2011/02/19

運転手は君だ、車掌はボクだ in Space

日本人宇宙飛行士の若田光一さんが平成25年末からまた約6ヵ月国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在することが発表されたのだ。
しかも、今回は大役で、帰る前の2ヶ月間はISSのコマンダーを務めるんだって。
コマンダーはいわゆる船長で、ISSの長期滞在クルーの統括をする立場だよ。
宇宙での日本人の活躍が期待されるよね。

宇宙飛行士は別に何か資格試験があるわけじゃないけど、有人ロケットを持っている国が選抜をし、厳しい訓練をさせた後に認証しているのだ。
ちなみに、米国の宇宙飛行士はastronaut、ロシアの宇宙飛行士はcosmonaut、中国の宇宙飛行士はtaikonautというのだ。
astro-とかcosmo-はともに宇宙を意味する接頭語だけど、中国のtaiko-は「太空」で中国語で宇宙のことらしいのだ。
日本や欧州、カナダのように独自に有人ロケットを持っていない国の場合は、米国やロシアなどの有人宇宙船を持っている国の訓練を受けて認めてもらう必要があるのだ。
独自の訓練も必要で、日本ではつくばの宇宙センターに訓練施設があるよ。
この訓練のスケジュールは過密で、日本、米国、ロシアを行ったり来たり、そして、その合間にシンポジウムに顔を出したりインタビューを受けたりしているのだ!
超多忙なんだよ。

宇宙飛行士にも役割区分があって、例えば、もうすぐ退役予定のスペースシャトルの場合は、全体を統括するとともに操縦もする船長(コマンダー)、船長を補佐しながら操縦をする操縦手(パイロット)、スペースシャトルの運用を担当し、実施に宇宙遊泳をしたり、ロボットアームを操作したりする搭乗運用技術者(ミッションスペシャリスト)がいるのだ。
船長と操縦手は米国の人でないとなれない決まりなんだよ。
なので、これまでスペースシャトルで宇宙に行った多くの日本人宇宙飛行士はこのミッションスペシャリストで、若田さんなんかはロボットアームの操縦がうまいと有名なんだよね。
さらに、スペースシャトルの運用には直接携わらないけど、スペースシャトルに乗って宇宙で実験をしたり、スペースシャトルによって運ばれる機器の運用をしたりする搭乗科学技術者(ペイロードスペシャリスト)というのがあるのだ。
宇宙でメダカの実験をした向井千秋さんはこのペイロードスペシャリストだったのだ。

スペースシャトルには実績はないけど、ロシアのソユーズ宇宙船なんかは商用の宇宙旅行者を乗せたりするのだ(時々超お金持ちが何億円も払って宇宙に行ったりしていたよね。)。
宇宙に行くためにはけっこう訓練を受けないと行けないんだけど、この人たちはあくまでも「宇宙旅行者」なので、宇宙飛行関係者と区別されるんだって。
日本人で初めて宇宙に行ったTBS特派員の秋山豊寛さん。
「これ本番ですか?」の名言を残した人だけど、このときはロシアにお金を払って載せてもらっていて、このカテゴリーに入るみたい。
ちなみに、秋山さんのケースが世界で初めての商用宇宙旅行にもなっているようだよ(そのため、秋山さんの場合は正式に「ロシアの宇宙飛行士」としての資格が与えられているという説もあるのだ。)。
その後には、「ペプシを飲んで宇宙に行こう」なんてキャンペーンがはやったりしたけど、現在まではロシアのソユーズ宇宙船に大金を払って載った例しか実例はないのだ。
まもなく弾道飛行(数分くらい宇宙空間に出てすぐに地球に帰還する飛行)では商用旅行が始まりそうだけどね。
これも安くなったとは言え数千万とか何百万とかするのだ・・・。
それでも予約がいっぱいというのだからおどろきだよね。

ISSの長期滞在の場合は、全体を指揮する船長(コマンダー)とその他日々の運用や実験を行うフライトエンジニアの2種類があるのだ。
今は6名体制なので、船長1名、フライトエンジニア5名の構成だよ。
船長にはかなりの権限があって、有事の際には独自の判断でいろいろなことができるようになっているんだとか。
例えば、常に係留されているソユーズ宇宙船による緊急離脱とか。
これは責任重大だね。
ちなみに、米国とロシア以外の国の人が船長をやるのは若田さんが3例目になるとのことで、実績は欧州の一人だけ。
若田さんより先にカナダ人が船長になるみたいだよ。
で、若田さんが船長になれれば、これでやっと日本もISS参加国の一員として一人前になったというわけなのだ。
これは楽しみだね♪

若田さんが次の長期滞在にいくころはすでにスペースシャトルは退役しているはずなので、人の輸送は基本的にはロシアのソユーズ宇宙船で行うのだ。
ソユーズ宇宙船は3人乗りで、操縦士でもある船長と、その他の機器の運用を行うフライトエンジニアからなるんだ。
ロシアの宇宙船なのでロシア人以外は船長になれないんだけど、日本人もフライトエンジニアとしては搭乗するので、ロシア語にも精通していないといけないんだ・・・。
英語だけでもハードルが高いのに、宇宙飛行士ってすごいよね。

このソユーズ宇宙船はカプセルと言った方がよいくらい小さいもので、中はぎゅうぎゅうなんだって。
しかも、座席は宇宙飛行士一人一人の型をとった特注なので、乗る人が変わるたびに交換する必要があるんだ。
これは普通の飛行機のように着陸するスペースシャトルと違って、パラシュートで減速しながら落下してくるため。
ある程度制御はできるけど、どこに落ちるわからないことがるため、パラシュートはテントになるようになっているし、宇宙船の中にはサバイバル用品としてオノや釣り竿なんかも積まれているそうだよ。
乗り心地は悪そうだけど、ちょっと興味あるよね(笑)

米国ではスペースシャトルの代わりに人の輸送を行う商業ベースの輸送手段の開発も進められているけど、それができるとまた宇宙飛行士の役割も変わってくるんだろうね。
パイロットはタクシーの運転手みたいにISSと地球を往復してお客さん(ISSに滞在する宇宙飛行士)を送り届けるだけになるかもしれないし。
これからは一般人でも宇宙に行けるようになれるかもしれないから、そうなると宇宙の「バスの運転手」みたいな人も出てくるわけだよね。
なんだかぐっと親近感がわく気がするよ。

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