2013/03/30

格差社会は違憲?

とうとう広島高裁で先の衆議院選挙を無効とする判決が出たのだ。
これまでも「一票の格差」をめぐっては、「違憲状態である」という判決が出ていたんだけど、合理的な期間内に是正をすることが求められるだけで、すでに終わっている国政選挙を無効とする判決は出ていなかったんだよね・・・。
これはかなりゆゆしきこと。
前回選挙では、一票がもっとも軽いのが千葉4区(野田前首相の選挙区)、もっとも重いのは高知3区で、その差は2.42倍。
ずっと2倍を越える格差が続いているけど、前回、前々回、さらにその前より悪化しているのが問題のようなのだ。

一票の格差問題は常に国会でも話題で、今も「0増5減」の是正案が出ているけど、周知期間の問題や「区割り勧告」との関係もあって、前回選挙までには実現できなかったのだ。
次の選挙には適用されるんだろうけど、それでも大きな改善にはならないんだよねぇ(>o<)
次の選挙がいつになるかがわからないけど、その間にも人口動態が変わるし、なかなか難しい問題なのだ。
ゼロベースで見直しすればいいような気もするけど、国会議員としては自分たちの利害が関係するから、そんなにドラスティックな見直しはしづらいのだ・・・。

衆議院議員選挙の場合は、内閣府に設置されている審議会である「衆議院議員選挙区画定審議会」が、選挙区の区割りに問題があって改定が必要と判断した場合に総理に勧告することになっているのだ(直近では28日に出たばかり!)。
実際には国会で与野党が是正案を議論し、合意したものをかけることになっていて、「○増○減」というのが決まったら、実際にデータを基に選挙区の区割りをしていくんだ。。
ちなみに、委員は7名、任期は5年で、国会同意人事だよ。
この区割りの基準に使っているのはあくまでも人口で、有権者でない子どもも含んでいることに注意なのだ。
衆議院議員選挙区画定審議会設置」第3条において、「前条の規定による改定案の作成は、各選挙区の人口の均衡を図り、各選挙区の人口(官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口をいう。以下同じ。)のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が二以上とならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならない。」と定めていることに由来するんだ。
で、ここに出てくる「最も多いものを最も少ないもので除して得た数が二以上とならないようにすることを基本」というのがいわゆる「二倍の壁」というやつで、「一票の格差」が出るのは仕方がないから、せめて2倍以内に納めようよ、という趣旨だよ。
あくまでも「基本とし」で、後に「総合的に考慮して合理的に行」うこととなっているので、努力目標なんだけど。

このときに出てくる「○増○減」というのは選挙区の増減の話で、議員一人当たりの人口が多すぎる地域では新たに選挙区を増やし、逆に少なすぎる地域では選挙区をへらすことで是正を図るんだ。
今回は「0増5減」なので、単純に選挙区が減るだけで、議員定数も減ることになるよ。
なので国会でも抵抗が強かったんだよね。
例えば、次の区割りでは、千葉や神奈川は全体的に議員一人当たりの人口が多いので選挙区を増やし、逆に議員一人当たりの人口が少ない高知や山梨なんかで選挙区を減らすんだ。
選挙区の数は減らなくても、人口の偏りなんかもあるので、他の地域でも区割りの見直しは行われるのだ。

で、平成6年(1994年)の小選挙区導入のときから構造的な問題となっていたのが「一人別枠方式」という配分方法。
衆議院の小選挙区の場合、過疎地域に厚く配慮するとの理念のもとに、300あった小選挙区のうち、まず各都道府県に1ずつ割り当て、残りの253を人口で比例配分していたのだ。
比例配分は最大剰余方式というやつで、標準的な議員一人当たりの人口を基数として定め、都道府県の人口をこの基数で割るのだ。
このとき、商の整数部分はそのまま小選挙区の数として割り当て、残った選挙区は小数点以下が大きい方から割り当てていくんだ。
ただし、この方法だとどうしても限界があって、一票の格差はなくならないんだよねorz
(議席数の増減で割当数が大きく変わるパラドックスも知られているのだ・・・。)

今回の「0増5減」ではこれを廃止されることになっていて、昨年11月に「衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律」が成立して実現されたのだ。
この法律では、公職選挙法を改正して衆議院定数を480から475に減らす(そのうち小選挙区分は300から295に減らす)とともに、衆議院議員選挙区画定審議会設置法も改正しているんだ。
改正前の衆議院議員選挙区画定審議会設置法では、第3条に第2項があって、「前項の改定案の作成に当たっては、各都道府県の区域内の衆議院小選挙区選出議員の選挙区の数は、一に、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第四条第一項に規定する衆議院小選挙区選出議員の定数に相当する数から都道府県の数を控除した数を人口に比例して各都道府県に配当した数を加えた数とする。」と定められていて、これがまさに「一人別枠方式」の法的根拠だったのだ!
これが今回削除されたことにより、一人別枠方式もなくなったんだ。
すると、今後鳥取や島根で人口減少が続いていくと、それぞれ衆議院の選挙区は全県区になり、さらに人口が減れば、両県でひとつの選挙区、なんてことにもなりかねないんだよ。

参議院の場合はこういう仕組みではなく、あくまでも議院の中で議論、処理されていくのだ。
基本的に参議院は都道府県単位の選挙区と全国比例だから、各都道府県に議席をどれだけ配分するかしかないんだけど。
でも、一票の格差ということでは衆議院をはるかに上回る5倍を越える格差が生じているよ。
3年ごとに半分ずつを改選するというのも問題なんだよね・・・。
これを是正するには都道府県単位の選挙区をやめるしかないので、大きな問題なのだ。
ちなみに、米国の上院のように人口にかかわらず、都道府県ごとに一定の議席を割り振ればよい、という意見もあるんだけど、日本国憲法では、第43条で「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」と定めていて、参議院議員も地方の代表ではなく、全国民の代表という建前なので、憲法改正が必要なのだ・・・。

選挙の違憲判決は、日本国憲法第14条「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」に基づくわけだけど、なかなか難しい問題だね。
今回の是正でどれだけ改善するのかはよくわからないけど、理論的に衆議院の小選挙区制を続ける限りは大きく改善はされないのだ。
それこそ日本全国をひとつの選挙区にして、上位四百数十名を選ぶような選挙なら完全に平等なんだけど、そうなると得票数の少ない下位の方の人は本当に国民の代表かどうかあやしくなるしね(笑)
むかしみたいに中選挙区制を導入すると、けっこう格差は解消できるんだよね。
もともとは二大政党制を目指して小選挙区制を入れたけど、与党に匹敵する大きな野党が育つどころか、むしろ小さな野党が乱立しているような・・・。
さてさて、今度の是正とその後の選挙でどうなることやら。

2013/03/23

かりっとさくっとおいしい○○

ボクの好きなお菓子のひとつにかりんとうがあるのだ。
かりっさくっとした食感、黒蜜の甘さがなつかしい味がするよね。
あればあるだけ食べたくなっちゃうんだけど、油で揚げてあるだけあってカロリーも高いんだよね・・・。
というわけで、そんなに頻繁には食べていないのだ(笑)
それでも、時々食べたくなるんだよねぇ。

このかりんとう、実は由来がよくわかっていないみたい。
江戸時代に砂糖が庶民の口にも入るようになった頃にできたお菓子で、駄菓子のひとつとして定着したようなのだ。
「花林糖」と書いたりもするけど、由来がよくわからないのでおそらく当て字。
もともとは何か意味があったのかな?
意外と、かりっとした糖蜜味のお菓子、というくらいなのかもだけど。

一般に言われている起源はつあって、ひとつは奈良時代に遣唐使によりもたらされた「唐菓子(とうがし)」がもとになったというもの。
唐菓子というのは、小麦粉や米粉、その他穀類の粉を練って生地を作って油で揚げたものがあるのだ。
今でも中国風の揚げパンとして「油条」というのがあるよね。
古来「菓子」と言えば果物かドライフルーツなどの果物の加工品を指していた言葉で、中国由来の新しいお菓子が「唐菓子」と呼ばれるようになったのだ。
すでに中国には砂糖があったので、果物にはない甘さをつけることもかのうだったんだ。
でもでも、当時の日本ではサトウキビの栽培ができていないので、砂糖は中国から来る超高級品。
砂糖を使うような唐菓子ももちろん高級品で、貴族の間で行事や神事・仏事の際に食べられていたようなのだ。
ちなみに、このときうどんのような小麦を使った麺類も同時に伝来しているよ。
せんべいの前身もこのころできたようなのだ。

もうひとつは、南蛮渡来の菓子が普及したというもの。
カステラや金平糖・有平糖などと同様に、南蛮人が伝えたという説なのだ。
実際にスペインにはペスティーニョというかりんとうに似たお菓子があって、やっぱり小麦粉を練って作った生地を上げてから蜜でからめるのだ。
クリスマスなんかに食べるお菓子みたい。
でも、そういうイベント系のお菓子だとすると、南蛮人から伝わるというのも不思議な感じがするけど、どうなんだろ?
もともと中国にも油で生地を揚げる油菓子があるから、たまたま蜜にからめる、というところが一致しただけのような気がするけど。
中国の油菓子がシルクロードを通じてローマに伝わり、それが欧州に根付いたんだったらおもしろいけどね(笑)

かりんとうと言えば食感が特徴的なお菓子だけど、なんでも、関東のものはふわっと感が強く、関西のものはより堅いんだって。
播州駄菓子として知られているかりんとうは堅いようなのだ。
これは上げる前の生地の状態によるんだよね。
かりんとうは小麦粉で練っただけの生地を揚げているわけではなくて、発酵させたり、重曹を加えたりしているようなのだ。
こうすることで生地の中に適度に炭酸ガスが分散し、ふわっさくっとした食感が出てくるのだ。
練っただけの生地を揚げると芋けんぴのように堅くなるだろうから、細長く揚げないと食べられないだろうね。
ボクはふんわり感のある太めのかりんとうが好き(^o^)/

揚げた生地に蜜をからめて乾燥させるとかりんとうになるんだけど、駄菓子としてのかりんとうは黒糖を使った黒蜜をからめるのだ。
一般的(?)な黒いかりんとうだよね。
上品なものでは、上白糖を使った白蜜でからめ、あとからさらにザラメをふったりするよね。
でも、黒蜜の方がコクがあるというか、うまみがあると思うんだけどなぁ。
確かに、白蜜の方がすっきりした甘さにはなるけど。
この辺は好みだね。

ちなみに、最近コンビニなんかでも見かけるようになったかりんとうまんじゅうは、もともとは福島のお菓子なんだって。
黒糖を練り込んだ薄い生地で甘さをひかえたこしあんを包み、油で揚げたものだそうなのだ。
東京で見かける揚げ饅頭はまんじゅうに衣をつけて天ぷらのように揚げたものだけど、こっちはそのまま揚げるタイプなのだ。
揚げることで生地がかりっとした食感になり、黒糖の甘さもあるので、かりんとうに似た風味になるんだよね。
コンビニで見たときにやけにカロリーが高いなぁ、と思っていたんだけど、生地にも黒糖が入っていて、さらに揚げてあるんじゃあねぇ(笑)

2013/03/16

Not Kosa but Emmu

1週間前の昼間、東京の空が黄色く染まったのだ!
なんだか外が暗いなぁと思って外を見たらびっくり。
青いはずの空がまっきっきなのじゃ~ん。
すわっ、黄砂が大量に押し寄せてきた、と思ったんだけど、実はこれ黄砂ではなかったんだよね。
気象庁もそう発表しているのだ。
その日はたまたま朝に黄砂が東京でも観測されていたんだけど、昼間の空が暗くなったのは、強風による「煙霧」というものだったのだ。

「煙霧」というのは、固体の微粒子が空気中を漂っていて、視界が不良になることを指す気象現象。
視界が不良になるという意味では霧や靄(もや)もあるけど、これらは液体の微粒子が空中に浮かんでいるのだ。
なので、霧や靄の中を歩くと体が濡れたりするんだよね。
窓越しに見る分には区別がつかないけど、湿度を見れば一目瞭然。
煙霧は多くの場合乾燥している時に発生するのだ。

というのも、煙霧の主な原因のひとつが、強い風で地上のちりやほこりが舞い上げられることだから。
地理が地面から舞い上がるのが「風塵」という現象で、特に程度がひどくて視程がさらにせまくなると「砂塵嵐」と呼ばれるのだ。
一度舞い上がった地理などが漂い続けているのが「塵煙霧」という状況で、中国の砂漠由来の黄色く砂が日本に飛んでくる黄砂はこの一種だよ。
ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠で起きた砂嵐で巻き上げられた砂が偏西風に乗って日本まで届くのだ。
沿岸地域では、海水の飛沫が空中でずいぶんが飛んでできた海塩粒子が漂う煙霧もあるそうなのだ。
なんだか生臭そう・・・。

こういう自然に発生するもののほかにも、山火事や大規模火災、工場の排煙、旧型のディーゼル車の排気、スパイクタイヤにより削られたアスファルトなどの人工的なものもあるよ。
産業革命後の英国では石炭を燃料としていたので工場の黒い排煙が問題になったけど、このときにできた造語が、「煙(smoke)」と「霧(fog)」を合わせた「スモッグ(smog)」という言葉
まさに「煙霧」なんだけど、気象用語的にはスモッグは煙霧の一部なのだ。
古典的なスモッグは「ロンドン型」と呼ばれ、黒いもの。
これは煤煙などが空気中に漂っている状態だよ。
一方で、日本でおなじみなのは「光化学スモッグ」。
こっちはむしろ白いよね。
これは排気ガス中に含まれる窒素酸化物や炭化水素(ベンゼン等)が紫外線によって光化学反応を起こすことでオゾンなどのオキシダント(酸化性物質)が生成して発生するのだ。
目やのどが痛くなったりするので、発生が懸念されるときは注意報が出るんだよね・・・。

それから、火山が噴火するときに空中に舞い上げられる火山灰によって発生することもあるよ。
火山灰の粒子の大きさがある程度大きいとすぐに地上に降ってくるんだけど(降灰)、粒子が小さいと空中で拡散するんだよね。
風に乗って運ばれるし、空が暗くなるのだ。
日本でも江戸時代に浅間山が噴火したとき(1783年)には江戸でも空が暗くなったという記録が残っているよ。
恐竜が絶滅した原因として提唱されているグレートインパクト仮説では、ユカタン半島付近に超巨大な隕石が落下し、そのときに舞い上げられたほこりでひどい煙霧の状態になった、というものなんだ。
それで太陽光線が長期にわたって遮られ、植物が枯れるとともに地上が寒冷化して、恐竜などの大型の動物が絶滅に至った、とされているのだ。

ちなみに、浅間山の噴火のほぼ同時期に有名な天明の大飢饉が発生しているんだけど、長らく浅間山の噴火による影響だと考えられていたんだよね。
ところが、飢饉が始まったのは噴火より前で、実際には、アイスランドにあるラキ火山のラキガギル割れ目の噴火が原因のようなのだ。
この噴火は世界的に農作物の不作をもたらし、フランス革命の原因ともなったと言われているんだよ!
やっぱり煙霧で時代が動いている・・・。

今回の煙霧は、春が近づいて気温が上がり、湿度が下がっていたところに、西からものすごく冷たい低気圧がやってきて、それで冷たい強風が発生したのだ。
その風により北関東の土埃などが舞い上げられた、というのが真相みたい。
もともと塵などは波長の短い青い光を散乱しやすいので、空中に塵が漂っていると太陽光が黄色から赤く見えるのだ(夕方空がオレンジ色に染まるのと基本的には同じ。)。
たまたま黄色く見えたので、黄砂だ、と騒がれたんだよね。
すでに東京でも煙霧は何度か観測されていたらしいけど、あそこまでいくとびっくりするよね。

2013/03/09

地域の力をうどんに込めて

テレビで特集をやっていてついつい食べたくなって、この前、東京麺通団にうどんを食べに行ったのだ。
麺通団は、香川ではおなじみのスタイルであるセルフ式のうどん店を東京ではじめて導入したお店なんだよ。
チェーン店系のうどんよりおいしいのだ♪
つるっ、しこっ、もちっと讃岐うどんの醍醐味が味わえるのだ!
っていっても、ボクは本場香川の讃岐うどんはまだ食べたことないんだけどね(笑)

この讃岐うどん、むかしから有名なんだとばかり思っていたけど、実は全国的な知名度になったのは1980年代末なんだとか。
1960年代から冷凍うどんで「讃岐うどん」という名称が使われはじめ、ブームがやってきたのが1980年代末なのだ。
今では香川で本場のうどんを食べる、なんてのが観光の目玉だけど、そこまでメジャーじゃななかったなんておどろき!
「うどん県」なんてPRするくらいにまでなるんだからすごいよ。
実は、食の地域ブランドとしては先駆けだったのかな?
古参の御当地グルメという印象だよね(あとは広島のお好み焼き、仙台の牛タン、浜松のうなぎ、博多のもつ鍋とか?)。

香川では、うどんに必要な、小麦、塩、醤油、煮干し(いりこ)が古くから特産で、素地はあったのだ。
戦国時代末期には二毛作も盛んになり、小麦が多く作られるようになったので、それがうどんという形で食べ始められたみたい。
江戸時代には名物にもなっていたみたいで、四国八十八カ所巡りのお遍路さんや金比羅参りの参詣客は讃岐のうどんを食べていたようなのだ。
ただし、当時は醤油は高級品だったので、おそらく冷やしのうどんをごまだれとか味噌だれで食べていたみたい。
伊勢うどんなんかもそうだけど、手軽に食べられるうどんのような食事は観光地では喜ばれたんだよね。

明治・大正とうどん文化は発展を続けて、地元民には常食となっていくのだ。
よくわからない数字だけど、なんでも香川県人は年間に200玉以上のうどんをたべているとか!
それって週に3~4回はうどんを食べている計算になるよね。
中には毎日のように食べている人もいるんだろうなぁ。
まさに県民食!
このころになると、うどんを打てないと嫁にいけない、みたいな話も出てきているみたい。

戦後のもののない次代でも芋やどんぐりの粉、ところてんなんかを使いながらうどん文化が守られたんだって。
涙ぐましいねぇ(ToT)
そこまでしてうどん食文化をまもったからこそ、現在の「うどん県」の繁栄があるのかも。
で、昭和も終わりの頃になって、テレビや雑誌で注目され、一気に全国区に駆け上がるのだ。
ただし、「讃岐うどん」という名称は、生麺で特産とか名産とかを表示しない限りは自由に使われてしまうので、名称に関するトラブルもあるそうだよ。
有名になったが故の悩みだね・・・。

よく東日本ではそば、西日本ではうどんと言われるけど、そばが救荒作物で米が作れないような荒れ地で栽培されるものであるのに対し、小麦は二毛作などで比較的肥沃な土地で栽培されている例が多いのだ。
香川(讃岐)なんかがまさにそうだし、播州手延べそうめんの兵庫(播磨)なんかもそう。
瀬戸内海沿岸地域は比較的乾燥しているので、小麦の栽培に向いているのだ(太平洋側の高知=土佐なんかだと今度は米の二期作になるよね。)。
信越地方の山間部なんかはそばが有名だけど、農地としてやせているので、そばくらいしか作れず、その結果そばをいかにおいしく食べるかという文化が発展した結果なのだ。
関東や東北は関西以西と比べてやっぱり土地があまりゆたかでないので、そばが多かったんだよね。
でも、上州名物水沢うどんや秋田名物稲庭うどんのような例もあるよ。
関東でも地域によっては二毛作ができるので、群馬(上野)のような地域では小麦食も盛んなのだ。
東北なんかは、寒冷な気候でむかしは稲作に適していないところもあったので、そういったところではより寒さと感想に強い小麦が栽培されたんだよね。

讃岐うどんの特徴と言えば、コシとだし。
大阪のうどんなんかはむしろやわらかさをウリにしているんだけど、讃岐うどんはしこしこもっちりがウリなのだ。
これは製法の違いで、讃岐うどんを手打ちする場合は、生地を練ってから足で踏みつけ、ちょっと寝かせてからまた生地をたたんで踏みつけ、という工程を繰り返すんだ。
こうすることで、強いコシが生まれるんだって。
でも、これった「足打ち」?
ちなみに、テレビでやっていたけど、こうやって作ったうどんは機械打ちのうどんとは違い、麺にミルフィーユ状の層構造が見えるらしいよ。
寝かせて折りたたんで踏みつけるたびに層になっているのだ。
その積み重ねが強いコシの秘密みたい。
網目状のシートになったグルテンが何層も重なっているということなんだろうね(機械打ちだと網目構造が三次元に広がっているだけのはずなのだ。)。

そして「いりこ」のだし。
だしというと昆布や鰹を思い浮かべるけど、讃岐うどんにはいりこが欠かせないのだ。
強いコシのうどんに勝つには、いりこのちっと生臭いくらいの強い味が合うみたい。
その代わり、薬味としてネギやショウガを多用するんだって。
ボクは生醤油や釜玉(っていうか、それに納豆を加えたネバ玉)みたいな食べ方がわりと好きだけど、透明感があるのにしっかりしたコクのあるいりこだしのつゆも捨てがたいのだ。

なんてことを調べていくと、またうどんが食べたくなってくるなぁ(笑)
天ぷらやおでんと一緒にまたうどんを食べて来ようかな?
でも、一度香川で山の中にあるような地元の人が集まるうどん店にも行きたいんだよね。

2013/03/02

今世紀最大級!

今世紀最大規模の寒波が来ているのだ(ToT)
寒いはずだよね。
東京でも最低気温が氷点下になるほどだし、東北以北では雪もすごいみたい。
と言っても、まだ21世紀は13年目だから10年に1度の寒波なのかもしれないけど・・・。

ボクは寒波というくらいなので、冷たい空気の塊(気団)が波のように押し寄せてくるものとばかり思っていたけど、これは言い得て妙な表現だったのだ。
もともと北極上空には非常に冷たい北極気団と呼ばれる気団ができるんだって。
これは極循環という現象によって発生するもので、極域では太陽の高度が低くて受けられるエネルギーが少ないので、それだけ冷えていて、大規模な下降気流が常に発生しているんだって。
もう少し緯度の低いところ、中緯度地域であたためられて上昇した空気が熱を奪われ、極域付近に下りてくるのだ。
これが極循環という現象で、極域の極点近傍では極高圧帯という冷たい高気圧団ができて、それより緯度の低い中緯度地域との境あたりには高緯度低圧帯という少しだけあたたかい低気圧団ができるんだ。

同じような循環は中緯度地域にもあって、低緯度地域であたためられた空気が高緯度地域と中緯度地域の境くらいで冷やされて下降するのだ。
これがフェレル循環で、同じように、赤道付近であたためられた空気が中緯度地域との境あたりで下降するのがハドレー循環。
こうして地球には緯度によって3つの空気の循環に分かれているんだ。
それぞれの循環の境目には非常に強い空気の流れがあって、ジェット気流と呼ばれているよ。
飛行機に乗るときによく耳にするよね。
ちなみに、それぞれの空気循環の中では決まった風の流れがあって、高緯度では極東風、中緯度地域では偏西風、低緯度地域では貿易風と言うのだ(偏西風は西向きだけど、他は東向きの風だよ。)。
こっちは船での航海のときに大事だよね。

この大規模な3つの空気循環は各地域の気象・気候に大きな影響を及ぼしているんだけど、固定的なものではなくて、勢力に変動があるようなのだ。
極高圧帯の勢力が強くなって広がって来ると、冷たい空気はより緯度の低い地域にもやってくることになるよ。
これが俗に言う「寒波の南下」で、実際には南に移動してくるわけではなくて、南に「せり出して」来るのだ。
極高圧帯と中緯度高圧帯の気圧差が大きい場合、ジェット気流が強まるので勢力の均衡が保たれるようなんだけど、気圧差が小さくなると冷たい空気がしみ出してくるようなのだ・・・。
この気圧差の変動(北極振動)は数週間から数十年の複数の周期でパターンがあると言われているので、寒波もある程度周期的にやってくるということなんだ。
勢力が拡大して押し寄せては、また勢力が減退して引いていく、という意味で、「波」というのはよい表現というわけ。

寒気が北から下りてくるので、緯度が高ければ高いほど寒波に見舞われる機会が多く、期間も長くなるのだ。
この寒気が南下してくるときは、南側のあたたかい空気との間に寒帯前線ができ、そこでは大きな低気圧が発生しやすくなるんだって。
これが寒波による強風や大雪の直接の原因で、低気圧が大きくなるとより寒気を巻き込むように引き込むので、強くて冷たい風が吹き、まずます寒くなるのだ(T_T)
これがちょうど日本に起こった現象だね。

もともと寒い地域は寒いのになれているので、いつもより寒いなぁ、というくらいなんだけど(雪の量が増えたりするので実際にはけっこう大変だけど)、普段あまり寒くない地域は一大事なのだ!
雪がもともとあまり降らない地域で雪が降ると交通も麻痺するし、路面凍結で車の事故やけがをする人が出るんだよね。
さらに、氷点下の気温になると、水道やガス管が凍結して破裂するなんて事故も・・・。
そういうことを想定していないので対策も十分ではないこともあって、非常に危ないのだ(>o<)
まさに東京でも氷点下の気温になっているしね。
これで雪も降っていたら、路面凍結も加わってかなりの大事だよ!

というわけで、寒波がどうやって来るかはわかったんだけど、けっきょくは防ぎようはないんだよね。
ただし、来そうなのかどうかは事前にある程度予測できるので、大寒波が想定されたらしっかり対策することが必要なのだ。
今回の寒波がいったんは引いてくれたみたいだけど、今後も油断ができないよ。
備えあれば憂いなし。