2016/09/24

モッキー天国

パリに来て何よりおどろいたのは、路上喫煙の多さ!
それこそ、老若男女みんなたばこを吸っているイメージ。
米国ではかなり喫煙率が下がってきていて、あまりたばこを吸う人がいなかったので、欧米ではそういう傾向だと思っていたんだけど・・・。
どうもおフランスはちょっと事情が違うみたい。

フランスでも、他の先進国と同様に喫煙を制限する法規制はきちんとあって、不特定多数の人がいる建物の中での喫煙は全面禁止なんだって。
なるほど、それで外に出てくるわけか。
レストランやカフェも「中」は禁煙なので、テラス席ですぱすぱと吸うわけ。
これで余計にたばこを吸う人が目立つんだよね。
それでも、かなり若い女性が吸っていたり、子連れの母親が吸っていたりと、ちょっと衝撃的なところもあるのだ(>o<)

フランスの法規制では、喫煙自体に関する年齢制限は置かれていないんだって。
っていうか、そういう規制の仕方をしている日本はむしろ独特みたい。
フランスでは、18歳未満の子供にはたばこの販売を禁止するとともに、16歳未満の子供のいる学校内での喫煙は禁止なんだって。
でも、これって穴だらけなんじゃ・・・。
実際、誰かに買ってきてもらえばたばこは手に入るし、学校の中はだめでも校門の外ならよかったりするのだ。
自動販売機のないフランスでは、たばこは対面販売なんだけど、年齢確認をしないところもあるので、自分でも買えるみたい。
そうして、放課後に校門を出た瞬間に一服、という感じになるのだ(>o<)
体育館裏で隠れて吸うのとどちらがよいのやら。

こうしてフランスでは若年層の喫煙が多いみたいなんだけど、それ以上に問題なのはたばこのマナー。
日本ではJTが頑張って携帯用灰皿の普及について宣伝していたりするけど、こっちは全部ポイ捨て。
空気が乾燥しているし、木造の建物がないから、たばこのポイ捨てが火事につながることが少ないのかもしれないけど、これはあまりにもひどいよ。
散歩中の犬の「落とし物」も基本は放置なので、道路はそういうものがたくさん落ちているのだ(TωT)
気をつけて歩かないといけないんだよね。

昨年の夏に、たばこの道路へのポイ捨てに関する罰金が35ユーロから68ユーロに上がったそうなんだけど、まったくポイ捨てはなくなっていないよ。
パリ市としても街中に灰皿を設置したりしているみたいだけど、見た目はほとんど効果なしなんじゃないかな。
もう子供に吸わせるんだったら、学校で教えればいいのに!
けっこう狭い道で路上喫煙されているとほんとにいやなんだよね(>o<)
煙いし、手とかに火が当たりそうだし。
もっとフランス政府には抜本的になんとかしてもらいたいよ。

とはいえ、愛煙家の国なので、なかなか規制は難しいみたい。
規制を厳しくしようとすると反対の声が出て、例外を入れられて骨抜きにされたり、厳格に運用されなかったりでなあなあで来ているみたいなんだ。
なので、最悪吸うのは仕方ないとしても、もう少しマナーをなんとかしてほしいよ。
日本は日本式たばこマナーを是非フランスに輸出すべきだね。

2016/09/17

片手はパンでふさがっています

パリに来てびっくりしたのは、街行く人が普通にフランスパン(バゲット)を持っていること。
しかも、紙一枚がくるっと巻いてあるけど、そのままわしづかみ。
さらに、先端が少しかじられている・・・。
フランスでは買い物したときに袋をもらうとお金がかかるので、自分でエコバッグを持ち歩くことが多いのだけど、バゲットは手づかみなんだよね。

フランスに来て外食すると、それこそフランス人は肉や魚などのタンパク質ばかり食べて、日本におけるごはんのような炭水化物の主食をあまり食べないのだ。
もちろん、輪切りのバゲットは食べるけど、主食というほどではないよね。
では、本当に毎日のように見かけるバゲットを持った人たちはどこでそれを食べているのか、すごく気になったのだ。

どうも、フランス人は、家でごはんを食べるときは、かなりバゲットを食べるみたい。
っていうか、あさごはんは、縦半分に切ったバゲットにバターとジャムを塗ったタルティーヌを食べ、昼と夜はメインの料理に輪切りのバゲットを食べるのだ。
スープやサラダだけでなく、パスタや米料理にも!
そして、余ったバゲットは、フレンチトーストにしたり、スープの具にしたり、クルトンにしたり、ペットのえさにしたり。
これならかなりの量を消費していてもうなずけるかも。

どうもフランス人はお気に入りのパン屋(ブーランジェリー)というのがあって、そこのパンを買い続けるのが基本だそう。
なので、外食時にはきっとあまりそこのバゲットは気に入っていないのだ(笑)
ということは、外食時のバゲットは控えめで、うちで食べるときは多め?
こだわりの強いフランス人なので、さもありなん、という感じ。
そうでないと、毎日のようにあの長いバゲットを買う理由が見つからないよね。

フランス人の朝食というとクロワッサンを思い浮かべるんだけど、実はバゲットの方が主流みたい。
クロワッサンはフランス流では「菓子パン」である「ヴィエノワーズ(ウィーン風パティスリー)に分類されていて、主食たる「パン」ではないみたい。
なので、「パン屋」である「ブーランジェリー」と、「菓子パン屋」である「ヴィエノワズリー」は区別されているのだ!
たいていは「洋菓子屋」の「パティスリー」もあわせて同じ店でやっていることが多いけど。

これは厳格に法律などのルールでも分かれているのだ。
フランスにおけるフランスパンは、小麦粉、水、塩及びイーストのみを原料とすることが決まっているんだって。
せいぜい麦芽(モルト)を足すくらい。
なので、砂糖やらバターやらがたっぷり入った「菓子パン」とは異なる存在なのだ。
もともとグルテン含有量の少ないフランス産小麦でおいしいパンを作るために、と工夫を重ねて生み出されたものみたい。
といっても、バゲットが今の形になるのは20世紀に入ってからで、それまでは丸い大きなパンダ他みたいだけど。

そして、「ブーランジェリー」と名乗るのも大変なのだ。
法律で決められていて、パン職人がいて、自分で小麦粉を選び、店内でタネをこね、焼き上げないといけないんだって。
日本のパン屋さんのように、どこかでパン生地まで作っておいて、それをお店で焼くだけではだめなのだ(>o<)
これは厳しい!
それだけフランス人は「フランスパン」に対するこだわりが強いというと。
日本でも、お米はどこ産がいいとか、炊き方はかため/やわらかめがいいとかこだわるけど、なんだかそれ以上だよね。

ボクもフランスになれてきたら、バゲット片手に歩いてみるかな?
といっても、一人じゃそんなに消費しきれないよね・・・。
まさにパンだけ食べる生活になりそうだ。
でも、おにぎりだけでごはんをすませることもあるから、フランス人にとっては普通なのかも。

2016/09/10

かにかま in France

ボクはスーパーが大好きなので、いつも買い物に行くと端から端まで見てしまうんだけど、そこでびっくりするものを見つけたんだよね。
それはかにかま!
普通に魚介類のコーナーに置いてあるんだけど、置いてある量と種類が半端じゃない!
日本の練り物コーナー全部くらいの規模でかにかまが並んでいるんだよ。
ちょっと気になって調べてみたのだ。

すると、なんと、世界のかにかま消費量は日本をはるかに上回るレベルになっているんだって。
日本では年間消費量が5万トン程度、対して、世界では50万トン程度。
かにかま市場はむしろ国外がメインみたい。
しかも、日本から輸出している分もあるけど、すでに海外工場もたくさんあるらしいよ。
ただし、オートメーションで製造する機械は日本が特許を持っているし、日本固有の技術があるので、製造器の世界シェアは日本が一番だって。
テレビでかにかまができる様子を見たことがあるけど、けっこう複雑な工程なんだよね。
スケトウダラなどの冷凍の身をすり身にして、それを細いかまぼこに成形して、最後に束ねて色をつけて。
最初の最初は細長いかまぼこを作って手作業で束ねて固めていたらしいけど、製造器が開発されてからは大量生産ができるようになったのだ。

では、なぜ海外でかにかまがはやっているのか?
くわしくはわからないんだけど、最初は米国だったみたい。
カニの不漁が深刻になったとき、カニの代替品として紹介され、広まっていったとか。
それでカリフォルニアロールに使われるようになり、さらに、サラダの具としても定着していったようなのだ。
おりしも健康志向が重なり、脂肪分が少なく低カロリーで高タンパクなかにかまに注目が集まるのだ。
このときにはもう、カニの代替品というより、ヘルシーなシーフードとして受け取られていたみたい。
それもあって、特に欧州では「surimi」と呼ばれるのだ。

そういえば、日本でも最初は本当のカニの身に似せたものが多かったけど、もう繊維状のかまぼこを束ねただけのかにかまが主流になりつつあるよね。
デフォルメされたと言うより、日本でも「かにかま」という食材として受け入れられているのかも。
かに玉とかでカニじゃなくてかにかまだとあれだけど・・・。
でも、お弁当のおかずなんかでは、むしろかにかまとして使われているから、これはよりグローバルな使い方なのだ(笑)

フランスのスーパーにあるかにかまは「surimi」という名前で、カニ以外のフレーバーもあるし、かにかまをさらに加工した食品(チーズインかにかまとか、かにかまオードブルとか)なんかもあるみたい。
しかも、使う量が半端じゃないようで、日本のものより大量に入っている!
なんとkg単位のものがあるよ。
サラダはもちろん、パスタの具やサンドイッチの具にも。
フランスで売られている寿司はたいていサーモンかかにかまだよ。
というわけで、世界の中でもフランスのかにかま消費量は世界一らしいのだ。

ちなみに、パリでかにかまを買ってみたけど、日本のものより少し大きいくらいで中身は同じ。
ちゃんとかにかまだったのだ。
で、パリのような内陸都市は新鮮な魚介類は高価なので、手軽に使えるシーフードとしてはよいかもね。
もう少しすると、フランス風の食べ方が日本に逆輸入されるかも。

2016/09/03

朝の飲み物

パリに来てから、時々仕事の打ち合わせでカフェを使うのだ。
で、そのとき、せっかくおフランスに来ているから、カフェ・オ・レでもしばいたろ、と思っても、メニューに載っていないんだよね・・・。
これは不思議。
聞くと、パリの街中でカフェ・オ・レを飲むフランス人はほぼいないそうなのだ。
え!、フランスの代表的な飲み物じゃなかったの?

そもそもフランスで「カフェ(コーヒー)」と言えば、普通にエスプレッソが出てくるんだよね。
日本では「フレンチ・ロースト」というと深めに焙煎した濃いコーヒーなので、牛乳を入れてカフェ・オ・レにするくらいだから濃いコーヒーなんだろうな、とは思っていたんだけど。
で、日本でよく飲むような、量が多めでそんなに苦くないコーヒーを飲みたい場合は、「カフェ・アロンジェ」とか「カフェ・ロング」とか「カフェ・アメリケーヌ」とか注文するんだ。
どれもエスプレッソをお湯で薄めたものが出てくるみたいだけど・・・。
本式のドリップコーヒーが飲みたい場合は、スタバに行くのが手っ取り早いよ。

で、どうしても街中でカフェ・オ・レが飲みたい場合は、「カフェ・クレーム」というのを注文するといいんだって。
これはエスプレッソにスチームしたミルクを加えたものなので、正確にはカフェ・ラッテのような気がするけど、カフェ・オ・レのように、温めた牛乳と混ぜられたものが出てくることもあるみたい。
そうか、だからメニューには載っていなかったのか。
ちなみに、メニューにある「カフェ・ノワゼット」は、エスプレッソに少量のミルクを加えたもので、エスプレッソだけだと苦くてつらい、というときに飲まれるみたい。
と言っても、フランスでもイタリアでも、エスプレッソにはじゃりじゃりするほどたっぷり砂糖を入れて飲む人が多いんだけどね。

では、なぜ外ではカフェ・オ・レがメニューにないのかが気になるよね。
確かにフランスではカフェ・オ・レはよく飲まれているのだけど、みんな朝食に飲むんだって!
基本は、家で濃いめに入れたドリップコーヒーと温めた牛乳を用意して、その日の気分で分量を変えながら混ぜて飲むらしいよ。
もちろん、ボウルでたっぷりと。
なので、フランス的には、カフェ・オ・レは家で朝に飲むもの、というイメージなので、外のカフェでは飲まない、ということのようなのだ。
朝から朝食(プチ・デジュネ)を提供しているカフェもあるけど、そこでなら出してもいいような気がするけど、あんまり見ないね。
「家で」というのが大事なのかも。

で、カフェ・オ・レは、コーヒーと牛乳を別に用意して、飲む前に混ぜるというのが基本なんだそうだけど、ネスプレッソなどの家庭用エスプレッソマシーンの普及により、家でドリップしてコーヒーを入れる人が少なくなったので、カフェ・オ・レの作り方も変わってきているらしいのだ。
家でカフェ・オ・レを飲む場合は、温めた牛乳にインスタント・コーヒーを入れる家庭が増えているんだって。
確かに、コーヒーとかにはこだわりがありそうな割に、スーパーで大量のインスタント・コーヒーを見かけるので、おかしいなぁ、とは思っていたんだよね。
ブレンディのCMと同じやり方だ!

そういえば、赴任してからしばらく止まっていたホテルの朝食では、普通にドリップしたコーヒーが出てきていたんだよね。
ボクはそのまま飲んでいたけど、常温の牛乳も置いてあったので、フランス人だったらカフェ・オ・レにしたのかも。
ボクはその牛乳はシリアル用だと思っていたよ(笑)
たしかに、クロワッサンやパン・オ・ショコラもあったから、そうすると、フランス式の、カフェ・オ・レにパンをつけながら、という朝食ができるね。
実は、こういうのもフランスのこだわりなのかなぁ。