起こさせるものなのだ。
ベンジンを使うハクキンカイロが有名だよ。
燃焼ではなく、触媒を介したゆるやかな酸化反応なので、300~400度という低温域で反応が進むのだ。
今でも金属ライター状の回路を使っているナイスミドル、というか、老紳士はいるよね。
オイルラーたーのように燃料を補充する必要があるので、今の使い捨てカイロになれてしまった世代には使いにくいのだ。
ちょっとかっこい感じはして、あこがれはするけど。

昭和も50年代に入ってから登場するのがおなじみの使い捨てカイロ。
もともとは米陸軍が朝鮮戦争時に使っていた携帯保温機(フットウォーマー)らしいのだ。
基本特許は明治の頃にもあったようなんだけど、直接は米軍の器具にヒントを得ているみたい。
仕組みは簡単で、鉄がさびるときに熱であたためるというもの。
鉄粉とおがくず、塩を混ぜ、水を垂らすと鉄粉がさびて熱が発生するのだ。
これは小学生でもできる実験だけど、それを袋の中で起こるようにしているわけ。
化学式で言うと、Fe+3/4O2+3/2H2O=Fe(OH)3+96kcal/mol
いわゆる赤さびはFe3O2で、黒さびはFe3O4だけど、このカイロの反応でできているのは、黒さびと同じ酸化数の水酸化鉄(III)なのだ。
1モル(鉄は原子量は約56だから、約56g)で96kcalの熱を発することになるよ。

使い捨てカイロの場合、不織布の袋の中に、さびて発熱する鉄粉、さびを進行させる水と塩、空気中の酸素を吸着して反応を早める活性炭、保水作用を持つバーミキュライト(観葉植物の保水土にも使われる人工土)なんかがまざっているのだ。
袋の通気量と中身の配合比率で発熱量や発熱持続時間が変わるので、そこを工夫して様々な製品が出ているのだ。
テレビで使い捨てカイロを作っている工場を見たことあるけど、中身を混ぜるところからすでに発熱は始まっているんだって!
で、それを袋に詰めて、真空包装したり、無酸素包装することでやがて反応が止まり、開封されたときにまた発熱反応が始まるというわけ。
あらかじめ発熱しないように作っているのかと思いきや、途中で発熱していようが、さっさと混ぜて空気に触れないようにして反応を止めているだけなんだね(笑)

この使い捨てカイロは、低温やけどの恐れはあるけど発熱量も低く、袋から出せば勝手に発熱するので、子供でも扱えるし、何より安価なので広まったのだ。
湿布式に貼るタイプとか、靴の中に入れるタイプとか、用途も広がってきているよね。
袋に粉が入っているだけの構造なので、大きさや形が変えやすいというのも大きな利点なのだ。
ただし、「使い捨て」と言われるように再利用はできないのだ・・・。
さびて酸化した鉄をもう一度還元してあげれば再利用できないことはないけど、鉄を還元するのは大変で、この袋に入ったままでは無理なので、そういう製品はできていないのだ。
(製鉄はまさに酸化鉄として採掘される鉄鉱石を還元して鉄を作るけど、大型の炉でコークスと反応させてたりと大変な工程が必要だよね。)

で、最近では使い捨てでないカイロも出てきているのだ。
ひとつは、電子レンジでジェルをあたためるタイプのもの。
日本では湯たんぽとしてよく使われているのだ。
もうひとつは、充電式の電池式カイロ。
使いたいときだけスイッチを入れてあたためられるのが利点。
技術の進歩で大容量で軽い充電池ができたので実現したのだ。
車のバッテリー並みに重い充電池じゃ持ち歩けないしね(笑)

そして、最後に登場してきたのがエコカイロと呼ばれるもの。
酢酸ナトリウムの凝固熱(液体が固体に変わるときに発生する熱)を利用したもの。
酢酸ナトリウムは高濃度で過飽和を起こしやすく、かつ、室温以上の凝固点で過冷却状態も安定なんだけど、過冷却状態でどろどろっとしている酢酸ナトリウムの高濃度溶液に刺激を与えると、一気に結晶化が進行して熱が発生するのだ。
この熱を使うんだけど、放熱後にまたお湯であたためてあげると過冷却状態が復活し、再び使えるようになるというわけ。
ただし、使い捨てカイロほどの発熱量はないみたいなので、取って代わるほどのものではないかな?
ボクはまだ見たことないんだけど、ちょっと興味あるねぇ。

というわけで、カイロも進化してきたのだ。
でも、よくよく見てみると、灰式懐炉、白金触媒式懐炉、使い捨てカイロはどれも酸化熱を利用したものなんだよねぇ。
多くの発熱反応は酸化反応だからかもだけど。
今ではその酸化反応を飛び越えた技術が出てきているみたいだから、この先さらに進展があるのかもね。
使い捨てカイロが過去の遺物になる日は来るのか!?

2013/11/16

下からほんわか

今週は一気に寒くなってびっくり!
部屋も冷え切ってしまって、暖房を入れる季節になったのだ(>o<)
でも、エアコンの暖房って上からあたためられるからちょっと気持ち悪くなるというか、頭がぼーっとしちゃうんだよね・・・。
でも、我が家は床暖房装備なので、下からぽかぽかなのだ♪
まだ今季は使っていないけど。

あたたかい空気は空気が膨張するので密度が低くなり軽くなるのだ。
なので、基本的には上に行こうとするわけ。
ストーブのように床に設置している器具なら、そこから出た熱が上昇していくんだけど、エアコンだと最初から上から温風が出るので、いくら下向きに風を出しても、なかなか床表面はあたたまらないんだよね。
それで部屋の空気の上はあたたまるけど、下は冷たいままになるのだ。
なので、なんだかあたたかいような気はするけど、足下が寒いままなのであんまり「あたたかい」と感じないんだよね。

こたつや石油ストーブなんかは下からあたためる器具なのである程度解消されるんだけど、やっぱり熱はどんどん上に上昇していくので、床すれすれのあたりはあまりあたためられないのだ。
オイルヒーターは別にしても、ストーブは火事の危険があって小さい子供や老人だけだと危ないし、こたつも中はあたたかいけど、外はあたたかくならないんだよね。
そこで、床から直接あたためる方法が考案されるわけなのだ。
まず広がっているのはホットカーペット。
電熱器が編み込まれたじゅうたんで、カーペット自体があたたかいので、下からあたたまるよ。
最近ではホットカーペットの上にふとんをかけたテーブルを載せてこたつ代わりにすることもあるよね。

でも、あたたかくて気持ちいいからとホットカーペットの上でうとうとすると低温やけどのおそれがあるのだ・・・。
ホットカーペットの上にさらにカバーを掛ければかなり安心だけど、そうなると今度は暖房効率が落ちるんだよね(>o<)
そこで、最近新築やリフォームではやっているのが床暖房。
工事が必要なので初期費用はかかるんだけど、省エネタイプのものも多いし、エアコンの暖房をがんがんつけ続けるよりはコストはかからないみたい。

朝鮮半島や中国東北部(満州地方)では古くから床下に台所の竈の煙(熱)を通して、床下からあたためるオンドルがあったのだ。
日本にも仏教の伝来とともに伝わったみたいだけど、その後普及はしなかったみたい。
そこまで冬の寒さが厳しくないからか、オンドルだと家屋の構造に制限がかかるから、木造平家建てが基本の日本には合わなかったのか。
平安時代になると今とあまり変わらない畳が普及するようなんだけど、畳があると、夏は蒸れず、冬は熱(床の冷たさ)を遮断してあたたかいので、そういうので足りていたのかもね。
でも、現代になって、やっぱり床下からあたためる手法がとられるようになったのだ!
畳敷きの和室が減ってフローリングの洋間が増えてこともかんけいあるんだろうなぁ。

床暖房の主な様式は、温水式、電気式、温風式。
温水式というのは床下にパイプラインを張り巡らせて温水を循環させるタイプ。
電気式は電熱器を床下に置いておいて、その熱であたためるもの。
ともに、深夜電力を活用して夜間に蓄熱しておいて昼間に使ったりすると省エネになるのだ。
小型ヒートポンプ(高効率エアコンと同じ熱交換機)を使って、少ない電力で大気から熱を取り出すのもあるよ。
太陽光発電で熱を作るタイプもあるし、最近がガス式で、ガス給湯器と一体的になっているものもあるよね。
温風式はオンドルがまさにそうだけど、家庭用だとあまり使わない方式なのだ。
大きなビルとかだとパイプラインに熱蒸気を循環させる蒸気ヒーターがわりと効率よく使えるので、全体の熱供給システムに組み込むのはやりやすいんだよね。

床暖房は床下から直接床をあたためて、そこからの輻射熱で部屋をあたためるのだ。
あまり熱伝導がよい床材だとすぐに低温やけどになってしまうので、通常は木やセラミックが使われるんだよね。
セラミックだと床暖房を切っている間にひんやりと冷たくなってしまうんだけど、あたためると遠赤外線が出るメリットもあるのだ。
ともにまず床材をあたためなくてはならないので、あたたまるのに時間がかかるんだよね。
そこはすぐに温風が出るエアコンやストーブに比べると弱いところ。
ただ、徐々にあたためていくので、体にはやさしいのだ。

床暖房が普及した重要な点のひとつに、浴室やトイレが寒いと心臓が弱い人は温度差でヒートショックを起こすリスクがあるんだよね。
そこで高齢者対応住宅では床暖房が普及していったのだ。
法要に参加してびっくりしたけど、最近ではお寺の本堂にも導入されているんだよ!
確かにお寺って寒々しいからね・・・。
床暖房が入っているとかなり快適なのだ。

今冬がどこまで寒くなるかはわからないけど、床暖房があるから安心。
雪がしんしんと降るような日だと、芯から冷えてくるから、そういうときにこそ床暖房が活躍するんだよね。
いやあ、よい時代に生まれたなぁ。