2013/12/28

大追跡

今年もサンタさんが世界中を飛び回る様子がネットで流れたのだ。
これは、北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command)こと、通称NORADが毎年恒例でやっているイベントなんだよね。
これまで、googleやmicrosoftが協力して、地図情報にサンタさんの位置情報を貼り付け、そこに画像や動画を配置して、今世界のどこを回っているかを視覚化しているんだ。
眺めているだけでも楽しいよ。
今年は去年と同じくmicrosoftの協力でやっていて、googleは独自に追跡サイトを立ち上げているみたい。
12月いっぱい追跡の様子は公開されるのだ。

NORADは米国とカナダが共同で運営している軍事組織で、もともとは人工衛星、核ミサイル、戦略爆撃機などの上空~宇宙の監視を行っているもの。
冷戦下には米空軍に中央防衛航空軍基地(CONAD)というのがあって、そこでソ連からの核ミサイルや爆撃機の上空監視をレーダーで行っていたのだ。
1956年の米加合同軍事会議で、北米大陸上空を両国協働で監視することに合意が得られ、1957年に米国統合参謀本部で了承されて発足したのだ。
その後、アイゼンハワー政権下で実際に人工衛星が打ち上げられるようになると宇宙の監視も加わって、さらに、最近の重要な任務としては、宇宙デブリの監視もあるのだ。

時々国際宇宙ステーションにデブリがかすったなんてニュースがあるけど、宇宙デブリは地球のまわりを音速の何倍もの早さで回っているので、人工衛星などにぶつかると人工衛星を破壊してしまうのだ!
通信・放送衛星、気象衛星のような生活に関わる衛星もあるし、軍事衛星もあるから、衝突が起きないように避けないといけないんだよね。
しかも、衝突が起きて人工衛星が破壊されると、またそれがデブリになるので、大変なのだ(>o<)
中国が2007年に衛星破壊実験をしてデブリを増やしたことが各国から非難されたけど、今や宇宙はゴミにあふれていて、よけるのが大変なんだそうだよ。
それを監視しているのが米空軍で整備している宇宙フェンスというレーダー群で、その情報を各国に提供し、デブリと人工衛星の衝突が起きないようにしているのだ。
もちろん、軍事機密情報は秘匿した上で、情報提供しているんだけどね。

そんなNORADが一般に知られているのが、毎年クリスマスに行っている「NORAD Tracks SANTA」というもの。
NORADの対空レーダーがサンタさんの位置を補足し、今どの辺にいるのかを公開するともに、スクランブルをかけて航空機で追跡しているというのだ(笑)
もともとはそういう情報だけだったんだけど、インターネットの普及で視覚化されるようになったんだよね。
そのおかげで米国内のみならず、斉会中で認識されるようになったのだ。
こういうお茶目なところがあるのが米軍の余裕かな?

もともとは、冷戦下の1955年のCONADで始まったものなんだって。
コロラド州にあるスーパーのシアーズが、子供向けに「サンタ・ホットライン」というのを開設したらしいんだけど、電話番号を間違えて記載していたらしいのだ・・・。
しかも、その番号はCONADの司令長官へのホットラインの番号!
子供から当時の司令長官のシャウプ大佐に「サンタはどこにいるの?」との問い合わせに、「レーダーで調べた結果、サンタが北極から南に向かった形跡がある」と回答して以来、60年近くも続けているのだ。
で、実際に「追跡」してみると、24時間で世界中を駆け回るので、新幹線のおよそ100倍くらいのスピードで飛び回っているみたい(日本地域での移動速度からの推測)。
それでも戸別訪問はできなくて、空中からプレゼントをまく感じだけど(笑)

それにしても、カナダと共同運営になったNORADでも引き継いだのがすごいよね。
カナダもノリがよいことで。
今では人口精製なんかも活用して、サンタさんを24時間ばっちり追跡するのだ。
追跡結果をもとに、自分の家にはいつくらいに来たのかを検証しよう♪

2013/12/21

ぴりりとさっぱり

夕ごはんのおかずにマグロの赤身の刺身を買っていたんだけど、ついつい食べ忘れちゃったんだよね。
仕方がないので、翌日に漬け丼にしていただいたのだ。
付け汁に少しショウガを入れると、臭みもなくなるし、アクセントにもなるよね。
おいしくいただいたのだ。

よくよく考えてみると、日本の食卓にはよくショウガがあるよね。
薬味として冷や奴や刺身に使うだけでなく、豚肉のショウガ焼きなんてのもあるし。
煮魚や焼き魚にははじかみショウガがついてくるよ。
お寿司にはショウガの甘酢漬けのガリがつきもので、牛丼や焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、豚骨ラーメンには紅ショウガ。
甘酒に少しショウガを入れることもあるのだ。
この場合、ショウガは臭み消しや、辛みのアクセント、殺菌作用なんかが期待されて使われているんだよね。

お寿司のガリは、ショウガを薄切りにしたものを甘酢に漬けたもので、食感ががりがりするから、或いは、ショウガを薄切りにするときにがりがり音がするから、という理由で、寿司業界の符牒としてそう呼ばれるようになったのだ。
醤油をムラサキ、お茶をアガリというのと同じ。
でも、ガリはショウガの甘酢漬けということはほとんどなくなっていて、ほとんど一般名詞化しているよね。
それだけ浸透しているのだ。

もともとは生魚を使った寿司を食べるに当たって、口の中に残る生臭さを解消するとともに、その殺菌作用で食中毒を防ぐ役割があったのだ。
通の人はガリでネタに醤油を塗って食べたりもするよね。
普通の人でも、ネタとネタの間にガリを挟むと、前のネタの味が残らないので、それぞれをおいしく食べられるのだ。
特に、脂ののった青魚やトロなんかを食べた後は、ガリを挟むとさっぱりするよね。
お寿司屋さんで熱いお茶が出るのも、それで口の中に残る魚臭のもとの不飽和脂肪酸を洗い流すためで、むかしからお寿司をおいしく食べる工夫が続けられてきたということなのだ!

一般にガリはうすいピンク色だけど、これは着色しているのではなくて、ショウガの中に含まれるアントシアニン系の色素がお酢に反応して色づいているため。
新ショウガの甘酢漬けも薄いピンク色だよね。
収穫してからしばらく保存・乾燥させているひねショウガを使うと、その色素が少なくなっているのであまり色がつかないのだ。
黄色いガリはひねショウガを使ったものだよ。
ただし、スーパーで売っているようなお寿司についている工業的に作っているガリはおいしく見えるように着色している場合もあるよ。

一方、赤い色が鮮やかな紅ショウガ。
こちらはショウガをまるごと梅酢に漬け、その後細切りにするんだって。
漬けるときに紫蘇を一緒に加えると真っ赤になるのだ(赤い梅干しと同じ。)。
これが本来の色なんだけど、市販品の多くは、細切りにしてから酢と着色料の入った調味液につけたものなんだそうだよ。
無着色をうたっている紅ショウガもほんのり赤いのは、ガリと同じでショウガ中に含まれるアントシアニン系色素によるもの。
やっぱり紅ショウガだから、赤くないととは思うんだけど、着色料はちょっとね、という声が大きいのか、最近は色がおとなしめのものが増えてきたような・・・。

日本で栽培されているショウガは3種類で、大中小の3つ。
小ショウガは名前のとおり小さいもので、谷中ショウガとして生で食べたり、やはじかみなんかに使ったりするもの。
葉と茎がついた形で八百屋さんに並ぶものだよ。
早生で辛みが強いのが特長なのだ。
一方、大ショウガは一株が1kgくらいにもなうようなもの。
手のひらのような大きなショウガの塊根がそれなのだ。
主に貯蔵されてひねショウガになり、根ショウガとして店頭に並ぶよ。
おろしショウガにしたり、漬け物にするのはこれが多いみたい。
大きくなるのに時間がかかるので、晩生なのだ。
間の中ショウガは中生から晩生で、大ショウガに比べて小ぶりで、辛みが強いのだ。
また、貯蔵しておくと繊維質が形成されてかたくなるので、貯蔵せずに加工品や漬け物に使われるんだそうだよ。

小ショウガを貯蔵せずに食べるのが新ショウガ。
ショウガ自体の色も白~薄いピンクで、鮮烈な辛さがあるのだ。
大ショウガを貯蔵したものがひねショウガで、色もショウガらしい黄土色になり、繊維質ができていわゆるショウガらしいショウガになるよ。
通常は2ヶ月くらい貯蔵して、水分を飛ばし、長期保存できるようにしているのだ。
水分が飛ぶので辛みも強くなるよ。
中ショウガは薄めの黄土色のもので、あまりかたくない状態で使ってしまうのだ。
八百屋さんとかではあんまり見かけないけど、水分が多めで色が薄めのショウガあれば中ショウガかも。

自宅でガリや紅ショウガを作る場合は、どのショウガを使うか気をつけないといけないのだ。
ガリを作るなら、新ショウガを薄くスライスして甘酢に漬けるのがベスト。
紅ショウガなら、根ショウガを買ってきて、塩漬けしてから梅酢に漬け直して作るのだ。
紅ショウガだと大変だけど、ガリくらいなら作れそうな気も・・・。
でも、漬け物って意外と作るのが大変なんだよね。
駆った方が安くておいしいことも多いし(笑)

2013/12/14

転げ回る草のように

ナショナル・グラフィックスの写真記事を見て知ったんだけど、西部劇とかでよく見かけるころころと転がっていく草の塊は、「回転草(tumble weed:転がる雑草)」というものらしいのだ。
てっきり積んでおいた干し草の山が一部崩れて転げ回っていると思っていたんだけど、あれはああいう生態のようなのだ。
不思議なものだよね。
でも、転げ回るのにも理由があるみたい。

「回転草」は、オカヒジキ属の植物で、日本でもときどき食べられるオカヒジキの仲間。
西部劇でおなじみだけど、実は150年ほど前にロシアから飼料用の草と一緒にタネが米大陸に運ばれてきて、繁殖したみたい。
もともとはウラル山脈東部の草原を転げ回っていた草なんだって。
なんとなく、米国西部のフロンティアのイメージがつきまとうけど、本来は騎馬民族が馬を駆っている間を一緒に転がっていたのかも。
1870年又は1874年に米国に来たと考えられていて、最初に発見されたのはサウスダコタ州とのこと。
そこから一気に広がったらしいよ。

その広がった何よりの理由はその繁殖力の高さ。
もともとユーラシア大陸の乾燥した草原のステップ気候で生きてきた植物なので、北米の乾燥した気候にも適応できたのだ。
しかも、最低気温が零度を越えれば発芽し、少しでも土が軟らかくなっていれば根を下ろし、ちょっとでも水分があれば成長するんだって。
回転草の吸水力は目を見張るものがあって、これが生えてしまうと周りの植物から水を奪ってしまうのだとか。
小麦畑の近くに来ようものなら小麦の生育に悪影響が出るのだ(>o<)

回転草には小さなとげとげがあって、もとはこれが葉なんだって。
で、そのとげの中に小さな花をつけ、実をつけるのだ。
1年草なので秋口になると枯れて茶色くなるんだけど、タネの準備が整うと目元からぽっきりと折れて、米国の秋によく吹く強風にあおられて転がっていくのだ。
このとき、ただ転がるだけでなくて、転がりながらあちらこちらにタネをまいていくんだ。
鳥に実を食べさせてタネを運んでもらったり、グライダーやパラシュートのように風を使ってタネを遠くまで運んだりする植物はあるけど、これは自ら転がりながらタネをまいていくのだ。
数kmころがることもあるようで、相当遠くまで運べるよね。
広い米大陸にはびこるわけだ・・・。

家畜の飼料になるかもしれないとカンザス州などでは栽培も試みられているんだけど、どうもうまくいかないみたい。
むしろ、転がってくる草の塊で民家が埋もれることになったり、非常に乾燥したよく燃える塊なので火事のもとになったりと、けっこう迷惑な存在なのだ。
場合によっては軽自動車くらいの大きさになるものもあるそうで、そんなのが転がってきたら大変だよね。
動画サイトには巨大な回転草におそわれそうになる(?)自動車なんてのもあるみたい。
西部劇のように小さいのがピューと風に吹かれてころがっているだけならよいけど。

で、これをなんとかしようと、米国農商務省では、もともとの生育地のロシア、ウズベキスタン、トルコの研究なんかと協力して、原産地でこの回転草をえさとしていたダニ、ゾウムシ、ガ、菌類などで駆逐できないか研究しているようなのだ。
ただし、この回転草の天敵もやっぱり外来種になるので、野外に放つようなことはしていないのだ。
日本でも食用ガエルとしてのウシガエルのえさとしてアメリカザリガニが導入されたけど、在来種を駆逐する勢いで広がったことなんかがあるしね。
米国政府も根絶やしにしたいわけじゃなくて、被害を小さくしたいということのようなので、なかなか難しいかもしれないのだ。

それにしても、西部劇で見かけたあのころころ転がるやつがそんなものだったなんて!
ボクも米国には1年ほどいたけど、東側だから知らなかったよ。
一度荒野を転げ回る回転草を見てみたかったなぁ。
もちろん、日本に持ってくる気はないけどね(笑)

2013/12/07

Eがいいらしい

寒さと乾燥が本格的になってきた!
指先がかさかさになって、ハンドクリームが欠かせない季節だよ・・・。
気温が低くなるとどうしても手を洗ったりするのにお湯を使うんだけど、どうすると、皮膚の表面の油脂分を余計に洗い流してしまうので、適度な油脂が確保できずにかさかさになるのだ。
原因はわかっていても、この時期に冷水を使うのはためらわれるよね。

しかも、冷水を使うともっと気になるのは、あかぎれ。
皮膚の表面が角質化して、さけたところから血がにじむのだ。
これは、しもやけの状態になっている手足が、乾燥により皮膚表面がかさかさに硬くなると、ぱっくり割れて細かい傷になってしまうのだ(>o<)
ひびが入り始めた状態が「ひびわれ」で、皮下に達して血が出るとあかぎれなのだ。
で、これを防ぐには、手の保湿を大事にするとともに、まずはしもやけを防止することだよね。

しもやけは、体の末梢が寒さによって血行不良になり起こる炎症で、手足のほか、ほほ、鼻先、耳たぶなんかもなることがあるよ。
ジンジンと脈動に応じてむずがゆい、或いは、痛い、熱いと感じるのだ。
寒さによって熱傷様の炎症が起こるので「しもやけ」と言うんだよね。
てっきり寒ければ寒いほどなりやすいかと思いきや、一番しもやけになりやすいのは、気温が5度前後で、昼夜の温度差が大きい時期なんだとか。
ということは、秋から冬に変わるこの時期や、春先のまだ寒い時期ということだよね。
雪がしんしんと降るような寒い時期は思ったより多くないようなのだ。

手足をぬれたまま放っておくと気化熱により皮膚表面の温度が下がるので、しもやけをおこしやすくなるのだ。
水で濡れたらすぐふくのは当然なんだけど、靴の中に「あたたかくなる中敷き」みたいのを入れておいて、靴の中が暖まって足が汗をかいたとき、すぐに靴下を交換しないとその汗が気化熱で足先を冷やしていくこともあるのだ。
もともと汗をかきやすい人や、代謝が高い子供は気をつけないといけないんだよ。
先が細っている靴だと、もともと血行不良になりやすいので、これも気をつけないといけないのだ。

血行不良でしもやけが起こることはわかっているんだけど、なんで炎症になるかはあまりはっきりしたことが書かれていないのだ。
でも、5度前後の気温で寒暖差が激しい時期に起こりやすいこと、しもやけの予防にはビタミンE(酢酸トコフェロール)が効果的であることが知られていることを考え合わせると、おそらく、活性酸素が悪さをしていると考えられるんだよね。
血行が悪くなったところに急激に血流が再開すると、そこで活性酸素(フリーラジカル)が生まれて、炎症を誘発すると言われているのだ。
「床ずれ」も同様で、ずっと同じ姿勢で寝ていて血行が悪くなったところで、体位が変わって血行が回復すると、そこで炎症が発生するのだ。
やっぱりビタミンEが効くと言われているよ。
ビタミンEは抗酸化剤なので、発生した活性酸素とさっと反応して消してくれるのだ。

しもやけの場合も寒さにより血管が収縮し、血行が悪くなった状態であたたかい場所に入ると血液が急に流れ込んできて、活性酸素が発生している可能性があるのだ。
そのままにしておくと、その場に活性酸素がとどまって、まわりに悪さをするので、この活性酸素を消すか、血流中に散らす必要があるのだ。、
ひどいしもやけの治療だと、お湯と冷水を用意して、ゆっくりと交互に手をつけていくんだよね。
これをやると、血管が収縮・拡張をゆっくり繰り返し、血行が改善するんだよね。
しもやけの場合は、血流は一時的に回復するんだけど血行は悪いままなので、そこに血液が滞りがちなのだ。
これをきちんと流してやることが大事なわけ。

というわけで、この季節はビタミンEを摂取するように心がけて、手足の保湿に気をつけ、ぬれたまま放っておかないようにすることが大事なのだ。
それと、血行不良が原因だから、手をもんだりして軽くマッサージしながら血行をよくしてあげるのも大事だよね。
シャワーで済ませず、ゆっくり浴槽につかると全身の血行もよくなるから、そういうところにも気をつけないと。