2008/04/29

Sweet Alcholic Beverage

このまえ神社で甘酒のふるまいを受けたのだ。
ボクはお酒は苦手だけど、甘酒はけっこう好きなんだよね。
ほんのり甘くて、アルコールの香りもして、飲み口もさわやかなのだ。
でも、最近の市販のものの中にはあんまりできのよくないものもあって、それは甘ったるくてしつこくて、後味もよくないんだよね(>_<)
手間がかかっても、むかしながらの製法できちんと作ってあるのがおいしいようなのだ。

家で甘酒を作るときは、酒粕を買ってきて、よく砕いてから水にといて煮るんだよね。
酒粕はあんまり甘くないから、ここに砂糖と少量の塩を加えて味を調えるのだ。
最近では生姜も入れてより体が温まるようにしているものも多いよね。
生姜の味でさっぱり感も増すのだ。
でも、酒粕にはけっこうアルコール分が含まれているので、お酒に弱い人は注意が必要だし、車の運転などをする人はのまない方がよいんだよね。

で、この酒粕から作る方法は実は簡略製法で、甘酒風の飲み物を簡便に作る方法として確立されたものなんだ。
むかしながらの甘酒は、おかゆややわらかめに炊いたお米に米麹を加えて50~60度に保温し、一晩おいて発酵させて作るのだ。
すると、その間に麹菌によってデンプンが分解されてブドウ糖ができる糖化が起こるのだ。
それで甘みが出てくるというわけ。
一晩おいて作るので、古くは「一夜酒」とも言われていたそうだよ。

で、このとき同時に少しアルコール発酵も起きてしまうので、ほんのりお酒の香りがするというわけ。
ビールなんかは麦芽を糖化してからそれをアルコール発酵させる二段階発酵なんだけど、日本酒の場合は麹による糖化と酵母によるアルコール発酵が同時並行に起きる製法で、甘酒でもそれが少し起こっているというわけ。
さらに、乳酸菌なんかも混入していて、乳酸発酵も起きているらしいのだ。
すると、その乳酸の酸味でよりさっぱり感が出るんだって。
本来は糖化によるほんのりとした甘みと、その少しの乳酸でさわやかな飲み物になるのだ。
でも、保温温度が高すぎると糖化も進まないし、雑菌が繁殖してしまって、風味も悪くなるし、すっぱくておいしくないそうだよ(>_<)
で、この本式製法ではもともとは
糖分を添加しないんだけど、最近は加えているものもあるいたい。
ボクはさっぱりした甘さが好きだから、加えない方がよいな。

現在では甘酒というと、冬に飲む体を温めるものだけど、江戸時代には夏に冷やしたものや熱くしたものを飲んで暑気払いをしていたみたいなのだ。
酒蔵では冬に日本酒を仕込むけど、夏の間は甘酒を作って副業にしていたというのもあるみたい。
俳句では今でも夏の季語だそうだよ。
で、この甘酒、どちらの製法で作っても麹や酵母が含まれているので、必須アミノ酸やビタミンB群がたくさん含まれていて、健康的な飲み物なのだ。
夏ばてにもぴったりなので、夏に飲むのもよいんだよ。
栄養補助剤としてビール酵母を食べるのと一緒だよね(笑)
甘酒や酒粕の方がおいしくてはるかによいのだ♪

2008/04/26

花の蜜と糖蜜

今日は根津神社につつじ祭りを見に行ったのだ。
ツツジと言えば、小学生のときはよく花を摘んで、花のつけ根の少し白くなったところをちゅーちゅー吸っていたのだ。
ここには蜜があるんだよね。

虫媒花は昆虫に花粉を運んでもらうために蜜を出して、それで引きつけて昆虫の体に花粉をつけ、運んでもらうのだ。
昆虫は紫外線で世界を見ているのだけど、花を紫外線カメラで撮影すると、蜜のある場所を示すような模様が出てくるんだよね。
人間の見ている可視光の世界の色鮮やかさとはまた違った模様が表れるのだ!
どちらかといえば、花粉を運んでくれる昆虫の方が大事なんだけどね(笑)

花の蜜の中にはブドウ糖や果糖などの糖類が含まれていて、そこにさらに香料成分なども入っているのだ。
でも、この花の蜜とハチミツでは成分が違っているのだ。
これは、ハチが一度蜜を食べて濃縮・加工してはき出してためているのがハチミツだからなのだ。
なので、花の蜜を集めてもハチミツみたいには使えないんだよ。
裁定でも煮詰めないといけないのだ。
花の蜜はハチミツに比べてかなり薄いんだよね。

煮詰めるといえば、大学芋なんかにかける蜜は砂糖を煮詰めて作るんだよね。
もっとも単純な製法は本当に砂糖水を煮詰めていくだけなのだ。
砂糖水を煮詰めていくと、どんどん糖の濃度が高くなるので、その分とろみも増してくるんだよね。
さらに熱を加えていくと、中で糖の重合反応も起きてきて、独特のべとべとした粘りが出てくるのだ。
さらに、170度以上の熱が加わるとカラメル化も起きて、茶色い色がついてくるんだよね。
大学芋なんかに使うには少し飴色になった方がおいしそうだから170度を超えてもよいのだけど、お菓子や料理のつや出しに使うときは透明度が高い方がよいので、低温で煮詰めていく必要があるのだ。

この砂糖水を煮詰めて作る糖蜜と似たようなものに水飴があるけど、製法が違うのだ。
水飴はもともと糖が重合しているデンプンなどを分解することで麦芽糖やブドウ糖などの甘みのある糖を作り出したもので、最初から甘いものにとろみをつけた糖蜜とは違うのだ。
甘くも何ともないものを甘くしたものなんだよね。
成分はたいして違わないとは思うけど。
むかしは発芽玄米の酵素を使ってデンプンを分解して作ったりしていて、砂糖が精製できるようになる前から比較的簡便に作ることができる甘味料だったので貴重だったのだ。

というわけで、似ているように見えてもけっこう違うものなんだよね。
花の蜜は薄い糖の水溶液なので、それを煮詰めていったら糖蜜に近いものができるかも。
それで大学芋を作ったら、花の香りのする大学芋になるかな?

2008/04/19

ふんわりお菓子

今日は寺通が丘のスイーツフォレストで、チョコレートムース入りのオレンジババロアを食べたのだ。
ビターなチョコと酸味のある柑橘類の組み合わせでとてもおいしかったのだ。
ボクの好きな味なんだよね。

で、そんなスイーツを食べ的になったのがババロアとムースの違い。
どっちも同じようなふんわり系のお菓子だけど、使い分けているくらいなのできっと作り方なんかが違うんだろうな、と思ったんだけど、なんと違いはとてもあいまいなのだ!
よりぷるぷる感があるのがババロアで、よりふんわりしているのがムースと呼ばれることが多いみたい。
後は作った人がどっちで呼んでいるかみたいだよ(笑)

ババロアはフランス語で「バイエルン地方の」という意味の形容詞で、バイエルン王国の貴族のためにフランス人菓子職人が作ったことからそう呼ばれるようになったと言われているんだって。
もともとその地方にあったクリーム状の飲み物をゼラチンで固めたものだったらしいのだ。
今のババロアは、泡立てた卵黄と砂糖に鍋で温めてゼラチンを溶かした牛乳を加え、そこに泡立てた生クリームと卵白を混ぜてから型に入れて固めるそうだよ。
それがベーシックなクリーム色のババロアで、これに様々なフルーツのソース(たいていは酸味のあるものだよね。)をかけるのだ。
プリンよりもさらにふんわりぷるぷるしているのが特徴だよね。

一方、ムースはフランス語で「泡」を意味する言葉で、フルーツのピューレやチョコと泡立てた生クリームを混ぜ、固めたものなのだ。
ババロアと同じようにゼラチンを使うんだけど、ゼラチンはつなぎ程度でよりふんわり作るんだって。
さらに、ババロアは卵黄が重要だけど、ムースの場合はゼラチンと一緒につなぎに使う程度のようで、量は少ないようなのだ。
ババロアは上からソースをかけることが多いけど、ムースははじめからフルーツ味やチョコ味のものを作るのも特徴だよね。
型に入れて固めるというよりは、ふんわりまとめて冷やして食べるというところが食感の違いみたい。

で、」作り方なんかから見ると一応違いはあるんだけど、でもできあがるものには対して違いはないので、やっぱり主観が重要なようなのだ。
今回ボクが食べたものも、外側はよりぷるおうる、中はよりふんわりなので違いがあるから使い分けているのかな?
ま、おいしければ何でもいいんだけどね(笑)

2008/04/13

小麦粉でもくず餅とはこれいかに

今日は雨だったけど、お散歩したくなったので、雨に映える花の藤の花を見に亀戸天神に行ってきたのだ。
亀戸の名物と言えばなんといっても船橋屋のくず餅なのだ。
ここのくず餅はぷりぷりしていておいしいんだよねぇ。
あっさりした甘みがよいのだ。

くず餅はくず餅と言うだけあって、本来はくず粉で作るんだよね。
関西のくず餅はきちんと本葛のデンプンで作ってあって、透明感があるのだ。
水でといたくず粉に砂糖を加え、火にかけて練ってとろみを出してから冷やして作るのだ。
冷蔵庫で冷やすと難くなるし、透明感もなくなるので、流水で冷やすのがいいんだって。
このくず餅であんこを包むと夏のお菓子の水まんじゅうになるのだ。

でも、関東のくず餅はくず粉じゃなくて小麦粉を使うのだ。
関東ではくず粉が手に入りにくかったからなんだろうね。
でも、小麦粉はそのまま使うとタンパク質を多く含みすぎているので、ぷるんという感じではなくてねっとりしてしまうのだ。
なので、小麦粉を水にさらして乳酸発酵し、タンパク質を壊してデンプンだけを取り出すのだ。
船橋屋のくず餅は、地下天然水で15ヶ月も発酵させてから作るらしいよ。

小麦粉は主にタンパク質(グルテン)の含有量で、多い方から強力粉、中力粉、薄力粉、と分かれていて、用途によって使い分けているのだ。
麺類なんかはコシがあった方がおいしいのでタンパク質の多い強力粉が使われて、天ぷらの衣なんかはさっくりしている方がおいしいのでタンパク質の少ない薄力粉を使うのだ。
で、この強力粉とか薄力粉は下になっている小麦の種類の違いで、あとからタンパク質の多い部分を取り出したりしているわけではないのだ。
なので、くず餅も乳酸発酵させてタンパク質を減らすという工程になっているわけ。
江戸時代にはすでにこういう製法があったんだから、すごいことだよね。

ちなみに、スーパーなんかで売っている、安くて日持ちするくず餅は、小麦粉どころか、ジャガイモのデンプン(つまり市販の片栗粉みたいなもの)で固めてあって、さらに、砂糖が大量に入っているので日持ちするんだって。
もはやここまで来ると似て非なるものなのかも。
ボクは安い物好きだけど、こういうお菓子だけは本物志向なのだ(笑)

2008/04/08

米国風犬

米国発祥らしいけど、米国にいたときは食べるどころかみることもなくて、日本に帰ってきてから食べたものがあるのだ。
それはアメリカンドッグ。
最近はコンビニなんかでも売っているから、ちょっと小腹が空いたときによいよね。
衣がある分、フランクフルトより腹持ちがよいのだ。

日本のアメリカンドッグは串を刺したフランクフルトにホットケーキミックスなどの衣をつけて揚げたものなのだ。
でも、これは日本独自の名称で、米国から伝わったからそう呼ばれるだけみたい。
米国では衣にトウモロコシ粉を使ったコーンブレッドを生地に使うのでコーンドッグと呼ばれているそうだよ。
単にホットドッグと呼ぶこともあるようなのだ。
でも、ボクは1年間米国にいたけど見たときはなかったのだ。
球場とかに行くと売っていたのかな?
パンにはさんだホットドッグはどこでも見かけたけどね。

アメリカンドッグはケチャップとマスタードで食べることが多いけど、北海道の方では砂糖をまぶして甘くして食べることもあるんだって。
名前もフレンチドッグと言うらしいのだ。
フレンチトーストのイメージなのかな?
でも、日本のアメリカンドッグもホットケーキミックスを衣にしているからもともと少し甘いんだよね。
ソーセージが入っているからお買いsという感じでもないし、確かに不思議なものなのだ。

おそらく、米国のものは甘みのそんなにないコーンブレッドなので、手軽にソーセージと炭水化物がとれるものなのだ。
衣をつけて揚げるだけだから調理も簡単だし、ソーセージをゆでて、蒸したパンにはさむホットドッグより簡単に作れるよね。
でも、日本だともともとコーンブレッド生地があまり普及していないので、きっとホットケーキミックスで代用したんだろうね。
むかし高速のサービスエリアで売っていたアメリカンドッグはほとんど衣でソーセージが小さかったから、むしろ惣菜パンケーキみたいな感じだったんだよね(笑)そういうところはカレードーナツ(ドーナツ生地にカレーを入れて揚げたもの)に似ているかも。

2008/04/05

インド+イギリス=日本

ボクはカレーパンが大好物なのだ。
あんパンも好きだけど、やっぱりカレーパンが一番!
大学生の頃はそれこそ毎日のように食べていたのでほぼ主食だったんだよ(笑)
米国に留学していた頃は食べられなかったので、今日ひさびさに食べることができたんだ。

あんパンなんかは由来がはっきりしていて、銀座の木村屋で日本人の口に合う独自のパンとして考案され、幕末の三舟の一人、山岡鉄舟さんを通じて明治天皇の口にも入り、一気に日本中に普及したのだ。
この歴史はよく知られているんだけど、カレーパンはよくわからない、というのが正直なところなのだ。
深川森下には、元祖カレーパンの店として知られるカトレアというお店があって、ここのカレーパンは具も大きくて揚げてあるけどあっさりしていて絶品だけど、本当にここが発祥がどうかは意見が分かれているみたい。
昭和初期に「洋食パン」のなで考案されたものが元祖カレーパンと呼ばれるものだそうだけど、本当のところはどうなんだろう?

カレーパンは惣菜パンの代表選手だけど、揚げパンになっているところも特徴だよね。
最近では焼きカレーパンといって、普通に焼成したパンの中にカレーが入っているようなものもあるのだ。
でも、やっぱり王道は揚げパン。
その揚げカレーパンにも実は2種類あって、揚げパンとドーナツがあるのだ。
原材料はほぼ同じようなものなんだけど、揚げパンの場合はイースト菌で発酵させてあって、ドーナツの場合はベーキングパウダー(重曹)をまぜてふくらませているんだよね。
そこが大きな違いなのだ。
それに、ドーナツの場合はショートニングなんかも使うので、生地がよりさっくりしているんだよね。

カレーパンの作り方は簡単で、生地に冷たくしたカレーを包んで揚げるのだ。
カレーは冷たいとかたまる性質をうまく利用しているんだよね。
揚げたてで食べると、中のカレーがとろとろになっていて、やけどしそうだけどそこがまたおいしいんだよね。
でも、カレーパンに使われるカレーはごはんにかけるカレーよりはとろみが強くしてあって、カレーが液状にもどってパン生地がべちゃべちゃにならないようになっているのだ。
なので、あまったカレーをそのまま生地で包んでもあまりうまく行かないんだよね。
小麦粉なんかでさらにとろみを増す必要があるのだ。

カレーパンはロシアの揚げ惣菜パンであるピロシキに似ているけど、ピロシキを参考にして作られたとも言われているんだって。
でも、その違いは表面のさっくり感。
カレーパンの場合は揚げる前にまわりにパン粉をつけて、さくさく感を増すのだ。
これがおいしさの秘密でもあるんだよね。
電子レンジで温めてしまうとこのさくさく感がなくなるのが残念なんだよね。
ボクなんかはそのまま冷めたものを食べるか、温める場合はレンジで温めてからさらにオーブントースターで少し表面を焼いて食べるようにしているんだ。
そうすると、比較的揚げたてに近い味になるんだよね。