かっふ~ん
最近テレビのお天気コーナーでも「ヒノキ花粉」情報が出てくるようになったのだ。
前はスギ花粉以外はあまり触れなかったよね?
実際には、ヒノキもスギも同じヒノキ科で近縁種なので、スギ花粉にアレルギーのある人の多くはヒノキ花粉にもアレルギーを持つらしい。
で、スギ花粉が2~4月に飛散するのに対し、ヒノキ花粉はちょっとずれて3~5月に飛散するらしいので、あれ、スギ花粉は終わったはずなのに花粉症の症状が続くな、と思ったらヒノキ花粉もでした、ということらしい。
ボクは幸いまだ発症していないけど、つらい時期がさらに1か月伸びるとなるとねぇ。
確かにヒノキ花粉情報というのも求められているのかも。
スギ花粉とヒノキ花粉は、飛散の時期が少しずれる以外にも違いがあるわけだよね。
粒径はスギ花粉が30~40μm、ヒノキ花粉が28~35μmと、ヒノキの方が一回り小さい感じ。
また、スギ花粉は表面に突起があってとげとげしているのに対し、ヒノキ花粉はのっぺりとしているんだって。
そんな形状の違いで症状も異なると言われていて、スギ花粉が鼻の症状が強く出るのに対し、ヒノキ花粉は目や粘膜の症状が出やすいと言うよ。
とはいえ、アレルギーの症状は個人差が大きいのでそうも一概に言えないのだけど。
どちらも風に乗ると数kmから数十kmも飛ぶらしいので、都心部であっても影響は免れないのだ。
花粉から逃げようと思ったら、沖縄か、小笠原か、北海道か。
結構遠くまで離れないと無理なんだよなぁ。
そもそも花粉症が問題視されるようになったのは症状の原因が特定できるようになったからで、むかしから花粉が飛散する時期に鼻やのどの調子のおかしい人はいた、と言われているのだ。
ただし、その出現頻度はかなりあがっていて、その要因の一つは大気のよごれとも言われているよ。
花粉単独というのではなく、花粉とPM2.5のような大気中の微粒子が一緒に合わさるとアレルギーになる、という考え。
そういう面もあるかもしれないけど、黄砂のような微粒子はむかしから流れていているから、それだけでもないはず。
よくもう一つの要因と言われるのは、スギやヒノキの数が増えたから、というもの。
確かに、戦後の植林では、すぐに使える建材としてスギの植林がすすんだんだよね。
短期間でまっすぐな木材が得られるスギは建材という点では優秀なのだ。
ヒノキは成長に時間がかかるけど、性質的に建材としては最上級のもので需要も多いので植えられていったわけだよね。
これで我が国の人工的に管理している森林の多くがスギやヒノキになっていったわけ・・・。
一方で、伝統的な植林では、スギやヒノキばかり植えていたわけではないのだ。
森林資源として重要だったのは建材ではなく、むしろ薪炭の材料。
化石燃料が主体の今と違って、木炭が重要な燃料だったので、その材料となる木を植えたわけ。
代表的なのはクヌギやコナラ。
そう、どんぐりのなる木だね。
スギやヒノキは実を落とさないので森の動物にとってほとんど恩恵がないんだけど、これらの期は森の生態系を豊かにする効果もあったのだ。
逆に言うと、スギやヒノキを効率的に圧縮して植林すると、動物も寄り付かない「緑の砂漠」になってしまうのだ(>_<)
それに次いで重要だったのがアカマツ。
マツの仲間はまっすぐな木材はとりづらいけど、しなやかで加工しやすいので、梁の材料に使われたりしていたのだ。
かつ、松脂もとれるし、乾燥した松葉は着火剤にも使えるので、非常に便利だったのだ。
しかも、タカなどの猛禽類は枝ぶりから安定的に営巣できるからかアカマツに巣を作ることがおおいらしく、そういう面でも生態系に貢献しているのだ。
確かにスギやヒノキだと鳥が巣を作るのは難しそう。
今では花粉症対策として「花粉の少ないスギ」への植え替えなんてことが行われているけど、生物多様性の確保などの観点を踏まえると、かつての里山管理のような考え方を入れて、いろんな樹種を増えた方がいいんだよなぁ。
それには管理コストがかかるので、ペイするように工夫がいるわけだけど。
ドローンとかを使えば効率的にできるだろうし、もっとまじめに考えないといけない問題かもね。