2014/05/17

高額納税者はどいつだ

最近は少なくなってきたけど、うちの職場にも喫煙者はそれなりにいて、喫煙スペースでの雑談で独特のコミュニティが形成されているんだよね(笑)
それにしても、現在のタバコの価格は400円超!
子どもの頃は200円台だったと思うから、もう2倍くらいになっているのだ・・・。
牛丼が300円だったのが300円以下になっているんだから対照的だなぁ。

タバコの価格でよく言われるのは、そのほとんどが税金であると言うこと。
実際に日本たばこ(JT)のサイトでは、430円の商品の場合、価格のうち64.4%が税金だと説明されているのだ。
そのうちわけは、国たばこ税が106.04円(24.7%)、地方たばこ税が122.44円(28.5%)、たばこ特別税が16.40円(3.8%)、消費税が31.85円(7.4%)で、総計276.73円(64.4%)なんだって。
ちなみに、地方たばこ税は、都道府県税と市町村税があって、都道府県たばこ税が17.20円、市町村たばこ税が105.24円だよ。

この数字を見ただけでも、喫煙者は多くの税金を納めているなぁ、と思うけど、実際に税収の面でもたばこ税収はかなりの額に上るのだ。
財務省のサイトにあるデータによると、平成26年度予算で言うと、地方財政計画額ベースで、国税分は1兆646億円(国たばこ税:9,220億円、特別たばこ税:1,426億円)、地方税分は1兆739億円(都道府県たばこ税:1,509億円、市町村たばこ税:9,230億円)とされていて、総計2兆1,385円にものぼるのだ。
ちなみに、決算ベースの数字で見ると、平成24年度の国税の税収全体は43.9兆円で、国たばこ税とたばこ特別税を合わせて1兆1,754億円なので、2.7%に相当するのだ。
同じように地方税で見ると、平成24年度決算ベースで、地方税収全体は34.4兆円で、地方たばこ税は1兆1,760億円なので3.4%だって。
一部の人が納税しているだけでこれだけのインパクトなんだねぇ。
いくら税額が高いと言っても、軽々にやめられないわけだ。

タバコへの課税は明治期から始まっていた、日清戦争後に財政収入を増やすために専売制が開始されたのだ。
日露戦争の戦費調達でこれが拡大されて、戦後、国の直営から日本専売公社による独占販売に変わったのだ。
この時代は税金として徴収されるのではなく、国の会計にタバコの売上げ収入として入ってくるとともに、地方には納付金という形でお金を渡していたみたい。
これが、三公社五現業の見直しで、日本専売公社が廃止され、日本たばこ産業ができると、また税金の形で徴収することになったのだ。
このときにできたのが「たばこ消費税」で、後に一般消費税が導入されるときに「たばこ税」に名称が変更されたんだって。
地方たばこ税も日本専売公社がなくなったときに導入されたのだ。

国たばこ税はタバコの製造業者(主にJT)と海外産タバコの輸入業者に課税されるもので、紙巻きタバコだと本数当たりの税額が決められているのだ。
地方たばこ税は、卸売販売業者等が小売販売業者に売り渡す場合、小売り販売業者の営業所の所在の地方自治体に支払うもので(卸売販売業者等が直接消費者に売り渡しなどをする場合はその卸売業者等の所在地の自治体に払うことになるよ。)、やはり紙巻きタバコなら本数当たりで税額が決まっているよ。
さらに、たばこ特別税は、国鉄を民営化したときの累積赤字を精算するために作られた日本国有鉄道清算事業団と、国有林野事業特別会計の負債を一般会計に承継させるときに負担を補うために作られた税なのだ。
日本国有鉄道清算事業団はすでに解散しているんだけど、まだ負債は残っていて、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構がその業務を引き継いでいるよ。
国有林野事業特別会計の負債は、現在は一般会計から国有林野事業債務管理特別会計に承継されているのだ。

ちなみに、タバコに係る消費税は、国と地方のたばこ税がかかった上に消費税がかかるので二重課税だ、と言われるんだけど、実は厳密には二重課税ではないのだ。
国のたばこ税の納税義務があるのは製造業者や輸入業者で、その納税負担分を小売り価格に上乗せされているだけなんだよね。
地方のたばこ税も同様で、納税義務があるのは卸売販売業者で、その納税負担分がやはり小売価格に上乗せされているのだ。
消費税は物品又はサービスを取引する度に課税されるんだけど、税負担は製造業者、卸売業者、小売業者と転嫁されていって、最終的には消費者が負担する仕組み。
ただし、課税の累積を防ぐため、売上げにかかる消費税額から仕入れに係る消費税額を控除した額を納税する仕組みなんだよね。
つまり、100円の価格の商品を消費者が108円で買ったとき、小売業者が卸売業者から50円の価格で仕入れていたら、小売業者の納税額は100×8%-50×8%で4円になるんだよね。
卸売業者が製造業者から25円で仕入れたとすると、卸売業者の納税額が2円、製造業者の納税額が2円で、トータルで消費者の支払った8円が分担されて納税されることになるんだ。

これを踏まえると、国のたばこ税の場合は、製造業者に課税されるので、卸売業者が買うときにはすでに商品のコストに含まれているんだけど、地方のたばこ税は卸売業者に課税されるので、小売業者や消費者から見るとコストに含まれているけど、卸売業者にとってはコストになっていないのだ。
すなわち、国のたばこ税は、製造業者から消費者までのタバコの売り渡しのすべての取引で課税対象に含まれてしまうんだけど、地方のたばこ税は卸売業者以降でしか課税対象に含まれないわけ。
なので、タバコ一箱当たりの消費税は「8%」になっていなくて、「7.4%」だったのだ。
卸売業者が製造業者から商品を仕入れるときは地方たばこ税相当分に対する消費税は納税されていないのだ。

430円のタバコの場合、税金を除いた本体価格は35.6%に相当する153.08円で、これが製造業者から卸売業者に行くときに国のたばこ税として122.44円が課税されて、275.52円になるのだ。
この取引に係る消費税はその8%で22.04円で、この時点で価格は297.56円になっているのだ。
卸売から小売りに行くとき、この価格に地方のたばこ税122.44円が付加されて、420円になるよ。
小売りから消費者に渡るときは、仕入れ価格である297.52円を控除して消費税を計算するので、小売業者が納税する消費税は、実際は地方のたばこ税相当分にかかる部分だけになって、9.80円になるのだ。
これが420円に加わると、429.80円で、430円となるわけ。
消費税だけ足すと、31.84円になって、一番最初に出てきた数字の31.85円とほぼ一致するのだ!
いやあ、自分で計算してみて初めて理解できたけど、複雑だねぇ。

2014/05/10

虹の輪は二時頃消失した!

連休最終日の五月六日、長崎で珍しい気象現象が観測されたのだ。
それは「暈(かさ)」と呼ばれるもので、太陽の回りに虹色の光の輪が見えるというもの。
薄い雲が太陽を覆っている時に、雲の中の微小な氷の結晶がプリズムの役割を果たし、太陽光を屈折させるために起こる現象なんだって。
光は波長ごとに屈折率が異なるので、色が分かれて見えるようになるのだ。

暈が観測されるには、対流圏上層(地表から10km前後上空)に、巻層雲(白いベール状の薄い雲)、巻積雲(いわゆる、うろこ雲)、巻雲(細い雲が筋状に集まった雲)があることが条件。
これらの雲の中には細かい氷晶が多く含まれているんだって。
しかも、粒状に成長しておらず、きれいな六角柱状の結晶構造になっているので、光が側面又は底面から入射すると、中で屈折させて決まった方向から出てくることになるのだ。
すなわち、小さな天然のプリズムがたくさん並んだ中を光が通過するようなイメージになるわけ。
側面から入って別の側面から出てくる光による「内暈(ないうん)」というのが比較的よく観測されるもので、底面から入って側面から出る光による「外暈(がいうん)」というのもまれにあるそうなのだ。

それぞれ、22度或いは46度屈折して光が出てくるんだけど、屈折する度合いによってどれだけ太陽の外側に我ができるかが決まるのだ。
「視半径」と呼ばれるもので、太陽は点ではなく、見かけ上の大きさを持っていて、それが天球上の角度でどれくらいの大きさに相当するかを表すのが視半径という概念。
なんで角度で表すかというと、高度が高いところで太陽を見ると、それだけ太陽までの距離が短くなるので見かけ上の大きさも大きくなってしまうので、直接的な長さの単位で表現すると都合が悪いのだ。
そこで、天球上の「弧」の大きさとしてとらえた場合に角度として何度分というのを使うわけ。
こうすると、太陽との距離を気にせずに見かけ上の大きさを表すことが可能なのだ!
ちなみに、一般に太陽の見かけ上の大きさは、直径で0.53度(32分)と言われているので、22度の場合はこの40倍の直径の輪になって見え、46度の場合は90倍弱の直径の輪になって見えるという計算になるよ。
さらにちなみに、この「暈」は太陽だけじゃなくて、月に対しても発生することがあって、太陽の暈を「日暈(にちうん)」、月の暈を「月暈(げつうん)」と呼ぶそうだよ。

雲の中の小さな氷の結晶が太陽光を屈折し、分光すると「暈」になるわけだけど、大気中の細かな水滴が太陽光を屈折・分光して発生するのが「虹」。
虹の場合、水滴に入射した太陽光は水滴の中でまず屈折され、次いで水滴から出ようとする光の一部が中で反射されて、それがまた屈折して出て行く光が観測されたものなのだ。
なので、見かけ上は、観察者から見て、太陽と正反対の方向(これを「対日点」というのだ。)を中心とした輪になって見えるんだ。
でも、観測者から見て対日点は地平線の下に位置するので、虹は輪になって見えることはなく、半円状・弧状に見えるというわけ。
虹を構成している非変わりは実際には輪になっているんだよ。

虹の場合、水滴の中で一回だけ反射された光が出てくる主虹と、二回反射されて出てくる副虹があるんだけど、副虹は光の量も少ないので、通常は観測しづらいのだ。
副虹が見える場合は、主虹の内側に見えるよ。
副虹は二回反射されたものであるため、虹色が逆転していて、通常見ている虹(主虹)は外側が青くて中が赤いんだけど、副虹は外側が赤くて内側が青いのだ。
さらに、月光による月虹というのもあるんだけど、もともとの明るさが暗いので、現代の都会ではまず見えないのだ。

虹にしても暈にしても、連続光である太陽光をスペクトル分解しているので、基本的には色のグラデーションも連続的なんだけど、一般には「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色ととらえているのだ。
連続的に色が変化しているというよりはその方がわかりやすいからね(笑)
ちなみに、英国では伝統的に虹は5色だと考えられていたらしいんだけど、近代物理学の父・ニュートンさんが神聖な数字である7に結びつけたのだ。
もちろん、ニュートンさんは色が連続的に変化していることは承知の上でだよ。
これが日本に広まって、日本では7色が一般的になったみたい。
でも、もともとの英国では蚊なら次子も7色とは思われていなくて、5色だったり、6色ととらえられていることもあるみたい。
ここまで統一感がしっかりと醸成される日本の学校教育は立派だねぇ。

2014/05/03

煮て、ほぐして、よる

群馬県の富岡製糸場が世界遺産登録の候補になったのだ!
日本の近代化を象徴する産業遺産として認められたみたい。
我が国の工業化を支えたもので、この官営工場から全国に近代的な製糸業が広がっていくことになるのだ。
連休突入直前にその報道がなされたので、観光客が一気に増えたそうなのだ。
グンマーもびっくりかな?

蚕の繭から繊維をとりだして絹を作る技術は中国発祥で、およそ紀元前3世紀には始まっていたみたい。
ところが、この技術はしばらく西洋世界には伝わらず、中国産絹が高級品としてもてはやされていたらしいのだ。
6世紀になってはじめて東ローマ帝国にネストリウス派キリスト教(景教)を通じて伝わって、そこから欧州における生産が始まったみたい。
でも、長らく製法が伝わらなかったおかげで、絹を取引するための交易路としてシルク・ロードができあがったのだ。
これで大きく文化交流は進んだから、それよかったのかな。

日本には弥生時代には伝わっていたそうで、古事記や日本書紀の神話には養蚕の由来の話が出てくるよね。
古事記ではスサノオがオオゲツヒメを殺したときに頭から蚕が発生して、日本書紀ではツクヨミがウケモチを殺したときにやはり出てくるのだ。
この神話は、イネ、ムギ、ダイズなどの主要食物の起源譚なので、それほど蚕は重要な位置を占める農産物だったということが伺えるのだ。
今でも皇室は女系皇族が養蚕業を行っているよね。

ところが、江戸時代以前の日本の絹は品質が悪く、高級な中国産絹が輸入されていたようなのだ・・・。
幕府は天領で養蚕業を奨励し、日本でも盛んにしようとするんだけどなかなかうまくいかず、八代吉宗公の享保年間になって全国的に奨励して、技術も向上してきたんだって。
江戸末期には日本を代表する輸出産業になっていて、開国以降は、関東甲信地方で生産された生糸が八王子に集結し、それが横浜に運ばれて海外に出て行くことになるのだ。
こうして新たに開港した横浜港が大きく栄えることになるのだ。
この明治期の殖産興業を代表する存在が、富岡に作られた官営の製糸工場なんだよね。
蚕の繭から絹は作るのはなかなか大変で、それが機械化されて大量生産できるようになったんだ。
欧州で蚕の疫病がはやって生産量が落ちたこともあって、一気に伸びるんだよね。
その後すぐにすいたいが始まるのだけど・・・。

養蚕農家は、蚕がさなぎになって繭を作ったところで出荷するのだ。
この繭は乾燥され、中のさなぎを殺すとともに、水分を飛ばしてカビや細菌が増えないようにするのだ。
しばらく乾燥させた状態で保存し、まとまったところで、繭の一つ一つをチェックするんだって。
穴が空いていたり、繭が薄かったり、汚れていたりという品質を落とすものをここでふるいにかけるんだよ。
そうして選ばれた繭は大きな釜の中でぐつぐつと煮られるのだ。
蚕の繭は絹を較正する繊維タンパクであるフィブロインのまわりにセリシンという膠質状のタンパク質がついた状態になっていて、水の中で加熱することでこのセリシンを溶解させ、繭をほぐれやすくするのだ。
そうすると、糸口も出てきて、繭をほどけるようになるよ。
手作業でやっていた時代は、収穫した繭を自分の家で煮て、この工程までやっていたのだ。

ほぐれた糸を収束してまとめていくとできるのが生糸。
小さく巻き取った後、大きく巻き直したりして出荷できる生糸ができあがるのだ。
今度はこの生糸を複数本束ねて、さらに糸をよるんだよね。
こうすることで、絹糸の太さが均一にでき、また、伸びと弾力が出るのだ。
さらに、この後の精錬という作業をして絹糸ができあがるよ。
「精錬」する前だから「生糸」と言うんだよね。

精錬工程では、生糸の中にまだ残っているセリシンとその他の不純物を除くのだ。
古くは灰汁で処理したんだけど、最近は石けんや炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)などのアルカリ水応益で処理したり、タンパク質分解酵素を使ったりするんだって。
環境に優しくするために、高温高圧下の水の中でセリシンを溶解させる、というのもあるみたい。
ただし、絹独特の光沢はセリシン由来なので、完全に落としてしまうとつややかな風合いが失われるんだって(>o<)
なので、着物などに使う場合は処理の仕方を工夫しないといけないのだ。
草木染めをする場合は、このセリシンがないと色が乗らないそうだよ。
逆に、化学染料で染色する場合は、セリシンが残っていると色むらができるので、完全に落としてから染色するんだって。
この場合、光沢は染色によってつけることになるのだ。

ちなみに、富岡製糸場では、繭の乾燥(乾繭)し、貯蔵(貯繭)してから煮て(煮繭)、小枠に糸を巻き(繰糸)、大枠に巻き直す(揚返し)ところまでをやっていたのだ。
写真などで徐行山がぎっこんがっこんやっているのは繰糸の工程だよ。
繭の糸口から糸を引き出し、何本か束ねて巻き取っていって、一つの繭が終わらぬ打ちの次の繭を用意して・・・、とけっこう大変そうな作業なのだ。
今は全自動なんだろうけど、当時は人手に依存しているところが大きかったみたい。

当時この作業をしていた女性は「工女」さんと呼ばれていて、いわゆる紡績工場の「女工哀史」とは違って、かなり環境はよかったみたい。
住み込みだけでなく通勤の人もいたみたいだし、教育の機会も確保されていたとか。
この富岡から各地の向上に技術を伝える役割も担ったんだそうだよ。
最先端の働く女性だったのかなぁ?

2014/04/26

国を挙げての歓待?

昨日まで米国のオバマ大統領が国賓として来日していたのだ。
米国大統領を国賓として迎えるのは、平成8年(1996年)のクリントン大統領以来なんだって!
って、てっきり米国大統領が公式に来日する際は国賓として迎えているものだと思っていたから、逆にびっくり。
調べてみると、国賓であるかどうかというのは「接遇」の仕方に差があって、必ずしも政治的な意味を持っているわけではないんだって。

昭和59年(1984年)に閣議決定された(平成元年に一部改正)「国賓及び公賓並びに公式実務訪問賓客の接遇について」によると、外国の元首(国王・女王、大統領など)又はこれに準ずる者(英連邦所属国家の首相など)を招聘する場合、外務大臣が宮内庁長官と連絡して共同で請議し、閣議で決定することで国賓として接遇することができるとされているのだ。
今回のオバマ大統領の場合は、4月4日(金)の閣議で国賓としての接遇が決定されているよ。
ちなみに、「公賓」は、外国の皇族又は行政府の長若しくはこれに準ずる者を招聘する場合、外務大臣が閣議で了解を得ることで接遇できるものなのだ。
ちなみに、「又は」と「若しくは」は使い分けがあるので、「皇族」or「行政府の長若しくはこれに準ずる者(すなわち、首相、副大統領など)」と読むのが正しいのだ。
それから、平成元年の改正で加わったのが「公的実務訪問賓客」という概念で、これは、外国の元首若しくはこれに準ずる者、皇族又は行政府の長若しくはこれに準ずる者が実務を主たる目的として訪日することを希望する場合に、外務大臣が閣議で了解を得て接遇することができる様式。
この3種類の接遇の場合は、賓客本人+随行者について、日本政府が滞在費等を支出して迎えるということになっているようなのだ。
逆に言うと、賓客として迎えられない場合は相手もちで来ているってことだよね。

この国賓や公賓の接遇様式は、閣議決定では細かく定められていなくて、「政府として儀礼を尽くして公式に当該賓客を接遇するにふさわしいものとし、その接遇様式については国際慣例等を勘案して、外務大臣が関係大臣と協議の上、決定する」となっているだけ。
公的実務訪問賓客についても、「賓客の地位、訪問目的にふさわしいものとし、その接遇様式については国際慣例等を勘案して、外務大臣が関係大臣と協議の上、決定する」となっているのだ。
一般に国賓として迎える場合は、首脳会談に加えて、儀仗隊による栄誉礼付の歓迎式典、宮中における両陛下への会見、宮中晩餐会、退京時の両陛下による迎賓館への御訪問(すなわち両陛下が迎賓館までお見送りに来られる、ということ)などの公式行事が行われるよ。
国賓はこれらの公式行事が入るので、自動的に2泊以上滞在してもらうことになるんだって。
その意味では、今回のオバマ大統領の2泊3日は最低限のラインなのだ!

公賓の場合は、儀仗隊の栄誉礼がなかったり、晩餐会でなく午餐会になったり、両陛下のお見送りがなくなったりと格落ちになるのだ。
国賓・公賓の場合は通常迎賓館に宿泊してもらうんだけど、今回のオバマ大統領は米国側の希望もあって迎賓館には宿泊していないのだ。
公的実務訪問賓客の場合は、迎賓館には宿泊できず、かつ、宮中の午餐会も開かれないことがあるんだって。
宮中で陛下に会見することもあるけど、こっちもマストではないみたいで、要望があって時間が合えば、的なものみたい。
さらに、本当かどうかはわからないけど、ネットで調べると、随行者の滞在費が何人まで認められるかとかそういうところでも差があるみたい。
ちなみに、国ではなく外務省としておもてなしする「外務省賓客」というのもあるそうで、こちらは宮中行事が全く含まれなくなるのだ。

国賓は英語では「state guest」で、まさに国家としての賓客として迎えるんだけど、外交慣例上の接遇様式なので、日本だけで勝手に決めてやっているものではないのだ。
「お互い様」のところがあるので、海外でも似たような形式で接遇することになっているのだ。
日本での運用でいうと、国賓を迎えるのは概ね10年に一度で、10年以内に国賓として遇された経緯のある対象国や元首は国賓として迎えないようにしているのだ。
皇室日程もあるので、年間で国賓待遇で接遇できるのは1~2件に限られるというから、そんなものかな?
そうなると、よほどの長期政権でもない限り、国賓として接遇してもらえるのはほぼ一度きりってことだよね。
その代わり、多少格落ちにはなるけど、公賓とか公式実務訪問賓客として迎えるんだって。
国家元首の場合は公賓で迎えるのは厳しいので、「公式実務訪問賓客」という概念が作られているみたいなのだ。

東京では国賓を迎えるに当たって、JRや地下鉄の駅で自動販売機やコインロッカーが使えなくなったり、首都高が交通制限をしたりと、けっこう不便な点も多いんだよね・・・。
都心部ではいろんなところで警官が警護にあたっているし。
これも首都の運命なのかな。

2014/04/19

ないものは証明できない

理研の小保方さん騒動はさらに盛り上がってきているねぇ。
理研側がデータ改ざんの不正行為があった、と認定すれば、悪意のないミスであり不正に当たらない、と小保方さん側が不服申し立て。
なんだか泥仕合の様相を呈してきたような・・・。
個人的に気になるのは、人間関係とかのどろどろしたところじゃなくて、やっぱり化学的成果が妥当なものだったかどうかだよね。
でも、今回の一連の報道を見ていると、どうしても「常温核融合」の話が思い出されるのだ。

常温核融合は、平成元年(1989年)に観測されたと発表された現象で、通常超高温・超高圧下でないと起きないと思われていた核融合反応が常温で確認された、というもの。
英米の研究チームが発表したところによると、重水中にパラジウムとプラチナの電極を入れてしばらく電気を流すと、電解熱以上の熱が発生し、なおかつ、核融合反応の際に生じるトリチウム、中性子、ガンマ線などを検出したというのだ。
発表直後、全世界的に追試が試みられたんだけど、ほとんどの場合は過剰熱すら観測できず、過剰熱が観測できる場合も再現性が低かったんだよね。
中性子線やガンマ線などの核反応を示す証拠もほとんど得られなかったのだ。
このあたりが今回のSTAP細胞の騒動と酷似しているんだけど、大きな違いは、常温核融合の場合は単に研究成果が発表されただけで、査読付の学術誌で公表されたものではなかったのだ。
けっきょく、再現ができないということで学会の権威者からは否定され、メジャーな学術誌では常温核融合関係の研究というだけで掲載拒否(リジェクト)されるような状態になっているよ。

でも、この現象自体に興味を持っている研究者は少なからずいて、国際常温核融合学会なる組織もあって、学術的な研究は進められているのだ。
おそらく、夢のエネルギー源として常温核融合を選択肢のひとつとして考えている研究者はいなさそうだけど、現在の理論だけでは説明しきれない現象が観測されていると考えられる実験結果が得られるので、それは一体何なのかを突き詰めようとしているようなのだ。
ちなみに、現在の物理学・素粒子学理論でも、トンネル効果や宇宙線由来のミューオンにより極低頻度で常温でも水素の核融合反応が起きることは予想できるんだけど、それにしては得られる実験結果は確率が高すぎるんだよね。
何かあるはずだ、というのが研究者の探求心をくすぐっているようなのだ。
この話が出たとき、絶対零度近くでしか発生しないと思われていた超伝導現象が、もっと高い温度(と言っても零下百何十度だけど)でも発生することが証明されたので、研究者の期待は高まっていたんだよね。

ただし、有象無象も混じっていて、データのつじつまが合わない不正確なものなども玉石混交していて、議論が混乱しているのも確かなのだ。
大事なのは、「常温核融合」という現象の有無かどうかというより、現在の理論では説明できない現象が起こっているかどうか、のはずなんだけどね。
常温核融合や、それに近い常温での核変換が実現できる、と言われると一気にうさんくさくなって、疑似科学に近づいていくんだよね(>o<)
この手の研究は、もともと機器の較正がきちんとなされないまま実験しているとか、解釈に誤りがあるとか、いろいろと批判があるんだよね。
しかし、それをさっ引いても、何かありそうではあるのだ。
実際、日本でも米国でも、国費を使ったプロジェクトが実施されたことがあったみたいだけど、高温核融合現象自体は確認できなかったものの、過剰熱が観測されることは否定していないのだ。
中性子やガンマ線がまず確認できないことからも、核反応ではないのかもしれないけど、未知の現象が起きている可能性はあるというわけ。

でも、実はこれは「悪魔の証明」に陥っていて、「何かある」という時はその何かの存在を立証できればそれでいいんだけど、「何もない」ということの証明はどこまで行ってもできないのだ。
常温核融合も同じで、ひょっとしたら現在知られている現象以上のことは何も起きていないのかもしれないけど、一見すると未知の現象と思われる実験結果全てについて説明をつけたとしてもそれでは証明にならないのだ。
「ないということは証明できない」ということなんだよね。

STAP細胞の件もそれに近づいているような気がして、ある・できたと言っている人がいる以上、その人が事実を語っているなら、「何か」は存在して、できているのだ。
それが「STAP細胞」という体細胞を脱分化して作った幹細胞かどうかは別として。
再現性がないからといってそれはないことの証明には何もならなくて、たまたまある研究者だけができる「神業」がないとできないだけかもしれないのだ。
ただし、同じプロトコールに則れば同じ結果が出せる、という再現性が科学の基本だから、「ゴッドハンド」みたいな世界は科学ではなくなるんだけど(笑)
「ないこと」自体が証明できない以上、「ある」と主張している根拠が正当なものかどうかを突き詰めていって、証拠と呼ぶに当たらない、とするくらいが関の山。
だから「泥仕合」になるんだよね。
今回の場合、明らかに研究成果の発表までに至るプロセスには瑕疵があったと思うけど、できれば、「STAP細胞」のもの自体は真実であってほしいけどね。

2014/04/12

さくらって何の味?

春になった!
東京は急にあたたかくなって、桜もあっという間に開花♪
でもでも、今年はすぐに散ってしまったね・・・。
そのはかなさがよいのだけど。
で、この時期になると、ちまたに「さくら味」の食べ物・飲み物が増えるのだ。
って、「さくら味」って何?

おそらく、「さくら味」は「さくら風味」なんだよね。
いわゆる「桜餅」の香りと同じで、さわやかな春らしさを感じるようにしているのだ。
その正体はなんなのかな?、と探ると、すぐに答えに出会ったよ。
それは「クマリン」という芳香族化合物。
シナモンのシンナムアルデヒドや、コーヒーのコーヒー酸と同じくらい有名な香料成分なんだとか。
抗菌作用もあるけど、肝毒性もあるので、大量摂取はおすすめできないみたい・・・。
ま、桜の葉をkg単位で食べないとそこまでいかないだろうけど。
ちなみに、食品添加物としても認められていないようで、飲食物に使う場合は、天然材料(桜の葉)を使うか、似たような香りの香料を使うみたい。

桜餅になんで桜の葉が巻かれるようになったのかは定かではないようだけど、効果としては、桜の葉に含まれるクマリンによる抗菌効果のほか、もち本体の乾燥を防ぐ、ほのかな塩味で甘さを引き立てる、桜の風味で清涼感を出すなどなど。
東京向島の長命寺桜餅の場合は、3枚の葉でくるんであるのだ。
だた、そのまま食べるとしょっぱいし、葉っぱを食べている感じになるので、2枚ははがして、1枚だけ巻いた状態で食べるのがよいよ。
ボクは葉柄がひっかかるので、それも取り除いてから食べることが多いけど。

桜餅に使われるのは塩蔵したオオシマザクラの葉っぱ。
オオシマザクラは、葉の表面に毛が少なく、葉自体も柔らかいので、食用に使われるのだ。
そのシェアのほとんどは伊豆半島の松崎町でとれたものだとか!
ちなみに、桜湯はがくをとった桜の花を梅酢と塩で漬け込んだもの。
こっちは神奈川の秦野がシェアのほとんどを占めているみたい。
意外と距離が近いけど、静岡周辺の温暖な気候が桜の生育に適しているのかな?

さくら味の中でも伝統的なものは、和菓子のさくら餡。
桜色で、桜の風味がするのだ。
どうやって作っているのかと思ったら、白インゲンを使った白あんに桜の葉の塩漬けを刻んだものを混ぜ、そこに食紅で淡く色づけているようなのだ。
なので、本当のさくら餡は刻んだ葉が点々と見えるはずだよ。
そうでないのは香料だけを使ったものなのだ。
クマリン自体は食品添加物に使えないから、また別物ということになるよね。
そうすると本当にパチモンだなぁ。

というわけで、「さくら味」というのは、桜の葉の塩漬けの味だったのだ!
花のイメージが強いけど、葉っぱの味なんだね。
でも、さすがに「桜の葉風味」じゃあれだから、「さくら味」なんだろうね(笑)
今年も春のうちに、たくさん「桜の葉」の風味を楽しみますか。

2014/04/05

奈良の春日の青芝に♪

和食を食べるときにあるとうれしいのは漬け物。
自宅では買っても消費しきれないことが多いので、なかなか家で食べることは少ないけど。
外でおいしい漬け物に出会うとうれしいよね♪
先日は、近為の大丸東京店で食事をしたんだけど、さすがに漬物屋さんだけあっておいしかったのだ!
その中でも、おいしいなぁ、と感じたのが奈良漬け。

奈良漬けはアルコール分があるので前は苦手だったんだけど、どうもそれはおいしい奈良漬けを食べていなかっただけのようなのだ(笑)
よい奈良漬けは、酒の風味があるくらいで、塩辛くもなく、深みのある味わい。
むかしから口の中をさっぱりさせるからと、鰻の蒲焼きのような脂の多い料理と取り合わせになってきたんだよね。
確かに、脂ののった魚の後に食べるとさわやかな感じがするよ。

奈良漬けは歴史が古く、平城京移籍から出土した木簡にも「かすづけ」という名前で登場するのだ。
当時のお酒はいわゆるどぶろくでにごり酒なので、酒を濾過した後に残ったものではなく、ワインの澱のように酒瓶の底に沈殿しているものだったみたい。
これ自体が貴重なものなので、当然「かすづけ」も高級品で、庶民が食べられるようなものではなかったのだ。
江戸時代になると清酒が登場し、酒粕が普通に手に入るようになるので、そこから庶民のものとなるのだ。
幕府に献上されたり、奈良を訪れる旅人に供されたりして徐々に普及していったらしいよ。
ちなみに、「奈良漬け」という名称は、江戸時代初期の慶長年間に名付けられ、それが定着したもので、奈良以外の地で作っても、一般名称なので「奈良漬け」と言うのだ。

奈良漬けの作り方は手が込んでいて、まずは白瓜や胡瓜などの野菜を塩漬けにするのだ。
この下漬けの段階で歯ごたえが決まるらしいので、こつがあるようだよ。
水分をよく取り除いてから、酒粕に砂糖、みりんなどを加えた粕床に漬けていくのだ。
そのまま放っておくのではなくて、粕床は定期的に替え、漬け替えを行うんだって。
これにより塩分が適度に抜け、酒粕からアミノ酸などがしみこんでくるのだ。
と同時に、独特のべっ甲色、琥珀色に染まっていくよ。
ボクは醤油か何かの色かと思っていたけど、酒粕に漬けることで出てくる色だったのだ。

ここで使う酒粕は、スーパーなどでも見かける「板粕」ではなく、「踏込み粕」と呼ばれるものだよ。
シート状に固められている板粕は、日本酒の副産物で、最後にもろみを絞って清酒を取り出した後に残るもので、圧搾されて固まっているのだ。
酒成分が多く残っていたり、大吟醸のように米粒がまだ形状を残したままである場合などは板状に固まらないので、それは「ばら粕」と呼ばれるんだって。
この板粕やばら粕をタンクに入れ、足で踏み込んで空気を抜いてから数ヶ月から半年くらい発酵を進めたものが「踏込み粕」。
ペースト状になっていて、なおかつ、少し色がついているのだ。

これはメイラード反応によるもので、酒粕中で糖分とアミノ酸が反応し、褐色の色素ができるんだよね。
なので、発酵が進んだ酒粕が、黄色、茶色、黒とどんどん味噌のような色に変わってくるのだ。
醤油や味噌も同じメイラード反応で茶色くなっているので、まさに同じような色なわけ。
このメイラード反応が進むと独特の香気も出てきて、それが奈良漬けの風味にもつながるんだ。
最近はあまり長期間漬けないのが多いようだけど、長期間漬けて真っ黒になった奈良漬けは、塩も抜けているし、風味が強くなっているのだ。
醤油漬けではないから決してしょっぱくないんだよ。

奈良漬けと言えばアルコールが含まれていることでおなじみだけど、切りたてはちょっとアルコールが強いんだって。
切ってからしばらく置くと、適度にアルコールが飛んで、お酒が苦手な人でも食べやすくなるそうな。
ボクの場合がまさにこれだね(笑)
ちなみに、水で洗うと風味が飛ぶので、酒粕を手や布でぬぐって、そのまま切るのが正しいみたい。

ちなみに、奈良漬けに含まれる程度のアルコールの場合、よほど大量に食べなければ飲酒運転で捕まることはないそうだよ。
食べてからしばらくするともう検出されなくなるのだ!
以前、直前に奈良漬けを食べて・・・、といいわけをした人がいたみたいだけど、やっぱり飲酒していたことが判明したみたい。
アルコール分を5%ほど含んでいる奈良漬けの場合、400g(60切れくらい)も食べないと反応しないという実験結果も出ているのだ。
念のため30分以上は時間を置いた方がいいんだろうけど、奈良漬けだけならそんなに気にしなくてもよいみたい。
油断は禁物だけど。